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    発売開始より人気が高まり、大きな躍進を見せているAMD社製CPU「Ryzen」。ところが、同じRyzenでも性能が違うケースがあり、グラフィック機能を搭載したAPUの存在など、品番とアーキテクチャの区別がやや難解な一面もあります。Ryzenを搭載した自作PCの制作や、BTOパソコンの購入に初めてチャレンジしてみたい方にとっては「Ryzenの世代や性能の見分け方」は大きなハードルの1つではないでしょうか。そこで今回は、Ryzenを「Ryzen」「Ryzen Threadripper」「Ryzen APU」の3種類に分けて詳しく紹介します。
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初めての自作

AMD Ryzenの世代を解説。Ryzen 9/7/5/3の性能・見分け方・比較

  • DATE
    2021.05.29
  • WRITTEN BY
    amarunba

2017年に登場したAMD社製CPU 「Ryzen」。発売開始より人気が高まり、大きな躍進を見せています。今なおRyzenの進化は続いており、2022年には第5世代となるZen4が投入予定です。

一方で、同じRyzenでも性能が違うケースがあることに加え。グラフィック機能を搭載したAPUの存在など、品番とアーキテクチャの区別がやや難解な一面もあります。Ryzenを搭載した自作PCの制作や、BTOパソコンの購入に初めてチャレンジしてみたい方にとっては「Ryzenの世代や性能の見分け方」は大きなハードルの1つではないでしょうか。

今回はそんなRyzenを「Ryzen」「Ryzen Threadripper」「Ryzen APU」と3種類に分けながら紹介していきます。

AMD Ryzenの世代とは

引用:https://news.mynavi.jp/article/20170222-a491/

Ryzenの世代とは、一言で言えば「バージョン」のことです。2021年5月現在、既にRyzenは4世代目に突入。世代を重ねるごとに性能が向上し続けています。
初代Ryzen(Zenアーキテクチャ)が正式発表されたのは、2017年の2月のAMD公式説明会。同年3月に販売されました。
それまでAMDはFXシリーズやAシリーズを製造していましたが、Ryzenでは内部構造を一新。新製品のCPUとしての発表・発売となりました。

2017年の発表当時、AMD Ryzenに対する評判は総じて非常に好評でした。当時の上位クラスのCPUと比較してコア数スレッド数で同等でありながら、販売価格としては安価で消費電力や発熱も小さいと発表されたためです。

この発表は同時に衝撃的でした。なお当時のCPU市場については次の記事でも触れています。ご興味がある方はこちら合わせてお読みください。

パソコンには必ず搭載されるCPUは、パソコンにとって重要なパーツのひとつです。種類が豊富にあり、何がどう違うのかもわかりにくい…

あえて弱点を挙げるとすれば、1コア辺りの処理能力=シングルスレッド性能が低かった事や、メモリーとの相性問題が結構シビアであった点です。
とはいえ弱点を踏まえても新たなCPUの登場は、CPUのさらなる進化が起きるして歓迎されました。

引用:https://www.bcnretail.com/market/detail/20200623_178933.html

その後もRyzenのアーキテクチャは世代を重ね、「Zen+」「Zen2」の販売を経て、2020年11月より「Zen3」が発売されています。Intelも第8世代以降コア数スレッド数を増やしており、両社の高い技術力によってCPU市場は一層の盛り上がりを見せています。

AMD Ryzenの世代はいつ変わる?

