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    PCのカスタマイズに興味が無い人でも、一度は掃除をしたことがあるかと思います。PC内部にはホコリが入りやすく、もし購入してから1年以上ケースを開けたことがなければ相当な量がたまっていることでしょう。より長く使い続けるためには、これらを取り除く方法を覚えておく必要があります。
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パソコンの掃除方法~掃除が必要な理由・事前準備と掃除手順を解説

  • DATE
    2020.12.10
  • WRITTEN BY
    DIGITAL DIY編集部

パソコンの掃除方法~掃除が必要な理由・事前準備と掃除手順

パソコン掃除が必要な理由

PC内部にたまったホコリは非衛生的なだけでなく、製品の寿命をも著しく低下させてしまいます。考えられる故障は以下の通りで、いずれも重大な影響を与える可能性があります。逆にこれらを回避すれば、PCの耐用年数は大きく伸びることでしょう。

  • パソコン内部の熱が放出できなくなる:ホコリが熱を蓄え、熱暴走を引き起こす
  • 基板・回路がショート:湿気を含むホコリが漏電や発火の原因に
  • CPUファンの破損:たまったホコリがファンの回転を阻害
  • 帯電による起動不良:静電気を帯びたホコリがパーツに干渉し、動作が不安定に

パソコン内部の熱が放出できなくなる

こたつを思い浮かべてください。熱源を毛布などで包み込み、温かさを逃さない仕組みです。PC内部では、使用時に熱を帯びる集積回路やバッテリーがまさに熱源となりますが、ホコリがたまると毛布の役割を果たしてしまうのです。

多くの電子部品は高温に弱く、特に熱を苦手とするCPUなどの重要部品はクーラーで冷却されます。しかし、この部分にホコリが付着すると、排熱が阻害されて熱暴走の原因となるのです。

基板・回路がショートする

湿ったホコリは回路から電気を奪い、時にはその熱で燃えてしまうこともあります。発火なんて・・・と疑う人もいるかもしれませんが、バーベキューなどで用いる細かい木片と同じく、集積した細かいホコリは燃えやすいのです。

たとえ火災を免れても、火にさらされたPC内部は無事では済みません。基盤や回路はショートし、取り返しのつかない損傷を受けることになるでしょう。

CPUファンの破損

CPUファンの破損

先に述べた通り、CPUなどの重要部品にはクーラーが取り付けられています。現在の主流である空冷式は、部品に付着させて熱を直接逃がす金属製のヒートシンクと、この金属パーツに風を当てて冷却するファンで構成されています。ここにホコリが貯まり過ぎるとファンの回転が物理的に阻害され、ヒートシンクから熱を取り除くことが難しくなるのです。

最悪の場合はファンが損傷し、ホコリを除去しても完全に機能しなくなるかもしれません。

帯電による起動不良

セーターと同様、繊維状のホコリにも静電気が発生し、PCの動作不良を引き起こす場合があります。静電気は精密なPCパーツを故障させるのに十分な力があり、起動しなくなる可能性もあります。

PC掃除の前に準備すること

PC掃除の前に準備すること

掃除を始める前に以下を準備し、正しい手順を踏んでください。メンテナンスのはずが、逆にPCの精密部品を壊してしまっては本末転倒です。

  • 工具・アイテムをそろえる:分解用の工具、ホコリ除去に使うアイテムを用意
  • 電源ケーブルを抜く:通電した状態で作業を行わないように
  • 静電気対策:金属に触れて静電気除去、あるいは専用の手袋を着用
  • 換気:取り除いたホコリを部屋の外に出すため、窓を開ける

工具・アイテムをそろえる

必要な工具・アイテムは以下の通りです。各種ドライバーやピンセット、マスクなどは自宅にあるもので問題ありません。ハンドクリーナーやエアダスター、静電気防止手袋は、通販やホームセンターなどで安く購入できます。

  • パソコン掃除機:目視で分かる広範囲のホコリを吸い取ります。細かい部分は後述のエアダスターに任せます
  • エアダスター(不燃性):風の力で細部にたまったホコリを吹き飛ばします。缶でスプレーするタイプや電動式があり、個人用であれば前者、オフィスなどで多くの人が利用するなら後者が良いでしょう。缶の場合、PC内の静電気を考えて不燃性を選んでください
  • アルコールティッシュ:表面の汚れを拭き取る際に使用。PC内部の掃除では、水分を含む通常のウェットティッシュを使用してはいけません
  • クリーニングクロス:アルコールティッシュが使えない部分を拭き取ります
  • プラス/マイナスドライバー:ケースを開けたり、パーツを取り外したりします。グリップが大きくて握りやすく、周囲のパーツに手が触れないよう軸が長いものを選びましょう
  • キーリムーバー:キーボードのキーを外すための機器です。手元に無い場合はマイナスドライバーなどで代用できます
  • ピンセットおよび爪楊枝(金属製でないもの):パーツの隙間に入ったホコリや汚れを除くために使います。PCを傷付けないよう、金属製は避けてください
  • 除電ハケ(ブラシ):機器から静電気を取り除き、さらなるホコリの付着を防ぎます。PC内部だけでなく、モニターやキーボードにも使えます
  • 静電気防止手袋:静電気でPC内部を損傷させないよう装着します
  • マスク:ホコリを吸い込まないためにも着用を

