【2023年最新】VTuberになるために必要なPCスペックと有名VTuberの使用端末まとめ
VTuberとして配信活動をしたい場合、ネット検索や事務用途で使われる普通のPCでは処理能力が足りず、「配信中にカクついてしまう」「トラッキングが上手くいかない」など、十分な配信が行えません。 しかし「どのようなスペックが必要なのか?」「価格はどれくらいになるのか?」など分からない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、VTuberに必要なPCのスペック、自作する場合の価格帯などを交えて詳しくご紹介します。今後、VTuberなど動画配信を行っていきたいと思われている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
【2023年最新】VTuberになるために必要なPCスペック
まずVTuberになるために最低限必要なPCスペックと、ある程度高品質なトラッキングなどを行いたい場合のPCスペックをそれぞれ紹介します。
最低限のPCスペック | 2Dモデルを作成・動かす場合
VTuberを目指すには、最低限2Dモデルを作成し、動かすことができるPCスペックが必要です。代表的な編集ソフトと必要な動作環境は以下の通りです。
ペイント系ソフト | アニメーション系ソフト | ||||
---|---|---|---|---|---|
ソフトウェア | Adobe Photoshop | CLIP STUDIO PAINT | Adobe Illustrator | Live2D Cubism | Adobe After Effects |
OS | Windows10 以降 64bit版 | Windows8.1以降 64bit版 | Windows 10, 11 (64bit版) | Windows 10, 11 (64bit版) | Windows10 以降 64bit版 |
CPU | SSE4.2以降 64bit対応のIntel, AMD社製 |
SSE4.2以降 64bit対応のIntel, AMD社製 |
SSE4.2以降 64bit対応のIntel, AMD社製 |
Intel Core i5-6600相当の性能 | Intel, AMD 社製 |
GPU | DirectX 12対応 1.5GBのGPUメモリ |
OpenGL2.1 対応 | OpenGL4.0以上 1GBのGPUメモリ |
OpenGL3.3以上 | 2GBのGPUメモリ |
メモリ(RAM) | 8GB *推奨16GB | 2GB *推奨8GB | 8GB *推奨16GB | 4GB *推奨8GB | 16GB *推奨32GB |
メモリ(RAM) | 8GB *推奨16GB | 2GB *推奨8GB | 8GB *推奨16GB | 4GB *推奨8GB | 16GB *推奨32GB |
ストレージ空き容量 | 4GB以上の空き容量 | 3GB以上の空き容量 | 2GB以上の空き容量 | 1GB以上の空き容量 | 15GB以上の空き容量 |
※SEE 4.2とは、 CPUに内蔵された特定の処理用の追加された命令セットです。
※OpenGL / DirectXとは、 グラフィックスの描画機能のライブラリです。
なお上記のPCスペックは「ソフトを動作させるための最低限のもの」であり、ソフトは立ち上がるものの、快適に動作させることはできません。
VTuberとしてゲーム実況なども視野に入れているのであれば、ゲームソフトや、アバターアニメーション作成用ソフトなど複数のソフトを同時に起動する必要があるため、最低スペック以上のPCが必要となります。
推奨のPCスペック | 3Dモデル作成や配信時のㇳラッキングとゲーム実況を行う場合
3Dモデルを使い、ゲーム実況を行いたいとなれば、必要となるPCのスペックはさらに高いものが必要となります。3Dモデルの作成には、WEBカメラなどで映像を取り込み、その映像をリアルタイムでアバターに変換する必要があります。これら複数の処理をリアルタイムで行うとなれば処理速度の高いCPUと高い描画性能を持つGPUが必要となります。
たとえば後述する「樋口楓」さんなどのVTuberが使用しているPCと同等のものを揃える場合、CPUは「Core i9-10900K」、GPUは「RTX3060」相当の性能が必要です。
なおかつ3Dモデルに表情の変化などを反映させるには、PCだけではなく、にじさんじライバーなども使用する簡易的なトラッキングシステムである「Face Tracking with AR Kit」や「Oculus Rift」などの機材も必要となります。これらの簡易的なトラッキングシステムシステムを使えばリアルな3D配信が簡単に行えるようになります。
全身の3Dスキャンとトラッキングには専用カメラとスタジオが必要
なお全身の3Dスキャンとなると話は変わってきます。手や足、頭など各部の動きを専用のセンサーとカメラを使いトラッキングする必要があります。また、システムを制御するスタッフや照明などがそろったスタジオで行う必要があるため、自宅などの環境では難しくなってしまいます。
VTuberが実際に使用しているPCのスペック・構成の例 | にじさんじ「樋口楓」さんの場合
ここからはVTuberが実際に使用しているPCのスペックをご紹介します。まずにじさんじに所属する「樋口楓」さんが、公式プロフィールにて掲載している2022年時点のPCスペックは以下の通り。
配信用パソコン | 詳細 | 価格の目安 |
---|---|---|
CPU | Core i9-10900K @3.70GHz | 7万円~ |
GPU | NVIDIA GeForce RTX3080 | 12万円~ |
モニタ | Acer KG251QIbmiipx | 3万円~ |
