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    幼い頃からTVゲームに親しみ、20代前半で人気プロゲーマーとなった、徳島県育ちのたぬかなさん。大ヒットタイトル『鉄拳』シリーズ屈指の実力者として、ワールドワイドに注目されている彼女に、今までの軌跡と、これからの野望について伺いました。
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「eスポーツ」を牽引する女性プロゲーマー・たぬかなさんインタビュー!強さの源泉とPC環境、未来の目標に迫る

  • DATE
    2020.08.21
  • WRITTEN BY
    DIGITAL DIY編集部

たぬかなさんのポートレート

 

プロフィール

たぬかなさん

たぬかなさんのプロフィール写真

1992年生まれ。徳島県徳島市出身。シリーズ最新作『鉄拳7』が累計400万本以上のヒットとなった、超人気タイトルを主戦場にするプロゲーマー。『鉄拳』シリーズ初の女性プロであり、数々の大会で輝かしい結果を残す世界的な実力者。

Twitter:@kana_xiao

Instagram:@tanukana_cag_rb

 

 

父親の影響でゲームに興味を持った幼少期

インタビューに答えるたぬかなさん

 

 

──幼い頃はどんな子供でしたか?

 

生まれ育ったのが自然の多い徳島県。歳の近い弟がいるので、男の子たちと一緒になって屋外で遊ぶ毎日でした。ただ、小学生になる頃には、父がスーパーファミコンで遊んでいるのを見ていました。『ダービースタリオン』や『ドラゴンクエスト』シリーズでしたね。

 

──初めてご自身でプレイしたタイトルはなんでしょう?

 

『ドラゴンクエストⅥ 幻の大地』でしたね。父が持っているソフトの中で、自分ができそうなのはこれかな? みたいな感じで。もっと自発的にプレイするようになるのはニンテンドー64が登場してから。『どうぶつの森』や『大乱闘スマッシュブラザース』に夢中になって、特にスマブラは兄弟で大盛り上がり!

 

──かなり小さな頃からTVゲームには馴染んでいたのですね。当時は大人になったら何になろうと思っていました?

 

幼い頃は、よく知らないし、習ってもいないのにバレリーナになりたかったですね。本当に根拠なく、ただ漠然と素敵だなって。

 

中学生になると、急に具体的になって建築士になりたいと。祖父が大手ゼネコンに勤めていて、なんでもDIYできる人なんです。

 

もの作りに興味があった私は、どんどん気になってしまい、同時期にプレイステーション2のソフト『マイホームを作ろう』とも出会い……。実際、高校は建築科に進学しました。

 

 

高校生になってからはゲーセン通いをスタート

インタビューに笑顔で答えるたぬかなさん

 

 

──ハッキリとした目標ができて、ゲームから勉強にシフトしたのですか?

 

それが違うんです。男子が多い学校なんで、友達も男の子ばかり。帰り道にゲームセンターに寄るのが当たり前になって、そこで出会ったのが『鉄拳6 BLOODLINE REBELLION』。

 

ブーム全盛期は過ぎていましたが、まだまだ稼働していて、私もどハマり。ゲーム代を捻出するため、バイトを3つ掛け持ちするほどでした。IDカードで戦績を確認できるのですが、2年で30万円くらいは使っていましたよ。

 

──高校時代に、今もプロゲーマーとしてメインの戦場である『鉄拳』シリーズに出会ったんですね。その頃からプロを意識していた?

 

当時、徳島県ではトップクラスの腕前だったとは思いますが、ゲームのプロなんて想像もしてませんでしたよ。高校卒業後は普通に設計事務所に就職しましたから。

 

でも、『鉄拳』を卒業することもなかったんです。勤務時間が終わったらゲーセンに行き、閉店時間まで粘ることも(笑)。結構ハードな毎日でしたね。

 

鉄拳7のパッケージ画像

タイトル:鉄拳7

販売元:バンダイナムコエンターテインメント                                                                                                         

対応機種: PlayStation®4 / Xbox One / STEAM®

ジャンル:対戦格闘

プレイ人数:1人~2人(オンライン時最大8人)

CERO:C(15歳以上)

公式サイト:https://www.tk7.tekken-official.jp/

TEKKEN™7 & ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc

 

 

──勤めながらの連日ゲーセン通いはしんどそうですね……。会社員ゲーマーはどれくらい続けたのですか?

