タルコフ(Escape from Tarkov)の推奨スペック/ゲーミングPC/グラボまとめ
リアル志向に仕上げられた「Escape from Tarkov」は、プレイする上でテクニックだけではなく戦術や戦略といった要素が求められる、FPSゲームタイトルの中でも異色の存在となっています。さらにフレームレートと高いグラフィック性能の両方が求められる、ヘビー級タイトルでもあります。
そこで今回は推奨スペックやベンチマーク、プレイヤーからの情報を基に「Escape from Tarkov」を快適にプレイするのに必要なグラボやゲーミングPCを紹介します。
目次
Escape from Tarkov(EFT)を遊ぶための推奨スペック
引用元: https://www.escapefromtarkov.com/?lang=ja
Escape from Tarkov(エスケープ・フロム・タルコフ 通称「タルコフ」)は、リアル志向が特徴のゲームです。ゲーム画面で確認できる情報が少なく、たとえば他のFPSゲームで見られる銃の残弾数、ミニマップといったものは皆無で、高い迷彩効果を発揮する装備も多数あるため、状況によっては敵の判別が難しいことも。
つまりEscape from Tarkovは、ディテールを識別できる高い解像度の環境が求められるゲームといえます。では、対する動作環境はどうなっているのでしょうか。まずは公式ページにて公表されているスペック表を見てみましょう。
Escape from Tarkov(EFT)の必要動作環境・スペック
必要スペック | |
---|---|
OS | Windows 7/8/10 (64 Bit) |
CPU | デュアルコア 2.4 GHz (Intel Core 2 Duo, i3) 2.6 GHz (AMD Athlon, Phenom II) |
メモリ | 8 GB |
グラフィックカード(GPU) | DX11に対応しビデオメモリ1 GB以上 |
ストレージ | 19GB以上 |
引用元: https://www.escapefromtarkov.com/support/knowledge/68
一般的なパソコンとしては普通のスペックと言えるのですが、ゲーム用としてはやや心もとないスペック。あくまで「最低限の動作」向けであり、このスペックでは現実的にはプレイは難しいです。
Escape from Tarkov(EFT)の推奨動作環境・スペック
推奨スペック | |
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OS | Windows 7/8/10 (64 Bit) |
CPU | クアッドコア 3.2 GHz (Intel i5, i7) от 3.6 GHz (AMD FX, Athlon) |
メモリ | 16 GB |
グラフィックカード(GPU) | DX11に対応しビデオメモリ2 GB以上 |
ストレージ | 19 GB以上 |
引用元: https://www.escapefromtarkov.com/support/knowledge/68
多くのゲーマーにとって参考とすべき推奨スペックですが、こちらも記載内容がやや古めな印象。たとえばEscape from Tarkovは2022年4月時点でNVIDIA DLSSに対応しています。この機能を活用するのであれば、実際には「RTX30シリーズ」「RTX20シリーズ」がGPUの候補となります。
Escape from Tarkov(EFT)をプレイしているユーザーのグラボ・構成とベンチマークスコア
2022年4月時点でEscape from Tarkov公式のベンチマークはありません。ただベンチマークが無いゲームタイトルでも、プレイしているプレイヤーがアップロードしたプレイ動画があるので、これをベンチマークの参考とすることができます。
Escape from Tarkovの特徴としては、装備と背景の組み合わせによる迷彩効果が得られること。FPSながら激しい視点移動やアクション性は少なく、フレームレートよりも画質の良さで視認性を重視するプレイヤーも多いです。
以上の点から、紹介するベンチマーク動画は「FHD画質=1080P」「Ultra=最高設定」での平均フレームレートを参考にしていきます。
【75fps】RTX3060Ti × Core i9-10900K × 16GB
第10世代インテル Core i9とRTX3060Tiの組み合わせ。ベンチマーク中には各種パーツの使用率などが表示されますが、注目したいのはVRAMも含めたメモリ周りです。
RTX3060Ti搭載の8000MB=8GBのVRAMをほぼ使い切り、RAMも15000MB=15GBとなっており、使用できるメモリ領域のほとんどが使われています。
プレイヤーの間では「タルコフは32GB以上(のRAMを)載せたほうが方が良い」という声もあり、事実この動画を見る限りではメモリ容量に不安が残る数値として現れました。
