【AMD Ryzen向け】Ryzen対応メモリ「DDR4」シリーズおすすめ12選
Ryzenは2017年に登場したAMDのCPUです。登場当初からスペックやコストパフォーマンスに優れたCPUとして、人気を集めてきました。
ただしAMD Ryzenは製品仕様が少し分かりづらいことがあり、どんなメモリを選べば良いか分からないかもしれません。CPUやマザーボードに適合しなければ、せっかく選んだメモリが使えないことも。
AMD Ryzenには、世代ごとに適切なメモリがあります。そこで今回はRyzenのメモリの選び方や、メモリの性能を示す周波数「メモリクロック」ごとのおすすめ製品などについて、詳しく見ていきましょう。
なお、そもそも「DDR4とは何?」「メモリクロックとは何?」という方は以下の記事もあわせてお読みください。
メモリの主流な規格や「メモリクロックの値が高ければ高いほど、性能が良いのか」などについて、詳しく解説しています。
AMD Ryzenに適したメモリとは
AMD RyzenのCPUを自作PCに使用する際は、メモリの選択に注意が必要です。適合しないメモリを選ぶと、PCが正常に動作しない可能性があります。そこで、AMD Ryzenに適したメモリについて、まずは次の5つの観点から見ていきましょう。
- Ryzenの型番から世代と性能が判別可能
- 第4世代(Zen 3)対応メモリクロック
- 第3世代(Zen 2)対応メモリクロック
- 第3と第4世代Ryzenに適したメモリ速度
- RyzenのCPUに必要なメモリ容量と枚数
【前知識】Ryzenの型番から世代と性能が判別可能
AMD Ryzenに適するメモリを選ぶためには、まずCPUの世代について知る必要があります。実は、Ryzenは型番を見ると世代や性能をある程度推測できるため、それほど苦労することはありません。具体的には次のとおりです。
- 最初の数字はシリーズ(ランク)を表す
- 4桁の数字の最初の数字が世代を表す
- 4桁数字の3桁は基本スペックを表す
- 末尾の文字は機種の特性や用途を表す
RyzenはIntelのCoreシリーズと同様に、「Ryzen 9」「Ryzen 7」「Ryzen 5」「Ryzen 3」という4つのシリーズに分かれています。
最後の数字が大きい方がハイスペックです。例えば、Ryzen 5よりもRyzen 7の方が高性能。
次に、4桁の数字がありますが、例えばRyzen 5 5600Xなら「5600」、Ryzen 5 3600なら「3600」が該当します。これらの数字の最初は世代を示し、前者は「第5世代」で後者は「第3世代」ということです。以降の3桁はマイナーバージョンを示し、基本的には数字が大きいほどハイスペック。
型番の末尾に文字が来るものもありますが、その文字の意味は下記のように様々です。
末尾の文字 | 意味 |
---|---|
文字無し | 通常版 |
X | 最高スペックのCPU |
G | GPU内蔵(Gがなければグラフィックボード必須) |
U | ノート用低消費電力版 |
E | ノート用低消費電力版 |
H/HS | ノート用のハイパフォーマンス版 |
「X」が最高スペック品を示すというのはIntelと同じですね。ノートPC用以外の「通常版」と「X」は、CPUにグラフィックス機能が搭載されていないため、GPUが必須となることに要注意。
これらの点を踏まえて、「Ryzen 5 3600」と「Ryzen 5 5600X」という2つのCPUについて、その世代とスペックを考えてみましょう。
CPU型番 | 大まかな世代と性能の目安 |
---|---|
Ryzen 5 3600 | 第3世代のデスクトップ向け通常スペック版 |
Ryzen 5 5600X | 第5世代のデスクトップ向けハイスペック品 |
両者のCPUを比較してみれば、世代的にも末尾のアルファベット的にも、Ryzen 5 5600Xの方がハイスペックであることが分かりますね。
第4世代(Zen 3)対応メモリクロック
第4世代のRyzenには「Zen 3」アーキテクチャが採用されていますが、このメモリコントローラは第3世代のZen 2と同じです。つまり、AMDが公式に発表している「対応メモリクロック」も、下記のように第4世代のRyzenでも第3世代と同じになります。
