AMD RyzenシリーズのCPU(APU)性能比較まとめ!世代や種類別に比較
「Ryzen」はAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)が展開しているCPUブランドです。Ryzenはコストパフォーマンスに優れていることや、CPUとGPUを融合した「APU」という画期的な製品を展開しており人気が高まっています。
一方で、RyzenシリーズのCPUにはさまざまな世代やグレードがあるため、CPUごとの性能を比較しづらいことも。この記事では、AMD RyzenシリーズのCPUのスペックを比較検証した上で、人気のモデルやおすすめCPU(APU)もご紹介します。
AMD RyzenシリーズのCPU(APU)性能比較まとめ【2021年最新版】
引用元:https://www.amd.com/ja/processors/ryzen
Ryzen CPUシリーズのスペックを比較していく前に、まずはスペック表の見方を確認しておきましょう。
見方・項目の説明
これよりご紹介するCPU(APU)のスペックは、次の8つの項目に注目し検証していきます。項目の意味や注目すべきポイントは以下になります。
項目の意味や注目点 | 項目例 | |
---|---|---|
CPU型番 | CPUの名称。 Ryzenの後の一桁の数字(3/5/7/9)と、後方の4桁数値およびアルファベットに注目。 CPUの型番によって、ある程度スペックを推測できる。 |
Ryzen 9 5900X |
PassMark | CPUベンチマークソフト「PassMark (CPU Mark)」によるパフォーマンスの測定値。 | 39534 |
コア | CPUのコア(演算装置の中核)の数。 コア数が多いほど同時に処理できる情報量が増えるため、一般的にはハイスペックとなる。 ただし、コア数が多いと消費電力(TDP)や発熱量も高くなる傾向がある。 |
12 |
スレッド | スレッド数は「論理コア数」とも呼ばれ、同時に処理できる作業単位を示す。 例えば、スレッド数が8個であれば、同時に8つの処理を行えるということ。 |
24 |
定格クロック | CPUが1秒間に動作できる回数で、「ベースクロック周波数」とも呼ばれる。 例えば、定格クロックが1GHzのCPUは、1秒間に10億回できるということ。 この数値が高いほど、短時間でより多くの情報を処理できるので、基本的にはハイスペックとなる。 |
3.7GHz |
最大クロック | CPUの周波数をブースト(オーバークロック)させたときに、クロック周波数をどこまで上げられるかを示す数値。 最大クロック数はあくまで1コア単体の数値であり、全コアでこの数値を出せるわけではない。 |
4.8GHz |
TDP | Thermal Design Power(熱設計電力)のことで、電源や冷却に関する指標を示すもの。 厳密には消費電力とは異なるが、基本的にはTDPと消費電力の間に大きな違いはない。 |
105W |
価格 | 「Amazon」や「価格.com」における最安価格の目安。 ただし、価格は2021年6月現在のものであるため、すでに価格が変動している可能性あり。 また、すでに新品での購入が困難な場合は「なし」と表示し、その理由を併記する。 |
69,980円 |
参照元:https://flets-w.com/chienetta/list/2015/09/cb_pc-equipment47.html
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/gaming/resources/cpu-clock-speed.html
https://ascii.jp/elem/000/001/724/1724010/
上記のように、「PassMark」「コア」「スレッド」「定格クロック」「最大クロック」については、数値が高いほど基本的には「ハイスペック」となります。ただし、ハイスペックなCPUは価格も高いので、自作PCの構成を検討するときは注意が必要です。
Ryzen第4世代(最新)
まずは、Ryzen第4世代のCPUスペックについて見ていきましょう。なお「Ryzenの世代って何だろう」「第4世代とそれ以前の世代の違いは何?」と思った方はこちらの記事も参考にしてください。
CPU型番 | PassMark | コア | スレッド | 定格クロック | 最大クロック | TDP | 価格(税込) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Ryzen 9 5950X | 46144 | 16 | 32 | 3.4GHz | 4.9GHz | 105W | 99,999円 |
Ryzen 9 5900X | 39534 | 12 | 24 | 3.7GHz | 4.8GHz | 105W | 69,980円 |
Ryzen 9 5900 | 35905 | 12 | 24 | 3.0GHz | 4.7GHz | 65W | なし(OEM専用) |
Ryzen 7 5800X | 28574 | 8 | 16 | 3.8GHz | 4.7GHz | 105W | 51,980円 |
Ryzen 7 5800 | 26478 | 8 | 16 | 3.4GHz | 4.6GHz | 65W | なし(OEM専用) |
