女子中高生限定ITワークショップ!? Code Girls by Life is Tech! 潜入レポート
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Life is Tech ! 〜中高生がITスキルを習得する最高の環境〜
最近は中高生でもアプリ開発や映像制作などに興味を持つ人が増えていますが、初めの一歩をどうやって踏み出すかは誰もが悩むところではないでしょうか?特にプログラミングの勉強においては、オンラインのスクールや書籍は巷にあれど、やっぱり直接教えてもらわないとわからない、ということも多いはず。そこで登場するのがLife is Tech ! 。
中学生、高校生のためのプログラミング・ITキャンプやスクールを行い、プログラミングを学べる機会を提供している会社です。キャンプやスクールでは、プログラミングだけでなく、ITスキルを身につけられる様々なコースが用意されており、初心者の方でも気軽に参加することができるカリキュラムになっているそう。
そして、何より素晴らしいのは、そこでの出会いを通じて、自分と同じ年代で同じことに興味をもつコミュニティを持てるということ。独学でひとり寂しくプログラミングを勉強した自分からすれば羨ましすぎる環境です。今回はそんなLife is Tech ! のイベントの1つでもある、Code Girlsに潜入してきました!
女子限定ITワークショップ!? -Code Girls-
Code Girlsはその名の通り女子中学生・女子高校生のためのITワークショップ。今回は、ゴールデンウィークの3日間にマイクロソフト品川本社オフィスで行われた「Code Girls with Microsoft」に参加してきました。実は自分、こうしたプログラミングスクールに参加すること自体初めてだったのでワクワクするとともに少し緊張。さっそく取材しようと部屋に入ってみると…
人多っ!しかもみんな女子!?(それはそうだ(笑))開始早々、びっくりしてしまいました。しかも、なんか想像していたのとだいぶ違います。
ここに来る前はなんとなく「プログラミングのスクール」ということしかわかっていなかったので、全員PCを開いて真面目に先生の授業を受けているような姿を想像していたのですが、実際は全く違いました。もちろん、PCと向き合っている子もいますが、黙々とイラストを描いている子もいれば、メンターと呼ばれるサポーターの方と企画書のようなものを見ながら一生懸命議論している子もいます。いったい何をやっているのでしょう?
プログラミングだけじゃない! -全8種の豊富なコース-
実は、今回のイベントではプログラミングだけでなく、映像制作やLINEスタンプ制作まで含む、なんと以下の全8種の豊富なITスキルコースがあったのです!
・iPhoneアプリ プログラミングコース
・Androidアプリ プログラミングコース
・映像制作コース
・デザイナーコース(Photoshop/Illustrator)
・LINEスタンプクリエイターコース
・Webデザインコース(HTML/CSS)
・Unity®ゲーム プログラミングコース(2D・3D)
・カメラ&フォトグラフィコース
なるほど、みんな違うことをやっていたのは、コースごとに分かれてそれぞれ別々のことをやっていたからなのですね。今回の3日間のキャンプ(※取材したのはその2日目です)では、基本的な技術の勉強から始めて、実際に何かを作り、最終日にそれについての簡単な発表をするのだそうです。
どんなことをやっているのか会場の様子を覗きながら、参加者の方に少しお話を伺ってみました。最初に見学したのは、「Androidアプリプログラミングコース」と「iPhoneアプリプログラミングコース」。カウントアプリやストップウォッチなど簡単なものを作るから徐々に難易度を高めていき、それらを改造してオリジナリティのあるアプリを制作するのだそうです。普段から慣れ親しんでいるスマホのアプリということもあって、ユーザーの目線からアプリを使いやすくしようと皆さん努力していました。
開発したアプリケーションはその場で実機を使って確認。PCは、無償でレンタルされたそうです。
プログラミングではなく「映像制作コース」もありました。Adobe After EffectsとPremiere Proという映像制作のプロが使うような本格的なアプリケーションを用いて、各自が思うがままに映像を制作していました。参加者の中には、文化祭やクラブで使う映像を自分で作りたい!ということで初めてこれらのアプリケーションに触った人も多かったようですが、信じられないくらいにアプリケーションを使いこなしていました。
わからないことがあったらメンターの方が丁寧にサポート
個人的に最も興味深かったのは、「LINEスタンプクリエイターコース」。まずは作りたいスタンプのキャラクターのプロフィールやヴィジュアルを、おおまかにコンセプトシートに書き出します。実際に作り終わったらそれをスマホで撮影し、PCに取り組んでAdobe Illustratorで編集、実際のLINEスタンプとして形にしていきます。
考えたコンセプトを見せてもらいました。すばらしい絵心!
