PCは「映え」の時代へ!プロのDIYerが自作パソコンを作ったら世界観からして違った【PR】
自分が選んだパーツで、自分好みのパソコンを組み立てる「自作パソコン」。ここ数年はあらためて注目を集めています。キッカケの一つとなったのは、ゲームや、VR、動画編集、マイニングといったパソコンの性能を要求するコンテンツ群の台頭。特にゲームに関しては、eSportsやゲーム実況の人気が爆発したこともあり、自作のゲーミングPCを作る人の数も年々増加しているそうです。
そんな自作パソコンを作る人たちに特に人気なのが 「光り物」といわれるPCパーツ。きらびやかに光るPCケース、ファン、グラフィックボード、マウス、キーボードなどを組み合わせて、パソコンやパソコン周りを鮮やかに美しくかっこよく装飾しています。
例えば、こちら。以前、Digital DIY編集部で取り上げさせてもらったRuNsさんのパソコンとパソコン周りの環境です。光が綺麗にまとまっていてかっこいいですし、なんというか「映え」ますよね。
RuNsさんのように「映える」パソコンとパソコン周りの環境が集まっているTwitterのハッシュタグがあります。それが、「 #お前らのpcデスク周り晒していけ 」。光り物のPCパーツが人気なのに呼応して、「 #お前らのpcデスク周り晒していけ 」も現在注目を集めています。
自作パソコンの最前線は「映える」!
一度「 #お前らのpcデスク周り晒していけ 」のハッシュタグを覗いていただけるとお分かりいただけると思うのですが、どのパソコンもパソコン周りもとにかくかっこいい。それに、皆さんがこだわりを持ってPCパーツを選び、カスタマイズを楽しんでいるのが伝わってきます。
ハッシュタグにアップしている方たちが「映え」を意識しているか、していないかは分かりませんが、結果的に映えているのもポイントです。映えるパソコンデスク周りがたくさんアップされていることで、どんどん映えのレベルが上がっていますし、真似する人たちも増え、ムーブメントが起きました。
自作パソコン界隈を応援しているDigital DIY編集部では、パソコンデスク周りの写真をアップしている方を取材する連載企画をおこなうなど、このムーブメントを追いかけてきました。最近では、家具やインテリアをDIYするプロのカリスマDIYer SWAROさんに、「 #お前らのpcデスク周り晒していけ 」に合った映える自作パソコンを作ってもらう企画も行っています。
▲SWAROさんとSWAROさんが製作した壁掛けタイプのデスク一体型パソコン
SWAROさんが製作したのは、剥き出しのPCパーツと光り輝くネオンが圧倒的な存在感を放っている壁掛けタイプのデスク一体型パソコン。白い机や壁掛け含めてすべてDIYしている完全オリジナルです。机から作ってしまう発想は「さすが!」としか言いようがないですし、映える観点で見ても凄いパソコンを作っていただきました。
▲ 作業の様子はこちらからご覧ください
SNSやハッシュタグ上での反応も多く編集部として大いに喜んでいたのですが、ただこれはプロのDIYerであるSWAROさんだからこそ作れるすべてがオリジナルな自作パソコン。そこで浮かんで来たのが「SWAROさんが市販のPCケースでDIYをしたらどうなるんだろう?」という疑問・・・・・・。
ということで、SWAROさんに市販されているPCケースを使った自作パソコンのDIYにも挑戦してもらいました。
■ 荒廃した近未来を感じさせるPC
こちらが、SWAROさんがDIYした自作パソコン。ちょっと、これ凄くないですか?PC全体が、荒廃した近未来を描いたSF映画に出てきそうな雰囲気。そして、コンクリートな感じの質感。SF好きでなくてもそそられるのではないでしょうか。
こちらは電源付近をアップで撮ったもの。錆の表現が細かくて凄いです。
真横から見たところ。コンクリートの劣化のリアルさとネオンの近未来感が合わさって幻想的な雰囲気になっています。
側面をアップで撮ったもの。作り込みの細かさ、写真で伝わっていますでしょうか。
ケースを開けると光り輝くネオンが。 ネオンの色の比率なども調整されているそうです。
ちなみに、ベースとなっているケースは、SilverStoneのmicroATXケース「PS15(SST-PS15B-G)」。このケースがここまで荒廃した近未来を感じさせる外観に変化するなんて改めてDIYの凄さを感じます。
製作をしたSWAROさんに、今回のパソコンのDIYをしたポイントや、パソコンを題材にDIYをしてみてどうだったかなど聞いてみました。
■ パソコンを塊として捉えて世界観に馴染ませる
ーー 前回作られた「壁掛けタイプのデスク一体型パソコン」はPCパーツを剥き出しにしていてパソコン自体の映えを意識されたものでした。今回のパソコンは、パソコンとして主張が強いというよりは、物語の一部のような雰囲気を感じさせますね。
「パソコンなのにパソコンには見えない」というのを意識してつくりました。パソコンってインテリアとして考えると無機質なモノだと思うんです。なので、パソコンをアーティステックに表現してみようと思ってストーリーから作り込むところからはじめました。
