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    自作PC業界のエッセイでおなじみのせれろんやまださんによる窓辺ななみ思い出記事を公開いたします!今やライターとして活躍されているせれろんやまださんですが窓辺ななみおよびWindows 7が発売されたころはDSP版OSを販売する中の人としてご活躍されており、そのころの思い出を記事で語っていただきました。
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初めての自作

せれろんやまだが語るWindows 7と窓辺ななみの思い出!

自作PC業界のエッセイでおなじみのせれろんやまださんによる窓辺ななみ思い出記事を公開いたします!今やライターとして活躍されているせれろんやまださんですが窓辺ななみおよびWindows 7が発売されたころはDSP版OSを販売する中の人としてご活躍されており、そのころの思い出を記事で語っていただきました。

2009年10月22日。

その子は、自作PCパーツ業界に華々しくデビューした。

 

名前は『窓辺ななみ』。

(架空の)秋葉原のPCパーツショップで、アルバイトとして働いている女の子。

そんな彼女が、DSP版Windows 7、そして自作PCパーツ業界を盛り上げるべくデビューしたのだ。

 

当時、“DSP版OSを販売する中の人”として、サラリーマンをやっていたせれろんやまだ。

私を含め、彼女のプロデュース側はこの時全く予期していなかったのだ。

いずれ彼女がこの自作PCパーツ業界に新しいトレンドを作ることを……。

 

待ちに待ったWindows 7の発売!

と言ったらメーカーさんに怒られるかもしれませんが、もう10年以上経ったため時効ということで。

Windows 7の前のOS、”Windows Vista”は、Windows Aero(ダイアログなどが半透明になるアレ)などの効果要素でハードウェアのリソースを大きく喰うことと、OSなのにたくさんの機能……、例えばムービーメーカーやMedia Centerなどが搭載されていることなどで、まぁOS自体が”重たかった”のです。あと、だいたいいつもは約3年くらいで次のバージョンのWindowsが出るのですが、XPからVistaまでは5年と、+2年ありました。また、VistaはOSとしても新要素満載だったため、XPのソフトウェアが使えない、ということもあったのです(そのため、互換モードという機能が表に出てきました)。結果、Windows XP大好き!なユーザーの皆さんには、まぁなかなか乗り換えるのに勇気のいるOSだったのです。要はVista発売当時のハードウェアスペックだと、ソフトウェアはおろか、OS自体も重たい、起動に時間がかかる、機能が思うように使えない、ということになりかねなかったのです。

 

Vista発売から3年がたち、Windows 7の話がちらほらと出てくるようになったころ、ユーザーや販売店の期待も高まり始めました。

 

「これは売れるOS……!」

 

当時DSP版Windowsを代理店という立場で売っていたせれろんやまだも確信したのです。

 

そしてスカウトされた”窓辺ななみ”

ご存知の方も多いと思いますが、Windowsの発売日はお祭り騒ぎ(深夜販売)です。が、市場の期待が高いWindows 7とあって、全体的にテンションの高い販売準備期間となりました。そんな時、彼女のデビューが内々にアナウンスされたのです。まず最初の反応が、

 

「き、キャラクター?」

 

当時、秋葉原は、PCをはじめとした電気街はもちろんでしたが、アニメやメイドカフェなどの”サブカルチャー”が少しずつにぎわってきたところでした。そのため、今よりキャラクタービジネスに対して、”当たり前感”がなかったのです。しかも、中の人といえども、女の子が出てくるアニメを熟知している人間がほぼいませんでした。いたとしても、某ロボットアニメです。

 

「せれろんやまださんなら、ほら、趣味でイラスト描いたりしてるし、アニメちっくなキャラクター広めるのは得意よね?」

 

と、メーカーさん直々に言われましたが、申し訳ございません、特撮と刑事ドラマ専門のいわゆる2.5次元担当です私。

 

しかも、声優さんに、今でこそ大変有名になられた水樹奈々さんを起用したところも大きなポイントでしたが、中の人ほとんどが「?」という反応(水樹奈々さん申し訳ありません)。キャラクターは、その姿はもちろん、活躍する姿がユーザーに受け入れられるか否かで大きく変わってくる、ということだけは確かでした。こちらも不安要素たっぷりで、窓辺ななみをプロデュースするべく、担当の販売店さんに商談のアポイントを入れるのでした。

 

「ちょっといつものテイストとは異なる販促企画がございますので……」

 

窓辺ななみはじわじわと人気があがり、ついには痛車まで!