【75fps】 RTX 3060 Ti ×Ryzen 5 3600 × 16GB
ZEN2世代のAMD Ryzen 5とRTX3060Tiの組み合わせ。
こちらでもVRAMはほぼ使い切っていますが、RAMの方が12GB以下に抑えられています。この違いはゲーム内設定の最適化や、フィールドマップの違いによるものと考えられます。
ただそれでもRAMを12GB近く使っている訳なので、OSで使う領域も考えると16GBのRAMでは不安が残る結果であることには変わりありません。
【65fps】RTX3050 ×Ryzen 5 5600X × 32GB
ZEN3世代のAMD Ryzen 5とRTX3050の組み合わせ。CPUの処理速度に対してGPUのパワーが不足しているケースとなります。
傾向としては先に述べた2つのケースと変わらず。RTX3050搭載のVRAM 8GBの殆どが使われています。ただRAMに関しては32GB中15.5GBなので、メモリ不足で悩むことはなさそうな印象です。
【90fps】RTX3090 × Core i9-10900K × 32GB
第10世代インテル Core i9とRTX3090の組み合わせ。2022年4月時点ではより上位のCPUとGPUが存在しますが、それでもなおハイエンドクラスといえるケースです。
オブジェクトが多い森林地帯で144fps近くのフレームレートが出ています。流石はハイエンド…と思ったら75fps付近までの落ち込みが発生し、最終的には90fpsが平均値となりました。
気になるメモリ周りですが、RTX3090は24GBのVRAMがあり、ハイエンドゲーミングPCでは標準的な32GB RAMも搭載しています。使用された容量としてはVRAMが10GB、RAMが14~16GBとなっており、合計24GBが使われていました。どちらも使用率にすれば50%程度になります。
よって無制限にメモリを使用しているわけではなく、VRAMとRAMは区別した上で使用されるということが分かりました。
【75fps】RTX2060×Core i5-9400F ×16GB
第9世代インテル Core i5とRTX2060の組み合わせ。2019年頃のミドルクラスに相当します。
VRAM容量こそ6GBですが、RTX2060はRTX3050よりも処理能力が高いGPUなので、フレームレートもやや高い数値となっています。CPUも世代としては古いですがバランス構成としては悪くない組み合わせと言えます。
【65fps】GTX1660 Super ×Ryzen 5 5600X × 32GB
ZEN3世代のAMD RyzenとGTX1660 Superの組み合わせ。2020~2022年におけるエントリークラスのゲーミングPCです。
RAMが32GBなのでメモリ容量不足こそありませんが、GPU使用率の割にフレームレートは伸び悩んでいる印象。CPUに対してGPUの処理能力が足りていないケースになります。
それでも60fps以上を概ねキープしていますので、カジュアルにプレイする分には問題はなく、コストパフォーマンスとしては高いと言えます。
Escape from Tarkov(EFT)を遊ぶためのおすすめグラボ
ゲーミングPCのスペックを大きく左右するのが、GPU=グラフィックボードやグラボなどと言われる映像処理を行うパーツです。
ではEscape from Tarkovを遊ぶのなら、どのようなグラボを選べば良いのか?性能クラスを考慮しつつ3つ紹介します。
RTX3090
まずはハイエンドクラスである「RTX3090」。Escape from Tarkovでは、画質とフレームレートの両方において妥協したくないならこのクラスのGPUが必要です。ただRTX3090は非常に高価なGPUなので、1ランク下位モデルとなるRTX3080Ti辺りも視野に入れた上で検討すると良いでしょう。
RTX3060
ミドルクラスでオススメとなるのが「RTX3060」です。NVIDIA GeForceであれば「RTX3060Ti」「RTX3070」などがあり、AMD Radeonなら「RX6600XT」「RX6700XT」などが候補でしょう。
RTX3060の強みは、その価格に対してVRAMが12GBと大容量であること。RTX3060TiではVRAM不足となるシーンが多かったのですが、その点ではRTX3060には余裕がありフレームレートが安定して出しやすい条件が整います。
GTX1660シリーズ
エントリークラスでオススメとなるのが「GTX1660シリーズ」です。無印、Super、Tiとありますが、Super辺りがコストパフォーマンス的には高い傾向にあります。
RTX20シリーズと併売されていた旧世代の製品で、流通量も多くて入手性は高いです。ただしレイトレーシングやDLSSには非対応となっています。
レイトレーシングやDLSSを使うのであれば、同価格帯で入手可能なRTX3050も視野に入れると良いでしょう。
