VTuberの切り抜き動画の作り方～メリット・デメリットと収益化の方法

VTuberの切り抜き動画とは、VTuberがこれまでに投稿した動画やライブ配信の中から、名場面や珍場面を抜粋して再編集したダイジェスト動画のことです。
今回はVTuberの切り抜き動画の作り方や収益化、さらに収益化と深く関わる「にじさんじ」など様々なライバーが集まるプラットフォーム各社のガイドラインを解説します。

VTuberの切り抜き動画とは

VTuberの切り抜き動画は、一言で言えば「VTuber動画のダイジェスト」。単に名場面や珍場面をつなぎ合わせただけでなく、テレビのバラエティ番組のような字幕や効果音（SE）の追加や、用語の解説を差し込むなど、凝った編集が行われているのが特徴です。

VTuber切り抜き動画の目的

切り抜き動画は、VTuber自身が自己紹介として作ったり、長いライブ配信を短くまとめるために作ったりすることがあります。しかし、多くの切り抜き動画は、応援しているVTuberを広く認知してもらうためにファンが作成したものです。

中には、あえて嫌いなVTuberの失言ばかりを集めて炎上させようとする悪質なものや、”自分用”と称して、制作者本人にしか再編集の意図がわからないマニアックな動画も見られます。

VTuber切り抜き動画の作り方

切り抜き動画の具体的な作成方法を解説します。
なお、Windowsには「Xbox Game Bar」と呼ばれる画面録画機能が標準で搭載されていますので、今回はそちらを活用した方法をご紹介します。

1. 「Windowsキー」と「G」を同時に押す
以下のような画面が表示されます。

初めて起動した場合、Xbox Game Barの説明のポップアップも表示されるため「了解」を押しましょう。

2. 録画を開始したい場合には、枠線の場所をクリックします

「キャプチャ」メニューの中の録画ボタンをクリックしましょう。

3. 録画を停止する場合は、枠線の場所をクリックして停止させます

2でクリックしたボタンを、再びクリックして停止させます。なお、録画の状態、時間などは画面右上のバーでも確認可能です。

4. 録画した画面はビデオフォルダの「キャプチャ」に自動保存されます

なお、動画ファイル形式は.mp4です。
ここまでの手順で、VTuberの動画をキャプチャすることはできました。しかし切り抜き動画として完成させるには、以下のステップも必要です。

5. 保存した動画をトリミングし、つなぎ合わせる
6. テロップや効果音（SE）をつけ動画として完成させる

保存した動画をトリミングし、つなぎ合わせて完成させるには

保存した動画を繋ぎ合わせ、効果音などを付けて完成させるには「動画編集ソフト」が必要です。予算が少ない場合は、無料で使えるAviUtlなどを活用するのがおすすめです。

最初は操作に戸惑うかもしれませんが、無料で使用できることはやはり大きなメリット。また色々なエフェクトを付けることが出来るので、慣れると簡単に動画を編集することが出来ます。

シーンをつなぎ合わせたら、印象的なセリフの字幕を加えたり、ハプニングが起きたシーンに効果音を入れたりしてみましょう。セリフを字幕化するだけでなく、内容を解説するテロップを入れてみるのもよいでしょう。どのような字幕や効果音を入れるかは、他の切り抜き動画やテレビのバラエティ番組を参考にしてみましょう。

VTuber切り抜き動画作成のポイント

切り抜き動画を作るポイントは、動画のテーマを明確にし、短い動画でまとめることです。1本の動画にさまざまな魅力を詰め込みたい気持ちはわかりますが、長い切り抜き動画は最後まで見てもらえません。

どのような魅力を伝えたいかが明確になっていれば、動画のタイトルやサムネイルにも反映しやすく、視聴者が検索しやすい動画を作成できます。たとえば、VTuberが視聴者に対してやさしい言葉をかけているシーンを集めた動画や、ハプニングに動揺しているかわいいシーンを集めた動画など、テーマを絞ったものが人気です。

VTuber切り抜き動画の収益化

切り抜き動画をYouTubeにアップしたら収益化も検討しましょう。YouTube動画は、条件を満たせば広告の設定を入れることができるようになり、再生数に応じた報酬を受け取れるため、好きなVTuberを応援しながら収益も得られるというメリットがあります。
収益化を行う手順は、以下のとおりです。

• Googleのアカウント登録
• YouTubeのチャンネル作成
• Google AdSenseのアカウント登録
• 動画をアップし、収益化の条件をクリアする
• 収益化の申請を出す