2021年現在流通しているのはZen2およびZen3です。Zen2は2019年の7月より販売され、Zen3は2020年の11月から。この間、約1年程度です。
なおRyzenは市場で品薄となっていることも多いですが、2021年現在は徐々に流通量が戻りつつあります。

2022年には「Zen4」が登場予定。2021年後半に「Zen3+」を一度挟むのではないか?という予想もあります。

次世代Zen4とEPYC CPUの開発も進む

引用:https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1281852.html

2021年の世界的半導体不足は深刻。そんな状況の中で「Zen4は期待通りの性能アップが実現できるのだろうか?」「Ryzenと基本設計を共通するEPYCはどうなる?」と心配する声も一部にはあります。
筆者は「販売時期が前後する事はあっても、開発や製造自体はある程度予定通りに進むのではないか」と考えています。
まず2020年10月のZen3の発表の際には、次世代となるZen4の開発は予定通り進んでいるとアナウンスされています。

また製造を委託されているTSMCもプロセスルール微細化は進めている物と考えられます。Zen 4の製造に関する懸念は、「製造ラインが足りないこと」が主な問題です。
開発そのものの継続と「供給不足」は別の問題であり、販売時期の前後こそあったとしてもZen 4は引き続き高い性能アップが期待されます。

AMD Ryzenの世代・アーキテクチャ一覧

Ryzenシリーズをチェックする際、気を付けておきたいのが「品番」と「アーキテクチャ」の違いです。
Ryzenにおいて世代や性能を把握するには、品番ではなく内部のアーキテクチャが何なのかが重要になります。

そもそもRyzenは内蔵グラフィックが無いCPUとして登場し、それから遅れて内蔵グラフィック有りのAPUが投入されました。
ただその時にアーキテクチャの世代と品番との関係が統一されませんでした。よって単純に、品番の数字だけで世代を数えることは出来なくなりました。そこで、世代とアーキテクチャの一覧を以下にまとめました。

Ryzen

まずはRyzenの世代別のアーキテクチャを表にまとめました。Zen3から順にご紹介します。

Zen3アーキテクチャ

ブランド モデル コア数(スレッド数) キャッシュ 基本クロック
最大ブースト(GHz)
TDP
Ryzen9 5950X 16(32) 二次:8MB
三次:64MB
3.4
4.9
105W
5900X 12(24) 二次:6MB
三次:64MB
3.7
4.8
5900 3.0
4.7
65W
Ryzen7 5800X 8(16) 二次:4MB
三次:32MB
3.8
4.7
105W
5800 3.4
4.6
65W
Ryzen5 5600X 6(12) 二次:3MB
三次:32MB
3.7
1.6

2020年11月発売。コードネーム Vermeer(フェルメール)

従来品から内部構造が一新。それまで4コア+4コアの組み合わせで8コアとしていた内部構造が、8コア単体で製造されるように。

これによりコア間でのデータのやり取りに際して発生していた遅延問題が改善され、シングル・マルチスレッド性能が共に向上。よりゲーム向けのCPUに。

一方で8コアで製造するようになったためか、2021年4月時点で4コア以下のZEN3は登場していない状態に。

Zen2アーキテクチャ

ブランド モデル コア数(スレッド数) キャッシュ 基本クロック
最大ブースト(GHz)
TDP
Ryzen9 3950 16(32) 二次:8MB
三次:64MB
3.5
4.7
105W
3900XT 12(24) 二次:6MB
三次:64MB
3.8
4.7
3900X 3.8
4.6
3900 3.1
4.3
65W
Ryzen7 3800XT 8(16) 二次:4MB
三次:32MB
3.9
4.7
105W
3800X 3.9
4.5
3700X 3.6
4.4
65W
Ryzen5 3600XT 6(12) 二次:3MB
三次:32MB
3.8
4.5
95W
3600X 3.8
4.4
3600 3.6
4.2
65W
3500X 6(6) 3.6
4.1
3500 二次:3MB
三次:16MB
Ryzen3 3300X 4(8) 二次:2MB
三次:16MB
3.8
4.3
3100 3.6
3.9

2019年7月より発売。コードネーム Matisse(マティス)

7nmプロセスルールで製造され、シングルスレッド性能がIntel Core iシリーズと同等に。
特に3300Xはi7-7700と同等でありながら、1万円代で購入できる安価な4コア8スレッドCPUとして話題になりました。特にシングルスレッド性能が高く、ゲーム向きとされました。

