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    今年3月に開催された「R-1ぐらんぷり2020」で優勝し、一気に要注目お笑い芸人の筆頭格に躍り出た野田クリスタルさん。大舞台で披露した自作ゲーム"野田ゲー"の実況ネタは、非常に新鮮で多くの人たちを魅了しました、そんな彼のアイデアの源泉と、操るプログラム言語のHSPについて伺いました。
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R-1グランプリ王者・野田クリスタルに聞く!『HSP』で誰でも簡単につくれる未完成な自作ゲームのおもしろさ

  • DATE
    2020.08.07
  • WRITTEN BY
    DIGITAL DIY編集部

野田クリスタルさんのポートレート

プロフィール

野田クリスタルさん

野田クリスタルさんのプロフィール写真

1986年生まれ。神奈川県横浜市出身。吉本興業に所属するお笑いコンビ、マヂカルラブリーのボケを担当する。今年『R-1ぐらんぷり2020』で自作ゲームをネタに取り入れ優勝。一気に知名度を上げた印象だが、実はコンビで『キングオブコント』と『M-1グランプリ』のファイナリストも経験している実力派である。

Twitter:@nodacry

最新作『スーパー野田ゲーPARTY』クラウドファンディング開催中!

野田クリスタルさんの次なる最新作ゲーム『スーパー野田ゲーPARTY』発売に向けて現在クラウドファンディングを開催中! 本作はNintendo Switch ダウンロード専用ソフトとなり、2021年春に発売を目指しています。コンセプトは「ユーザーとつくるところから一緒に楽しむ共創型ゲーム」。クラウドファンディングに参加することで老若男女、ゲームの知識が全くない方でも、ゲームをつくるところから楽しむ体験ができます。皆様の応援次第でゲームが一層面白くなっていきます。

https://silkhat.yoshimoto.co.jp/projects/1677

 

 

若くしてプロになった自信家ゆえの苦悩

インタビューを受ける野田クリスタルさん

 

──芸人を目指したきっかけや、叶えた経緯を教えてください。

 

きっかけはないんです。小学生の頃から「自分こそが芸人だ」と思っていましたから。俺より面白い奴はいないって。だから芸人になったのは自分の中では自然な流れなんですよ 。

 

実際、中学生で初コンビを組み、高校時代には『学校に行こう!』(TBS系列)のお笑いインターハイというコーナーで優勝したんです。そして、16歳にして吉本興業入りを。オーディションに合格して所属できたわけですが、この時が生涯で一番嬉しい瞬間でしたね。もう17年前のことなのに、R-1優勝より喜びが鮮明なくらい。

 

──その流れ、芸人として順風満帆と言えるのですか?

 

それが、以降はずっと辛かったんですよ。周りの芸人はひと回り年上の人たちがいて、お互い話が合うはずないし、僕は楽屋の隅っこで体育座りしているだけ。

 

しかも、吉本って芸人ランキングがあるんです。劇場に来てくださったみなさんの投票で決まる順位。これが所属したての時はかなりの上位、ファーストクラスにいたのに、18歳になる頃には最低ランクのエコノミーまで急落して。バイト先の先輩を招待した舞台でブービー賞だったときは本当にキツかったですよ……。

 

自分は売れると確信して疑いもしませんでしたから、もうボロボロ。吉本に所属して数年で、生きていく厳しさ、現実を思い知らされましたね。

 

──当時はどんなネタをやっていたのですか?

 

漫才ですね。その時は、今とは別のコンビを組んでいて、17年も前なのであまり覚えていないですが、ドラえもんの替え歌とかやっていたような…。とにかくウケなかった(笑)。

 

やり込み系ゲームにハマった子供時代

ゲームをプレイする野田クリスタルさん

 

──それが『R-1ぐらんぷり2020』のゲームネタでブレイクを。

 

コロナの影響で無観客大会だったのが少し悔しいですね。

 

──すぐ売れっ子芸人になれると信じていた子供時代、TVゲームは何をプレイしていましたか?

