ついに本気を出してきたIntelの第9世代CPUが登場!メインストリーム向けも8コア16スレッド突入でAMDとのCPU戦争勃発
>> 関連記事 :ゲームをやるなら自作PCがお勧めの理由 : その2 – 「美しい」4K ディスプレイでも遅延なく快適に
メインストリーム向けCPUも8コア突入!Intelが第9世代で反撃の狼煙をあげる
- AMDのRyzenに押されていたIntelがついに8コアCPUを投入
業務用途ではなく、一般PC向けに使われるCPUのことを「メインストリーム向け」と呼びます。そんなメインストリーム向けCPUでライバルであるAMDを寄せ付けず、長らく最速の座を維持していたIntelでしたが、2017年にAMDからリリースされたRyzenにその座を奪われてしまいました。CPUの王者Intelにとってそれは耐え難いことだったようです。2018年に発表された第9世代CPUでは「8コア16スレッド」という驚異的なパフォーマンスを誇るCPUを発売して世の中の自作PCユーザーを驚かせました。
コアやスレッドとは、同時並行的に処理を行える仕組みのことです。動画エンコードなど時間がかかる重い処理でも、コアやスレッドが多ければ多いほど処理を分散させて、短時間で処理を完了することができます。
- 動画エンコードやゲーム用途でもAMDを再び上回れるのか?
Intelの第9世代CPUの中でも2018年11月現在最速モデルである「i9-9900K」は、AMDのRyzenにリードされていた動画エンコードやゲーム用途で、メインストリーム最速の座を取り戻しています。これまでメインストリーム向けには6コア12スレッドのCPUしかリリースしていなかったIntelが、第9世代で8コア16スレッドのCPUに刷新したのは、間違いなくライバルAMDを意識してのことでしょう。
それでは現在発売されている第9世代CPUの3モデルのスペックを細かく確認していきましょう。
第9世代のIntelCPUのラインナップとスペック
- i9-9900K:8コア16スレッドのメインストリーム最速を取り戻したハイエンドCPU
第9世代IntelCPUを代表するモデルがi9-9900Kです。
i9-9900Kの内部には実際に処理を担当するパーツが8つ搭載されています。これが8コアと呼ばれるゆえんです。またIntel独自の技術である、1つのコアを仮想的に2つのコアと見なして処理を分散させる「ハイパースレッディング・テクノロジー」により、物理的には8コアのi9-9900Kですが実質的には16コアレベルのパフォーマンスを叩き出します。
またIntelのCPUモデル末尾にアルファベットのKがついたモデルは「オーバークロック」が可能、消費電力や発熱量が増える代わりにCPUの性能をさらに向上させることができます。ただでさえ性能の高いi9-9900Kですが、オーバークロックによりもう一段階ほど速度を上げることが可能です。第9世代からはオーバークロック時に発生する熱問題に対応するためか、CPU内部で使われている素材がグリスからはんだ付けに変更されています。これにより自作PCユーザーがCPUを冷却しやすくなっており、オーバークロックが捗ることが予想されています。
メインストリーム向けCPUにここまでの性能が必要なのかどうかは議論が分かれるところですが、i9-9900Kで自作PCを組んでおけば数年間は処理速度で不満を感じることはないでしょう。i9-9900KはIntelが繰り出す、まさに渾身のフラッグシップCPUと言えます。
- i7-9700K:8コア8スレッドでも実力は相当なもの
i7-9700Kは2018年11月現在発売されている3つのモデルの中では、ちょうど真ん中に位置するCPUです。性能は高いけれど価格も高いi9-9900Kと比べると財布に優しいため、多くの自作PCユーザーはこちらのi7-9700Kを選択するかもしれません。物理的には8コアで、i9-9900Kのように1つのコアを2つのスレッドに分散させる機能は搭載されませんでした。このことがIntelから発表された直後はネット上でも「ガッカリした」という声が多かったのですが、実際にi7-9700Kのベンチマーク結果が雑誌やネットメディアから発表されると評価は一変します。
処理を並行分散させる処理では上位モデルi9-9900Kには及びませんが、1コアだけを使うような処理では上回るようなケースが確認されています。またライバルであるAMDのRyzen7-2700Xにはどのようなシチュエーションでもほぼ上回る結果が出ています。
- i5-9600K:ミドルレンジの立ち位置だが8世代から乗り換える必要性は微妙か?
i5-9600Kは2018年11月現在発売されているIntel第9世代CPUの中ではもっとも性能が低いモデルですが、最終的にはミドルレンジ(真ん中あたり)の位置づけになると予想されています。驚異的なスペックを誇るi9-9900Kや、おそらく一番人気になるであろうi7-9700Kと比べると、やや見劣りするかもしれません。ミドルレンジのCPUにも関わらず、消費電力が上位モデルと同じ95Wなのも気になる点です。
少なくとも現時点では前世代から乗り換えるのは少し待ったほうがいいでしょう。今後発表されるi3などの下位モデルの方が、価格・スペック・消費電力のバランスが取れており、コストパフォーマンスが良くなる可能性が高いからです。
関連記事 : こんにちは!窓辺とおこですライターやってみました!!(●´ω`●)
AMDのRyzenとの競争はますます激化! Intel9世代の今後に期待
以上Intel第9世代CPUについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。物欲がびんびんに刺激されましたか?
対応するマザーボードのソケットはLGA1151と前8世代から変わっていないので、CPUだけ乗り換えるのも簡単です。これから自作PCを初めて組む初心者も、そろそろCPUをスペックアップしようと考えている人にとっても、Intel渾身の自信作、最新9世代CPUであれば快適なPCライフ間違いなしです!