パソコン掃除機の商品一覧ページはこちら

エアダスターの商品一覧ページはこちら

静電気防止手袋の商品一覧ページはこちら

電源ケーブルを抜く

通電した状態で掃除すると、パーツの脱着時に予期せぬ破損事故が起こる可能性があります。必ずPCの電源スイッチをオフにしましょう。思わぬミスを防ぐために、電源ケーブルも抜いておきましょう。

静電気対策を行う

セーターなどの静電気を帯びやすい服装は避け、作業の邪魔にならない薄手のシャツに着替えましょう。続いて地面や建物に接している金属(ドアなど)に触れて自らの静電気を逃し、静電気防止手袋も装着してください。

また、冬場は湿度が低く静電気が発生しやすい環境です。加湿器なども用いると良いでしょう。

換気のために窓を開ける

掃除によってPC自体は健康になりますが、そのままでは取り除いたホコリが部屋の中に漂っています。掃除中および掃除後の約30分間は窓を開けて換気しましょう。

PCの掃除手順

PCの掃除手順

マウスなどの外部接続機器は個別に掃除します。パーツの混合などを防ぐためにも以下の順番を参考にして、最終的にPC内部をきれいにするのがおすすめです。また、静電気対策はPC内部の掃除を行う際に重要で、外部接続機器を扱う際にはさほど気にする必要はありません。

  1. マウスおよびトラックパッド
  2. キーボード
  3. ディスプレイ
  4. PC本体外部
  5. PC本体内部

マウスおよびトラックパッドの掃除

これらのパーツは基本的に分解できないため、アルコールティッシュやマイクロファイバークロスによる拭き掃除が基本です。事前準備として、掃除を行う前には必ずPCの電源を切り、外部機器を外してください。ワイヤレスのマウスやトラックパッドを使っている場合は、PC本体のスイッチを切るのもお忘れなく。

<使用する工具・アイテム>

  • アルコールティッシュ
  • >爪楊枝

表面の汚れを拭き取る

まず、アルコールティッシュで機器の表面を拭きましょう。スクロールホイールやトラックボールは汚れが残りやすいので、回転させつつ入念に仕上げてください。光学式マウスは底部の光を発する部分で動きを感知しているため、傷付けないよう軽く拭く程度に留めていくのが良いでしょう。

爪楊枝で細かい汚れをかき出す

パーツの接合部に付着した汚れを除くには爪楊枝が便利です。尖っていない方の先端にアルコールティッシュを巻きつけ、綿棒のように拭き取ります。

キーボード

キーボードは分解できますが、機種によってその難易度が異なります。基本的に高さのあるキー(メンブレン式、静電容量無接点方式、メカニカル式)は取り外しやすく、ノートPC用などの平坦なキー(パンタグラフ式)は難しくなります。パンタグラフ式を使用しているなら、分解せず簡単な掃除で済ませるのも良いでしょう。

<使用する工具・アイテム>

  • エアダスター
  • 除電ハケ(ブラシ)
  • キーリムーバー
  • アルコールティッシュ
  • 爪楊枝

分解前の掃除

まずはキーの溝に沿ってエアダスターを吹きかけ、ホコリを除きます。その後は機器全体を除電ハケ(ブラシ)で掃き、続いてアルコールティッシュで表面の汚れを拭きましょう。溝に残った目に見える汚れは、爪楊枝にアルコールティッシュを巻いて取り除くときれいになります。パンタグラフ式のキーボードは、この時点で掃除を終えても構いません。

分解後の掃除

分解できると判断しても、すぐに全てのキーを外してはいけません。元通りに戻せるよう、スマートフォンなどで現在の位置を撮影しておきましょう。

キーリムーバーなどを使用してキーを取り外したら、ボード全体を除電ハケ(ブラシ)で払って大きなホコリを取りつつ、アルコールティッシュでこびり付いた汚れを拭きましょう。エアダスターを使うとホコリが入り込んで故障の原因になるため、直接拭き取ったほうが安全です。

続いて、取り外したキーを一つずつアルコールティッシュで拭きます。キーは上からの圧力には強い構造ですが、側面から強い力を加えると変形する可能性があるため注意が必要です。拭き終えたキーは10分ほど乾燥させ、元の位置に戻しましょう。

