【2020年】自作PC電源ユニットおすすめ10選~各メーカーのコスパモデルからハイエンドまで
電源ユニットの選び方
電源ユニットを選ぶ際、最も重要なポイントとなるのが容量です。搭載するパーツの消費電力を合計した値が電源ユニットの容量以下になると、そもそもPCは動きません。また、消費電力の合計値が電源ユニットの容量ギリギリだと、電源ユニットに負担がかかり故障の原因につながります。
容量の他にも以下のような選択基準があります。
- メーカーで選ぶ。
- 電力変換効率で選ぶ
- 出力コネクタの数・種類で選ぶ
- 搭載冷却ファンの性能で選ぶ
それぞれの選択基準について詳しく見ていきましょう。
電源容量(ワット数)で選ぶ
最初に留意すべきは、電源ユニットの容量です。電源ユニットを購入する際の目安は「消費電力の2倍」といわれています。
電源ユニットの容量に対する消費電力の比率を負荷率といいますが、負荷率が80%や90%の状態が長く続くとパーツが発熱し、故障のリスクが増します。また、負荷率が高い状態では、後述する電力の変換効率も低下するため、自作を行う際は、搭載するパーツの消費電力を計算した上で、消費電力の2倍程度の容量を備えた電源ユニットを購入しましょう。
CPUの消費電力目安
CPUは製品にもよりますが、ローエンドからミドルエンドのモデルで100W程度、ハイエンドのモデルですと200W台のものも多く、250Wに迫るハイエンドモデルもあります。
以下に代表的なCPUと最大負荷時の消費電力をまとめましたので、消費電力を計算する際の参考にしてください。
CPU | 最大負荷時 |
Core i9 9980XE | 245 W |
Core i9 7960X | 224 W |
Ryzen TR 2990WX | 249 W |
Ryzen TR 2950WX | 179 W |
Core i7 9700K | 200 W |
Core i7 8700K | 160 W |
Ryzen 7 2700X | 125 W |
Core i5 9600K | 119 W |
Ryzen 5 2600X | 111 W |
Core i3 8350K | 99 W |
GPUの消費電力目安
グラフィックボードに搭載されているGPUも、CPUと同様に性能と比例して消費電力が大きくなる傾向があります。ローエンドのものは100W以下、ミドルエンドのものは150W程度、ハイエンドのものは200W以上の電力が必要で、300Wに迫るモデルも登場しています。
以下に代表的なGPUとゲーミング時の消費電力をまとめましたので、消費電力を計算する際の参考にしてください。
GPU | ゲーミング時 |
RTX 2080 Ti | 279 W |
RTX 2080 | 226 W |
RTX 2060 | 158 W |
RX Vega 64 | 293 W |
RX 590 | 238 W |
GTX 1080 Ti | 276 W |
GTX 1070 Ti | 180 W |
RX 570 | 158 W |
GTX 1050 Ti | 67 W |
GT 1030 | 32 W |
メモリ・ストレージの消費電力目安
メモリやストレージの費電力は、容量よりも搭載する枚数や台数によって左右されます。
メモリの場合は一枚につき5W程度、ストレージはSSDなら一台につき10~15W程度、HDDの場合は一台につき25W程度の電力を消費すると考えておけば問題ありません。
また、マザーボードもモデルによりますが、おおむね50W程度の消費電力と考えておけば間違いないでしょう。
メーカーで選ぶ
電源ユニットを選ぶ際、メーカーも指標になりえます。ただし、電源ユニットはOEMといって他社の製品を自社のブランドで販売しているパターンもあります。電源ユニットは特にOEMを行っているメーカーが多いので、メーカーを基準とした選択は、あくまで指標のひとつ程度と認識しておきましょう。
電力変換効率で選ぶ
電源ユニットは、家庭用のAC電源をDC電源に変換してPCに電源を供給するパーツです。しかし、AC電源からDC電源に変換する際、供給される電源は電源ユニットそのものの駆動などによりロスが発生し、100%そのまま変換されるわけではありません。このAC電源からDC電源に変換する際の効率を電気の変換効率と呼びます。電源ユニットには変換効率の指標として「80PLUS」という共通規格があり、 StandardからPLATINUMまで5段階のグレードが設定されています。
「80PLUS」認証の各グレードと、負荷率ごとの変換効率をまとめましたので、電源ユニットを購入する際の参考にしてください。
負荷率20% | 負荷率50% | 負荷率100% | |
80PLUS Standard | 80% | 80% | 80% |
80PLUS BRONZE | 82% | 85% | 82% |