またこの世代からRyzen9シリーズが登場。

Zen+アーキテクチャ

ブランド モデル コア数(スレッド数) キャッシュ 基本クロック
最大ブースト(GHz)
TDP
Ryzen7 PRO2700X 8(16) 二次:4MB
三次:16MB
3.6
4.1
105W
2700X 3.7
4.3
PRO2700 3.2
4.1
95W
2700 65W
Ryzen5 2600X 6(12) 二次:3MB
三次:16MB
3.6
4.2
95W
PRO2600 3.4
3.9
65W
2600
1600AF 3.2
3.6
2500X 4(8) 二次:3MB
三次:8MB
3.6
4.0
Ryzen3 2300X 4(4) 3.5
4.0

2018年4月より発売。コードネーム Pinnacle Ridge”(ピナクルリッジ)

12nmプロセスルールを採用。デスクトップ向けAPUが登場したこともあり、Ryzen3等の下位クラスは一般販売されませんでした。

1600AFは1000番台のモデル名ですが、内部的には12nmプロセスルールを採用したZen+であり、クロック数を落とした2600という扱いに。2020年5月頃に発売され、1万円代で買える6コア12スレッドCPUということで人気になりました。

Zenアーキテクチャ

ブランド モデル コア数(スレッド数) キャッシュ 基本クロック
最大ブースト(GHz)
TDP
Ryzen7 1800X 8(16) 二次:4MB
三次:16MB
3.6
4.0
95W
PRO1700X 3.4
3.8
1700X
PRO1700 3.0
3.7
65W
1700
Ryzen5 1600X 6(12) 二次:3MB
三次:16MB
3.6
4.0
95W
PRO1600 3.2
3.6
65W
1600
1500X 4(8) 二次:2MB
三次:16MB
3.5
3.7
PRO1500
1400 二次:2MB
三次:8MB
3.2
3.4
Ryzen3 1300X 4(4) 3.5
3.7
PRO1300
PRO1200 3.1
3.4
1200

2017年3月発売。コードネームSummit Ridge(サミットリッジ)

14nmプロセスルールを採用した最初のRyzenシリーズ。内蔵GPUを搭載しておらず、メモリーの相性問題などが多かったものの、1コア辺りのコストパフォーマンスが良い事から人気に。

Ryzen Threadripper

次はRyzen Threadripperの世代別のアーキテクチャを表にまとめました。Zen3から順にご紹介します。

Zen3アーキテクチャ

ブランド モデル コア数(スレッド数) キャッシュ 基本クロック
最大ブースト(GHz)
TDP
Ryzen Threadripper PRO3995WX 64 (128) 二次:32MB
三次:256MB
2.7
4.3
280W
3990X 2.9
4.3
PRO3975WZ 32 (64) 二次:16MB
三次:128MB
3.5
4.35
3970X 3.7
4.5
3960X 24 (48) 二次:12MB
三次:128MB
3.8
4.5
PRO3955WX 16 (32) 二次:8MB
三次:64MB
3.9
4.3
PRO3945WX 12 (24) 二次:6MB
三次:64MB
4.0
4.4

2019年11月より発売。コードネームCastle Peak(キャッスルピーク)

7nmプロセスルールを採用。従来からコア数が2倍に増え、最大コア数64コアとなりました。またソケットが変更されているため従来のThreadripperとの互換性はありません。

Zen+アーキテクチャ

ブランド モデル コア数(スレッド数) キャッシュ 基本クロック
最大ブースト(GHz)
TDP
Ryzen Threadripper 2990WX 32(64) 二次:16MB
三次:64MB
3.0
4.2
250W
2970WX 24(48) 二次:12MB
三次:64MB
2950X 16(32) 二次:8MB
三次:32MB
3.5
4.4
180W
2920X 12(24) 二次:6MB
三次:32MB
3.5
4.3

2018年8月より発売。コードネーム Colfax(コルファックス)

