ゲーミングディスプレイで応答速度が重要な理由~FSPや格ゲーにおすすめのモニター7選
応答速度とは
応答速度とは、画面上のドットが、ある色から別の色に変化するまでの時間のことを指します。単位には「ms(ミリ秒)」が使われ、数字が小さければ小さいほど切り替えが速く、優秀なディスプレイといえる指標です。
一般的なディスプレイの応答速度は10ms、5msのものが多いですが、ゲーミングディスプレイには応答速度が1msのものが多く採用されています。
応答速度が速いメリット
なぜ、ゲーミングディスプレイには応答速度が1msと速いものが採用されるのでしょうか。それは、応答速度が遅いディスプレイの場合、画面に残像が残りやすくなってしまい、ゲームのプレイに悪影響が出てしまうことがあるからです。とくに、コンマゼロ秒を争う世界で戦っているプロゲーマーにとっては重要で、応答速度が勝敗を左右することもあるほどです。
パネルの種類によって応答速度が違う
PC向けのディスプレイに使われているパネルは、TN、VA、IPSの3種類が主流です。このパネルの種類によっても、応答速度は変わってきます。
パネルの種類による立ち上がりと、色が変化する中間色の応答速度のイメージは、以下の表の通り。TNは高速の傾向があり、ゲーミングディスプレイに向いていると考えられます。ちなみに、VAは映像鑑賞、IPSはイラスト製作や写真編集と相性がいいとされています。
立ち上がり | 中間色 | |
TN方式 | 速い | 普通 |
VA方式 | 少し速い | 少し遅い |
IPS方式 | 普通 | 普通 |
応答速度は実は2種類ある
ディスプレイにおける応答速度は、2つの数値が併記されるケースが多いです。1つ目は、ドットが黒から白に切り替わる時間と、白から黒に切り替わる時間を足した応答速度。2つ目は、ドットがある階調のグレーから異なる階調のグレーに切り替わるまでの応答速度です。
前者は、黒→白→黒と表記され、後者はGray to Grayや、GtoGと表記されます。一般的な応答速度は、黒→白→黒のことを指し、商品紹介に記載されているケースが多いです。
黒→白→黒
応答速度が黒→白→黒と表記されているときは、ドットが黒から白に切り替わる時間と、白から黒に切り替わる時間を足した数値を示します。数値が速いほうが、画面の残像が少なくなり、ゲームをスムーズにプレイできるようになります。
GtoG(Gray to Gray)
応答速度がGtoG (Gray to Gray)と表記されているときは、ある階調のグレーから異なる階調のグレーに切り替わるまでにかかった時間、すなわち、中間色の移動にかかった時間を示します。ゲームや映像では、黒→白→黒というのはあまりなく、中間色から中間色に移動することがほとんどなので、高性能なゲーミングモニターにはGtoG(または、G2G)と記載されているケースが多いです。
カタログスペックをチェックするときは、どちらの応答速度が記載されているのか、チェックするようにしましょう。
応答速度とリフレッシュレートとの関係
ゲーミングディスプレイを選ぶときは、リフレッシュレートの性能チェックも重要です。リフレッシュレートとは、1秒間に書き換えられる画面の回数のことで、「Hz(ヘルツ)」の単位で表します。
現在のゲーミングディスプレイのリフレッシュレートは、144Hzのものが主流。計算すると「1÷144=0.00694444……」となり、6.94msごとに画面が書き換えられので、応答速度は少なくとも7ms以下でないと、1つ前のフレームが映り込んで残像が発生しています。
そこで、以下に60Hz(一般的なディスプレイ)、144Hz(ゲーミング向きのディスプレイ)、240Hz(高性能なディスプレイ)の更新速度と、推奨応答速度をまとめてみました。この表を参考に、応答速度にあったリフレッシュレートのディスプレイを選ぶようにしてください。
更新速度 | 推奨応答速度 | |
60Hz | 16.67ms | 16ms |
144Hz | 6.94ms | 6ms |
240Hz | 4.17ms | 4ms |
応答速度が速い!FPSや格ゲーにおすすめモニター7選
上記を踏まえて、推奨応答速度よりも高速なディスプレイを7台セレクトして紹介します。プレイステーション4向け、PCゲーム向けに分けて紹介しているので、プレイするゲームや自宅の環境に合わせて、最適なゲーミングディスプレイを探してみましょう。
PS4向けゲーミングモニター2選
PS4やNintendo Switchのリフレッシュレートは60Hzなので、ディスプレイのリフレッシュレートも同程度の性能があれば十分です。リフレッシュレートの性能が控えのディスプレイは、財布に優しいことも魅力なので、初めてゲーミングディスプレイを購入する人にもおすすめです。
なお、Xbox One S とXbox One Xは120Hzに対応しているので、Xbox Oneユーザーは120Hzのディスプレイを選ぶのもいいでしょう。
BenQ:GL2460BH 24インチ
引用元:https://kakaku.com/item/K0001084739/
発売日は2018年8月と、最新のモデルではありませんが、24インチでリフレッシュレート75Hz、応対速度1msと、家庭用ゲーム機をプレイするには十分な性能。価格も比較的購入しやすい水準です。眼精疲労の原因となるフリッカーやブルーライトを軽減する機能が搭載されているのも好印象。長時間ゲームをプレイしても目が疲れにくいのは、ゲーマーにとってうれしいですね。
サイズ | 24.5インチ |
GtoG | 1ms |
リフレッシュレート | 75Hz |
解像度 | 1920×1080 フルHD |
入力端子 | HDMI/DVI/D-sub |
ASUS:VP228HE 21.5インチ
