Pythonとは?できることと学習の方法は?【プログラミング初心者向け入門】
Pythonとは「読みやすく書きやすい」プログラミング言語
Pythonの特徴は以下の3つです。
- 可読性が高い
- ライブラリが豊富
- コンパイル不要
まずPythonとは読みやすく、書きやすい特徴をもつプログラミング言語です。「可読性が高い」という表現をするのですが、まず構文が単純。そのため、C言語などと比較して誰が書いても同じようなコードに仕上がり、後から他人がコードを見たときに読みやすいのです。
可読性が高いことによるメリットは以下の3つです。
- エラー修正が楽
- 初心者でも取り掛かりやすい
- メンテナンス性が向上する
また、ライブラリが豊富というのもPythonの特徴です。
ライブラリとはデフォルトで作成されている関数の塊のことです。C言語などではライブラリ部分から自作することになりますが、ライブラリがデフォルトで作成されているPythonの場合では工数を大幅に削減でき、エラーが発生したときにも「ライブラリ部分は問題ない」と判断できます。
コンパイル不要というのも特徴です。
C言語をはじめとするコンパイラ型言語は「コーディング→コンパイル→実行」という3ステップを踏みます。コンパイル時にコードのエラー修正を行い、実行時にまた別の階層のエラーと戦う事になり大変です。一方、Pythonは「コーディング→実行」と2ステップと直感的で、初心者には優しいといえるでしょう。
Pythonでできること・できないこと
Pythonでできることとできないことを紹介します。「せっかく勉強したけど、Pythonでは自分が思っていたことできない」とならないよう、しっかり確認しておきましょう。
Pythonは機械学習が得意
Pythonは機械学習が大得意です。
- 機械学習のライブラリにPythonが使用されていることが多い
- 画像解析が強力
- テキストマイニングも可能
これらのメリットからAIの分野ではPythonが非常によく使われています。
AIの他にも、下記のような領域で利用されている、汎用性が高い言語といえるでしょう。
- データ解析
- ブロックチェーン関連
- Webスクレイピングなどの大小の業務効率化
- Webアプリ開発
- 小規模の組み込み
Pythonはゲームアプリ開発が不得意
Pythonはアプリ開発が不得意です。また、Pythonは記述が便利な半面、速度が遅いのが弱点です。そのため、瞬発力を要求されるゲームアプリや中規模以上の組み込みには向きません。
Androidアプリの開発はフレームワークがあるので可能といえば可能ですが、あまりメジャーではないため「アプリを作りたいからPythonを学習する」というのはおすすめできません。
Pythonの市場での需要【転職も可能】
Pythonの市場での需要を見ていきましょう。
結論からいうと、AI分野の発展などとともにPythonの需要も上り調子、求人数も増え続けています。また平均年収も高めの水準となっており、就職・転職にも申し分ない言語となっています。
Pythonの求人数:多くはないが増加傾向
Pythonの求人数自体は、それほど多くありません。しかし、AIやディープラーニングでの利用が注目を浴びた結果、2017年度~2018年度では求人割合が2.3%増と、Javaに続く増加傾向が見られます。
Pythonの平均年収:比較的高い
Pythonプログラマの平均年収はプログラミング言語の中では高めの部類です。ビズリーチが2018年に発表したプログラミング言語別年収中央値でもJavaやC++、Rubyなどを抑え3位でした。
また、2020年1月25日現在の求人検索「indeed」におけるプログラミング言語別求人数と、推定年収600万円以上の割合を調査しました。
【プログラミング言語別求人数と、推定年収600万円以上の割合】
順位 | 言語 | 掲載求人(件) | 推定年収600万以上の数(件) | 推定年収600万以上の割合(%) |
1 | Kotlin | 2,189 | 1,081 | 49.4 |
2 | PHP | 23,904 | 9,510 | 38.2 |
3 | Swift | 3,942 | 1,478 | 37.5 |
4 | Python | 14,932 | 4,406 | 29.5 |
5 | Ruby | 9,897 | 2,900 | 29.3 |
6 | JavaScript | 15,151 | 3,944 | 26.0 |
7 | C++ | 16,243 | 2,799 | 17.2 |
8 | C# | 18,761 | 2,965 | 15.8 |
9 | C言語 | 23,075 | 2,830 | 12.3 |
10 | Java | 36,992 | 3,935 | 10.6 |
結果Kotlin、PHP、Swiftに続く4位ということで、Pythonエンジニアの年収は高めといえるでしょう。
Pythonを独学するための学習サービス5つ
ここからはPythonを独学するための学習サイト5つ紹介します。
学習サイトでプログラミングを勉強するメリットは以下の3つです。
- 自分のペースで学習をすすめられる
- 時間・場所に制限がない
- オンライン、もしくはオフライン(通学型)のスクールと比べ安価
一方、学習サイトでプログラミングを勉強するデメリットは以下の3つです。
- つまずいたときに解決できない場面がある
- 内容が基礎基本になりやすく、能動的に学んでいく必要がある
- 就職活動はほぼ自力で行うことになる