12nmプロセスルールを採用。最大32コア搭載。後に3000シリーズにて16コア以下はRyzen9として採用されるようになります。

Zenアーキテクチャ

ブランド モデル コア数(スレッド数) キャッシュ 基本クロック
最大ブースト(GHz)
TDP
Ryzen Threadripper 1950X 16(32) 二次:8MB
三次:32MB
3.4
4.0
180W
1920X 12(24) 二次:6MB
三次:32MB
3.5
4.0
1900X 8(16) 二次:4MB
三次:16MB
3.8
4.0

2017年8月発売。コードネームWhitehaven(ホワイトヘイブン)

14nmプロセスルールを採用。初代Ryzenにおけるハイエンドデスクトップ向けCPUとして登場しました。

Ryzen APU

最後にRyzen APUの世代別のアーキテクチャを表にまとめました。Zen3から順にご紹介します。

Zen3アーキテクチャ

ブランド モデル コア数(スレッド数)
+GPU CU数
キャッシュ 基本クロック
最大ブースト(GHz)
+GPU周波数
TDP
Ryzen9 5980HX 8(16)
+8
二次:4MB
三次:16MB
3.3
4.8
+2100MHz
45+W
5980HS 3.0
4.8
+2100MHz
35W
5900HX 3.3
4.6
+2100MHz
45+W
5900HS 3.0
4.6
+2100MHz
35W
Ryzen7 5800H 3.2
4.4
+2000MHz
45W
5800HS 2.8
4.4
+2000MHz
35W
PRO5850U 1.9
4.4
+2000MHz
15W
5800U
Ryzen5 5600H 6(12)
+7
二次:3MB
三次:16MB
3.3
4.2
+1800MHz
45W
5600HS 3.0
4.2
+1800MHz
35W
PRO5650U 2.3
4.2
+1800MHz
15W
5600U
Ryzen3 PRO5450U 4(8)
+6
二次:2MB
三次:8MB
2.6
4.0
+1600MHz
5400U

2021年1月発売。コードネームCezanne(セザンヌ)

7nmプロセスルール採用。デスクトップ向けZen3と同様に性能が向上。

Zen2アーキテクチャ

ブランド モデル コア数(スレッド数)
+GPU CU数
キャッシュ 基本クロック
最大ブースト(GHz)
+GPU周波数
TDP
Ryzen7 PRO 4750G 8(16)+8 二次:4MB
三次:8MB
3.6
4.4
+2100MHz
65W
Ryzen5 PRO 4650G 6(12)+7 二次:6MB
三次:8MB
3.7
4.2
+1900MHz
Ryzen3 PRO 4350G 4(8)+6 二次:2MB
三次:4MB
3.8
4.0
+1700MHz

2020年8月販売。コードネームRenoir(ルノワール)

7nmプロセスルール採用。デスクトップ向けAPUとして販売されるも、日本国内ではPRO版によるバルク販売のみ。PCIeのレーン数が従来の8レーンから16+4レーンに拡張されたこともあり、グラフィックボードやNVMe SSDが制限なく追加可能に。

Zen2アーキテクチャ(モバイル)

ブランド モデル コア数(スレッド数)
+GPU CU数
キャッシュ 基本クロック
最大ブースト(GHz)
+GPU周波数
TDP
Ryzen9 4900H 8(16)
+8
二次:4MB
三次:8MB
3.3
4.4
+1750MHz
45
4900HS 3.0
4.3
+1750Mz
35
Ryzen7 4800H 8(16)
+7
2.9
4.2
+1600MHz
45
4800HS 35
Extreme Edition 8(16)
+8
1.8
4.2
+1750MHz
15
4800U
PRO4750H 8(16)
+7
1.7
4.1
+1600MHz
4700U 2.0
4.1
+1600MHz
Ryzen5 4600H 6(12)
+6
二次:3MB
三次8MB
3.0
4.0
+1500MHz
45
4600HS 35
PRO4650U 2.1
4.0
+1500MHz
15
4600U
4500U 6(6)
+6
2.3
4.0
+1500MHz
Ryzen3 PRO4450U 4(8)
+5
二次:2MB
三次4MB
2.5
3.7
+1400MHz
4300U 4(4)
+5
2.7
3.7
+1400MHz