Ryzen 7 PRO 5750G | 25562 | 8 | 16 | 3.8GHz | 4.6GHz | 65W | なし(未発売) |
Ryzen 7 5700G | 23642 | 8 | 16 | 3.8GHz | 4.6GHz | 65W | なし(未発売) |
Ryzen 5 5600X | 22180 | 6 | 12 | 3.7GHz | 4.6GHz | 65W | 36,480円 |
Ryzen 5 PRO 5650G | 21087 | 6 | 12 | 3.9GHz | 4.4GHz | 65W | なし(未発売) |
Ryzen 5 5600G | 20247 | 6 | 12 | 3.9GHz | 4.4GHz | 65W | なし(未発売) |
引用元:https://www.cpubenchmark.net/singleCompare.php
※PassMarkのスコアが高い順
※掲載値は2021年6月現在のもの
上記の中で圧倒的なハイスペックを誇るのが「Ryzen 9 5950X」です。第4世代のフラッグシップモデルというだけあって、16コア/32スレッドという他にはない構成が特徴です。
同じく第4世代Ryzenの「Ryzen 9 5900X」もPassMarkスコアが4万に迫る一方で、価格は3万円ほど安いのでコスパに優れています。ハイクラスの「Ryzen 7 5800X」は8コア16スレッドで3万近いスコアを出しながらも、価格は5万円前後とコスパ抜群です。
さらに事業者専用のOEMも含まれるため、現状で購入可能な第4世代Ryzenの下位モデルは「Ryzen 5 5600X」のみ。2万を超えるスコアを持つCPUが4万円以下で手に入ります。価格を抑えて十分な性能のPCを構成したい人におすすめです。
Ryzen第3世代
次に、第3世代のRyzen CPUのスペックを見ていきましょう。
CPU型番 | PassMark | コア | スレッド | 定格クロック | 最大クロック | TDP | 価格(税込) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Ryzen 9 3950X | 39216 | 16 | 32 | 3.5GHz | 4.7GHz | 105W | 97,680円 |
Ryzen 9 3900XT | 32956 | 12 | 24 | 3.8GHz | 4.7GHz | 105W | 76,098円 |
Ryzen 9 3900X | 32894 | 12 | 24 | 3.1GHz | 4.3GHz | 65W | 42,801円(バルク品のみ) ※1 |
Ryzen 7 3800XT | 23953 | 8 | 16 | 3.9GHz | 4.7GHz | 105W | 41,980円 |
Ryzen 7 3800X | 23332 | 8 | 16 | 3.9GHz | 4.5GHz | 105W | 39,800円 |
Ryzen 7 3700X | 22798 | 8 | 16 | 3.6GHz | 4.4GHz | 65W | 46,980円(バルク品のみ) ※2 |
Ryzen 7 4700G | 19915 | 8 | 16 | 3.8GHz | 4.4GHz | 65W | なし(OEM専用) |
Ryzen 7 PRO 4750GE | 19765 | 8 | 16 | 3.1GHz | 4.3GHz | 35W | なし(ThinkCentre専用品) |
Ryzen 5 3600XT | 18840 | 6 | 12 | 3.8GHz | 4.5GHz | 95W | 28,872円 |
Ryzen 5 3600X | 18326 | 6 | 12 | 3.8GHz | 4.4GHz | 95W | 29,979円 |
Ryzen 5 3600 | 17866 | 6 | 12 | 3.6GHz | 4.2GHz | 65W | 24,480円 |
Ryzen 5 PRO 4650G | 16527 | 6 | 12 | 3.7GHz | 4.2GHz | 65W | 36,000円(バルク品のみ) ※3 |
Ryzen 5 PRO 4650GE | 15988 | 6 | 12 | 3.3GHz | 4.2GHz | 35W | なし(バルク品のみ) |
Ryzen 5 4600G | 15736 | 6 | 12 | 3.7GHz | 4.2GHz | 65W | なし(OEM専用) |
Ryzen 5 3500X | 13375 | 6 | 6 | 3.6GHz | 4.1GHz | 65W | 22,980円(中国専用モデル) ※4 |
Ryzen 5 3500 | 12893 | 6 | 6 | 3.6GHz | 4.1GHz | 65W | 19,800円 |
引用元:https://www.cpubenchmark.net/singleCompare.php
※PassMarkのスコアが高い順
※掲載値は2021年6月現在のもの
※1 https://kakaku.com/item/K0001298792/?lid=pc_ksearch_kakakuitem
※2 https://www.amazon.co.jp/dp/B08FY67CWK/
※3 https://www.amazon.co.jp/dp/B08FY56CXF/
※4 https://www.amazon.co.jp/dp/B0824HGVLK/