80PLUS SILVER | 85% | 88% | 85% |
80PLUS GOLD | 87% | 90% | 87% |
80PLUS PLATINUM | 90% | 92% | 83% |
上記のように負荷率が低い(20%)の場合も50%の場合と比べて変換効率は落ちます。消費しない電力が多すぎても変換効率は落ちるので、電源ユニットを選ぶ際は、使用するパーツの消費電力を計算して、負荷率50%に近い状態を作ることが重要です。
出力コネクタの数・種類で選ぶ
電源ユニットには、各パーツに電源を供給するための出力コネクタが備わっています。基本的にはPCの起動に必要なコネクタはすべて備わっていると考えて問題ありません。
ただし、ハイエンドのグラフィックボードを搭載する場合は、注意が必要です。ハイエンドのグラフィックボードは、PCIeコネクタという出力コネクタから電力を供給する必要があります。このPCIeコネクタには6pinと8pinという2種類の規格があり、グラフィックボードごとに、どちらの規格のPCIeコネクタが何本必要か決まっています。
容量の少ない電源ユニットや安価な電源ユニットの中には、PCIeコネクタが少なく、グラフィックボードの仕様を満たしてくれない可能性もあります。すでに搭載するグラフィックボードが決まっているなら、グラフィックボードに必要なPCIeコネクタの規格と数を確認して、それらを備えた電源ユニットを購入しましょう。
搭載冷却ファンの性能で選ぶ
電源ユニットを選ぶ際、冷却ファンの性能も重要な基準となります。いまでは、静音性を重視したファンレスの電源ユニットも登場していますが、こちらはケース内のエアフローも考慮して設置する必要があり、自作になれた上級者向けの製品といえるでしょう。自作初心者は、冷却性を重視した大口径のファンが搭載されたモデルを選ぶようにしましょう。
冷却ファンは、「80mm」「120mm」「135mm」「140mm」といったサイズのものが主流で、一般的にサイズが大きくなればなるほど、冷却性能も静音性も高くなります。どうしても負荷率が高くなってしまう場合でも、冷却ファンの性能が高ければ発熱を抑えることができますし、冷却性能が高ければ高いほど電源ユニットも長持ちしますので、できるだけ大きな冷却ファンを搭載したモデルを購入するようにしましょう。
【2020年最新】おすすめ電源ユニット10選
2020年1月現在の時点でおすすめの電源ユニット10選を紹介します。各電源ユニットの特徴もあわせて記載しますので、電源ユニットを購入する際の参考にしてください。
【550W】COOLER MASTER「MWE 550 Bronze-V2 MPE-5501-ACAAB-JP」
サイレントモード機能と120mm HDBファンにより静音性を高めた電源ユニットです。シンプルな作りで堅牢性も高く、コストパフォーマンスに優れているのも大きな魅力です。
メーカー | COOLER MASTER |
商品名 | MWE 550 Bronze-V2 MPE-5501-ACAAB-JP |
電源容量 | 550W |
規格 | ATX 12V V2.52 |
80PLUS認証 | Bronze |
【500W】Fractal Design「ION SFX 500G FD-PSU-ION-SFX-500G-BK [ブラック/ガンメタル]」
UltraFlexケーブルという柔軟性に優れたケーブルを採用しており、配線や接続が手軽に行えるのが魅力の電源ユニット。「80PLLUS」Gold認証の高い電気変化率も魅力です。
メーカー | Fractal Design |
商品名 | ION SFX 500G FD-PSU-ION-SFX-500G-BK [ブラック/ガンメタル] |
電源容量 | 500W |
規格 | ATX12V/EPS12V |
80PLUS認証 | Gold |
【700W】SILVERSTONE「SST-SX700-PT [ブラック]」
引用元:https://kakaku.com/item/K0001205447/
80PLUS認証の最高グレードであるPlatinumを獲得した電源ユニット。内臓の92mmFDBファンは小型ながら高い冷却性を誇り、静音性も確保されています。
メーカー | SILVERSTONE |
商品名 | SST-SX700-PT [ブラック] |
電源容量 | 700W |
規格 | ATX12V v2.4 |
80PLUS認証 | Platinum |
【1300W】COOLER MASTER「V1300 PLATINUM MPZ-D001-AFBAPV-JP」
消費電力の大きな高性能なCPUやGPUの搭載にも耐えうる1300Wの大容量モデル。80PLUS認証の最高グレードであるPlatinumも獲得しているので、ハイエンドなPCを組みたい方におすすめの一台です。