 

1年くらいで終焉。というのも、勤め先の会社が倒産しちゃったんです。仕方なく、就職先を探しながらのバイト暮らしとなりました。レンタルビデオショップ、衣料品販売、ラーメン屋のバイトを掛け持ち。

 

しばらくすると、3社のうち2社から正社員のお誘いをいただいて。両方大手で待遇は申し分なし。最終的にアパレルの会社を選びました。シフトが朝から15時までだったからです。仕事帰りにゲーセンに行けるので(笑)!

 

福利厚生もしっかりしていて、有給休暇を取って県外に遠征だってできました。20歳を過ぎた頃には徳島県では敵無しになっていて、ゲーム違いですが「俺より強い奴に会いに行く」状態。

 

当時、1日6本出港していた、片道2,000円のフェリーを乗り継いで大阪・難波へ。やっぱり、都会はプレイヤーが多くて、レベルが高いんです。初挑戦時は見事な敗戦でしたね。悔しくて長期休暇ごとに大阪に行っていました。

 

──その頃から大会やイベントに出場を?

 

有名な大会だと、鉄拳の「膝マスター杯」に参加しましたね。でも、特に対策をとっていないTHE素人だった私が、すでに有名になっているプレイヤーたちに勝てるわけもなく(笑)。

 

それでも、いろんな大会やゲーセンに顔を出すうち、それなりに知られるようになったようです。ハタチそこそこの女子ですからね、目立ったんだと思います。

 

 

プロゲーマー募集に応じて日本初の『鉄拳』女性プロに

インタビューに答えるたぬかなさん

 

 

──ゲームセンター、特にゲーム大会なんて男性参加者が大半なイメージ。確かに女の子は珍しいでしょうね。しかも腕が立つならなおさら。

 

遠征を繰り返しているうち、2014年頃に『鉄拳』シリーズを開発しているバンダイナムコエンターテインメントさんから連絡が。

 

「台湾の鉄拳イベントに出ませんか?」

 

それをきっかけに台湾へ2回ほど行かせてもらいました。すると、現地で人気が出たんです。台湾は日本ほどの実力者がおらず、私でも台湾のトッププレイヤーたちと互角の勝負を。女なのに強い子がいるぞ! みたいな。

 

たぬかなさんが所有するシャオユウのコスチューム
こちらはたぬかなさんが所有するシャオユウのコスチューム。『鉄拳3』からレギュラー的に登場しているキュートな女性キャラのシャオユウがたぬかな さんのメイン。

 

 

──プロへの意識が芽生えた感じでしょうか?

 

そうですね。まだプロゲーマーの存在がメジャーじゃない時代だったので、本格的に目指すまでには至りませんが、ちょっとだけ視野に入るようにはなりました。

 

23歳だった2016年に 現在所属しているCYCLOPS athlete gaming(サイクロプス・アスリート・ゲーミング)が発足。プロゲーマーになるにはスカウトされるのがスタンダードだったなか、サイクロプスでは所属選手を公募しはじめたんです。

 

それまでの経験からゲームのプロというのはなんとなく理解していましたし、興味もあった。調べたらキチンとした会社ですし、『鉄拳』プレイヤーも募集している。軽い気持ちで応募したら、複数の審査を経て合格。はじめは反対していた父を説得してプロ契約となりました。

 

──『鉄拳』初の女性プロゲーマーが誕生! プロになって生活はどう変わりましたか?