第3世代のフラッグシップモデル「Ryzen 9 3950X」は、さすがに素晴らしいスペックを誇ります。PassMarkのスコアは4万に迫るため、最新の第4世代機種である「Ryzen 9 5900X」に匹敵する性能です。12コア/24スレッドでPassMarkスコアが3万を超えていながら、価格は55,000円前後とコスパ抜群。下位モデルになるとスコアが1万近く下がるため、スペックとコストを両立させるなら3900Xがおすすめです。
ハイクラスの「Ryzen 7 3800XT」「Ryzen 7 3800X」「Ryzen 7 3700X」はいずれもPassMarkスコアが23000近くで、価格も4万円前後です。この中では3700Xが最も低価格でTDPも大幅に低いため、コストを抑えてゲーミング性能を高めたい人に向いています。
また3万円以下でそれなりのスペックを得たいなら、6コア/12スレッドでPassMarkスコアが2万に近い「Ryzen 5 3600XT」「Ryzen 5 3600X」を選ぶと良いでしょう。コストを2万円以下に抑えたいのであれば、「Ryzen 5 3500」や「Ryzen 3 3300X」が候補となります。
AMD Ryzenシリーズの人気・おすすめCPU(APU)の性能比較
第4世代と第3世代のAMD Ryzenシリーズについて、様々な機種の基本スペックをご紹介しました。その中でも特におすすめしたいCPU(APU)が、「Ryzen 7 5800X」と「Ryzen 7 3700X」の2機種です。これらは他のモデルと比べても、コスパの良さが際立っています。
Ryzen 7 5800X
先ほども少し触れましたが、「Ryzen 7 5800X」は同じく第4世代の「Ryzen 9 5900X」や「Ryzen 5 5600X」と比べて、コスパの高さが目立つので自作PC用のCPUとしておすすめです。これら3機種のスペック比較は次のようになります。
CPU型番 | PassMarkスコア | プロセス | コア/スレッド | 定格クロック/最大クロック | TDP | 標準価格(国内最安価格) |
---|---|---|---|---|---|---|
Ryzen 9 5900X | 39534 | 7mm | 12/24 | 3.7GHz/4.8GHz | 105W | $549(69,980円) |
Ryzen 7 5800X | 28574 | 7mm | 8/16 | 3.8GHz/4.7GHz | 105W | $449(51,980円) |
Ryzen 5 5600X | 22180 | 7mm | 6/12 | 3.7GHz/4.6GHz | 65W | $299(36,480円) |
上記のように、それぞれクラスが「9」「7」「5」と違うということもあり、PassMarkスコアは10000ほど異なります。しかし、実際に必要なスペックを考えてみると、「Ryzen 9 5900X」ほどのスペックは必要ないことがほとんど。
下位モデルの「Ryzen 7 5800X」であっても、競合他社のフラッグシップモデルと肉薄するほどのスコア値を達成しています。Ryzen 9 5900Xより2万円ほど安くなるので、Ryzen 7 5800Xを選んでグラボに投資する方が、ゲーミング性能の高いマシンに仕上がるでしょう。
Ryzen 7 3700X
第3世代のRyzen CPUから選ぶのであれば、「Ryzen 7 3700X」がおすすめです。このモデルは性能と価格のバランスが取れているため、幅広いユーザーに向いています。直系の下位モデルである「Ryzen 5 3600」とスペックの比較を行ってみましょう。
CPU型番 | PassMarkスコア | プロセス | コア/スレッド | 定格クロック/最大クロック | TDP | 標準価格(国内最安価格) |
---|---|---|---|---|---|---|
Ryzen 7 3700X | 22798 | 7mm | 8/16 | 3.6GHz/4.4GHz | 65W | $329(38,978円) |
Ryzen 5 3600 | 17866 | 7mm | 6/12 | 3.6GHz/4.2GHz | 65W | $199(24,480円) |
現状での最安価格は14,000円ほどで、PassMarkスコアの差は5000前後です。「Ryzen 5 3600」の価格の安さは魅力的ですが、コア数やスコア値が「Ryzen 7 3700X」と比べて低いのが気になるところ。
「Ryzen 7 3700X」はPassMarkスコアが20000を大幅に超えており、スコアでは最新世代の「Ryzen 5 5600X」を凌駕します。8コアを活かしたマルチスレッド性能で、最新のゲームにも対応できるはず。コスパの良さは明らかなので、自作PC用のCPUにおすすめです。
AMD Ryzenシリーズの型番ごとのゲーミング性能・ベンチマーク例
引用元:https://www.amd.com/ja/processors/ryzen
AMD RyzenシリーズのCPUにはさまざまなモデルがあります。ここからはDigital DIYerのユーザーによる実機計測データを引用しつつ、「Ryzen 5 2400G」と「Ryzen 7 2700X」の2機種を検証していきます。両機種のゲーミング性能やベンチマーク結果の概要を確認していきましょう。DDIYerが集まるDigital DIYerはこちら!
