【2023】RTX 4000シリーズの性能比較と型番別の性能情報、選び方まとめ
NVIDIAよりRTX4000シリーズの発表が2022年9月20日にありました。同年の10月12日よりRTX4090を筆頭に販売が開始され、順次下位モデルが発売予定です。
2023年2月時点ではRTX4090、RTX4080、RTX4070Tiの3モデルが発売されており、前世代のRTX3000シリーズから大きな進化が見られます。
一方でNVIDIAが発表した希望小売価格も前世代より値上がりしており、購入を躊躇するユーザーもいる模様。はたしてRTX4000シリーズを買うべきなのか?この記事で性能などを比較しつつお伝えします。
【2023最新】RTX4000シリーズの型番別の性能情報
DLSS 3への対応、レイトレーシング機能の強化など、RTX4000シリーズには一世代前と比較して機能面での進化も見られます。しかしそれらが活かされる場面は限定的です。多くのPCゲーマーが気にするのがゲーム中のフレームレートから算出されるコストパフォーマンス、あるいはワットパフォーマンスの部分でしょう。
まずは各モデルの販売価格と消費電力を中心に紹介します。
RTX 4090
ほぼ事前のリーク通りの性能。AD102-300 GPUを搭載し、CUDAコア16384、2520MHzのブーストクロックで動作します。VRAMにはGDDR 6Xの24GBが搭載されており、21Gbpsで動作。通常のTGPは450Wとなっており、最大660Wとなる可能性があります。(出典元:VideoCardz)
推奨電源容量は850Wで、PCIe Gen5の16ピンに変換するコネクター(8ピン×4本)が付属します。
日本国内では2022年10月6日より発売され、2023年2月時点では30万円前後で販売されています。
RTX 4080 16GB
こちらもほぼ事前リーク通り。RTX4080 16GBにはAD103-300 GPUと9728 CUDAコアが搭載されます。ブーストクロックは2505MHzで、RTX 4090とほぼ同じ。RTX 4080 12GB のTGP は 285W で、最大366Wです。(出典元:VideoCardz)
あえて言えば事前のリークと異なるのは、メモリクロック。「23Gbpsでクロックされる16GB GDDR6Xメモリ」と報じられていましたが。実際には22.4Gbpsと誤差レベルでの違いになります。
日本国内では2022年11月16日に販売され、2023年2月時点では20万円前後で販売されています。
RTX4070Ti 12GB(RTX 4080 12GB)
RTX 4070 Tiは、事前リークの段階で「GeForce RTX 4080 12GB」として広く報じられてていたモデル。NVIDIA は、このモデルの名前を土壇場で変更しました。使用しているGPUなどの仕様が異なっており、ユーザーに誤解を与えるのを避けるためと言われています。
7680 CUDA コアの AD104-400 GPUを搭載し、最大2610 MHzまでブーストします。メモリ容量は12GB。GDDR6X 21Gbpsモジュールを使用しています。RTX 4080 12GB のTGP は 285W で、最大366Wです。(出典元:VideoCardz)
消費電力的には8ピン×2本分なのですが、こちらにもPCIe Gen5の16ピンに変換するコネクターが付属。2023年1月4日より発売が開始され、2023年2月時点では14万円前後で販売されています。
RTX4000シリーズの型番別の性能比較
各モデルの情報や各種性能を型番別にまとめると、以下の通りです。
型番 | RTX4090 | RTX4080 | RTX4070Ti |
---|---|---|---|
GPU | AD102-300 | AD102-300 | AD104-400 |
CUDAコア | 16384基 | 9728基 | 7680基 |
VRAM | 24GB | 16GB | 12GB |
メモリ速度 | 21Gbps | 22.4Gbps | 21Gbps |
メモリバス幅 | 384-bit | 256-bit | 192-bit |
TGP | 450W | 320W | 285W |
どのグラボも前世代のRTX3000シリーズに比べて消費電力が大きくなっています。乗り換えを検討される際には、電源容量や補助電源ケーブルの本数に不足が無いことを確認する必要があります。
RTX4000シリーズとRTX3000シリーズの性能比較
全体的に消費電力が上がったRTX4000シリーズですが、問題なのはその性能。はたしてどのくらい進化しているのか?前世代のRTX3000シリーズとの性能を比較してみましょう、
RTX4090 ・ RTX3090Tiの比較
型番 | RTX4090 | RTX3090Ti |
---|---|---|
CUDAコア | 16384 | 10752 |
VRAM | 24GB GDDR6X |
24GB GDDR6X |
消費電力(TGP/TDP) | 450W | 450W |
PassMark スコア | 39454 | 29815 |
RTX3090Tiとの比較ではCUDAコア数の差が、PassMarkスコアに反映されるかのような結果となりました。RTX4090はスコア40000の大台に乗りそうな勢いです。
実際にはDLSSやレイトレーシング機能における進化もあるので、これらに対応したゲームにおいてはスコア以上の差が出るものと思われます。
RTX4080 ・ RTX3090(Ti)の比較
型番 | RTX4080 | RTX3090Ti | RTX3090 |
---|---|---|---|
CUDAコア | 9728 | 10752 | 10496 |
VRAM | 16GB GDDR6X |
24GB GDDR6X |
24GB GDDR6X |
消費電力(TGP/TDP) | 320W | 450W | 350W |
PassMark スコア | 35149 | 29815 | 26877 |
次にRTX4080ですが、こちらはCUDAコア、消費電力が共に低いにもかかわらず、RTX3090シリーズを圧倒。順当な進化をみせており、ゲームにおいては更に差が広がるでしょう。
PCゲーマーにとっては十分すぎる性能と捉えられる一方、RTX4090のインパクトが強すぎたので、お買い得感がやや低いとする方も居られるようです。
ちなみにスコア的には、RTX4070TiでもPassMarkスコア30000以上を記録しているので、RTX4070Ti=RTX3090Tiという関係になります。
まとめ | 大幅な性能上昇の反面、RTX3060以下の需要も続きそう
RTX4000シリーズは、RTX3000シリーズと比べて大幅に性能が上昇。RTX4070Tiでも4Kゲーミングが可能です。
一方で、その性能に合わせるかのように販売価格も上昇。同等性能のRTX3000シリーズを買うよりはお得ですが、そこまでの性能を必要とするゲームが少なくて使い道に困るケースも出てきそうです。
たとえばSteamのユーザーデータを見ると、実際には多くのゲーマーがフルHD環境でゲームをしています。2023年2月時点で販売されているRTX4000シリーズは明らかにオーバースペックなのです。
余裕を持たせたとしてもWQHD対応のグラボで十分なため、RTX3060~RTX3070ぐらいの性能を持つグラボの人気は今後も続きそうです。今後販売されるRTX4000シリーズのミドル級グラボは、旧モデル以上の性能と価格の安さで販売されるか注目しましょう。