【2022年最新】グラボ高騰は「落ち着き気味」!高騰が続いた背景と値下がりの理由
マイニングブームや新型コロナウイルスの蔓延等が起因で高騰していたグラボの価格。ところが2022年に入ってから価格が落ち着き、一転して適正価格付近まで値下がりしてきました。
果たしてこれは買い時なのか?それとも待ったほうが良いのか?現在のグラボ価格下落の理由なども踏まえて解説します。
グラボ高騰は「落ち着き気味」
2022年7月初旬時点では一部のモデルを除いて、グラボ価格の価格は初値水準まで落ちています。特に2020年末以降、価格は高騰し続けていたので「ようやく落ち着いた」といった印象。
現行モデルの中で「発売日が古い」「モデルチェンジなどが無く継続したデータが残っている」2つの製品の値動きをまず見てみましょう。
ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC GDDR6 ZT-T16520F-10L [PCIExp 4GB]の場合
引用元:https://kakaku.com/item/K0001257535/pricehistory/
GTX1650は最も安い時期で15,000円程度で買えたエントリークラスのGPUです。ZOTACのこのモデルは、2021年の初売りである1/1〜1/3頃を最後に価格が高騰に転じ、同年5月に35,800円の最高値を記録しました。
その後は時折特売などがあるものの、あまり価格は下がらず。2022年7月時点で28,000円となっています。
ASUS TUF-RTX3090-24G-GAMING [PCIExp 24GB] の場合
引用元:https://kakaku.com/item/K0001285831/pricehistory/
RTX3090はマイニングブームの中でも「高価すぎる故に在庫有」という現象を起こしたハイエンドGPUです。
ASUS TUF-RTX3090の初値は234,800円。2021年11月より価格が上昇に転じ、同年12月に364,480円の最高値を記録しました。
その後時折上下しつつも徐々に下落。2022年7月では200,000円以下で購入する事も出来るようになっています。
グラボ価格が2020年末~2021年12月にかけて高騰した理由
グラボの品薄傾向は2020年末より始まっています。翌年2021年2~3月辺りで在庫が枯渇したことで高騰が始まり、2022年1月頃まで続きました。この高騰の流れに至った要因として3つ考えられます。
引用元:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/bitcoin/
1つ目が「仮想通貨の高騰」。2020年半ばからビットコイン価格が急上昇。電気料金の高い国々でもマイニングの採算が合うようになり、第2次マイニングブームが到来、グラボ需要が一気に拡大しました。
2つ目が「ステイホームによるゲーム需要増加」です。2020年3月にWHOが新型コロナによるパンデミックを宣言。ステイホームが世界的な流れとなり、自宅でできる「ゲーム」の人口が増加。高性能なゲーミングPCやグラボを買い求める層が増加する一方で、コロナで流通が制限され、各店舗でグラボが品薄になりました。
3つ目は「グラボの転売」です。需要が大きく、単価が高く、品薄の製品のため個人が入荷したグラボを仕入れた上で、ネットオークションなどで異常に値段を釣り上げて転売する動きが相次ぎました。こうした動きはグラボの値段が適正価格まで下がってきたことで、下火にはなりつつあります。
グラボ価格の値下がりが続く最大の理由の1つは「仮想通貨暴落」
グラボ価格の値下がりの要因もまた「仮想通貨」によるものです。要因は二つで「ビットコイン価格の暴落」と「イーサリアムのGPUマイニングの終了アナウンス」。
2021年のマイニングブームで採掘されていたのはイーサリアム。ビットコイン価格の下落でイーサリアム価格も下がり、マイニングの採算が合わなくなったことがグラボ価格の下落の一因。
なおかつイーサリアムからは「PoSへの移行」が公式発表。PoSとはGPUマイニングを必要としないマイニング方式。ビットコインや従来のイーサリアムの「マイニング(採掘)」の代わりに、より多く、長くコインを保有している投資家に「ステーキング」と呼ばれる報酬が与えられます。
「イーサリアムではないコインをマイニングするか」「GPUを処分して、PoSで報酬を得るか」という選択肢が生まれ、仮想通貨価格の下落も相まって後者を選んだマイニング業者が一定数いたことから、グラボ価格が下落傾向にあります。
自作erがグラボを購入するなら今がチャンス?
自作erにとっては「グラボを買うならいま」なのでしょうか。結論から言えば「いまは買い時」です。
「円安による日本国内での価格上昇」のリスクが高いのが、グラボの特徴。PC/スマホ関連ではApple製品の大幅値上げが発表されており、その他のPC関連メーカーが追従して値上げを行う可能性もあるでしょう。
筆者がおすすめする「いま買うべきグラボ」をいくつか紹介します。
初めてのグラボ購入の場合 | ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 Low Profile GDDR6 ZT-T16520H-10L
引用元: Amazon
初めてグラボを購入するならば、GTX1650搭載のグラボが扱いやすさやコスパの面からおすすめ。その中でもロープロファイルの物が初めてのグラボとしてよりおすすめ。ロープロファイル仕様であればスリムタワー型PCにも搭載できます。
なお、同様にロープロファイルモデルがある「Radeon RX6400 」辺りも候補になりますが、ゲームの配信・録画関係の機能がカットされているなど、少しクセがあるためRX 6400を選ぶ場合は要注意です。
エルデンリング、FF14などをプレイしたい場合 | ASUS DUAL-RTX3060-O12G-V2
引用元: Amazon
PCゲームならではの品質を体験したいのであれば、やはりフルHD対応のミドルクラスGPUは欲しい所です。
RTX3060はそんな要望にピッタリのグラボで、エルデンリングやFF14はもちろんのこと、シューター系ゲームタイトルでも高いフレームレートを提供してくれます。
ハイスペックなグラボが欲しい場合 | GIGABYTE GV-N308TGAMING OC-12GD
引用元: Amazon
ハイスペックなグラボを求めるならば、おすすめは「4Kゲーミング対応グラボ」。一般ユーザーには手が出し辛い価格帯の製品も多いのが1つの特徴。そんな中でも比較的手を出しやすいのがRTX3080Ti。こちらはマルチGPU機能が無い分、他のハイスペックグラボに比べると安価になっています。
まとめ
マイニングブームと新型コロナによって大きく高騰したグラボの価格。仮想通貨の値下がりによって価格が落ち着き、2022年7月現在は「いまが買い時」と言える状態です。
グラボはいずれも輸入品のため、円安によって今後値上げが予測されます。新モデル発表によって型落ち品が安価に放出される可能性もありますが、型落ち品の影響による価格下落は一時的なものでしょう。今回紹介したおすすめグラボなどを参考に、ぜひゲーミングPCを組んでみてください。