メモリランク | メモリ枚数 | 公式の対応メモリクロック |
---|---|---|
Single Rank (シングル構成) |
2枚 | DDR4-3200 |
4枚 | DDR4-2933 | |
Dual Rank (デュアル構成) |
2枚 | DDR4-3200 |
4枚 | DDR4-2667 |
メモリを4枚挿しにすると、2枚挿しの場合よりも対応メモリクロックが下がりますが、上記の内容はあくまで公式が発表しているもの。実際には第3世代Ryzenの多くが4枚挿しでDDR4-3200を使用できたため、第4世代でも多くの場合は問題ないと考えられます。
ただし、公式には非対応の高クロックメモリを使用すると、動作しない可能性もあります。非対応のメモリクロックを使用する場合は、あくまで自己責任となってしまうのでご注意ください。
第3世代(Zen 2)対応メモリクロック
第3世代のRyzenには、「Zen 2」アーキテクチャが採用されています。AMDが公式に発表しているSocket AM4の対応メモリクロックは次のとおりです。
メモリスロット | メモリ枚数 | メモリランク | 対応メモリクロック |
---|---|---|---|
2本 | 2枚 | Single Rank(シングル構成) | DDR4-3200 |
Dual Rank(デュアル構成) | DDR4-3200 | ||
4本 | 2枚 | Single Rank(シングル構成) | DDR4-3200 |
Dual Rank(デュアル構成) | DDR4-3200 | ||
4枚 | Single Rank(シングル構成) | DDR4-2933 | |
Dual Rank(デュアル構成) | DDR4-2667 |
メモリの使用枚数が2枚の場合は、いずれの構成でもDDR4-3200を使用できます。一方で、メモリを4枚構成にした場合は、シングルランクでDDR4-2933、デュアルランクではDDR4-2667と対応メモリクロックが下がることに要注意。先ほどご紹介した第4世代(Zen 3)と同じですね。
第5世代のRyzenにおいても、Zen 3アーキテクチャが採用されています。これらの情報から、Ryzen 5000シリーズ向けにメモリを選ぶ場合も、前世代である第3世代のRyzenとほとんど同じであることが分かりますね。
第3・第4世代Ryzenに適したメモリ速度
これまでご紹介してきたように、第3世代以降に適合するメモリは基本的に同じです。つまり、第3世代も第4世代もメモリ選びの基本はよく似ているということ。第3世代のRyzenでは、メモリ速度は3600MHz、モリタイミングはCL16が最適だと考えられています。
メモリ速度は高ければ高いほど良いわけではありません。第3世代のRyzenでは、DDR4-3600以上のメモリを使用すると、Infinity Fabricの動作クロックが1800MHzで固定されてしまうようです。これでは逆に遅くなるので、DDR4-3600が最適だと言えます。
ちなみに、先ほどご紹介した公式の対応メモリクロックでは、DDR4-3200が最大値となっていました。しかし、第3世代のRyzenはDDR4-3600と組み合わせることが多く、特に問題はないと考えられています。第4世代のRyzenでも同様です。
必要なメモリ容量と枚数
CPUのメモリ選びでは、メモリの容量と枚数について考えることも大切になります。基本的にメモリ容量は少し多めにしておいたほうが無難です。メモリが足りないとPCの動作が遅くなります。そのため、使用目的に応じて次のようにメモリ容量を設定すると無難です。
使用目的 | 目安メモリ容量 |
---|---|
事務作業 | 8GB以上 |
ゲーミング | 16GB以上 |
高度な画像や動画処理 | 32GB以上 |
上記のメモリ容量よりも少ないと、PCの動作が遅くなるなど不具合が生じる可能性があります。一方で、メモリ搭載量を多くしすぎた場合は、費用が余計に掛かる以外のデメリットはないので、やはり少し余裕を見ておく方が良いでしょう。
また、メモリの枚数は必ず2枚もしくは4枚になり、奇数になることはありません。メモリの枚数は性能に直結するかは微妙なところ。例えば、4GBのメモリを4枚挿すのと、8GBのメモリを2枚挿すのとでは、性能の違いはほとんど体感できません。
