OSなしゲーミングPCを購入可能なBTOメーカー一覧・購入方法まとめ
FF14をはじめした主要なMMORPG等を快適にプレイできるPCを、BTOメーカーで購入すると20万円〜が目安になるため、すぐには手を出せない方も多いのではないでしょうか。そこで、少しでも予算を下げたいという方には「OSなしモデル」がおすすめです。
筆者調べでは最大2万円ほど安くなるため、浮いたお金でゲームを購入することも可能になります。そこで今回は、OSなしゲーミングPCの使い道や、購入することができるBTOメーカーの一覧・購入方法について解説します。
OSがないパソコンとは?使い道は?
通常、購入したPCにはWindows OSやMac OSがインストールされています。
ちなみに、筆者の場合はWindows11がインストールされています。こうしたOSは「基本ソフトウェア」に該当します。
一般的なPCの用途である「WEBブラウザを利用したネットサーフィン」や「オンラインゲームのプレイ」などは、いずれも「応用ソフトウェア」に該当。
応用ソフトウェアは、基本ソフトウェアの機能をベースに作成されているため、OSがないPCは「何もできない」のとほぼ同義。一般的なPCとして使用することはできません。
そのため、OSなしモデルは以下のような方におすすめです。
- 既にWindows OSのライセンスを持っている
- Linuxなどの無料のOSを入れることができる
【OSなしPCの使い道】Windows OSを持っている場合
OSなしPCの基本的な使い道は、「自身で既に保有しているOSをインストールして使う」というものです。Windows OSを持っている場合は、Windowsをインストールすることが多いでしょう。
引用元:Microsoft
すでにWindows OSを所持している場合は、OS搭載型のPCを購入する必要は無くなります。例えば、他のPCで使用可能なWindows OSのライセンスキーや、インストールメディアを所有しているケースが代表的。
浮いた金額をパーツのアップグレードや周辺機器に使えるので、コスト面で優れます。ただし、後述する手順に従ってインストールメディアを作成して、新しいPCへ自分でOSをインストールする必要があります。
【OSなしPCの使い道】Chrome OSやLinuxをインストールして使う場合
引用元:Red Hat
パソコンのOSにWindowsではなく、Linux系OSやChrome OSを採用したいケースもあるでしょう。たとえばパソコンをサーバーとして利用したい場合は、無料で利用できるLinux環境は大きな強みとなります。代表的なLinuxディストリビューションには、Ubuntuが挙げられます。
引用元:Ubuntu公式
なお、近年はSteamで販売されるPCゲームの約8割がLinuxに対応しています。
引用元:Steam Deck公式
たとえば2022年2月に発売された「Steam Deck」では、Arch LinuxをベースとしたSteamOS 3.0が採用されています。Linuxが、今後PCゲーム向けのOSとして普及していく可能性も十分にあるでしょう。
OSなしPCの価格はいくら?OSありと比べて安い?
実際にOSなしのPCはどれくらいの価格で販売されているのでしょうか。
今回はサイコムのゲーミングPC「G-Master Spear X570A II」で構成を組んだ場合の例をご紹介します。
構成 | OSあり | OSなし |
---|---|---|
OS | Microsoft® Windows10 Home (64bit) DSP版 (標準) | なし |
CPU | AMD Ryzen 7 3700X Matisse [3.6GHz/8Core/TDP65W] 搭載モデル (標準構成価格223,190円) | |
CPUグリス | CPUクーラー付属グリス (標準) | |
CPUファン | Noctua NH-U12S redux [空冷/CPUファン]★高性能CPUグリス NT-H1塗布済 (標準) | |
マザーボード | GIGABYTE X570 AORUS ELITE [AMD X570chipset] (標準) | |
メモリ | 16GB[8GB*2枚] DDR4-3200 [メジャーチップ・8層基板] Dual Channel (標準) | |
グラフィックボード | GeForce RTX3060 12GB ASUS製DUAL-RTX3060-12G [HDMI*1/DisplayPort*3] (標準) | |
ストレージ | Intel SSD 670p Series [M.2 PCI-E SSD 512GB] ★新入荷 (標準) | |
光学ドライブ | 【黒】DVD; ASUS DRW-24D5MT+ 書込みソフト (標準) | |
PCケース | 【黒】CoolerMaster CM694 (標準) | |
電源ユニット | SilverStone SST-ST75F-GS V3 [750W/80PLUS Gold]★フルモジュラー高品質電源がお買い得!★ (標準) | |