 

まず、ゲーム代がかからない(笑)! 大好きなゲームが存分にプレイできて、お給料までもらえる。なんて楽しいんだろうと、ある意味、人生の全盛期を迎えた感じでしたね。

 

 

ビッグタイトルでの敗戦をバネに、プロとしての意識が変化

真剣な表情でインタビューに答えるたぬかなさん

 

 

──それは羨ましい(笑)。

 

だけど、非スカウトのプロですから、実績がない。結果を出さなきゃいけないというプレッシャーも感じているなか、2017年3月にプロとして初めての海外大会「FINAL ROUND XX」の鉄拳7部門に参戦。

 

アメリカのアトランタでの開催で、現地へは一人で行きましたね。会場では拙い英語ながらもアメリカと韓国のプロゲーマー仲間が3人でき、なんとかなるかな、って思っていました。

 

ですが、結果は参加者約200人中、私は9位。表彰台に上れるのはトップ8だったんですね……。一緒に行動していた4人のうち、表彰台に立てなかったのは私だけ。もう、悔しくて悔しくて号泣しました。

 

──プロとしてぶつかった、はじめての大きな壁ですね。

 

プロの厳しさを痛感しました。本当に強い人はビッグタイトルがかかっていても緊張せず、いつもと変わらないプレイができる。でも、私は手が震えて止まらなかったんです。

 

また、準備の甘さも思い知らされましたね。この大会ではコントローラー持参がルールだったのに、それを知らなかった。結局、現地で借りた使い慣れないタイプを使用する始末。事前の下調べがあまりにもできていなかったんです。

 

この経験から勝つことの難しさを知り、練習するときの意識が変わりましたね。また、先輩ゲーマーの方々からのアドバイスも積極的に取り入れて、情報収集にも力を入れるようになりました。

 

──次に挑戦した、2017年5月にアメリカで行われた「Combo Breaker 2017」では、鉄拳7部門で見事3位に! 敗戦の悔しさをバネに、プロゲーマーとして実力をしっかりと高めた結果ですね。その後も国内外問わず、数々の大会で輝かしい戦績をあげていきます。

 

優勝トロフィーを持つたぬかなさん
2018年にサウジアラビアで行われた「Manga Con 2018」の鉄拳7トーナメント(3on3)では見事優勝! 写真はそのときの優勝トロフィーを持つたぬかなさん。

 

 

 

ゲームの魅力と伝えたいこと

たぬかなさんの自宅のPC環境
PCデスクに横たわっているのは、たぬかなさんの愛猫・エルちゃん。

 

 

──名実ともにトッププレイヤー入りを果たした、たぬかなさん。自身を支えているマシンたちを教えてください。

 

ゲーミングPCはエイリアンウェアの「AURORA R9」を使用しています。1/60秒というフレームレベルの判断と反応が必要で、かつ遅延の許されない格闘ゲームだってストレスなく稼働してくれます。

 

「ALIENWARE AURORA R9」スペック

・OS:Windows10 Home                                                                         

・CPU:インテル® Core™ i7-9700K プロセッサー(8-コア/8-スレッド 12MB キャッシュ,全コア4.60GHzまで動作可能)

・メモリ:16GB RAM(16GBx1) HyperX® FURY DDR4 2933MHz XMP

・GPU:NVIDIA® GeForce RTX™ 2080 Ti 11GB GDDR6

・SSD+HDD:512GB M.2 PCIe NVMe SSD (ブート) + 2TB 7200RPM SATA 6Gb/s (ストレージ) 

 

モニターもエイリアンウェアの最新モデルを使っています。レスポンスが良くスムーズに動きますよ!

 

たぬかなさんが所有するALIENWAREのゲーミングノートPC
たぬかなさんが所有するALIENWAREのゲーミングノートPC

 

エイリアンウェアはゲーミングノートPCもオススメ。『鉄拳』が十分にプレイでき、いつでもどこでもゲーセン気分です!