 

初めて遊んだのはファミコンの『ファイナルファンタジーIII』。まだ幼稚園でしたけど、夢中になりました。父がゲーム好きなんで、僕もよくわからないなりに幼い頃からいじっていましたね。

 

ファイナルファンタジーIII戦闘シーン
野田クリスタルさんが初めてプレイしたRPG『ファイナルファンタジーIII』 

  ファイナルファンタジーIII ©1990 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.              

 

 

──4〜5歳にしてRPGってスゴいですね。

 

大抵の流行ったタイトルはやりました。ただ、三人兄弟の末っ子なんで、基本お下がりなんですね。初めて自分で買ったソフトは初代プレイステーションの『パラサイト・イヴ』で、やっぱりRPG。

 

『ダービースタリオン』や『ザ・コンビニ』といったシミュレーションにもハマりました。やり込む系が多いですね、今に繋がっているのは自分でさまざまな設定が行える『RPGツクール』かな。

 

そして、高校生になるとパソコンのMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)ブームが直撃。なかでも『リネージュ』にのめり込んで廃人化しました。当時はガチャ課金やアイテム課金がなく、定額料金制だから学生でも遊びやすかったんです。

 

知らない中学生とチャットでケンカしたり、レアアイテム欲しさに同じモンスターばかり狩ったり。寝る間も惜しんでいましたが、今思えばなんだったんだろうなと。オンラインで他人と行動できて、アイテムドロップの確率もシブくて、当時は新鮮だったんですよ。まぁ、以降『ラグナロクオンライン』に『ブレイドクロニクル』と、関心はPCゲームに移りました。

 

ゲーム実況を狙って生まれた”野田ゲー”

R1グランプリのトロフィーを抱える野田クリスタルさん

 

──自作ゲーム「野田ゲー」をネタに取り入れようと思ったのはなぜですか?

 

ゲーム好きなこともあり、以前から独学でプログラミングを勉強し、野田ゲーを作っていました。そこに、YouTubeや様々な配信先で人気がある、ゲーム実況というかたちを組み合わせてネタにしたことがきっかけです。既存のタイトルだと著作権があってオープンにしにくいけれど、オリジナルなら問題ないですし。

 

野田クリスタルさんの自作ゲーム『もも鉄』
ふとももが鉄のように硬いキャラクターが、敵からの攻撃をふとももで跳ね返していくゲーム。

 

──R-1で披露した「野田ゲー」たちのアイデアはどこから?

 

『もも鉄』に関しては、元ネタの『桃太郎電鉄』シリーズから約4年ぶりの新作が今年11月に登場するのを受けて。桃鉄、ももてつ、ふとももが鉄! って流れ。

 

どんなタイトルでもしんどくなっちゃうんで、あまり長時間熱中してプログラミングしないんですが、『もも鉄』でパソコンに向かったのは7回ほど。どのゲームも時間こそあまりかけませんが、明らかな問題が見つかったら、その日のうちに解決させます。少しでも放置しちゃうとわけわからなくなるんで。

 

 

しょうもないぐらいのゲームが、ちょうどいい

インタビューを受ける野田クリスタルさん

 

──いつくらいからゲームが作れるだけのプログラミング知識を学んだのでしょうか?

 

『RPGツクール』に影響され、ずっとゲームを作りたいなとは思っていましたが、実際にプログラミングに挑んだのは7年くらい前でしょうか。当初は『リネージュ』みたいな、無我夢中でプレイできるMMOを作ってやろうと意気込んでいましたね。

 

──しかし、実際には……。

 

絶望しかなかったです。一生かかってもあんな大作できないわ! ってくらい難しい。だから、逆にあまり作り込まないことにしています。動かしてみて不具合があっても、まぁいいかって感じで。

 

僕レベルだと小さなミスを修正しようとして、もっとデカいバグを生んじゃう可能性だってありますから。完璧を求めたらキリがないですし、プロの方たちが作るゲームだって、年中詫び石ですもんね。

 

自作ゲームをプレイする野田クリスタルさん

 

──プログラミングはすべて独学とお聞きしました。

 

そうですね、一応専門書を2〜3冊買い、ネットでゲームを作れるプログラムって検索して。そして、「HSP」というプログラム言語に出会いました。

 

僕は高校生の頃から芸人だったため、正直あまり勉強してきてないんです。特に数学なんて中三で止まっていて。それでも理解できたのがHSP。他の言語にもチャレンジしましたけど、難しくて続かず。なんの下地もなしでマスターできたのがHSPだけでした。

 

そもそも「子供でも理解し易いプログラム言語」と公式でも掲げているので、誰でも理解できて当たり前なんでしょうね。簡単な割に頑張れば3Dゲームも作れるみたいで、その気になれば『モンスターハンター』だっていけるかも。いや、僕は挑みませんが。

 

──作業はご自宅でなさるんですか?