電源ユニット | 223,190円(税込) | 203,210円(税込) |
引用元:サイコム
標準構成でPCを組んだところ、OSありの場合は223,190円、OSなしの場合は203,210円になりました。差額は19,980円なので、なんと2万円近くも安くなることになります。サイコムはOSなしモデルの価格差が特に大きいメーカーなのでおすすめです。
OSなしのゲーミングパソコンの取扱いがあるBTOメーカーまとめ
既にWindowsを保有している方や、LinuxやChrome OSの導入を検討している方に向け、OSなしのゲーミングパソコンの取り扱いがあるメーカーを紹介します。
サイコム
引用元:サイコム
「サイコム」は20年以上の実績がある老舗BTOパソコンメーカーで、カスタマイズの自由度の高さが魅力です。パーツの選択肢が多いと相性が心配ですが、「サイコムあんしん相性チェッカー」できちんとチェックされるため、BTO初心者でも安心です。
サイコムの代表的なゲーミングPCブランドが「G-Master」シリーズです。基本モデルはCPUメーカーとケースサイズで4種類に分かれており、CPUとグラボを水冷化した「デュアル水冷」モデルも選べます。
代表的なモデルの1つである「G-Master Spear Z590」の概要は以下の通り。
引用元:サイコム
公式通販サイトURL | https://www.sycom.co.jp/custom/model?no=000796 |
---|---|
CPU | Intel Core i7-11700K |
グラボ | NVIDIA GeForce RTX 3060 |
メモリ | 16GB DDR4-3200 |
ストレージ | 512GB SSD NVMe Intel 670p Series |
参考価格 | 244,060円 (税込) |
一般的な構成のゲーミングPCですが、パーツ構成の選択肢が豊富です。例えば、MSI製の「GeForce RTX 3070 VENTUS 2X OC」へ40,190円でアップグレードできます。まるで自作PCのように自由に選べるのは大きなメリットです。
ドスパラ
引用元:ドスパラ
「ドスパラ」は最も知名度の高いBTOパソコンメーカーのひとつ。ドスパラの魅力は実績とサポート体制の充実と品揃えの良さです。ドスパラは自己責任で故障が生じた際も無料で修理できる「セーフティサービス」を利用できます。そのため、BTOパソコン初心者にとって特に安心感の高いメーカーです。
ドスパラで代表的なゲーミングPCブランドは「GALLERIA(ガレリア)」です。代表的な製品としては「GALLERIA XA7C-R37 H570搭載」が挙げられます。
引用元:ドスパラ
公式通販サイトURL | https://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=&mc=10074&sn=4155 |
---|---|
CPU | Intel Core i7-10700 |
グラボ | NVIDIA GeForce RTX 3070 |
メモリ | 16GB DDR4-2933 |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
参考価格 | 209,980円 (税込) |
非常にコスパの高いミドルエンドゲーミングPC。ほとんどのゲームはWQHDの解像度でも快適にプレイできるでしょう。
注意点は、ドスパラのガレリアではOSなしモデルを選べないこと。ただしクリエイター用PCの「raytrek(レイトレック)」や通常モデルのMonarch(モナーク)では、OSなしモデルを選択できます。Windows 10 Home搭載モデルと比べて7,700円ほど安くなるのでお得です。
ツクモ
引用元:ツクモ
「ツクモ」はヤマダ電機のグループ企業が運営しているBTOパソコンメーカーです。大手家電量販チェーンの経験を活かしたサポート体制や、頻繁なセールによるお得感がツクモの魅力です。
ツクモで代表的なゲーミングPCブランドが「G-GEAR」です。「G-GEAR」「G-GEAR mini」「G-GEAR neo」「G-GEAR alpha」があり、多数のベースモデルからカスタムできます。今回ご紹介するのは注目度の高いモデル「G-GEAR GA7J-G212/T」です。
公式通販サイトURL | https://www.tsukumo.co.jp/bto/pc/game/2021/GA7J-G212T.html |
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CPU | Intel Core i7-11700 |
グラボ | NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti |
メモリ | 16GB DDR4-3200 |
ストレージ | 1TB SSD NVMe |
参考価格 | 239,800円 (税込) |