ただし、先ほどメモリクロックの項目でも解説したように、4枚挿しよりも2枚挿しの方がオーバークロック耐性が高くなり、より高クロックのメモリを使えます。シングルよりもデュアルの方が速度が遅くなることがあるので、速度重視の場合は注意が必要です。
【AMD Ryzen・Core i共通】対応するメモリは「DDR4」
汎用性を高めたい場合は、AMD RyzenとCore iシリーズ共通で使えるメモリを選ぶことも大切です。そのために必要なメモリは「DDR4」になります。前述したように、AMDの第3世代と第4世代のRyzenは、いずれもDDR4-3200が標準仕様です。
Intelの第10世代Core iシリーズではDDR4-2933が、第11世代ではDDR4-3200が標準仕様となっています。つまり、AMD RyzenとCore iシリーズはいずれもDDR4メモリの使用が想定されていて、メモリクロックさえ適切であればDDR4が最適だということです。
これらの点を踏まえたうえで、DDR4とはどういうメモリなのか、またDDR3とDDR4の互換性の注意点について確認しておきましょう。
DDR4とは
DDR4メモリは、DDR3の後継となるメモリの規格です。先代のDDR4メモリも高いパフォーマンスや、DIMM容量およびデータ整合性の向上、消費電力の低下などのメリットがあります。帯域幅も1ピンあたり2Gbps以上と、帯域幅も最大50%ほど向上しました。
DDR4メモリには、4GB・8GB・16GB・32GBの4種類の容量が用意されています。前述したように、複数枚を組み合わせればそれだけメモリ容量が増えるので便利です。詳細は後述しますが、クロック周波数も様々なタイプが用意されています。
ちなみに、「DDR」はDouble Data Rateを意味します。これは1回のクロック信号でデータ転送を2回行うという形式で、1回しか行わないSDR(Single Data Rate)と対照的なものです。DDR4はDDR3よりも高いスペックを実現できるメモリとして人気を集めています。
DDR3とDDR4は互換性はない
CPUのメモリを選ぶときは、DDR3とDDR4に互換性がないことに注意が必要です。そのため、以前DDR3メモリを挿入していた場所に、DDR4メモリを挿そうとしても入りません。なぜなら、DDR3とDDR4では規格自体が大きく異なっているからです。
特にピンの数の違いは重要です。DDR3は240ピンでしたが、DDR4では288ピンに増えています。つまり、DDR3とDDR4を自由に入れ替えることは、物理的に入らないので不可能ということ。無理に入れようとするとメモリとマザーボードの双方を壊してしまうので要注意。
DDR3からDDR4へ変更するにはどうすれば良いのかというと、基本的にはマザーボードの変更しかありません。使用したいメモリの規格と、マザーボードやシステムの規格は必ず一致させておくようにしましょう。
【AMD Ryzen対応】おすすめDDR4メモリ一覧
AMD Ryzenに対応しているDDR4メモリには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、実際におすすめできるDDR4メモリについて、次の11種類のメモリクロックそれぞれからご紹介します。
- DDR4-2666
- DDR4-2800
- DDR4-3000
- DDR4-3200
- DDR4-3400
- DDR4-3600
- DDR4-3733
- DDR4-3866
- DDR4-4000
- DDR4-4133
- DDR4-4400
ただし、これからご紹介するメモリはあくまでコスパ的に「おすすめ」できるものであり、性能や適合性を保証するものではありません。特に適合性に関しては、使用中のマザーボードメーカーのQVLリストで確認してから購入するようにしましょう。
DDR4メモリについては、下記の記事で詳細を解説しています。DDR4とDDR3の違いや、デュアルチャンネル方式のやり方、知っておくと便利な点などを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
DDR4-2666