Ryzen 5 2400G
「Ryzen 5 2400G」はRyzen初のAPUとして大きな注目を集めたモデルです。末尾に「G」がついた機種はグラフィックスチップを内蔵しているため、グラボなしでゲームをプレイできます。そんなRyzen 5 2400Gの基本スペックは次のとおりです。
世代(アーキテクチャ) | Zen (14nm) |
---|---|
コア/スレッド | 4/8 |
定格クロック/最大クロック | 3.6GHz/3.9GHz |
TDP | 65W |
PassMarkスコア | 8742 ※1 |
標準価格(国内税別価格) | $169(19,800円) ※2 |
※1 https://www.cpubenchmark.net/compare/AMD-Ryzen-5-2400G-vs-Intel-i7-6700K/3183vs2565
※2 https://www.gdm.or.jp/crew/2018/0213/252398
発売から3年以上経過しているため、現在ではそれほどスペックが高いわけではありません。しかし、内蔵グラフィックスを搭載していて定価が2万円を切るため、低予算でゲーミング環境を構築するには最適のAPUでした。FF14のベンチマーク結果は次のとおりです。
- 計測日時: 2021/4/7 0:12:35
- SCORE: 7842
- 平均フレームレート: 65.0026
- 最低フレームレート: 21
- 評価: 非常に快適
- -非常に快適に動作すると思われます。お好みのグラフィック設定でお楽しみください。
上記のベンチマーク結果は、グラボにGeForce GTX 1660 SUPERを採用して、フルHDの高品質設定で行った場合のものです。スコアは7482で「非常に快適」となり、平均フレームレートも60を上回っています。
以上の点から、「Ryzen 5 2400G」のCPUスペックは十分と言えそうです。ただし、アーキテクチャが古いため、最新のゲームに対応するには力不足かもしれません。Ryzen 5 2400Gの詳細については、下記のページで徹底解説しているため参考にしてみてください。
AMD Ryzen 7 2700X
「AMD Ryzen 7 2700X」は第2世代Ryzen 7シリーズのフラッグシップモデル。先ほども少し触れましたが、プロセスサイズの縮小やクロック数の向上など、初代から確実な進化を遂げたCPUです。そんなAMD Ryzen 7 2700Xの基本スペックは次のとおりです。
世代(アーキテクチャ) | Zen+ (12nm) |
---|---|
コア/スレッド | 8/16 |
定格クロック/最大クロック | 3.7GHz/4.3GHz |
TDP | 105W |
PassMarkスコア | 17599 |
標準価格(国内税別価格) | $329(37,980円) |
参照元:https://technical.city/ja/cpu/Ryzen-7-2700X
発売からすでに3年以上が経過していますが、現在の基準から見てもそれなりに高いスペックだと言えます。8コア16スレッドを活かしたマルチスレッド能力の高さも魅力的です。FF14のベンチマーク結果は次のようになりました。
- 計測日時: 2021/4/1 17:40:09
- SCORE: 11378
- 平均フレームレート: 90.6
- 最低フレームレート: 38
- 評価: 非常に快適
- -非常に快適に動作すると思われます。お好みのグラフィック設定でお楽しみください。
上記のベンチマーク結果は、グラボにGeForce GeForce GTX1070を採用して、フルHDの高品質設定で行った場合のものです。スコアは11378で「非常に快適」となり、平均フレームレートも60を大幅に上回っています。余裕のスペックだと言えるでしょう。
「AMD Ryzen 7 2700X」は内蔵グラフィックス非搭載なので、自作PCの構成時はグラボが必須です。CPUのスペック自体が高く、GPUの性能を十分に引き出してくれます。AMD Ryzen 7 2700Xの詳細は下記のページで解説しているので、参考にしてみてください。
AMD RyzenシリーズのCPU(APU)を買うならどれがいい?