 

「ALIENWARE M15」スペック                                                                                                                                  

・OS:Windows10 Home

・CPU:Core i7-8750H

・メモリ:16GB RAM

・GPU:NVIDIA® GeForce GTX 1070 MAX-Q

・HDD:256GB SSD + 256GB SSD

・ディスプレイ:15.6インチ FHD (1920 x 1080) 144Hz IPS, 300-nits 72% 色域

 

 

たぬかなさんが愛用するゲームコントローラー

 

コントローラーはHORIの「リアルアーケードPro.N HAYABUSA 」。レバーとボタンを三和電子製にカスタムして使っています。特にボタンが純正だと薄くて、私には扱いづらかったので。少しストロークに遊びのあるほうが、同時押しのときにズレが生じにくいんです。

 

たぬかなさんの自宅のPC環境

 

あとはレイザーのヘッドセット「クラーケン」も欠かせませんね。着けていてもストレスにならず、細かい効果音も聞き取りやすいんです。

 

また、ゲーミングチェアはAKRacingのプレミアムシリーズです。これは2019年の「STARGAMERS COMMUNITY FESTIVAL GIRLS ONLY BATTLE」に出場したときの優勝賞品なんです。長時間座っていても疲れにくくて、すでに色違いを持っているんです。

 

 

世界中どこにいても、誰とでも繋がれるのがeスポーツの魅力!

ポーズを決めるたぬかなさん

 

──では改めて、ゲーム好きからプロゲーマーに成長したたぬかなさんにとって、ゲームの魅力ってなんでしょう?

 

今までみんなで一緒に楽しめることって、キャンプだったりスノボだったり、スケジュールを合わせる必要がありました。でも、ゲームなら家に居ながら同じ時間を共有できるんです。物理的に距離がある人とも繋がれますし。

 

それに、誰とでも楽しめるというのも素敵。世界で活躍するトッププロとだって遊べる機会があるんです。プロのサッカーや野球の選手と競技場でプレイするのは無理ですが、プロゲーマーなら同じフィールドで戦えますから!

 

──ゲームを通じて世界に伝えたいことはありますか?

 

まだまだゲーム、プロゲーマーには批判的な人が多いですよね。以前、地元の徳島県でeスポーツ部を作ろうとしたときも、年配の方たちから反対されて叶いませんでした。

 

eスポーツなら性別や年齢、運動神経、障がいに関係なくプレイできる競技なんだよって伝えたいんです。私たちの頑張りを見て、せめて囲碁、将棋、ボードゲームと同じ感覚で捉えてもらえたら嬉しいですね。

 

 

現役を退いても監督としてeスポーツに貢献したい

壁にもたれ遠くを眺めるたぬかなさん

──ゲームの地位向上は大切ですね。個人的な今後の目標を教えてください。

 

もともと30歳になる前に引退すると宣言しているので、直近の目標としては結婚引退(笑)。10年後くらいにはゲームユニットの監督をやっていたいです。できれば女子チーム。

 

私自身、容姿のことばかり言われ、とてもしんどい思いをしましたから、そういったことから女子ゲーマーを守りたい。かつ、ルックス関係なく、正しく実力で評価される環境を整えてあげたいと思います。

 

あとは徳島チームを結成して、故郷を捨てなくても食べていける手段として、eスポーツが地元の若い人たちの選択肢の一つになれば!

 

──最後に読者へメッセージをお願いします。

 

お子さんがゲームを好きなら、あまり否定しないであげてください。今はそのまま突き進んでもゲームが仕事になります。プロになるならないは別にして、目指す職業を意識できるって良いことだと思います!

 

 

 

「人に教えるのが好き」というたぬかなさん。ゲーマー御用達SNS「Discord」にて主催している鉄拳コミュニティ「鉄学」も、彼女の優しい指導が好評で、もうすぐ登録者数が1,000人に届くそう。

 

何かと女の子だから云々と中傷され、結果を出すため必死に頑張ってきたからこそ、本気で上手くなろうとするプレイヤーは放っておけないのでしょうね。すでに引退を視野に入れているのは寂しいですが、後進育成のためゲーム界から完全に離れることはないようです。たぬかな監督のチームが世界を席巻する日を楽しみに待ちましょう!

 

 

WRITTEN BY 金井 幸男 / PHOTO_BY 長野 竜成


  • DATE
    2020.08.21
  • WRITTEN BY
    DIGITAL DIY編集部
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    #たぬかな
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