メモリクロックが最も低いDDR4-2666は、性能が控えめなだけに価格も安め。次のいずれかのメモリをおすすめします。
Patriot Memory Viper Elite Series DDR4 2666MHz PC4-21300 16GB デスクトップ用メモリ
ADATA XPG Hunter デスクトップPC用ゲーミングメモリ PC4-21300 DDR4-2666 8GB
メモリクロックが最も低いDDR4-2666は、性能が控えめなだけに価格も安め。次のいずれかのメモリをおすすめします。
いずれも合計16GBで、1つ目のPatriotは約9,000円、2つ目のADATAが8,000円くらいです。これらのメモリは第3世代のRyzenでの動作報告もあります。
ただし、第3世代以降のRyzenに使う場合は、パフォーマンスの関係からDDR4-3200以上のメモリがおすすめです。
DDR4-2800
DDR4-2800はDDR4-2666より一段階高速なメモリですが、商品ラインアップも供給量も非常に少ないタイプです。できればDDR4-3000の方をおすすめしますが、現状では次の2つのメモリがおすすめ。
PATRIOT パトリオットメモリー デスクトップ用メモリ Viper Elite シリーズ DDR4 2800MHz (PC4-22400) 8GB
出典:Amazon
PATRIOT パトリオットメモリー デスクトップ用メモリ Viper Elite シリーズ DDR4 2800MHz (PC4-22400) 16GB
出典:Amazon
いずれも在庫があるときは手頃な価格で、ネイティブで1.2Vでの動作となります。ただし、BIOSからメモリの詳細を設定しないと、2133MHzでしか動作しないという報告も。
また、DDR4-2800メモリは元々の供給量が少ないため、販売サイトでの在庫や価格が不安定です。そのため、できれば後述するDDR4-3000以上のメモリを選ぶのがおすすめ。
DDR4-3000
DDR4-3000は比較的速度が速く、供給量も多いため手に入れやすいメモリです。DDR4-3000のメモリの中では次の2機種がおすすめ。
Patriot Memory Viper4 Series DDR4 3000MHz PC4-24000 16GBキット
Patriot Viper Steel DDR4 3000MHz PC4-24000 16GB
いずれもPatriotのメモリですが、シリーズが異なります。1つ目の赤いメモリが約10,000円、2つ目の灰色のメモリが11,000円前後です。いずれも16GBのセットでネイティブ1.35Vでの動作となりますが、灰色の方はアルミ製のヒートシンクが付いており耐熱性が高め。
これらのDDR4-3000メモリは、第2世代のRyzenに最適だと考えられています。ただし、D.O.C.PやA-XMPで「DDR4-2933」として認識させる方が良好です。また、第3世代以降のRyzenを使用する場合は、もう少し早いメモリを搭載する方が良いでしょう。
DDR4-3200
第3世代以降のRyzenに搭載するメモリには、このDDR4-3200以降のメモリが適切です。特に第3世代はDDR4-3200が基準となっており、次の2つのようなメモリがおすすめ。
Patriot Memory DDR4 3200MHz PC4-25600 16GBキット
Patriot Viper Steel DDR4 3200MHz PC4-25600 16GB
いずれのメモリも16GBのセットで、1つ目の黒いPatriotが10,000円弱、2つ目の灰色のPatriotが11,000円前後です。動作電圧は前者が1.2Vで後者が1.35Vと異なるので要注意。2つ目のメモリはゲーミングモデルなので、CLが低めでより高速に作動します。
どちらも第3世代Ryzenでの動作が報告されています。第3世代のRyzenを使うのであれば、できればDDR4-3200を選ぶ方が良いでしょう。16GBモデルならDDR4-3000と価格差はほとんどなく、動作速度もこちらが速いです。
DDR4-3400
DDR4-3400メモリは先ほどのDDR4-3200より速めで、第4世代以降のRyzenに向いています。おすすめのDDR4-3400製品は次のとおり。