引用元:https://www.amd.com/ja/processors/ryzen
自作PCを制作するときは、予算や目的に応じてパーツを選ぶことが大切です。しかし、RyzenのCPU(APU)は種類が多いため、迷ってしまうこともあるでしょう。そこで下記3つのパターンごとに、RyzenシリーズのどのCPU(APU)を選べば良いかご紹介します。
- 安さやコストパフォーマンスを重視する場合
- グラボなしでPCを構成する場合
- 予算に余裕がある場合
安さ・コストパフォーマンスを重視する場合
コストを抑えて自作PCを構成したい場合は、前世代のCPUを選ぶのがおすすめです。その中でも「Ryzen 3 3300X」は特に価格が抑えられています。もう少しスペックが必要な場合は、「Ryzen 5 3600X」を検討してみると良いでしょう。いずれもグラボは別途必要です。
一方で、最新のゲームに対応できるCPUを選びながらも、できるだけコストを抑えたい場合は先ほどもご紹介した「Ryzen 7 5800X」がおすすめです。「Ryzen 3 3300X」「Ryzen 5 3600X」「Ryzen 7 5800X」の3機種のスペックを改めて確認しておきましょう。
CPU型番 | Ryzen 3 3300X | Ryzen 5 3600X | Ryzen 7 5800X |
---|---|---|---|
PassMark | 12739 | 18326 | 28574 |
コア/スレッド | 4/8 | 6/12 | 8/16 |
定格クロック/最大クロック | 3.8GHz/4.3GHz | 3.8GHz/4.4GHz | 3.8GHz/4.7GHz |
TDP | 65W | 95W | 105W |
最安価格(税込) | 16,980円 | 29,979円 | 51,980円 |
グラボ無しで運用する場合
グラボなしで自作PCを構成する場合は、末尾に「G」がついた内蔵グラフィックス搭載モデル(APU)を選ぶ必要があります。現在購入可能なAPUは少なく、バルク品にはなりますが「Ryzen 5 PRO 4650G」もしくは「Ryzen 7 PRO 4750G」が候補に上がるでしょう。
また、これから発売される予定の「Ryzen 7 5700G」というAPUもあります。予想販売価格が359ドル前後なので、国内価格は45,000円前後になる見込みです。「Ryzen 5 PRO 4650G」「Ryzen 7 PRO 4750G」「Ryzen 7 5700G」の性能を確認しておきましょう。
CPU型番 | Ryzen 5 PRO 4650G | Ryzen 7 PRO 4750G | Ryzen 7 5700G |
---|---|---|---|
PassMark | 16527 | 20679 | 23642 |
コア/スレッド | 6/12 | 8/16 | 8/16 |
定格クロック/最大クロック | 3.7GHz/4.2GHz | 3.6GHz/4.4GHz | 3.8GHz/4.6GHz |
TDP | 65W | 65W | 65W |
最安価格(税込) | 36,000円 | 46,980円 | 未発売(45,000円前後になる見込み) |
予算に余裕がある場合
予算に余裕がある場合は、ぜひハイエンドモデルのRyzen CPUを選びましょう。最高のスペックを手に入れたいなら「Ryzen 9 5950X」や「Ryzen 9 5900X」がおすすめです。特に5950Xは16コア/32スレッドで、45000を超える驚異のPassMarkスコアを誇ります。
GPUなど他のパーツも重視したい場合は、前世代の「Ryzen 9 3900X」もおすすめです。スコアは30000を超えていて圧倒的ですが、型落ちなので価格も落ち着いてきています。「Ryzen 9 5950X」「Ryzen 9 5900X」「Ryzen 9 5900X」のスペックは次のとおりです。
CPU型番 | Ryzen 9 5950X | Ryzen 9 5900X | Ryzen 9 5900X |
---|---|---|---|
PassMark | 46144 | 39534 | 32894 |
コア/スレッド | 16/32 | 12/24 | 12/24 |
定格クロック/最大クロック | 3.4GHz/4.9GHz | 3.7GHz/4.8GHz | 3.8GHz/4.6GHz |
TDP | 105W | 105W | 105W |