ほとんどのAAAタイトルに対応できる構成のゲーミングPCが約24万円で手に入ります。なお、オーバークロック版CPUのCore i7-11700Kは11,000円、32GBメモリへのアップグレードは13,200円で行えます。
引用元:ツクモ
ツクモではカスタマイズ画面でOSなしの構成を選択できます。今回のモデルでは5,500円安くなりました。
STORM
引用元:STORM
「STORM(ストーム)」はPCパーツ商社のアイティーシーが運営するBTOパソコンメーカーです。STORMの魅力はデザイン性や品質の高さ。特にケースのデザイン性の高さは圧倒的で、スタイリッシュなPCも構成できます。
STORMで体表的なゲーミングPCブランドが「ゲーミングパソコン PGシリーズ」です。フロントメッシュとRGBファン搭載の「PG-P」や、ARGBファンを採用した「PG-D」とアルミ仕様の「PG-M」の3種類から選べます。今回は「PG-PNT」をご紹介します。
公式通販サイトURL | https://www.stormst.com/products/detail/1466 |
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CPU | AMD Ryzen 7 5800X |
グラボ | NVIDIA GeForce RTX 3070Ti |
メモリ | 16GB DDR4-3200 |
ストレージ | 1TB SSD NVMe |
参考価格 (セール時) | 266,800円 (税込) |
グラボはVRAM8GBのRTX 3070Tiを搭載しており、WQHDでも余裕があります。
引用元:STORM
STORMでは、上記のようにカスタマイズ画面でOSなしを選択することができます。今回ご紹介したモデルでは8,000円安くなりました。
パソコン工房
引用元:パソコン工房
「パソコン工房」は株式会社ユニットコムが運営しているBTOパソコンメーカーです。知名度はそれほど高いわけではありませんが、すでに30年以上の実績があります。パソコン工房の魅力はセールの充実度と品揃えの分かりやすさです。
パソコン工房で代表的なブランドが「iiyama PC」です。ベースモデルがIntel CPUとAMD CPUで合わせて12モデルあり、そこからカスタマイズを加えることができます。特に注目度の高いモデルは「LEVEL-R059-117K-VAX」です。
公式通販サイトURL | https://www.pc-koubou.jp/products/detail.php?product_id=817785&pre=bct1874_bnr_int |
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CPU | Intel Core i7-11700K |
グラボ | NVIDIA GeForce RTX 3080 |
メモリ | 16GB DDR4-3200 |
ストレージ | 1TB SSD NVMe |
参考価格 (セール時) | 265,980円 (税込) |
CPUとグラボの双方がハイエンドモデルなので、4K解像度にも対応できるスペックがあります。タイトルによってはメモリが気になるケースがあるかもしれませんが、15,000円ほど追加すると32GBに拡張できます。
引用元:パソコン工房
なお、パソコン工房ではカスタマイズ画面でOSなしモデルを選択可能です。Windows 10 Home搭載型と比べて5,500円ほど安くなります。
SEVEN
引用元:SEVEN
「SEVEN」は株式会社セブンアールジャパンが運営するBTOパソコンショップです。
SEVENはマザーボードやグラボの選択肢が多いことが特徴。「ASUS ROG CROSSHAIR」などハイエンドマザボや、ベンダー製のハイスペックグラボも選べます。パーツにこだわりたい人には、最も魅力的なメーカーのひとつでしょう。
SEVENで代表的なゲーミングPCブランドが「ゲーミングPC ZEFT」です。高品質なパーツを使用しており、カスタマイズ性も高いため理想のモデルを制作できます。特に注目度が高いのが「ZEFT R35C」です。このモデルの概要を見ていきましょう。
公式通販サイトURL | https://pc-seven.co.jp/spc/13503.html |
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CPU | AMD Ryzen 9 5900X |
グラボ | NVIDIA GeForce RTX3080Ti |
メモリ | 32GB DDR4-3200 |
ストレージ | 500GB SSD NVMe (WD製) 2TB ハードディスク |
参考価格 (セール時) | 395,780円 (税込) |
OS搭載モデルの場合はセール時の価格が417,780円ですが、OSなしにすれば20,800円も安く購入できます。CPUとグラボにハイエンドモデルを採用しているため、どんなゲームにも対応可能です。