Escape from Tarkov(EFT)を遊ぶのにおすすめのゲーミングPC
Escape from TarkovはPCゲームの中でもヘビー級のゲームタイトルなので、処理能力の高いゲーミングPCが必要です。ただゲーミングPCといっても高価なハイエンドから、比較的安価なエントリークラスまであります。
ドスパラ GALLERIA ZA9R-R39
引用元: ドスパラ
ドスパラのゲーミングPCブランド「GALLERIA(ガレリア)」のハイエンドゲーミングPC。CPUにZEN3世代のAMD Ryzen 9 5900Xを搭載、GPUはRTX3090です。
CPUとGPUの構成バランスはバッチリ。唯一気になる点があるとすればRAMが16GBであるところ。この構成であれば32GB以上あっても不思議ではありません。ゲーム用途であれば16GBで十分と言えるのですが、Escape from Tarkovだと16GBを使い切ってしまう可能性があります。
注文時に32GB以上の構成の変更も可能なので、余裕を持たせた構成にすると安心できます。
パソコン工房 LEVEL-R969-127-RBX
引用元: パソコン工房
パソコン工房のゲーミングPCブランド「LEVEL ∞(レベル インフィニティ)」のミドルクラスゲーミングPC。CPUに第12世代インテル Core i7-12700搭載、GPUはRTX3060です。
CPUが大小異なるコアが搭載されたハイブリッド仕様となっており、従来のCPUよりも高いパフォーマンスと高効率化を実現しています。
RAMは16GB、VRAMはRTX3060搭載の12GBが標準となっており、ミドルクラスとしては十分な容量を搭載しています。
ツクモ G-GEAR ファイナルファンタジーXIV 推奨パソコン | エントリーモデル
引用元: ツクモ
ツクモのゲーミングPCブランド「G-GEAR(ジーギア)」のエントリークラスのゲーミングPC。こちらのモデルはFF14推奨モデルとなっています。CPUは第11世代インテル Core i5-11400搭載、GPUはGTX1660Superです。
コストパフォーマンスが高いモデルとなっており、幅広いゲームをカジュアルに楽しむのに丁度いいモデル。Escape from Tarkovにおいても60FPS程度まで出すことが可能です。
Escape from Tarkov(EFT)向けグラフィックボード選びについてよくある質問
最後に、タルコフ向けのグラボ選びについてよくある質問をまとめました。
CPUの選び方は?
ゲーミングPCにおいては「CPUとGPUのバランスが大事」。つまりハイエンドCPU+ハイエンドGPU、エントリーCPU+エントリーGPUの組み合わせが良いです。
あとは個々の用途に応じて、CPUとGPUどちらかのランクを1つ分ぐらい上下させる程度に調整するのが一般的です。
またCPUの世代は新しいほどGPUの性能を引き出しやすくなりますので、特別な事情が無い限りは新しい世代のものを選ぶのが良いでしょう。
Escape from Tarkov(EFT)と同等スペックで快適に遊べる他のおすすめゲームは?
ではEscape from Tarkov以外のPCゲームはどの程度動くのか?「G-GEAR ファイナルファンタジーXIV 推奨パソコン | エントリーモデル」を例に見てみましょう。
まず推奨タイトルでもあるFF14ですが、こちらはFF14ベンチマークのスコアが公開されており、「最高品質/1920×1080/ウィンドウモード」の条件でスコア15452の非常に快適判定となっています。フレームレートであれば大体65~70fps程度は出ていると思われます。
Apex Legendsでは低設定でおおむね100~120fps、高設定で85fps程度になる印象。Escape from Tarkovに比べると激しいアクションも多いので、高フレームレートを活かせる高リフレッシュレートモニターも必要となってきます。
まとめ
ここまでで、Escape from Tarkovはヘビー級FPSゲームタイトルということが分かりました。筆者の個人的な意見としてUltra画質とはいえ、RTX3090+FHD環境で144fps固定は難しいというのは正直驚きでもありました。
一方でEscape from Tarkovは確かにFPSゲームですが、銃撃は中~遠距離から行われます。そのため遠方を視認できる画質の優先度が高いという印象が強く、逆に近距離で激しく銃口を振り回す状況になるのは悪手=高フレームレートが活躍する機会が少ないといえます。
高画質と高フレームレートの両立はハイエンドGPUでも難しいですが、どちらか一方であればエントリークラスGPUで対応可能です。その点ではGPUのハードルを低くすることもできます。
気になるメモリの使用量は確かに多いのですが、メモリは比較的交換・増設が容易なパーツです。一先ず16GBで様子見しつつ、高リフレッシュレートモニターなどの周辺機器を充実させることをおすすめします。