ミキサ | YAMAHA AG03 | 3万円~ |
マイク | SHURE MV7 | 2万5000円~ |
カメラ | iPhone X | 5万円~ |
ペンタブレット | Wacom Intuos | 1万円~ |
キャプチャーボード | AverMedia GC551 | 3万円~ |
拡張コントローラー | STREAM DECK | 2万円~ |
なお樋口楓さんは、2018年にTwitterとYouTubeでの活動をスタート。2022年現在はYouTube配信だけでなく音楽活動も行っています。Youtubeでは主に2Dアバターで生配信を行なっていますが、フェイストラッキングの精度はかなり高いです。また外部のイベントなどでは3Dアバターも使用されて活動されています。
筆者の調べでは「樋口 楓」さんと同じ構成で自作PCを作成した場合、CPUは約7万円程度、GPUは12万円程度~になります。公開されているアイテムをすべて揃えた場合、予算は38万5000円~。
ただし樋口さんは音楽関連の活動をしていることから、ミキサーやマイクなど音声周りのアイテムに多くの予算を割いています。またスマートフォンは手持ちのものがあればカメラとして転用できるほか、初心者のうちは拡張コントローラーは必ずしも必要ではないでしょう。
まずCPU、GPU、モニター、キャプチャーボードあたりがあれば、マイクやミキサーなどはその他は安価なものを買ったり、だんだんそろえていくのも手です。樋口さんの「CPU」「GPU」「モニター」「キャプチャーボード」を踏襲した場合、予算は25万円ほどです。
VTuberが実際に使用しているPCのスペック・構成の例 | にじさんじ「叶」さんの場合
にじさんじライバーの1人である「叶」さんの場合は、以下のような構成です。
配信用パソコン | 詳細 | 価格の目安 |
---|---|---|
CPU | Ryzen 9 5950X | 8万円~ |
GPU | GeForce RTX3090 | 20万円~ |
ストレージ | SSD 2TB HDD 3.5TB |
不明 |
にじさんじ「叶」さんの場合、マルチコア性能に優れたRyzen系のCPUを使用されているのが特徴。特にRyzen 9 5950Xは、樋口楓さんが使用されている「Core i9-10900K」に比べて16コア24スレッドという圧倒的なスペックです。一方でCPU単体で価格が約8万円台と、約2万円ほど高いです。
GPUとCPUのみで30万円近いと考えられ、モニタやマイク、カメラなど上記以外の公開されていないパーツもあることを考えると、樋口楓さんより最低でも数万円以上高いでしょう。総額で50万円以上かかっている可能性もあります。
その他VTuberの使用パソコンの主な構成例
筆者が調べた限り、樋口楓さんと叶さん以外に公式プロフォールや配信で具体的なPCの構成を明かしているVTuberの方は見当たりませんでした。
ただし、他の著名なVTuberのツイートや配信内容からPC構成を推定するとCPUには「Intel Core i9-9700K/KF」 以上、GPUは「RTX 2080Ti」以上の構成の方が多い印象です。
あくまで推定ではありますが、これらのパーツで自作PCを組む場合の予算は最低でも約30万円前後~。「30万円程度の予算を用意したうえで、マイク/ミキサーなど音声周りのパーツにどの程度こだわるか」「カメラに何を使うか」「ケースにどの程度こだわるか」で構成と総額が決まってくると言えるでしょう。
VTuber活動に関連するソフトや各種サービスの推奨動作スペック
参考までにVTuber活動に関連するソフトや各種サービスの推奨動作スペックもご紹介します。
ゲーム実況の主要タイトル | 「フォートナイト」の場合
OS | Windows 10 64-bit Mac OS Mojave 10.14.6 |
---|---|
CPU | Core i5-7300U 3.5 GHz |
RAM(メモリ) | 8GB |
GPU(グラボ) | NVIDIA GTX 960 AMD R9 280または同等のDX11対応GPU |
GPU RAM(VRAM) | 2GB |
ストレージ | 指定なし |
VTuberとして活動する場合「ゲーム実況」は人気のあるトピックスの1つ。特に人気タイトルの1つがフォートナイトです。
フォートナイトの推奨スペックは、CPUは「第7世代 Core i5」。GPUも 「GTX960」であり、最新のゲーミングPCであれば問題無く満たせるスペックです。
配信ソフト | 「OBS Studio」の場合
「OBS Studio」はVTuberがよく利用する配信ソフトの1つです。Windows、 Mac、 Linuxと言った主要なOSに対応しています。
ライブ配信と録画を同時に実行したい場合は、配信/録画のエンコーディングの負荷を軽減するため処理はCPU、GPUに分散する必要があります。そのため、CPUは「Core i7-10870相当」、GPUは「RTX3060相当」のPCスペックが必要となります。
アバター作成 | 「Animaze by FaceRig」の場合
アバター作成によく使われるソフトの1つが「Animaze by FaceRig」です。公式サイトに公開されている推奨スペックにある通り、通常動作させる分ではCPUは「Core i5-4570以上」。GPUは、「GTX560以上」で十分です。
通常の配信向けのアバターを作る程度であれば、現行機種のゲーミングPCであればまずスペックが下回ることはないでしょう。
番外編 | 「ホロアース」の場合
ここまでVTuberを行う上でのPCスペックをお伝えしてきましたが、機材の準備やPCのアップグレードなど少し難易度が高く感じている方もいるのではないでしょうか?