ディスプレイ

ディスプレイは常に目にしているだけに汚れも気になります。しかし、マウスやキーボードのようにさっと拭き取ってはいけません。画面に専用のコーディングが施されているため、そのまま掃除しても悪化するので要注意です。

<使用する工具・アイテム>

  • クリーニングクロス
  • 除電ハケ(ブラシ)

液晶画面を拭くには

除電ハケ(ブラシ)で画面表面のホコリを払い、クリーニングクロスで細かい汚れを拭きます。どうしても汚れが残る場合は、液晶用クリーナーを使うと良いでしょう。なお、中性洗剤やティッシュの使用は避けてください。ディスプレイは繊細で、すぐに目立つような傷が付いてしまいます。

PC本体外部

ここでいうPC本体外部とは、PCの動作に直接関わらないケース部分を指します。外部とはいえ、掃除の際には一部の内部パーツを外しておくことをすすめます。

<使用する工具・アイテム>

  • アルコールティッシュ
  • 掃除機
  • プラス/マイナスドライバー
  • 除電ハケ(ブラシ)
  • エアダスター

PCケースの開け方とパーツの取り外しについて

ここではタワー型デスクトップPCについて説明します。まずはすべての外部接続機器を外した後、ゆっくりとPC本体を横向きにしてください。立てたままケースを開けると内部のコードなどが出てくる可能性があるため、必ず横にしてから始めましょう

PCIスロット上のグラフィックボードや拡張ボードなど、後で別途掃除したい、あるいは作業中に器具や手に触れそうなパーツはドライバーで外しておくと便利です。清掃の後、これらの端子にホコリが入っていないか、しっかりチェックしてください。

ケース内部からホコリを出す

まずはPCケースの吸気口を確認し、内側から外側に向かってエアダスターを吹きかけます。逆向きに風を送り込むとホコリが舞い、掃除が面倒になるのでご注意ください。続いて、ケース内にある大きなホコリをパソコン掃除機で吸い取り、細かいものは除電ハケ(ブラシ)で掃いていきます。最後にアルコールティッシュでこびりついた汚れを取りましょう。併せてファンも拭いてください。

ケース外側の掃除

内部を掃除したケースを今度は立てて、外側のホコリを除電ハケ(ブラシ)で取り除きます。続いてアルコールティッシュなどで拭いていきますが、力を入れ過ぎてUSB端子に水分が入ると故障の原因になるため、慎重に行ってください。なお、PCパーツの掃除でも多くのホコリが出るので、そちらを優先させるのがおすすめです。

PC本体内部

PC本体内部とは、ケース内に収められたパーツ全般を指します。静電気にとても弱いので、先に挙げた静電気対策を万全に行いましょう

<使用する工具・アイテム>

  • プラス/マイナスドライバー
  • ピンセット
  • エアダスター
  • CPU用グリス(お持ちの場合)

エアダスターによるホコリの除去

PCケースを開け、まずはパーツを付けたままエアダスターで大きなホコリを吹き飛ばします。できるだけノズルの長い製品を選び、基盤に触れないように作業を進めましょう。除電ハケ(ブラシ)は毛が基板に残り、不具合の原因になるため使用は控えてください。

ピンセットを使ったホコリの除去

CPUクーラーのヒートシンク部分はホコリがたまりやすく、エアダスターだけで掃除するのは容易ではありません。ピンセットを使い直接取り除くのがおすすめで、これだけでも十分ですが、CPUクーラーを取り外して作業するとより効果的です。

CPUクーラーを取り外す場合の注意点

CPUクーラーは規格によって取り外し方が異なるほか、ファンに電力を供給するためのコードがマザーボードとつながっているので最新の注意が必要です。

まず、給電コードを抜いてからクーラー本体を外しましょう。また、干渉しそうなパーツも外しておきます。さらに、クーラーには熱伝導率を高めるためのグリスが塗られていて、触れた場合は塗り直しが必要です。慣れていない人は、クーラーを付けたまま掃除しましょう。

コードの整理

PCケース内の各コードは邪魔になりがちなので、ホコリを除いたら結束バンドなどでまとめましょう。後日、再び掃除をする際に作業が楽になります。

まとめ

今回紹介したPCの掃除を半年または年に1度のペースで行えば、動作不良が発生する確率は大きく下がるはずです。逆に放っておくと寿命が短くなりますので、適切にメンテナンスを行い長期間使用しましょう。

大切な愛機、それが自作PCともなればその愛着はなおさらです。掃除をしないでほっておくと「自作PCが起動しない」といったトラブルの原因にもなりかねないのでご注意ください、

PCを日常的に使っていると、大なり小なり「変だな」と感じる瞬間はありませんか。単発的に起ったことならともかく、断続的に起こるようになったら…


PCの前でポーズをとるおとはす

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