収益化の条件は、次の7点になります。

• YouTubeのポリシーとガイドラインに準拠していること
• チャンネル登録者数が1,000人以上
• 有効な公開動画の総再生時間が直近12か月で4,000時間以上
• YouTubeパートナープログラムの利用規約に同意する
• もっているGoogle AdSenseアカウントが1つだけであること
• 2段階認証プロセスの有効化
• アクティブなコミュニティ ガイドラインの違反警告がないこと

収益化の条件としてハードルが高いのは「チャンネル登録者数が1,000人以上」、「有効な公開動画の総再生時間が直近12か月で4,000時間以上」の2つです。こればかりは、動画をコツコツと投稿して条件の達成を目指すしかありませんので、地道に頑張りましょう。

VTuber切り抜き動画の作成は著作権侵害か？各社のガイドライン

前半でご紹介した手順に沿い、動画編集ソフトなどを活用すれば「VTuberの切り抜き動画」を作ること自体は難しくはありません。

しかし、切り抜き動画の作成では「著作権」についても理解しておく必要があります。
著作権を侵害した場合、削除請求や損害賠償請求などの対象になり得ます。YouTubeのチャンネル収益化ポリシーには、収益化できない動画の例として「再利用されたコンテンツ」が挙げられています。実際には切り抜き動画が収益化されている例も多く見られますが、今後YouTube側の規制が厳密化されるリスクもあります。

VTuber各社の「切り抜き動画」に関するガイドラインを一覧にしました。こちらも参考にしてください。

「にじさんじ」のガイドラインの場合

ここからは切り抜き動画でも特に人気がある「にじさんじ」「ホロライブ」のガイドラインをより詳しく紹介します。
まず「にじさんじ」の公式HPのガイドラインを以下に要約して、紹介します。

• コミックマーケットや通販等でのグッズなどの販売は、ファンとして趣味のレベルの収益なら問題は無いが、事業活動としての販売やコンテンツをそのままコピーしたものは2次創作とは言えないため禁止。
• 事業活動といえるかどうかは、会社が判断する。
• イラストレーターがイラストを画集等として販売する場合には、会社が監修するため、連絡すること。
• 公式キャラクター及びこれに関連するイラストを原作品とするフィギュア、ガレージキットなどの立体物については、会社が当日版権（簡易的な商品化許諾制度）を許諾したイベントに限られる。販売したい場合にはイベント主催者に相談すること。

この内容とガイドライン第４条(利用条件)を合わせると、切り抜き動画で収益化をするには会社の承認を受ける必要がありそうです。

しかし、逆に収益化なしの場合は相談をする必要がないのでしょうか。ガイドラインに明確な規定がなく、その点がグレーゾーンになりそうです。

「ホロライブ」のガイドラインの場合

「ホロライブ」の公式HPのガイドラインには、より明確に収益化についての記載があります。該当箇所を引用して、紹介します。

お願い

二次創作にあたっては、下記の事項を遵守していただくようお願いいたします。

• 所属タレントの心情にご配慮いただき、タレントが不快と感じる創作活動はお控えください
• いわゆる同人活動や趣味の範囲でお願いいたします。営利目的と認められるもの、法人による利用（個人名義であっても法人が制作費等を負担する場合を含めます）はお断りしております
• 適用される法令、規則や利用プラットフォームの規約その他規定を遵守してください
• 次のような表現を伴う創作活動はお控えください

1. 公式と詐称、または公式と誤解・誤認されうるもの
2. 公序良俗に反するもの、反社会的なもの
3. 特定の思想・信条や宗教的、政治的な内容を含むもの
4. 所属タレント、当社または当社コンテンツのイメージを著しく損なうもの
5. 第三者の名誉・品位等を傷つけるもの、第三者の権利を侵害するもの
6. その他当社が不適切と判断するもの

第二項目に「営利目的と認められるもの、法人による利用（個人名義であっても法人が制作費等を負担する場合を含めます）はお断りしております」と記載があるため、収益化は禁止対象と言えます。

まとめ

切り抜き動画については、色々なYoutuberのものが多くあるものの、中には収益化を禁止していたり、承諾制にしているなど、様々なものがあります。

ご覧の皆様ももし、Youtuberの切り抜き動画を制作しようとしている場合は、必ず利用規約を確認するか、グレーな場合には勝手に制作するのではなく、会社やYoutuberに確認することをおすすめします。