最安価格(税込) | 99,999円 | 69,980円 | 54,980円 |
【参考】AMD Ryzenシリーズの世代間での性能差・性能比較まとめ
引用元:https://www.amd.com/ja/processors/ryzen
最後に同じクラスのモデルが世代を経てどのように進化してきたか、Ryzen CPUが歩んできた道のりを検証してみましょう。
同じクラスのモデルが世代間でどれだけ性能が変化しているのか、ぜひ参考にしてください。旧モデルでも自分の用途に対して十分な性能がある場合は、中古品や型落ち品を安い価格帯で探してみるのも楽しいですよ。
Ryzen 5
「Ryzen 5」シリーズはRyzenのミドルレンジクラスのCPU(APU)です。Ryzenらしいコスパの良さが魅力のRyzen 5シリーズは、次のようにスペックの向上を続けてきました。
CPU型番 | Ryzen 5 5600X | Ryzen 5 3600X | Ryzen 5 2600X | Ryzen 5 1600X |
---|---|---|---|---|
世代(アーキテクチャ) | Zen3 (7nm) | Zen2 (7nm) | Zen+ (12nm) | Zen (14nm) |
コア/スレッド | 6/12 | 6/12 | 6/12 | 6/12 |
対応メモリ | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-2933 | DDR4-2666 |
標準価格(税別) | 35,800円 | 29,800円 | 25,980円 | 30,800円 |
発売日 | 2020年11月5日 | 2019年7月7日 | 2018年4月19日 | 2017年4月11日 |
PassMarkスコア | 22181 | 18326 | 14086 | 13055 |
引用元:https://ascii.jp/elem/000/004/055/4055963/
Ryzen 7
「Ryzen 7」のCPUはハイクラスモデルで、下位モデルより大幅に高いスペックと、Ryzenらしいコスパを両立させていることが魅力です。「Ryzen 5」では順当な進化を遂げたAMDですが、「Ryzen 7」シリーズのCPUではさらなる飛躍が見られます。
CPU | Ryzen 7 5800X | Ryzen 7 3800X | Ryzen 7 2700X | Ryzen 7 1800X |
---|---|---|---|---|
世代(アーキテクチャ) | Zen3 (7nm) | Zen2 (7nm) | Zen+ (12nm) | Zen (14nm) |
コア/スレッド | 8/16 | 8/16 | 8/16 | 8/16 |
対応メモリ | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-2933 | DDR4-2666 |
標準価格(税別) | 53,480円 | 46,980円 | 37,980円 | 59,800円 |
発売日 | 2020年11月5日 | 2019年7月7日 | 2018年4月19日 | 2017年4月11日 |
PassMarkスコア | 28572 | 23332 | 17599 | 16309 |
引用元:https://ascii.jp/elem/000/004/053/4053166/
プロセスサイズはRyzen 5シリーズと同じく3代目で初代の半分となり、対応メモリクロックも大幅に向上しました。ブーストクロックも順調に高まったため、高負荷のゲーミング時も十分に対応できます。
まとめ
AMD RyzenシリーズのCPUはたくさんのモデルがあり、型番と世代の関連性も分かりづらいためスペックの比較は単純ではありません。しかし、今回ご紹介した点を意識してみると、自分に合うRyzenのCPU(APU)はどれなのか、選びやすくなるはずです。
基本的には新世代(第4世代)の方がハイスペックですが、あえて旧世代(第3世代)を選ぶとコストを抑えられる場合があります。また、RyzenはCPUのスペックが高くてコスパが良いので、最上位の「9」ではなく「7」を選んでも十分な性能を得られることが多いです。
また、現状では内蔵グラフィックス搭載の「G」モデルの選択肢が限られていますが、今後発売される予定の新モデルも検討に値します。予算や目的に合うRyzenのCPU(APU)を見つけて、理想の自作PCを制作してみましょう!