PS4 ProのスペックはゲーミングPCと比べてどのくらい?グラボ/CPUの性能を比較
2016年に発売されたPS4の上位機種「PS4 Pro」。当時は家庭用ゲーム機としては高速かつ高画質にプレイできるとされ、処理性能/描画性能を求めるゲーマーに重用され、2022年現在でも人気のある機種の1つです。
そこで今回はPS4 Proのスペックを、現在のゲーミングPCと比較すると「どの程度の性能か」「ゲーミングPCに置き換えるとどの程度の価格に相当するか」を解説します。
PS4 Proのスペック/性能
まずはPS4 Proのスペックについて確認していきましょう。
パーツ名 | 搭載スペック |
---|---|
CPU | AMD Jaguar 8コア 2.1GHz |
GPU | GCN Compute 911MHz |
メモリ | GDDR5 8GB |
ストレージ | HDD 1TB/2TB |
消費電力 | 最大310W |
価格(税抜) | 39,980円(ディスク無し版)49,980円(通常版) |
発売当初の2016年においては高性能であったと言えるでしょう。4万円程度の定価で、このレベルのパーツを搭載したゲーム機を購入できるのは破格。コンシューマー機としての人気も高く、2022年現在は定価を上回るプレミア価格で取引されています。
一方で販売終了が決定した2020年時点では、ゲーミングPCと比較すると「微妙なスペック」であったことも事実です。PS4 ProとPS5を比較しても、その性能差は大きいため、予算に余裕があるのであればPS5の抽選販売への申し込み等を検討すると良いでしょう。
参考までに、PS5のスペックについても以下の記事にて紹介しています。ぜひご覧ください。
PS4 Proの搭載グラボはRadeon RX 470相当
ここからは各パーツの詳細なスペックや特徴に注目してみましょう。まずはPS4 Proのグラボについて解説します。
PS4 Proに搭載されているグラボの「単精度浮動小数点演算性能」は4.2TFLOPSと発表されており、この数値はGTX1060やRadeon RX 470に近い性能であると推定されます。
引用元:価格.com
なおRX470の場合、FF14ベンチマークの「標準品質」では以下の結果となります。「最高品質」を求めなければ、快適にプレイできる程度のスペックを持っています。
引用元:https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/25355060/blog/4117198
なおPS5のグラボは10.3TFLOPSと発表されており、PS4 Proと比較すると2倍以上の差があるのも事実。
現行のゲームを最高品質でプレイするにあたっては、PS4 Proでは性能が足りない場面も多いでしょう。
PS4 Proの搭載CPUは「AMD Athlon 5350」に近しい
PS4 Proに搭載されているCPUはAMD製のJaguarアーキテクチャが採用されたモデルです。8コア構成となっており、動作周波数は2.1GHz。デスクトップ版CPUに例えると、AMD Athlon 5350(4コアJaguar、2.05GHz)のコア数を2倍にしたものに近いでしょう。
ちなみに元々はSONY側の要望としてSteamrollerアーキテクチャ採用のCPUを搭載したかったそうですが、製造設備の関係でJaguarになったと言われています。
従来モデルのPS4よりメモリ性能は24%改善
PS4 Proのメモリは通常のPS4と比べると24%ほど性能が上がっています。実はメモリ容量は8GBと変更がないのですが、メモリクロックやメモリバス帯域幅を改善することで性能向上を図っています。
具体的な数値ではメモリクロックが5.5GHzから6.8GHzへ、メモリバス帯域幅が176GB/sから218GB/sへと改善されています。
PS4 Pro相当のパソコンを自作PCで組むとどれくらいの予算が必要?
では「PS4 Pro相当のPCを組み立てる」と想定して、どの程度の費用が発生するのか検証してみます。
構成するパーツは以下の通りです。ちなみにCPUに関しては「AMD Athlon 5350」を2倍にした性能を想定し、Passmarkのベンチマークスコアを参考に製品を選定しました。
パーツ | 品名 | 価格(2022年11月時点) |
---|---|---|
CPU | Intel Core i3-4130 | 28,924円 |
GPU | GEFORCE GTX 1060 | 49,800円 |
メモリ | Crucial DDR4-2666 8GB CT8G4DFS8266 | 3,999円 |
ストレージ | Seagate 1TB ST1000DM010 | 5,909円 |
結果としては、88,632円とPS4 Proの価格を大きく上回る金額です。2022年現在の水準で見ても、PS4 Proの定価の安さは「破格」です。同じスペックでゲーミングPCを組み立てる場合、PS4 Proの方が圧倒的にコスパが高いことが分かりました。
PS4 Proがここまで破格な価格で販売できる理由は「ビジネスモデル」があります。「サブスクリプションやゲーム販売によって、収益を後から回収する」という仕組みで定価を抑えているのです。
PS4 Proのメリット | ソニーの独自タイトルをプレイ可能
PS4 Proのメリットには、PlayStationにしかない「独自タイトル」のゲームがプレイ可能なことが挙げられます。有名なタイトルとしては、以下があります。
- Demon’s Souls
- ラチェット&クランク パラレル・トラブル
- ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク
- グランツーリスモ7
これらのタイトルはPlayStationのみプレイ可能なため「ソニー独占作品を高グラフィックでプレイしたい!」という方にとってはPS4 Proはおすすめです。
PS4 Proのデメリット | ゲーミングPCとして見ると性能面は厳しい
PS4 Proのデメリットは「スペック面」です。PS4とPS4 Proを比較すると、確かに性能も高く、発売当時もミドルレンジ程度の性能でした。
とはいえ2022年現在の水準で見ると、特にPS5と比較すると差は非常に大きいです。ミドルレンジのゲーミングPCの性能と比較しても、同様です。またPS4 Proは現在プレミア価格になっているため、当時よりも高値で取引されています。「6〜7万円代のPS4 Pro」を買うのであれば、PS5の抽選販売に応募する方がベターでしょう。
PS4 Proを「PCの代わり」にすることは難しい
その他のデメリットには、PS4 Proの汎用性が挙げられます。
PS4 Proは「家庭用ゲーム機」のため、動画編集ソフトやOfficeツールを使用することはできません。あくまでもゲームプレイ「のみ」に対応するため、ゲーミングPCのように様々なことができるのではなく、用途は限られます。
まとめ
今回はPS4 Proのスペックを、2022年現在のゲーミングPCと比較しつつ解説しました。既に発売から6年以上経過しているため、スペック面においてはかなり劣ってしまうのが事実です。そのため、「今からわざわざプレミア価格で取引して購入する」必然性はあまり無いです。
とはいえコンシューマー機としては、2022年現在でも非常に人気が高いモデルであることもまた事実です。プレミア価格での購入の必然性は薄いものの、中古端末が安価に出回っていたら十分に魅力的なモデルでしょう。