とにかく安くゲーミングディスプレイを購入したいという人におすすめなのが、ASUSの「VP228HE」。2018年4月発売と少し前のモデルで、サイズは21.5インチと小型ですが、リフレッシュレート75Hz、応答速度1msと、家庭用ゲーム機をプレイするには十分な性能を持っており、コスパのよさはバツグンです。チラツキをなくすフリッカーフリー技術や、ブルーライト軽減機能などが搭載されていることもポイントです。
サイズ | 21.5インチ |
GtoG | 1ms |
リフレッシュレート | 75Hz |
解像度 | 1920×1080 フルHD |
入力端子 | HDMI/DVI/D-sub |
PCゲーム向けゲーミングモニター5選
PCでFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)や格闘ゲームを本格的に楽しみたいなら、リフレッシュレートが144Hz以上ないと難しいでしょう。
144Hz以上の高性能なゲーミングディスプレイには、「オーバードライブ」や「黒フレーム挿入」など、残像をさらに抑えるための機能が搭載された製品も少なくありません。購入を検討するときの参考にしてください。
LG:27GL650F-B 27インチ
引用元:https://kakaku.com/item/K0001183550/
2019年8月に発売された、144Hz 、対応速度1msを誇るLGの27インチゲーミングディスプレイです。ハイエンドモデルなだけあって、グラフィックボードとの組み合わせで表示ずれやガタつきのない滑らかな表示ができる「FreeSync」に対応しています。ほかにも、フレーム間に黒画面を挿入することで残像感を低減する「1ms MBR」や、映像をよりリアルタイムに表示して遅延を減らす「DASモード」、暗いシーンを見やすくする「ブラックスタビライザー」など、ゲームプレイに役立つ機能が満載です。
サイズ | 27インチ |
GtoG | 5ms |
リフレッシュレート | 144Hz |
解像度 | 1920×1080 フルHD |
入力端子 | HDMI×2/DisplayPort |
Dell:S2419HGF 24インチ
引用元:https://kakaku.com/item/K0001154983/
出費を抑えたい人は、2018年8月に登場したDellの24インチゲーミングディスプレイの「S2419HGF」をチェックしておきましょう。やや前のモデルながら144Hz、1msと性能は優秀。対応したグラフィックボードと組み合わせることで、表示ずれやガタつきのない滑らかな表示ができる「FreeSync」機能も搭載しており、コスパは申し分なしといえるでしょう。低価格の製品ながら、接続端子も豊富にそろっています。
サイズ | 24インチ |
GtoG | 1ms |
リフレッシュレート | 144Hz |
解像度 | 1920×1080 フルHD |
入力端子 | HDMI×2/DisplayPort |
I-O DATA:LCD-GC242HXB 23.6インチ
2019年3月に登場した、GigaCrysta(ギガクリスタ)シリーズの23.6インチゲーミングディスプレイです。144Hzのリフレッシュレートに対応しているうえ、オーバードライブ機能により0.6msの高速応答を実現しています。さらに「約0.05フレーム(約0.35ミリ秒)」の低遅延モードや、暗いシーンをより鮮明に表示する「Night Clear Vision」など、ゲームに適した機能も搭載されています。
サイズ | 23.6インチ |
GtoG | 0.6ms |
リフレッシュレート | 144Hz |
解像度 | 1920×1080 フルHD |
入力端子 | HDMI×3/DisplayPort |
BenQ:XL2536 24.5インチ
引用元:https://kakaku.com/item/K0001033966/
PUBG JAPAN SERIES βリーグや、PJS2018 season1大会で使用されたゲーミングディスプレイ。プロゲーマーの大会で使用されるだけあって、その性能は折り紙付き。144Hz、1msに対応しているほか、黒フレーム挿入機能の一種である「DyAc(Dynamic Accuracy)」が搭載されています。これはBenQ独自の技術で、映像が切り替わるたびに真っ黒のフレームを挟み込むことによって、ブレや残像感を低減してくれるというものです。ほかにも、暗い場面の視認性を高める「Black eQualizer」機能など、も搭載。価格は高めですが、それに見合ったプレイング環境が手に入るでしょう。
サイズ | 24.5インチ |
GtoG | 1ms |
リフレッシュレート | 144Hz |
解像度 | 1920×1080 フルHD |
入力端子 | DVI-DL/HDMI×2/DP |
ASUS:TUF Gaming VG32VQ 31.5インチ
最後に、最新のハイスペックゲーミングディスプレイを紹介します。2019年9月にリリースされたASUSの「TUF Gaming VG32VQ」は、31.5インチの大画面、2560×1440の高解像度に、144Hz、1msと、非常に優れたスペックを誇ります。また、 「ELMB SYNC」と呼ばれる新技術により、モーションブラー低減と、Adaptive Sync機能の同時有効を実現。これにより、画面のブレやちらつきを抑えて、よりシャープかつ高フレームレートでのゲーミングが堪能できます。
サイズ | 31.5インチ |
GtoG | 1ms |
リフレッシュレート | 144Hz |
解像度 | WQHD (2560×1440) |
入力端子 | HDMI×2/DisplayPort |
まとめ
ゲーミングディスプレイにとって、応答速度とリフレッシュレートは非常に大切な要素です。家庭用ゲーム機をプレイする際は、それほど気にしなくても大丈夫ですが、FPSや格闘ゲームなど、eスポーツの種目になっているようなゲームを本格的にプレイしたい人は、応答速度とリフレッシュレートにこだわってゲーミングディスプレイを選んでみるとよいでしょう。