ーー なるほど。だから、パソコンから物語性を感じるんですね。
このパソコンのストーリーは、「人類が滅んでしまった世界でパソコンは生き続けていた」というものです。
ストーリー:コンクリートの塊だが、中には心臓(パソコン)があり、経年劣化により内部が見えてきた。いたる所に建築時のメモや印などが残っている。どこかと固定していたのであろう面影としてボトルナットなども残っている。全体は朽ちてはいるが内部のPCは稼働できるという生命力。最後に生き残ったのは人ではなくコンピューターであった・・・
コンセプトは「コンクリートの心臓」です。経年劣化によってコンクリートが崩れ落ちて心臓部だったパソコンが出てきたというイメージで製作しています。
ーー 特にこだわった箇所を教えてください。
特に力をいれたのは、コンクリートが崩れている感じを表現した側面部分です。コンクリートが剥がれ落ちた感じや、経年劣化から出た錆などを表現するのに時間がかかりました。
ーー 錆はどうやって作っているんですか。
錆は赤と茶色の絵の具を混ぜ合わせたアクリル絵の具でちょっとずつ、ちょっとずつ付けていきます。
ーー 何日くらいで製作されたんですか。
製作期間は全部で4日間です。
ーー え!? 4日間でつくれるものなんですね。
あ、でも1日の作業時間が長いんです。集中しちゃうと次々やりたくなっちゃうので、終わりがないという感じで。ひと段落したら寝ようと思って作業していたら、朝の7時だったり(笑)。平均して1日15時間くらいやっていたと思います。
ーー 作業に没頭されていたんですね。ちなみに、かかった予算はどのくらいですか。
材料費で5万円ちょっとくらいでしょうか。塗料を塗ったりするときに失敗してしまった分をいれた総額でこの金額です。塗料とモルタルっていうコンクリートを表現するものに予算がかかっています。
ーー パソコンをDIYしてみてどうでしたか。
そもそも、パソコンの表面をスワロフスキーでデコレーションしたり、ノートパソコンにコンクリート調のリメイクシート(ステッカー)を貼って部屋に馴染ませたりしたことはあったんですけど、パソコンの本格的なDIYは初めてだったので楽しかったです。これまでDIYしてきたものの中でも珍しいモノをDIYしたな、という達成感もありますね。
パソコンの組み立てに関しては教えてもらいながらやったんですけど、作ってみたらけっこう簡単に作れちゃうし、自分で作ったモノって愛着が沸くので挑戦してみて良かったです。
ーー この記事を読んでいる読者の方が、パソコンのDIYに挑戦しようと思ったときにまず何から始めるのがいいでしょうか。
ノートパソコンをお持ちであれば、持ち運びするときにケースを使っていると思うので、まずはケースをデコってみるのがおすすめです。ケースであればもし失敗してしまっても大ごとにはならないですし、何より気軽に試せますしね。それに、リメイクシート(ステッカー)を貼るだけでもDIYなので、ケースは挑戦しやすいと思います。
ノートパソコンやデスクトップパソコンをDIYするのであれば、まずは絵を描いてみるのがいいと思います。頭の中である程度の完成図を作らないと、材料も何を買っていいかも分からないですしね。絵を描いてみて何が必要なのかを想像していく。複雑なものをつくるのであれば、一度段ボールなどで箱をつくってイメージするのもおすすめです。
ーー ケースからはじめるのも、リメイクシール貼るだけでもDIYというのは、ハードルがぐっと下がりますね。DIYしてみたいけど、アイデアが思い浮かばない、というケースもあると思います。そういう場合のアドバイスはありますか。
パソコンを「ただの塊」として考えてみるといいと思います。そのうえで、この塊をどうやって「インテリアに馴染ませよう」とか「世界観の中に溶け込ませよう」というイメージを持ってみると違った発想が出てきて、面白いDIYができるんじゃないかと思います。
ーー 「このパソコンをどうやって格好よくしよう」と考えるのとは、違ったアイデアが浮かんできそうですね。ちなみに、SWAROさんがDIYで一番達成感を感じるのはどの瞬間ですか。
DIYしたものが出来上がって、写真を撮って、その写真を見たときに一番達成感を感じます。写真って、見方によっては本物と違うように見えたりしますよね。私は実物に近い写真を撮ることにこだわっているんですが、そういった写真が撮れたときは満足感があります。
ーー なるほど。それは「#お前らのpcデスク周り晒していけ」にアップしている方たちと感覚が近いのかもしれませんね。
そうかもしれません。今回、パソコンをDIYするのにハッシュタグを見たりしたんですけど、皆さん光をうまく使っていて「綺麗だなぁ」と思いました。それに、自由に楽しまれているのが伝わってきて、そこも素敵でした。