2020年1月より発売。コードネームRenoir(ルノワール)

7nmプロセスルール採用。Zen2になったことにより性能が飛躍的に向上。4800Hや4900Hにおいては、デスクトップ向けCPUに匹敵するほどの性能に。一方でTDPも45Wに上昇。

Zen+アーキテクチャ

ブランド モデル コア数(スレッド数)
+GPU CU数
キャッシュ 基本クロック
最大ブースト(GHz)
+GPU周波数
TDP
Ryzen5 3400G 4 (8)+11 二次:2MB
三次:4MB
3.7
4.2
+1400MHz
65W
Ryzen3 3200G 4(4)+8 二次:2MB
三次:4MB
3.6
4.0
+1250MHz

2019年7月発売。コードネームPicasso(ピカソ)

12nmプロセスルール採用。2021年4月時点でも一般流通しているデスクトップ向けAPU。PCIeのレーン数が8レーンとなっています。

Zen+アーキテクチャ(モバイル)

ブランド モデル コア数(スレッド数)
+GPU CU数
キャッシュ 基本クロック
最大ブースト(GHz)
+GPU周波数
TDP
Ryzen7 3780U 4(8)
+11
二次:2MB
三次:4MB
2.3
4.0
+1400MHz
15
3750H 4(8)
+10
35
3700U 15
PRO3700U
Ryzen5 3580U 4(8)
+9
2.1
3.7
+1300MHz
3550H 4(8)
+8
2.1
3.7
+1200MHz
35
3500U 15
PRO3500U
Ryzen3 3300U 4(4)
+6
2.1
3.5
+1200MHz
PRO3300U
3250U 2(4)
+3
二次:1MB
三次:4MB
2.6
3.5
+1200MHz
3200U

2019年1月より発売。コードネームPicasso(ピカソ)

3200Uのみ14nm、他12nmプロセスルール採用。デスクトップが版よりも早期に販売。ゲーミングノートPC向けのHモデルが登場しました。

Zenアーキテクチャ

ブランド モデル コア数(スレッド数)
+GPU CU数
キャッシュ 基本クロック
最大ブースト(GHz)
+GPU周波数
TDP
Ryzen7 3780U 4(8)
+11
二次:2MB
三次:4MB
2.3
4.0
+1400MHz
15
3750H 4(8)
+10
35
3700U 15
PRO3700U
Ryzen5 3580U 4(8)
+9
2.1
3.7
+1300MHz
3550H 4(8)
+8
2.1
3.7
+1200MHz
35
3500U 15
PRO3500U
Ryzen3 3300U 4(4)
+6
2.1
3.5
+1200MHz
PRO3300U
3250U 2(4)
+3
二次:1MB
三次:4MB
2.6
3.5
+1200MHz
3200U

2019年1月より発売。コードネームPicasso(ピカソ)

3200Uのみ14nm、他12nmプロセスルール採用。デスクトップが版よりも早期に販売。ゲーミングノートPC向けのHモデルが登場しました。

Zenアーキテクチャ

ブランド モデル コア数(スレッド数)
+GPU CU数
キャッシュ 基本クロック
最大ブースト(GHz)
+GPU周波数
TDP
Ryzen5 2400G 4 (8)+11 二次:2MB
三次:4MB
3.6
3.9
+1250MHz
65W
Ryzen3 2200G 4(4)+8 二次:2MB
三次:4MB
3.5
3.7
+1150MHz

2018年2月発売。コードネームRaven Ridge (レイヴンリッジ)

14nmプロセスルール採用。Ryzenとしては初めてのデスクトップ向けAPUになります。登場時期としては2000シリーズの頃と重なり、Ryzen3等の下位モデルと置き換えられる形で販売されていました。

