テレビはPCモニターの代わりになる?性能の違い/接続方法を解説
近年は映像コンテンツの充実化もあって、より大画面かつ高解像度のテレビが人気になっています。4Kテレビの価格が大きく下がり、数万円程度で購入できることも人気を後押ししています。
そこで数万円で大型のテレビが買えるならば「大画面の4Kテレビでオンラインゲームをプレイしたい」「4Kテレビをモニター代わりにできないだろうか」と考える方も多いのではないでしょうか。今回は、テレビとPCモニターの違いを踏まえて、気になる使用感などを解説します。
目次
テレビとPCモニターの違い
引用元: Amazon
テレビもモニターも「入力された信号を元に映像を映し出すもの」であり、そのため基本的な構造に違いはありません。結論から言えば、HDMI端子があればテレビをPCモニターとして使う事が可能です。
ただしテレビの内部には、映像処理を行うチップやチューナーが備えられています。一方でPCモニターは「表示することにのみ特化」しています。映像処理自体はゲーム機やPCに任せています。
これが応答速度に影響を与えており、総じてPCモニターの方がラグや遅延はありません。
4Kテレビ | PCモニター(ゲーミング) |
---|---|
テレビの受信ができるチューナーが内蔵されている | 応答速度が早い=ラグ・遅延が少ない |
接続端子はHDMIとアンテナ端子など | リフレッシュレートが高い |
30インチ以上の大画面が主流 | 接続端子はHDMI・DP・D-SUBなど |
モニターに比べると高価 | 20~30インチが主流 |
画面サイズあたりの価格が安価 |
また全体的な傾向として「画面サイズ」も違います。テレビは大人数での鑑賞も考慮して、迫力重視で大画面化する傾向にあります。一方でPCモニターは作業者一人での見やすさを重視し、24~30インチ辺りが主流となります。
テレビをPCモニターにすると「作業エリアが広がる」ケースが多い
前述の通り、テレビとPCモニターの基本的な構造は同じです。よってHDMIケーブルがあればテレビをPCモニターにすることが可能です。家に古いテレビがあれば、ケーブルでつなげば十分にモニターの代用として使えます。
なお一般的なPCモニターはフルHDの1920×1080ドット。それに対して4Kテレビは3840×2160ドットで、フルHD4枚分の画素数があります。
横幅だけ見ても画素数はPCモニターの2倍。インチサイズの大きいTVがあれば、画質も表示エリアの広さも「非常に快適」でしょう。
たとえば音楽制作や動画編集で複数ソフトを同時に開いて作業している方に、この表示エリアの広さはおすすめ。視野が広がるだけで、作業のストレスが大きく軽減されます。
テレビとPCモニターの接続に必要なもの | 用途に合わせたHDMIケーブル
テレビとPCモニターの接続に必要なものは「用途に合わせたHDMIケーブル」です。
HDMIには区分とバージョンの違いがあります。これによって映し出せる解像度とフレームレートに差が生じます。
出典元:https://panasonic.jp/cord/products.html#CHE
ケーブルの区分 | バージョン | 帯域 | 解像度・フレームレート | 備考 |
---|---|---|---|---|
ウルトラハイスピード | Ver2.1 | 48Gbps | 7680×4320/60p 3840×2160/120p |
8K対応 |
プレミアムハイスピード | Ver2.0a | 18Gbps | 3840×2160/60p | HDR対応 |
Ver2.0 | 3840×2160/60p | |||
ハイスピード | Ver1.4 | 10.2Gbps | 3840×2160/30p | |
Ver1.3 | 2560×1440/75p | |||
スタンダード | Ver1.2 | 4.95Gbps | 1920×1200/60p |
ゲーミングモニターではVer2.0以上のプレミアムハイスピード相当の物が一般的です。
4KはフルHDの4倍の帯域を使いますので、4Kで60fpsとなる帯域上限でも、フルHDなら240fpsまで出すことが可能です。
4Kテレビの場合はフレームレートによって、プレミアムかウルトラのどちらかを選択することになります。
テレビをPCモニターとして利用するメリット/デメリット
テレビをPCモニターとして使うメリットは、HDMIケーブル1本で接続することができる点です。外泊先のホテルのテレビでも使えますし、古いテレビであっても変換ケーブルやアダプターを使えば問題なくモニターの代用に使えます。
また入力切替をすれば、テレビを「テレビとして使う」ことももちろん可能。テレビ番組の視聴と、モニターの用途を1台で兼ねることができます。
デメリットは、テレビと使用者の「想定されている距離の違い」です。PCモニターは画面から1m以内で着席するのに対して、テレビの場合は2mを超える距離から眺めるケースが多いです。2mを超える距離に設置することを想定されたテレビを、普通に机に置こうとすると、意外と置き場所に困ることも。
また4Kの画面にフルHD基準の映像を映すと文字やアイコンが小さくなってしまうため、アップスケーリングが必要になることもあります。
テレビとPCモニターの「リフレッシュレートの違い」にも要注意 | テレビは遅延が多い
映像分野でのフレームレートは、30fpsや60fpsが主流。そのためテレビも1秒間に60コマのリフレッシュレート=60Hzが主流です。
しかしゲーム分野では、60fps/60Hzでは、以下の画像のように遅延が生じます。240fps/240Hzと比較すると極めてラグが大きく、FPSや格ゲーなど遅延の影響が大きなタイトルでは致命傷になりかねません。
出典元:https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/news/what-is-fps-and-how-it-helps-you-win-games/
また厄介なのが、前述の通りテレビ内部に「映像処理のチップが入っている」という点。入力された信号をテレビ内部で変換処理する作業の工程でも、ラグが生じます。
PCモニターでは60〜390Hzの製品があるので、それに比べると、テレビのリフレッシュレートは低いと言えます。
とはいえ、これらの欠点は一部の製品では解消されつつあります。たとえば「REGZA(東芝)」「OLED(LG)」では、ゲームに適した高リフレッシュレート&低遅延表示モードが用意された製品が用意されています。
4万~5万円台で購入可能なPCモニターに使用可能な4Kテレビ
発売当初はとても高価だった4Kテレビですが、40インチぐらいのモデルであれば4~5万台で購入する事も可能に。ここではPCモニターに代用可能な4Kテレビを紹介します。
東芝 REGZA 43C350X [43インチ]
東芝のREGZA=レグザシリーズの4K-43インチモデル。こちらはリフレッシュレート60Hzながらも、瞬速ゲームモードを搭載しており、低遅延で家庭用ゲーム機を楽しむ事が出来ます。
ハイセンス 43A6G [43インチ]
ハイセンスの4K-43インチテレビは、GoogleアシスタントやAmazon Alexaなどのスマートスピーカーに対応しており、音声での操作が可能です。低遅延ゲームモードにも対応しており、低遅延で家庭用ゲーム機を楽しむ事ができます。
まとめ
昨今のパソコンの映像出力端子はDPもしくはHDMIが主流。変換ケーブルやアダプターを使えば、古いテレビも「モニターの代用」パソコン上の映像を映し出すことができます。うまく使いこなすことで、パソコン画面を外泊先のホテルのテレビで映すこともできます。
4Kテレビの価格が大きく下がってきたことで、若干のラグという難点はありますが「モニターとテレビを買う」ならば「4Kテレビをモニターとしても使う」方がコスパが良い場面もあります。
4Kテレビの活用法を、本記事を参考にぜひ検討してみてください。