今年もすごい盛り上がりを見せていた!Adobe MAX Japan 2019 潜入レポート②
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Adobe MAX Japan 2019 潜入レポート②
いやはや、ガチのクリエイターPCもなかなかな青天井もので、最高のCPUとGPUの構成と足回り(ここではストレージの構成やメモリ構成)をがっちり固めると、それなりの“お値段”がします!いつかお金持ちになったら、処理速度と表現能力が最高なPCを買って、自分の思い描いた世界を、PCとソフトウェアを通して世に出したいものです!
が、のっけからガチで行くわけにもいきませんし、3Dでなくとも、2Dの制作物でも、十分にクリエイティブ活動は行えます。ライトなクリエイティブユーザーや、これからクリエイティブなことをしていきたい方は、何をポイントにハードウェアを選んでいけばよいのでしょうか?その視点でいろいろなブースをまわってきました。選ぶポイントが分かれば、(Macのような)完成したPCだけでなく、BTO PCや自作PCなど、選択肢が広がりますね!
クリエイターの作業効率を上げるノートPC
Adobe MAX Japan 2019には、ASUSやGIGABYTE、MSIと、自作PCをやられている方は確実に聞いたことのあるメーカーさんが出展されていました。「え?そういうメーカーさんがクリエイティブに?」と、特に古くから自作PCをやっている方は思うかもしれませんが、むしろ、メーカーさんが、クリエイティブに特化したPC、それも“ノートPC”を出展していました。
今回一番目を引いたのは、やはりASUSのノートPCです。このノートPC、面白くて、普通はキーボードしかついていない面に、なんとサブモニターがついているのです。しかもその搭載箇所違いで2種類ありました。
ノートPCキーボード下のタッチパッド部分が、タッチパネル液晶になっていて、ツールなどをここに表示することが可能!手元でツールの切り替えが簡単にできそうですね!
こちらは液晶が、キーボードの上部についたモデル。ノートPC1台で、デュアルモニタさながらの作業領域を確保することができます。
まさに、クリエイターには欠かせないと言っていい“デュアルモニター”が、ノートPC1台で完結した瞬間です。しかもタッチパッドになっているので、指でも操作できます。その場にいたスタッフさんにお伺いしたところ、主に
・動画編集の際のタイムラインを表示しておく
・IllustratorやPhotoshopを使う際、カラーパレットを出しておく
・WEBやプログラミングのコーディングの際、コード画面と表示画面を分けておく
など、目視が必要だけど画面を圧迫してしまう表示や、使うことの多いツールなどを表示しておくのに良いとのことです。たしかに、イチイチマウスでツールを選ぶのは、意外と行ったり来たりが多くて疲れますものね!
さらに、コード画面と表示画面が分けられるのも、にわかWEB屋のせれろんやまだにはもってこいです。これはちょっと使ってみたいですね。ちなみに税別40万オーバーでした。むぅぅぅ費用対効果……!
ノートPCにおける、ゲームPCとクリエイターPCの違い
よくノートPCで、ゲーム向けとクリエイター向け、とブランドが分かれていたりすることが多いのですが、これにはどんな違いがあるのか聞いてみました。すると、
・CPUとGPUの強化ポイントやスペックはほぼ同じ
・大きな違いは“画面の仕様”
とのことでした。さてさて、どういうことでしょうか?
ゲームもクリエイティブも、“たくさんの色や動きを画面に表示する”、そして“動かす”のには変わりがありません。とくに3Dシミュレーションだと、ゲームさながらのモーションが必要だったりしますね!そのため、ハードウェアにとっては、ゲームソフトもクリエイティブソフトも似たようなものなので、おのずと、その計算速度や描画速度や表現性能を上げるために、CPUやGPUは似たようなスペックになるとのことです。
大きな違いは、画面の仕様でした。ゲームPCがフルHDでリフレッシュレートが高めなのに比べ、クリエイティブ向けは、4Kの解像度のものが多いとのこと。つまり、ゲームは描画速度優先、クリエイティブ向けは精細さ優先、ということです。特に4K解像度は、写真編集などを行っている人におすすめとのことでした。
メーカーさんにお伺いしたところ、一昔前は“クリエイター向けPC”というカテゴリでPCの販売がほとんどなく、そのような作業をしている方は、自作PCやBTO PCで自身でパーツを選んで使っていた方が多いそうです。そのため、メーカーさんの名前を知っている方が一般ユーザーに比べ多く、今回も比較的たくさんの人がブースに立ち寄っているそうです。
MSIさんのクリエイターPC。ハイスペックながら、重さ約1.2kg!これだとPCを持っての移動も苦にならないかもしれません。
ASUSさんのゲームPC。「おもいですよ笑」とスタッフさんが言っておりましたが、本当に重い……けどハイスペック!据え置きには十分です!