Zenアーキテクチャ(モバイル)

ブランド モデル コア数(スレッド数)
+GPU CU数
キャッシュ 基本クロック
最大ブースト(GHz)
+GPU周波数
TDP
Ryzen7 2700U 4(8)
+10
二次:2MB
三次:4MB
2.2
3.8
+1300MHz
15W
PRO2700U
Ryzen5 2500U 4(8)
+8
2.0
3.6
+1100MHz
PRO2500U
Ryzen3 2300U 4(4)
+6
2.0
3.4
+1100MHz
PRO2300U
2200U 2(4) 二次:1MB
三次:4MB
2.5
3.4
+1100MHz

2017年10月発売。コードネーム Raven Ridge(レイヴンリッジ)

14nmプロセスルール採用。デスクトップ向けよりも早く発売されており、Ryzenシリーズにおける最初のAPUといえます。この当時はハイエンドなCPUとしてのラインナップはありません。

CPUの世代を型番で見分けるには

Ryzenの世代の見分け方としては、アーキテクチャの名前で見分けるのが確実です。型番だけですと、「内部構造的には1世代古い」「順番が飛ばされている」という様なナンバリングも存在します。

同じ世代で比較する場合は、まずブランド名の数字を確認します。一般向けCPUとしてはRyzen9が最上位グレードとなり、Ryzen3が最下位グレードという位置付けです。

次にモデルの千番台の数字を確認します。Gシリーズを除けば基本的には千の数字が高いほど新しい世代となります。Ryzenは世代が変わるごとにシングルスレッド性能が向上しています。主にゲーム用途での性能に影響が出る要素なので、基本的には新しい世代の物を選べば良いでしょう。

末尾のアルファベットで性能も判別可能

型番の末尾にいくつかのアルファベットがありますが、これにも意味があります。

まず「X」「XT」が付くものは無印に比べてクロック数などが高められたモデルとなります。メーカー公認のオーバークロック設定といえるもので、同時にTDPも高くなる傾向にあります。

「G」と付いたものはデスクトップ向けの内蔵グラフィック搭載CPU。AMDでは内蔵グラフィック搭載CPUを「APU」と称しています。Intel製CPUとは違って、Ryzenは内蔵グラフィックが無いモデルが通常版です。言い換えればグラボが無いと映像出力できないので、「デスクトップパソコンでグラボを必要としない」という方向けの製品です。またGシリーズは通常版より遅れて登場しており、「同じ様に見える型番でもアーキテクチャ的には1世代古い」という事があるので注意が必要です。

「H」「U」はモバイル向けAPU。Hがノート向けのハイエンド・ハイパフォーマンスモデル、Uがノート向け低消費電力モデルです。ノートPCは後付けのグラフィックボードを追加する事が困難ですので、基本的にノートPCに搭載されているRyzenはAPUが主流。一部の製品ではAPUを搭載しながら別にグラボを追加した物や、デスクトップ向けRyzen CPUを使用した物もあります。

「HS」はハイパフォーマンスかつ薄型軽量モデル向けという位置付け。こちらもノートPCで主に使用されます。

「Extreme Edition」はNEC独占配給品。基本的な性能としては4800Uと同じです。

型番に「PRO」と付いたものは、企業向けセキュリティ強化版です。通常はメーカー製パソコンの法人向けモデルに採用され、一般には流通していません。例外として4000GシリーズはパッケージやCPUクーラーが無いバルク品として流通しており、多くの場合は対応マザーボードとのセット販売となっています。

Ryzenのシリーズ・世代と性能差

AMD Ryzenはアーキテクチャの改良、およびプロセスルール微細化により、世代を重ねる毎に性能が向上しています。

具体的な例で言えば、大きなプロセスルールの変更があったZen+からZen2への世代交代で、Ryzen7 2700xとRyzen5 3600がほぼ同等の性能となりました。CPUの構造的には2コア4スレッド分の差があるのですが、それを補う分のシングルスレッド性能の向上があったという事です。