私は、DIYで綺麗につくる、うまくつくるより、DIYをしている時間が楽しいとか、完成したときの喜びを味わうことが大事だと思っています。その気持ちは、自作パソコンを作られている方や、ハッシュタグにアップされている方と通じるところがあると思うので、これを機会に「パソコンの中身だけではなく外観のDIYもチャレンジしてみようかな」と思ってもらえたら嬉しいです。
ーー パソコンをDIYするための具体的なアドバイスまで教えてくださりありがとうございました。
■ 自作パソコンのプロに聞くおすすめのPCパーツ
SWAROさんにパソコンをDIYするための具体的なアドバイスをもらったところで、DIYするのに適したPCパーツを専門店でプロの販売員さんに聞いていきたいと思います。
やってきたのは、PCパーツの専門店「パソコン工房 秋葉原 BUYMORE店」。
パソコン工房は、パソコンのさまざまなことに精通したプロの販売員さんが接客をしてくれる、全国展開しているお店です。
お話を聞いたのは、上月 直人さん。上月さんは、1990年代からPCやPCパーツに携わっているプロ中のプロです。
ーー パソコンをDIYしようと思ったときにおすすめのケースを教えてください。
そうですね・・・。例えば、IN WINのミドルタワーケース「103」や、SWAROさんが使用したSilverStoneのmicroATXケース「PS15(SST-PS15B-G)」などがおすすめです。
どちらもシンプルなデザインのケースで、側面は強化ガラスで中が見える構造なので、DIYしやすいと思います。
ーー おすすめのDIYパーツはありますか。
光り物系のPCパーツです。自作PCの世界では今、PCを光らせるのが大人気なんですね。パソコンをDIYするのであれば、光り物は外せないと思います。我々のお店にも光り物のPCパーツや周辺機器はたくさんあるのですが、その中でもイチ推しなのは、GAMDIASの水冷クーラー「CHIONE M1A 240R」です。この水冷クーラーは水冷の性能はもちろんのこと、55種類の発光パターンに対応しているので好きな色に発色させられます。
もうひとつ、映えるという意味で面白いのがIN WINのミドルタワーケース「307」です。フロントパネルに144個のLEDを搭載しており、ドット絵を表示できます。ケースにマイクが内蔵されているのですが、周囲の音響に反応して、例えば、音の波形をフロントパネルに表示させる、といったことも可能です。
こういったケースを基点に映える方向でDIYを考えるのも面白いと思います。
ーー 素朴な疑問なのですが、光り物系のPCパーツは、光ってかっこいい以外に機能がついていたりするのでしょうか。
現実的な使い方としても利点があります。例えば、通常状態を青色にして、パソコンが熱を持つと徐々に赤色に変わっていく、というような設定もできるんです。色で状態を知れるので便利ですし、見ているとテンションもあがります。ただ、こういった設定は条件が色々とあるので、お店に来て相談いただければと思います。そういったお手伝いはお店は得意です。
ーー それは心強いです。Twitterの「#お前らのpcデスク周り晒していけ」のハッシュタグを見て、その中にあったカッコイイPCと同じようなPCを作りたい、といった相談も大丈夫でしょうか。
そうですね。ご相談に乗れると思います。見せていただく写真にも寄りますが、キットに近い形でDIYをするために必要となるパーツは間違いないものを選ぶ自信はあります。とはいえ本格的なDIYをする場合は、我々はあくまでもパーツのご用意になるので、塗装をする、木材を切る、などの道具は別途揃えていただかないといけないですけどね。
いずれにしても、完成品のパソコンでは満足できない、自分もパソコンを自作してみたい、という衝動がある方はお近くのパソコン工房にぜひご来店ください。専門知識をもったパソコンのプロのスタッフがお手伝いさせていただきます。
ーー ありがとうございました。
まとめ
自作パソコン界隈で今盛り上がっているTwitterのハッシュタグ「 #お前らのpcデスク周り晒していけ 」についてや、カリスマDIYer SWAROさんがDIYした自作パソコンをご紹介しました。
「映える」PCは今からさらに盛り上がっていくことが予想されるので、自作パソコンを組み立てようと思っている方はぜひ挑戦してみてください。SWAROさんがDIYした自作パソコンを真似してみたいと思った方は、ベースとなったパーツをセットにしたベース組立キットが「パソコン工房 オンラインショップ」で7月中旬から販売されるので要チェックです。また、映えるのに欠かせない光り物のPCパーツを全国にあるパソコン工房のお店に相談に行くのも良いと思います。
自作パソコンは予算面などでハードルを感じる方は、「パソコンケースにリメイクシールを貼るだけでもDIY」というお話もあったように少しのカスタマイズからDIYを楽しんでみるのがおすすめです。
この記事をきっかけに、無機質なパソコンに少しでも彩りがでたらと思います。
それでは皆さん、素敵な自作パソコン・DIYライフを
SWAROさんの制作工程はこちら▼▼▼