「……窓辺ななみ?しかも、Pro以上?」

 

ほーら難色示してる、示してるYO……。

ほとんどの販売店さんが、これまでキャラクターなんて使ったことがないため、まず本当にウケるのかが誰も保証できない状況。しかも、オリジナルグッズなどの販促アイテムはPro以上のエディションに限られたため、Homeがまず爆発的に売れるだろうからそこを加速したいという販売店さんの意向とすれ違ったのです。が、

「でも……窓辺ななみ……いけるかもしんないよね……?」

「PCに近くて、キャラクター好きなユーザーにはうけるかもしんないよね……?」

 

そうこうしているうちに迫る発売日。たくさんの中の人たちが色々な案を練って、窓辺ななみのデビューを輝かしいものにするべく、頑張ったのです。そしてめでたく発売日を迎え、蓋を開けてみると……

 

「ProとUltimateが……想定以上に売れている……だと?」

 

そして高まる、販売店さんから“もっと窓辺ななみの企画を!”という声。同時にユーザーさんたちからの反応!(イラストなど多くインターネットで見ることができました)

窓辺ななみが市場に受け入れられた瞬間でした。

 

その後も窓辺ななみは活躍し続けました。

窓辺ななみボイスや壁紙があらかじめプリインストールされたPC、七色ジェネレータのCD発売、マグカップやハンドタオル、扇子など数々のオリジナルグッズ、そして夏には水着にもなりました。そしてとうとうコミケでもデビュー。コスプレや同人誌での活躍はもちろん、あろうことか、そこでは窓辺ななみが勤めているバイト先の店長(cv 浪川大輔さん)も、販促グッズの中でデビューしました(それ以前でも応援動画などでちょこちょこ出ていたのですが、入手できたのはおそらくこれが初めてだったような気が)。冬のコミケ会場から地元に年末年始の帰省という、地元の友人に話したら間違いなく「お前らしい」と言われることをやってのけたのも記憶に新しいです。

窓辺ななみファン独自の活動で個人的に驚いたのが、窓辺ななみの痛車でした。当時水樹奈々さんのライブ会場前で、窓辺ななみPCを即売するという、半ばDSP版テロのような活動をしていたのですが、そこで猛烈な窓辺ななみファンの方々にお会いし、そして痛車をも発見したのです。

 

「ななみ、お前立派になったな……」

 

ななみを見る私は、さながら親戚のおばちゃんの目になっていました。

 

そして、卒業の日

あれから10年の月日が流れました。窓辺ななみのデビュー以降、販売店さんやメーカーさんが、次々とキャラクターを投入し、人気投票が行われるまでになりました。いずれも、Twitterや自社サイト、POPやオリジナルグッズで活躍していて、キャラクター好きはほっこりします。いつしかPCパーツ業界とキャラクターは親和性が高くなっていました。そして、それを盛り上げてくれるユーザーさんがあってこそだと実感しています。

Windows 8が発売されても、窓辺ななみ人気は”いろんな意味で”衰えず、窓辺ゆう&あいちゃんの販促品にはかならずななみの姿がありました。いつのまにか、クラウディアさんも一員に入っていました。

そしてその人気から、販売店さんからは”いろんな意味で”新しい窓辺ななみの単発ショットを出してくれと要望がありました。合わせてスタートボタンを返せという要望もありました。いまだから言えますが、

 

「中の人にいってもできないことはできないのでございます♪」

 

そしてWindows 10…窓辺とおこがデビューしてまる4年半、窓辺ななみは2020年1月14日、この業界を卒業しました。キャラクターとPCパーツ業界の親和性、そして広告塔というトレンドを作って。

 

女の子キャラを知らない人をも惹き付けた窓辺ななみ。

日本全国で知られることとなった窓辺ななみ。

いつの間にか、中の人たちに水樹奈々さんのアルバムを買わせた窓辺ななみ。

人気投票で、最後までつく〇たんを抜くことができなかった窓辺ななみ。

 

楽しい時にも苦しい時にも、私の横でいつも微笑んでくれました。それと同時に、私の長い業界人生において忘れられない女性にランクインとなりました。ありがとう、ななみ。


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