 

それが、大抵外なんです。家だと宿題と同じ感覚、嫌なオペレーションになっちゃうんで。それに安心できる場所だと気が散って、早く別のことしたくなりますよね。

 

ですから、作業場は軽く緊張できるカフェがスタンダード。しかも、ディスプレイを見られないよう隅っこに座ります。こいつ何やってんだ? って思われるのはちょっと……。ただでさえカフェでウィンドウズ開いて、カタカタ本気でタイピングしている奴って異色でしょう?

 

野田クリスタルさんが使用しているノートPC

 

 

──愛用のパソコンはどういったモデルを?

 

かつては低スペックのモデルだったので、本番前にディスプレイと繋いだらやたら重くなって辟易していました。R-1優勝後はG-TuneのノートゲーミングPCに変えたのでサクサクです。

 

「G-Tune E5-144 Mouse Computer」スペック

・OS:Windows10 Home 64bit

・CPU:Intel® Core™ i7-9750H CPU @ 2.60GHz (12 CPUs),-2.6GHz

・メモリ:16GB

・ストレージ:M.2 SSD 512GB (NVMe対応) 

 

複数のソフトを同時に使うタイミングは少ないですが、起動からゲーム時までストレスなく動いてくれて助かります。特に大型ディスプレイに繋げて解像度が変化しても、すべての動作がスムーズなのは仕事的に◎。

 

野田クリスタルさんが使用しているゲームコントローラー

 

──コントローラーへのこだわりは?

コントローラーは安物なんですよ(笑)。チープなモデルだと機能がシンプルなため、舞台で他人にプレイしてもらうとき説明しやすいんで。

 

──これから自作ゲームにチャレンジしたい人へアドバイスをお願いします。

 

いきなりデカいアイデアを持ってしまうと心が折れます。しょうもないゲームで良いや〜くらいの、軽い気持ちで入るのがオススメです。

 

先ずは『ブロック崩し』を目標にすると間違いないですよ。シューティングやパズルといった、ゲームの基本がすべて含まれているので応用しやすいですし、プログラムの複雑さ的にも初心者向けなんです。

 

芸人&ゲームプログラマーとしての野望。

ポーズを決める野田クリスタルさん

──R-1を制し、一気にメジャー芸人となりましたが、次なる野望はなんでしょう?

 

うーん、スーパー面白人間になりたいんです。BIG3はもちろん、全大物芸人を倒して。「ONE PIECE」でいえば四皇と戦うみたいな。ただ、かなり厳しい戦いなんで、ゲームや漫才といった自分の武器をすべて鍛えないと挑めないですね。

 

まぁ、ひとまずゲーマー芸人のNo.1を目指します。いろんなジャンルがありますけど、全部ひっくるめてゲームといえば野田クリスタル! になってみせます。

 

 

 

野田クリスタルさんが作った「野田ゲー」の多くは、アップル ストアやグーグル プレイでダウンロードできます。しかも、無料です。ただし、明らかなバグがありますし、機種によってはすぐ落ちてしまうのでご注意を(笑)。

 

とはいえ、気楽に遊べる単純さで高く評価されているのも事実。「広告を入れれば収入になるんでしょうけど、HSPだと言語として広告設定が難しいんですよ」と野田さん。「それにHSPそのものは別の人が開発したわけで、人のふんどしで金儲けってのも気乗りしないでしょう(笑)」とも。

 

ユーザーとしてはテレビやネットで見かけたネタを、自分でも楽しめるってワクワクです。これからも芸人の野田クリスタルと、彼の作る「野田ゲー」から目が離せません!

 

 

WRITTEN BY 金井幸男 / PHOTO_BY 長野 竜成


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