メーカー | COOLER MASTER |
商品名 | V1300 PLATINUM MPZ-D001-AFBAPV-JP |
電源容量 | 1300W |
規格 | ATX 12V |
80PLUS認証 | Platinum |
【750W】Thermaltake「TOUGHPOWER DIGITAL iRGB PLUS 750W GOLD PS-TPI-0750F3FDGJ-1 [Black]」
冷却ファンにはLEDを搭載し、アプリケーションで発光パターンを管理できるおしゃれな電源ユニットです。システムの低負荷時にファンの回転を停止させる「Smart Zeroファンモード」にも対応しており、高い静音性を実現しています。
メーカー | Thermaltake |
商品名 | TOUGHPOWER DIGITAL iRGB PLUS 750W GOLD PS-TPI-0750F3FDGJ-1 [Black] |
電源容量 | 750W |
規格 | ATX12V v2.4 |
80PLUS認証 | Gold |
【550W】玄人志向「KRPW-BK550W/85+」
奥行14cmと、PCケースを選ばないコンパクトな電源ユニット。フラットケーブルを採用しており、配線もしやすく、自作初心者にも扱いやすいモデルになっています。高いコストパフォーマンスも大きな魅力です。
メーカー | 玄人志向 |
商品名 | KRPW-BK550W/85+ |
電源容量 | 550W |
規格 | ATX12V Ver2.4/EPS12V Ver2.92 |
80PLUS認証 | Bronze |
【750W】ANTEC「NeoECO Gold NE750G」
引用元:https://kakaku.com/item/K0001019734/
静音性にすぐれた120mm自動回転数制御ファンを搭載した電源ユニットです。サーマルマネージャー機能という機能を搭載し、温度変化に応じて冷却ファンの回転数を制御することで、冷却性を保持したまま、高い静音性も確保されています。登場以来、長きにわたって自作ユーザーから指示されているスタンダードなモデルです。
メーカー | ANTEC |
商品名 | NeoECO Gold NE750G |
電源容量 | 750W |
規格 | ATX12V Ver 2.4 |
80PLUS認証 | Gold |
【400W】玄人志向「KRPW-L5-400W/80+」
とにかく安価でPCを自作したい人におすすめの低価格の電源ユニットです。容量は400Wと少なめですが、消費電力の少ないローエンドCPUを搭載し、ネットの閲覧や事務作業に限定したPCを組むなら十分といえます。
メーカー | 玄人志向 |
商品名 | KRPW-L5-400W/80+ |
電源容量 | 400W |
規格 | ATX12V Ver.2.3 |
80PLUS認証 | Standard |
【1600W】Corsair「AX1600i CP-9020087-JP」
1600Wもの超大容量を誇るハイエンドユーザー向けの電源ユニット。消費電力の大きな最高クラスのCPUとGPUを搭載して、3Dグラフィックが魅力の最新ゲームをプレイするのに最適です。また、動画の編集や保存用に複数のストレージを搭載しても消費電力に余裕があり、今後登場するであろうさらに高性能かつ電力消費の激しいパーツの搭載にも耐えうる性能を備えています。
メーカー | Corsair |
商品名 | AX1600i CP-9020087-JP |
電源容量 | 1600W |
規格 | ATX12V Ver 2.4 |
80PLUS認証 | Titanium |
【850W】Corsair「RM850 CP-9020196-JP」
CPUやGPUの消費電力が増す中、主流になりつつある850W電源ユニットのスタンダードモデルです。コストパフォーマンスも高く、特別に計算されたファンカーブ付き135mm ライフルべリングファンにより、静音性も確保されています。予算10万円程度でミドルエンドのPCを自作したいという方におすすめです。
メーカー | Corsair |
商品名 | RM850 CP-9020196-JP |
電源容量 | 850W |
規格 | ATX12V Ver 2.52 |
80PLUS認証 | Gold |
まとめ
電源ユニットの選び方を詳しく解説させていただくとともに、最新のおすすめ電源ユニット10選を紹介しました。電源ユニットを選ぶ時に、最も重要となるのは、何といっても容量です。消費電力の2倍を目安に、「80PLUS」のグレードや冷却ファンの性能も留意する必要があります。これらの選択基準と予算を考慮しつつ、おすすめの電源ユニットの中からご自身の用途にマッチした電源ユニットを選んでいただけますと幸いです。