PC内部の「掃除」が大事な理由と清掃手順 | 便利な掃除アイテムとホコリ対策も
ほとんどのPCには吸気用のファンが取り付けられており、取り込んだ空気を利用して放熱をおこなっています。しかしこの吸気によって空気だけでなく、舞い上がっているホコリも吸い込んで、ホコリがPC内部に堆積することで、排熱不良や回路のショートなどによる不具合を引き起こします。
そこで今回は、PC内部に堆積したホコリの清掃手順と筆者も行っているPCのホコリ対策をご紹介します。
PC内部の「掃除」が大事な理由
ホコリ汚れの多くが、衣類などの繊維に由来しているものです。その繊維質のホコリがパソコン内部に入り込むと、様々なパーツに影響を与えます。
まずファンや冷却用のヒートシンクにホコリが絡まることで、ファンの動きを妨げ、ヒートシンクに付着して取り込む空気の流れも阻害されます。これによりパーツの冷却不足による熱暴走の不具合が引き起こされます。
回路上に繊維が積もった場合、通常とは異なる電気の流れを引き起こすことも。ショートによる不具合はもちろんのこと、場合によっては高い電圧の回路にホコリが侵入することで発火することもあります。
そしてホコリは静電気を帯びていることも多く、その電気が回路に流れ込むことで不具合を起こすこともあります。
【下準備】PCの掃除に必要・便利なアイテム
パソコンの清掃において必要となる道具としては以下の通りです。
- エアダスター
- ピンセット(可能であれば竹製)
- ハケ
- マスキングテープ
- ネジの収納ケース
エアダスターは圧縮空気を使ってホコリを吹き飛ばすもの。エアーコンプレッサーを使ったエアガン、ブロワーなどでも代用できますが、パソコン向けにスプレー缶にガスが充填されたエアダスターが使いやすくておすすめです。
ピンセットは絡まったホコリをつまみ取るのに便利。グラボのような取り外しが難しいヒートシンク部に入り込んだホコリを取り除くのに使います。
ハケは表面の細かいホコリを払い落す場合に便利で、意外とハケで擦るだけでも多くのホコリを払い落とすことができます。
マスキングテープは直接清掃に使うわけではないのですが、各部ファンやエアダスターノズルの固定に使います。ファンは回転すると電力が発生して停止中の回路に電気を流してしまうため、エアダスターノズルは差し込みが甘いと噴射時の勢いで外れることがあるため、それぞれ固定します。
ネジの収納ケースはパネル固定用ネジを一時的に保管するのに使います。
PCの蓋を開けて実際に内部の掃除をする手順
PC内部清掃に入る際には必ず電源を落とし、配線なども可能な限り外してから行います。
基本的にはエアダスターで粗方を吹き飛ばし、それでも付着して取れないホコリをピンセットやハケで落とし、最後にもう一度吹き飛ばすという流れになります。
ケース外装のホコリを除去
ホコリは外装にも付着しているので、とりあえず見える範囲から落としていきます。
ハケなどで払い落す程度でも良いですし、ハケの代わりに布巾でも構いません。
各パネルを開ける
内部清掃時には両サイドパネル、及びフロントパネルも外します。
フロントパネルはフロントファンにアクセスするのに必要。またこの後エアダスターでエアブローをかけるので、可能な限り空気の流れる道を確保するためにも、外せるパネルは外します。空気の流れが妨げられると、逃げ場を失いホコリと共に逆流してきます。
ファンを固定
各パネルを外したことでファンにアクセスできるようになるので、ケースファン、CPUクーラー、グラフィックボードなどのファンをマスキングテープで止めます。
エアダスターで大雑把に吹き飛ばす
各パネルを外したことで吹き抜けが出来ているはずなので、エアダスターを使い屋外へ向けてホコリを吹き飛ばしていきます。
最初はやや遠めから広範囲に風が行き渡るようにし、徐々にノズルを近づけて細かい部分のホコリを除去していきます。
ハケやピンセットを使い細かいホコリを落とす
大雑把にホコリを落としたのち、各部に付着したホコリを落とします。
ケーブル類には綿状のホコリなどが絡まることがあるのでピンセットを使います。また粉塵となったホコリはハケで一度払い落し、ケースの底面に落としていきます。
エアダスターで残ったホコリを吹き飛ばす
ハケを使って底面に落としたホコリは吸着力を失っているので、この状態からもう一度エアダスターを使って吹き飛ばします。
パソコン掃除の際の注意点
ホコリを吹き飛ばすので可能であれば屋外、もしくは窓に向かって吹き飛ばす形でエアダスターを吹くことになります。それでもホコリは周囲に舞いますので、マスクをした方が良いでしょう。
またパネルを開けた際の固定用ネジは確実に保管してください。万が一紛失した場合には互換性のある交換ネジも市販されていますが、ケース側のネジ穴との相性が悪いこともあります。
まとめ | 3か月に1回程度は清掃をしよう!
筆者のパソコンに使われているケースのフロントパネルは、前面にスポンジフィルターが採用されています。これによりケース内部に侵入するホコリも少ないため、ケース内部の清掃頻度は低くなります。実際今回の清掃においても、内部は細かい粉塵が僅かに付着している程度でした。
既存のケースファンに後付けで使えるメッシュフィルターがあるので、吸気ファンに取り付けるのがおすすめです。
それでもホコリがフィルターに堆積することで吸気効率は下がりますので、フィルター清掃は3か月に1度ぐらい。フィルターを外してエアダスターで吹き飛ばすだけですが、舞い散るホコリの量はかなりの物です。
この量のホコリが常にケース内に入ってくると考えると、やはり3か月に1度は目視して確認したほうが良いでしょう。特にゲーミングPCはケースファンの数が多く、取り込む空気の量が多くなる傾向にあるので、その分ホコリも吸い込みやすいです。