引用元:SEVEN
ただし、SEVENではカスタマイズ画面にてOSなしを選択できません。上記の画像のように、パソコンのモデル選択画面で一番右側の「OSなし」を選択する必要があるので、購入時はご注意ください。
OSなしのBTOパソコンにWindowsをインストールする方法
前述の通り、OSなしのBTOパソコンを購入しても、OSをインストールしなければ使えません。USBメモリでWindows 10をインストールする手順は次のとおりです。
- 8GB以上の容量があるUSBメモリを用意します。
- Microsoftの公式サイトにアクセスして、「ツールを今すぐダウンロード」をクリックしましょう。(上の方にある「今すぐアップデート」ではありません。)
- ダウンロードしたファイルを実行すると、管理者権限を要求されるので許可します。ライセンス条項が表示されるので右下の「同意する(A)」を選択しましょう。
- 下の選択肢「別のPCのインストールメディアを作成する(USBフラッシュドライブ、DVD、またはISOファイル)」を選択して「次へ(N)」をクリックします。
- 「このPCにおすすめのオプションを使う」のチェックを外し、「アーキテクチャ」を「両方」に変更してから「次へ(N)」をクリックしましょう。
- 使用するメディアに「USBフラッシュドライブ」を選んで、「次へ(N)」をクリックします。なお、USBメモリ内のデータは全て消去されるのでご注意ください。
- インストールメディアの作成が開始されます。完了画面が表示されたら「完了(F)」を押して終了しましょう。
新しいPCへのWindows 10 インストール作業
ここから新しいPCへのWindows 10インストール作業へ移行します。先ほど作成したUSBメモリを新しいPCに挿入してから、パソコンを起動させます。
以下の手順に沿って、Windowsのセットアップ画面を表示させましょう。
- 最初のマザーボードのメーカーロゴが表示される画面で、メーカーごとの対応ファンクションキーを入力します。(ASUSはF8、AsRockはF11、GIGABYTEはF12などメーカーによって異なります。)
- BIOS画面が表示されるので、方向キーの右を押して「Boot」タブへ移行します。
- 「USB Memory」のブート順位を一番上に変更しましょう。(変更のためのキー操作はマザーボードのメーカーごとに異なります。)
- 方向キーの右で「Exit」タブへ移行して、「Save Changes and Reset」をクリックしてください。PCが再起動してインストール作業が始まります。
- 64bitと32bitの選択画面が表示された場合は、必ず「64bit」を選択しましょう。
- インストールの言語やキーボードを選択する「Windows セットアップ」画面が表示されるので、そのまま「次へ(N)」を選択。
以後はプロダクトキーの入力が求められた後、ライセンス条項に同意。画面表示に沿ってWindowsのインストールを行えば完了です。
なおBTOパソコンのメーカーやマザーボードによっては、手順が少し異なる場合があります。不明点がある場合は、PCを購入したメーカーに問い合わせてみましょう。
DSP版Windowsを購入するという手もある
OSなしモデルを購入した場合は、自身でOSをインストールする必要があります。Windows 10の場合は、インストールメディアをUSBメモリに作成して、BIOS画面からインストールを開始しましょう。手順が煩雑なので、ひとつずつ確認しながら行うことが大切です。
UbuntuのようなLinux系のOSを利用するのもひとつの手です。
とはいえ、こうしたUSBメモリを使用したOSインストールは手間がかかり、なおかつ初心者にはハードルが高いものです。BTOパソコンメーカーでパソコンを購入する際は、「DSP版のWindows」を購入すると安価にWindows PCを構成できます。
DSP版は、特定のPCパーツとセットで販売されているWindows OSです。各BTOパソコンショップでは、HDDやSSD、マザーボードやメモリなどのパーツで購入できる、DSP版Windowsが販売されています。
使い慣れたWindowsをお得に使いたい、という場合はぜひDSP版を購入してみましょう。煩雑な手順を踏まなくて済むため、初心者にもおすすめできる方法です。
まとめ
今回はOSなしゲーミングPCの使い道や、購入することができるBTOメーカーの一覧・購入方法について解説しました。
通常インストールされるOSを削ることによって、その分予算を下げることが可能になるため、少しでも予算を下げたい方にとっては強くおすすめします。
しかし、OSなしモデルの場合は自分でOSをダウンロードおよび、インストールする必要があるため、ある程度の知識・経験がないと、逆にセットアップが大変になってしまいます。
そのため、自作PC初心者の方にはあまりおすすめできませんが、ある程度知識がある方は、ぜひOSなしモデルを購入して、少しでも安価に購入したり、浮いた予算を他のパーツに割り当てたりしてみてください。