CORSAIR DDR4-3600MHz デスクトップPC用 メモリ VENGEANCE RGB PROシリーズ 16GB
Patriot Viper Steel DDR4 3600MHz PC4-28800 16GB
1つ目のCORSAIRは13,000円前後、2つ目のPatriotは約12,000円です。いずれも16GBセットで電圧は1.35Vで、Patriotにはアルミ製のヒートシンクが付いています。いずれも第3世代以降のRyzenで動作が報告されているモデルです。
ただし、DDR4-3400もDDR4-2800と同様に、供給量が非常に少ないメモリです。そのため、運が良ければ安価で手に入りますが、逆に高くつくこともあります。そのため、基本的にはDDR4-3200かDDR4-3600を選ぶ方が良いでしょう。
DDR4-3600
DDR4-3600は前述したように、パフォーマンス的に第3世代以降のRyzenに最適だと考えられているメモリです。そんなDDR4-3600のおすすめメモリは次のとおり。
Patriot Memory Viper4 Blackout Series DDR4 3600MHz PC4-28800 16GB
Patriot Viper Steel DDR4 3600MHz PC4-28800 16GB
いずれも人気の高いPatriot製品です。1つ目のブラックが約11,000円で、2つ目のシルバーが12,000円前後となっています。動作電圧は1.35Vで、いずれも第3世代以降のRyzenでの動作確認の報告があるモデルです。
これまでご紹介したメモリと比べても、16GBでの価格差は1,000円~2,000円くらいです。コストとスペックのバランスを重視するのであれば、思い切ってDDR4-3600を選んだ方が良いかもしれません。これ以上の速度のメモリは価格がかなり高くなります。
DDR4-3733
第3世代のRyzenにオーバークロックメモリを搭載する場合、DDR4-3733くらいのメモリが最もパフォーマンスを引き出しやすいようです。そんなDDR4-3733でおすすめなのは、次の2つのモデル。
Patriot Memory Viper4 Series DDR4 3733MHz PC4-29800 16GBキット
Patriot Viper Steel DDR4 3733MHz 16GB
いずれもPatriotのメモリで、容量は16GBのセットで電圧は1.35Vです。1つ目の赤いメモリは約11,000円となっており、比較的手に入れやすい価格だと言えます。2つ目のシルバーのタイプは、アルミ製ヒートシンク付きでRyzenのCPUで動作確認済みです。
ただし、メモリーのクロックはマザーボードやBIOSとの相性に左右されるため、上記のメモリを搭載すれば必ず3,733MHzで動作するとは限りません。場合によってはさらに高速なメモリを選んで、クロックを少し落として使う方がいいこともあります。
DDR4-3866
DDR4-3866メモリはDDR4-2800やDDR4-3400と同様に、供給量が少なく入手が困難なメモリです。DDR4-3866を使用したい場合は、現状では次のようなメモリの選択肢があります。
G.Skill DDR4メモリ DDR4-3866 16GBKit
出典:Amazon
Corsair Dominator Platinumシリーズ DDR4 3866Mhz ハイパフォーマンスモジュール 32GB
出典:Amazon
どちらのメモリも電圧1.35Vで稼働しますが、在庫や価格が不安定なので、入手は容易ではありません。とはいえ、以前よりは価格が落ち着いてきたので、運が良ければ比較的安価で手に入ることも。
このクラスのメモリは、基本的にはオーバークロック性能を求める人向きです。どちらかといえば後述のDDR4-4000の方が選択肢は多いですが、オーバークロックに余裕を持たせて、3733MHzで動作させたい人には向いているでしょう。
DDR4-4000
DDR4-4000は高速な部類のメモリの中では、流通量が比較的多いため入手しやすいタイプです。そんなDDR4-4000のおすすめメモリは次のとおり。
Patriot Memory Viper4 Blackout Series DDR4 4000MHz PC4-32000 16GB
G.Skill DDR4メモリ DDR4-4000 16GBKit