実はPCのアップグレードや機材の準備の難しい箇所は、ほとんどが「配信関係」です。逆に言えばアバターを使って他の人と交流すること自体は、さほど難しいものではありません。「VTuber同様に自分で作成したアバターを使って、様々な人と交流したい」という場合は配信に主眼を置かず、メタバース空間「ホロアース」で遊ぶという選択肢もあります。
ホロアースはVTuber事務所「ホロライブ」の運営元として有名なカバー株式会社が手掛けるメタバースプロジェクト。
ホロアースのインストール方法は、とてもシンプルで公式サイトからランチャーをダウンロードし起動するだけで完了です。 ただし、ログインにはGoogleアカウント、Twitter、Apple IDのいずれかが必要となるので事前に準備しておきましょう。
実際に「ホロアース」にログインすると、複数のルームが用意されており、参加者数が表示されています。その1つに参加すると、上記のような宇宙をイメージしたメタバース空間が現れます。
筆者のPCスペックは、CPUは、第四世代の「Core i5-4570」で、GPUは、エントリーモデルの「GTX 1660 Super」程度ですが、平均フレームレートは60fps程度出ており、問題なく動かすことができました。
まだリリースされたばかりのβ版のため現在楽しめる機能は限られていますが、 VTuberの世界観を感じながら、様々な人と交流したいと思う方にはおすすめです。 今後のサービス拡大が大いに期待されます。
VTuberになりたい人向けのおすすめゲーミングPC 3選
今回、ご紹介してきたVtuberに必要なPCスペックを参考に、おすすめのゲーミングPCをいくつかご紹介していきます。
【ドスパラ】型番:GALLERIA XA7C-R36T
引用元:ドスパラ
価格:224,980円
OS | Windows 11 Home 64bit |
---|---|
CPU | Core i7-12700 |
グラフィックボード | GeForce RTX3060 Ti 8GB |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB SSD(NVMe対応) |
これから、Vtuberを目指したいという方におすすめなベーシックな性能を持つ1台です。第12世代CPUを搭載し、コア・スレッドが増加し、性能がアップしたため、Core i7でもVtubeが使用する第10世代のCore i9に匹敵するほどの性能を持っています。
【パソコン工房】型番:G-GEAR GA7J-F223/Z(Core i7-13700KF x RTX3060)
引用元:ツクモ
価格:263,800円
OS | Windows 11 Home |
---|---|
CPU | Core i7-13700KF |
グラフィックボード | GeForce RTX3060 12GB |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB M.2 SSD(NVMe対応) |
価格が4万円ほど上がりますが、第13世代のCPUが搭載されており、格段に性能がアップしております。これなら、本格的にVtuberとしての活動をスタートした場合でも十分に対応する事ができるでしょう。
本格的な活動を視野に入れて、ゲーミングPCの購入を検討されている方にはおすすめの1台となります。
【ツクモ】型番:LEVEL-R769-127-RBX-L2
引用元:パソコン工房
価格:219,800円
OS | Windows 10 Home 64bit |
---|---|
CPU | Core i7-12700 |
グラフィックボード | GeForce RTX3060 12GB |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB M.2 SSD (NVMe対応) |
12GBの GPUメモリを搭載し、高負荷の動画編集にも対応可能です。
また、ストレージにはM.2 SSDを使用しており、動画データの高速書き込み、書き出しが可能です。 VTuberとして、配信と録画を同時に行う場合には、M.2 SSDを搭載したPCが有利になります。
まとめ
今回、VTtuberに必要なPCスペックについて、著名なVTuberの使用端末をもとにご紹介してきました。 VTuberとして活動していくには、CPU/GPU性能がとても重要になります。にじさんじなどに所属するライバーのPCスペックはCPU「Core i9」GPU「RTX 2060」以上の性能がほとんどで、最低でも総額20万~30万円前後の予算が必要と見られます。
また、配信だけでなく、録画も行うとなるとストレージへの書き込み速度も重要となり、M.2 SSDを搭載できるマザーボードも必要になります。
今後、VTuberとして活動を考えられている方はぜひ、参考にしてみてください。