良くも悪くも独学をサポートしてくれるツールと覚えておきましょう。
Progate
引用元:Progate
- 月980円(税抜)
- イラストがかわいい
- スライドで理解→Web上で実践という2段構成
- 基礎重視だが、その分わかりやすい印象
- スマホアプリもあるので通勤通学でも勉強可能
Paiza
引用元:Paiza
- 1年契約で月600円(税込み)
- 動画形式で学習→Web上で実践
- 声優が講師をしていることもあり、音声が聞き取りやすい
- 基礎→実践まで講義が揃っている
- スキルチェックコーナーがあり、成績によっては企業からオファーも来る
Codecademy
- Python2コースは無料(初心者非推奨)
- Python3コースは月$1.99
- Web上で書いたコードが同画面で即時プレビューされてわかりやすい
- 利用者によるフォーラムがある
- フォーラム含めサービスは基本的に英語(日本語非対応)
ドットインストール
引用元:ドットインストール
- 基礎的な内容は無料
- 発展的な動画は有料視聴:1,080円(税込み)
- すべての動画が3分以内で作成されていて、スキマ時間にピッタリ
- 配信された動画の文字起こし版も見られる
- プログラムの実行環境は自分で整える必要あり
Udemy
引用元:Udemy
- 登録自体は無料
- 動画教材を購入、月額はなく買い切り
- 動画教材が格安になるセールを頻繁に行っているのでまとめ買い推奨
- 講師によってクオリティがまちまち
- 実行環境は自分で整える必要あり
Python最短習得するためのスクール5つ
ここからはPythonを独学するためのプログラミングスクールを5つ紹介します。
スクールでプログラミングを勉強するメリットは以下の3つです。
- つまずいたときに質問できる環境にある
- 個人に合わせたカリキュラムを組める場合がある
- 就職活動を支援して貰える場合も多い
一方、プログラミングスクールでプログラミングを勉強するデメリットは以下3つです。
- 入学料や月額料が桁違いに高い
- 講師に当たり外れがある
- 自分のペースで進められず勉強期間中は忙しくなる可能性がある。
料金の高さが目立つプログラミングのオンラインスクールですが、それだけのサービスが受けられる場合が多いです。
「絶対にエンジニア就職するぞ!」という気概がある方には学習サイトよりおすすめです。
CodeCamp
引用元:CodeCamp
- 14,8000円(+入学金30,000円、ともに税抜)~
- 毎日7時〜24時まで質問可能なので、仕事や学業との両立も可能
- 期間限定コースとして「Pythonデータサイエンスコース」があり、データ収集に特化したカリキュラムを受けられる
TechAcademy
引用元:TechAcademy
- 社会人:129,000円~
- 学生:89,000円~
- スクールからの課題以外も対応してもらえる
- 画像解析の定番ライブラリKeras、機械学習ライブラリscikit-learn、データ収集ライブラリのPandasを包括的に学べるAIコースがおすすめ
- 毎日15~23時までの質問可能、午前に時間を取りたい人は不向き
侍エンジニア塾
引用元:侍エンジニア塾
- 社会人:168,000円~
- 学生:151,200円~
- 8時~22時の間で専属講師が対応
- オーダーメイドで個人にあったカリキュラムを作ってもらえる
- 卒業時にはオリジナルのサービスをリリースできることも
TechBoost
引用元:TechBoost
- 社会人:入学金184,800円~、月額29,800円
- 学生:入学金147,800円~、月額29,800円
- 質問は10~22時の間で
- 渋谷に近い人は通学型も選択可能
- グループレッスンが人気
DIVE INTO CODE
引用元:DIVE INTO CODE
- 通学型
- 機械学習だけでなくディープラーニング、実務を想定したプロジェクトまでできる機械学習エンジニアコースがおすすめ
- 入学金181,819円(税抜)、受講料:789,000円(税抜)
- 2日でワンセットのカリキュラム、二人一組で開発を行うペアプログラミングなど独特の仕組み
- 未知の問題に取組む姿勢やモチベーションの高さを測るための事前テストがある
Pythonがおすすめできる人、おすすめできない人
Pythonをおすすめできる方は以下の5パターンです
- 機械学習をしたい
- 画像解析をしたい
- Webスクレイピングなど、今効率化したい業務がある
- データを集めて解析したい
- ブロックチェーンを学びたい
これらにPythonは強力に働いてくれます。
加えて最近ではYouTubeやInstagramなどPythonでのWebアプリも増えてきているので、Webアプリ開発をしたいという方もアリでしょう。
一方、「特にしたいこともないけど、流行っているからPython勉強しようかな」というのはあまりおすすめできません。機械学習も解析も目に見えづらい分野なので、モチベーションが低下するおそれがあります。
Webスクレイピングやエクセル自動化なども、もともとの業務があってはじめて効果を体感できるというもの。それならばPHPをHTMLやCSS、JavaScript込みで勉強したほうが作ったものが目に見えやすい分、モチベーションを保ちやすいのです。
Pythonはあなたの目的とマッチすると、キャリアプランを強力にサポートしてくれるツールとなります。Pythonを学習し、マスターすることで、きっとあなたのキャリアを大きく前進させてくれることでしょう。