Ryzen 7の世代間の性能差

同じRyzenという名前のCPUでも、世代によってその性能は大きく変わります。では、その違いとはどの程度のものでしょうか。

PCスペックを数値化するものとしてベンチマークソフトがあります。その中のひとつである「PassMark」のサイト内にユーザーが実行し、投稿された結果をベンチマークスコアをチャート形式にして掲載しています。それが「Pass Mark」です。

今回こちらを参考にして、各世代のRyzen 7を比較したいと思います。比較対象とするのは「デスクトップ向けRyzen7」「各世代シリーズ発売開始時点での最上位のモデル(=Gシリーズや改良版は除くもの)」とします。

アーキテクチャ CPU型番 CPU Markスコア Price(USD)
Zen Ryzen 7 1800X 16,285 629.00
Zen+ Ryzen 7 2700X 17,595 399.99
Zen2 Ryzen 7 3800X 23,342 387.99
Zen3 Ryzen 7 5800X 28,634 449.00

大きな飛躍が見られたのはナンバリングが変わっているZen2、Zen3。CPUスコアが5000~6000伸びていますが、これは3割増しぐらいのペースで伸びていることになります。

Zen+はマイナーチェンジ的な小さな変更にとどまったという印象です。ただ販売価格としては大きく下がっており、より手元に届きやすくなったモデルと言えそうです。

CPUのモデル名の確認方法

近年では家電量販店においても、AMD社製CPUを搭載したパソコンが流通するケースも増えてきました。ところがパソコンは、外観だけでは性能はわかりません。つまり各種パーツの品番やモデル名を知る必要があります。

CPUモデル名確認方法はいくつか種類があります。Windowsパソコンの場合、筆者は別の2種類の方法でCPUを確認しています。

ひとつは「dxdiag」というコマンド実行による方法。

  1. Windows10ならタスクバーの左下にある「ここに入力して検索」の部分に「dxdiag」と入力
  2. DirectX 診断ツールを立ち上げる

これでCPUやグラボの情報などが確認できます。CPUは一番最初の画面のプロセッサの項目にモデル名が記載されます。この方法なら家電量販店の展示品でも、コマンドさえ知っていればすぐに表示する事が可能です。

もう一つがタスクマネージャーを起動するという方法です。

  1. 画面下のタスクバーを右クリックすると、「タスク マネージャー(K)」が出るのでこれを左クリック
  2. タスクマネージャーが起動し、左下の表示設定を詳細表示に切り替え、パフォーマンスのタブを選択

こうする事でCPUなどのモデル名や稼働状況が確認できます。なお、次の記事でも解説されているのでこちらも参考にしてください。

PCを自作する際に悩みがちなパーツといえば、やはりCPUでしょう。CPUの開発速度は著しく、毎年のように新たな製品が登場し、…

まとめ

2017年にRyzenシリーズが販売されて以降、AMDは急速にその影響力を強めています。

当初はシングルスレッド性能の低さなどから、ゲーム向きではないとされていました。それも世代を重ねる事で改善され、今後のZen4では更なる性能アップが期待されています。

Ryzenの大きな魅力は、コストパフォーマンスと性能の両立。コストパフォーマンスを重視した自作PC制作にチャレンジしてみたい方にとっては、RyzenシリーズはCPUとして非常に魅力的な選択肢でしょう。

またRyzenシリーズは、Zen4辺りでCPUソケットの変更があるのではないかとも言われています。2022年にDDR5メモリーが登場することが予測されており、DDR5に対応するためにソケット変更の時期を迎えるというのが理由です。
前述の通り、Ryzenシリーズはコストパフォーマンスの良さも大きな魅力です。2021年現在は型落ちや中古のCPUを活用して安く自作PCを組みつつ、Zen4の登場と同時にBTOパソコンの購入をすることも前向きに検討すると良いでしょう。


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