1つ目のPatriotが約12,000円で、2つ目のG.Skillが18,000円前後です。いずれも16GBセットで電圧1.35Vのメモリですが、Patriotはこのクラスにしてはかなり割安な製品だと言えます。DDR4-4000が30,000円以上だった時期から考えると、G.Skillもお得な印象です。
ただし、DDR4-4000以上のクラスになると、マザーボードが対応しているかどうか、事前に調べておく必要があります。対応しているのであれば、デフォルトより大幅に速い速度を体感できるでしょう。
DDR4-4133
DDR4-4133は先ほどのDDR4-4000より高速なタイプで、高額な印象があるかもしれません。しかし、次の2つのメモリはDDR4-4133とは思えないほど手頃な価格です。
Patriot Memory Viper4 Blackout Series DDR4 4133MHz PC4-33000 16GB
CFD販売 デスクトップPC用ゲーミングメモリ HX1シリーズ Intel XMP2.0 サポート PC4-33000(DDR4-4133) 8GB
1つ目のPatriotは約12,000円で、2つ目のCFD販売バージョンは14,000円前後です。いずれも容量16GBですが、Patriotの電圧は1.4Vとなっているため要注意。いずれもDDR4-4133では珍しいほどお得な価格で、Ryzenでの動作確認も報告されています。
ただし、DDR4-4133クラスになるとメモリクロックが非常に高いため、マザーボードが対応していなかったり、動作が安定しなかったりする場合があるようです。Ryzenでの動作が不安定になる場合は、クロックを下げて使用してみましょう。
DDR4-4400
最後にご紹介するDDR4-4400は、Ryzenに使用できると考えられるメモリの中では、最もクロックが高いタイプになります。このDDR4-4400メモリのおすすめは次のとおりです。
GIGABYTE AORUS RGB Memory 16GB
G.Skill DDR4メモリ DDR4-4400 16GBKit
1つ目のGIGABYTEが約19,000円で、2つ目のG.Skillが26,000円前後となっています。いずれも16GBキットではありますが、これまでのモデルと比べてかなり割高です。いずれも1.5Vの電源で動作しますが、Ryzenで必ず動作するとは限りません。
DDR4-4400クラスになると、もはや一般向けではなく、とにかくスペックを追求したいハイエンドユーザー向けです。そもそもマザーボードが対応していないことも少なくないので、事前に確認しておくことをおすすめします。
Ryzen対応メモリを選ぶ際の注意点
Ryzenに使用するメモリを選ぶときは、メモリのプロファイルを確認する必要があります。プロファイルとは「メモリ周波数」「メモリタイミング」「メモリ電圧」のこと。DDR4メモリのプロファイルは「SPDプロファイル」と「XMPプロファイル」の2つ。
SPDプロファイルとは、マザーボードが自動的に読み込む標準設定のこと。基本的には2133MHz~2400MHzの動作クロックが設定されているようです。
XMPプロファイルはそれとは対照的に、メーカーが行った設定が含まれています。これはメモリをオーバークロックさせるために必要で、BIOSから選択可能です。
今回ご紹介したようなオーバークロックメモリを使用する場合は、マザーボードのUEFIやBIOS上から、高いクロックで動作させるための設定が不可欠。初期状態ではマザーボードが自動的に標準規格のSPDプロファイルを使用するためです。
まとめ
今回はAMD Ryzenに適切なメモリの選び方について、様々な観点から解説しました。Ryzenのためのメモリ選びには、CPUの世代が重要になります。Ryzenは型番で世代が分かり、それによって基準となるメモリクロックも判別可能です。基本的にはメーカー推奨のクロック数を選べば無難ですが、オーバークロックさせたい場合もあります。
オーバークロックメモリを使用する場合は、マザーボードとの相性確認が必要不可欠。Ryzen公式のクロック周波数ではないため、不具合が出る可能性もあります。また、BIOSにてXMPプロファイルを選択することも忘れないようにしましょう。