また同じコースでも、「初心者」と「中級者以上」に分かれて進められるようになっており、参加しやすいものになっていました。「初心者向け」に参加者の中には、自分自身では全くプログラミングをやったことがなく、友達に誘われて初めて参加したという方が何人もいました。
2日目の昼食後には、マイクロソフトのテクニカルエバンジェリスト兼エンジニアの千代田まどかさん(通称:ちょまどさん)の講演もありました。ちょまどさん自身がプログラミングを始めたきっかけや、女性エンジニアならではのお話など、受講者の方々も興味津々の様子でした。
ブラウザのデベロッパーツールを使ってWebページのパラメータをいじるデモなどが面白おかしく行われました。
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実践の場で“活きたITスキル”を -ITでモノづくりすることの楽しさを伝える-
見学して気づいたのは、これらのコースすべてが、「モノづくり」自体に主眼が置かれているということ。例えば「iPhoneアプリ プログラミングコース」や「Androidアプリ プログラミングコース」、「Unity®ゲーム プログラミングコース(2D・3D)」では、単なるプログラミングの技術を勉強するだけではなく、「どうやったらこのアプリ/ゲームをより使いやすく/おもしろくできるか」ということについて、画面をいじりながら参加者とメンターが話し合っていました。
これは実際のモバイルアプリ開発の現場で見られる、エンジニアとデザイナーのやりとりとよく似ています。まさにこうした実践の場で“活きたITスキル”を身につけられるのがこのスクールの特徴の1つでしょう。そして全員がそれを真剣に、かつ楽しそうにやっていました。個人的には、経験上一人でポチポチPCをいじるのも楽しいのですが(笑)、他人と相互に評価や議論をしあいながら改良を重ねていくというのも別の楽しさがありと感じました。
「Unity®ゲーム プログラミングコース(2D・3D)」では、まずゲームデザインを紙とペンで考える人も。それをスライドに書き起こすところまでしていました。
もちろん、コースの最初ではきちんと基礎を学びます。オンライン上で教科書が用意されており、チュートリアルをこなしながら一人で基礎的な技術や操作をひとつずつ身につけられるようになっています。参加者の方に聞いてみても、これらは市販の書籍と比べても非常にわかりやすく取り組みやすかったとのこと。
また、メンターは殆どが現役大学生ということもあって、参加者と年齢も近く、何かわからないことがあったときに気軽に聞ける環境になっていました。さらに、こうした大学生との交流を通して、将来の進路を考えるきっかけにしたいという参加者の方もいました。
-将来の女性エンジニアを輩出-
印象的だったのが、取材をした参加者の多くが、将来の仕事もIT方面に興味があると答えたこと。現在、女性のIT関連の雇用全体に占める割合は約27%*と、男性に偏りがあることは否めない状況です。今後、ますますITが生活の中に浸透していく世の中だからこそ、女性ならではのユーザー視点が求められます。そして何より、ITに興味をもつ女子が急増している近年、Code Girlsのようなワークショップを通じて、同じ志を持つ女子同士が繋がれるコミュニティをつくることのできる機会は、非常に高い需要があるのではないかと感じました。近い将来、このイベントの参加者の中から、実際にエンジニアになるという人も多く出てくることだと思います。Code Girlsは、今後も随時ワークショップが開催されるようなので、ITに興味がある女子中高生の方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?