GIGABYTEさんのブース。キーボードがライトアップされていておしゃれです。もちろんゲームにもクリエイティブにも申し分ないスペック!
液晶タブレットと板タブレットの違い
さて、イラストを描く人なら手放せないのが“タブレット”です。ペンで描いたとおりにモニタに表示されるあのタブレットです。
このタブレットにも大きく2種類あり、画面にペンで直接描く“液晶タブレット(通称:液タブ)”と、入力デバイスにペンで描く、通称“板タブレット”があります。液晶タブレットは、それ自体がPCになっているものと、モニタになっているものとさらに2種類ありますが、それなりに値段が高く、板タブ愛用のせれろんやまだにとっては“憧れの製品”だったりします。しかし、この液タブと板タブ、どういう人におすすめなのでしょうか?スタッフさんにお伺いしてみました。すると……
・液タブがおすすめな人
:これからイラストをPCで描きたい人
:手書きに近いかたちで絵を描きたい人
・板タブがおすすめな人
:液タブだと“自分の手が邪魔”と感じる人
:現状“いいモニタ”を使っている人
:レタッチなど、絵を描かないけど細かい作業を行う人
だそうです!ということは、これからイラストをメインでクリエイティブしていきたい人には液タブがおすすめなのですね!しかし、お値段が……と思っていたら、廉価版も登場しているそうです。
自作PCやBTO PCで、PCのスペックは自分で構成したい!という方は、モニタ型の液タブが良いかもしれませんね!これだと、自分の満足のいくスペックのPCで液タブを使うことができます。お値段25~30万だそうです。おおぉ……費用対効果……!(2回目)
Wacomさんのブース。液晶タブレットを試し描きしてみましたが、欲しくなりますねこれ……。イラストレーターや漫画家さんにはおすすめです。
あこがれのVtuberをAdobeのソフトでやってみよう!
このところにぎわっているVtuber。なんと、Adobeさんからもこのキャラクターメイキングができるソフトウェアが出ています。それが“Adobe Character Animator”です。簡単に言うと、IllustratorやPhotoshopなどで2Dで描いたキャラクターを動かせるソフトウェアですが、このソフトウェアと入出力機器、スイッチャーを使って、手軽に(?)Vtuberデビューしよう!というソリューションです。これだけ見るとものすごく簡単そうですね!
技術力とお金は抜きにして、スタッフさんのデモンストレーションや説明を見聞きしていましたが、ライブ配信と自分のキャラクターのコラボレーションが、やる気とお金さえあれば一人でも簡単にできる環境ができる、ということはすごいと思います。昔なら、撮影スタッフをやとって、それなりのカメラを用意して、そしてキャラクターを作って……と考えると、PCさえ用意すれば、(+努力とお金もあれば)ひとりでできる、という時代がきたのは良いですね!まさにクリエイティブは誰でもできる時代、のような気がしました。
いかがでしたでしょうか?
クリエイターがPCを選ぶ時のポイントは、ハードウェアのスペックはもちろんですが、“ソフトウェアの操作”や“入力デバイス”の使い勝手が、自分に合っているものを選ぶのが個人的には良いのかな、と感じました。クリエイティブ系のソフトは意外とツールが多く、画面が狭いと、作業領域がツールのダイアログで圧迫されてしまう、ということも多々あります。それを快適に行うためにも、広い画面での作業や、マウスに限らないデバイスでのツールの選びやすさはポイントなのかな、と思います。
ソフトウェアと、それを使って何かしらのクリエイティブ活動をするには、PCというハードウェアが必要不可欠です。私もそうでしたが、ソフトウェアを使うためのPCって、あらかじめ企業や学校で用意されていたり、システム構築のビジネスをおこなっている業者さんが用意してくれたりすることが多いため、ソフトウェアを使っている時は最初あまり意識しないのですが、ちょっと動作が遅くなったり、故障したりすると、とたんに意識しはじめます。クリエイティブなソフトを使うときに、ちょっとだけハードウェアを意識すると、快適なPCが手に入る近道になりますので、ぜひぜひ、クリエイティブ活動をされる方は、そのソフトウェアを使うためのPCを、お店やWEBで色々見て頂ければと思います。
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