【第12世代】Core i5とCore i7ってどのくらい違う?性能差/どちらを選ぶべきか解説
IntelのCore iシリーズには「Core i3」「Core i5」「Core i7」など様々なバリエーションがあり、それぞれどの程度性能が違うのかわかりづらいと感じる方も多いのでは。
結論から言えば、それぞれの性能を一言で表すと以下の通りです。
- 「Core i3」…なかなか早い
- 「Core i5」…けっこう早い
- 「Core i7」…かなり早い
たとえばCore i7は、12コア/20スレッド。上の画像で「炎」に相当するのがコアで、「鍋」に相当するのがスレッドです。同時に12個の炎を使って、20個の鍋で料理をすることができるため高性能。4つの炎と8個の鍋で料理をするCore i3とは処理の効率が段違いです。
一方で本記事内で詳しく解説しますが「Core i5」であれば、実は一般的な用途であればCore i7との違いをそれほど感じないのもまた事実です。
本記事ではCorei5とCorei7の選び方について、両者の違い、ゲーミングPCに必要なスペックの観点から解説していきます。
Core i5とCore i7ってどのくらい違う?
CPUを選ぶ際、多くの場合は「Core i5」か「Core i7」がコストパフォーマンスと性能の面で候補となるでしょう。結論から言えば現行世代のCore i5は、2世代前のCorei7に匹敵する性能を誇ります。
まずは第12世代のIntelのCPUの特徴を、表にまとめました。参考までにCore i3とCore i9も含めて、特徴を解説します。
第12世代 | Core i9 | Core i7 | Core i5 | Core i3 |
---|---|---|---|---|
特徴 | ・Core iファミリーの中で最も高い性能を持つ。その分、消費電力・発熱量は高い。 ・価格も非常に高価であり搭載されるパソコンは限られている。 |
・性能と消費電力・発熱量と性能のバランスが良いため、「高性能CPU」として搭載されているパソコンが多いです。 ・シングルスレッド性能ではCore i9とほぼ変わらない性能です。 |
・コストパフォーマンスが非常に良いCPUで、安価でありながらそれなりの性能を有しています。 | ・Core iファミリーの中で、最も性能が低いCPU ・価格が非常に安価なため事務用パソコンや小型ノートパソコンなどで多く採用されています。 |
シングルスレッド性能 | 高い | 高い | 普通 | 普通 |
マルチスレッド性能 | 非常に高い | 高い | 普通 | 低め |
価格 | $630〜$510 | $432.00〜$345 | $430.00〜$184 | $157〜$107 |
※シングルスレッド性能…コア1つ当たりの処理性能
(ゲーミングPCにおいて重要視される性能です。)
※マルチスレッド性能…作業を分割して同時進行での処理性能
Corei5とi7の最大の違いは、記事冒頭部で炎のイラストを使って紹介した「コア」の数。
Core i7ではコア数が12コア→20コアに変更されており動画エンコードやマルチタスクでかなり有利になります。なおかつシングルスレッド性能では最上位モデルのCore i9と遜色ありません。
一方で「そこそこの性能があれば十分」という場合は、Core i5でも十分に高性能。「2世代前のCore i7」に相当するのがCore i5であり、たとえば「VALORANT」など軽量なFPS/TPSをプレイする分には十分な性能です。
同じCore i5/i7でもグレードによってコア数が変わる
Core i5とCore i7を比較する際には、ややこしいですが「同じCore i5/i7でもグレードによってコア数が変わる」点に要注意。
同じシリーズ内で複数のグレードが展開されており、それによって同シリーズでも価格・スペック・性能に差があります。
これらは、CPU型番の末尾に記載される「接尾辞(サフィックス)」によって識別することができます。デスクトップ向けPCの場合、「無印」「K」「F」「KF」が多く使用され、内臓グラフィックスの搭載有無や、オーバークロックの対応などが異なります。また、12世代CPUからは省電力コアが上位グレードにのみ搭載されており、コア数、スレッド数も差が出ています。
たとえばCore i7とCore i5をグレードで比較した場合、Core i5-12600Kでは省電力コアが搭載されている関係から、Core i7の下位グレード12700よりもコア数、スレッド数は多くなります。
Core i5とCore i7はどちらを選ぶべき? | だいたいCore i5で問題ない
グレードによるCPUの性能はわかったものの、実際にどのように選んでいけば良いのでしょうか?代表的なゲームタイトルの推奨CPUごとのPassMarkスコアを比較し、平均値を算出してみましょう。
CPU型番 | 同CPUを推奨するゲームタイトル例 | PassMarkスコア |
---|---|---|
Intel Core i7-3770 | FF15 モンスターハンターワールド |
6375 |
AMD FX-8350 | FF15 | 5959 |
Intel Core i3-8350K | モンスターハンターワールド | 6832 |
AMD Ryzen 51500X | モンスターハンターワールド | 9078 |
Intel Core i5-4690 | マインクラフト | 5567 |
AMD A10-7800 APU | マインクラフト | 3118 |
Intel Core i5-7500 | エースコンバット7 | 6081 |
引用元:PassMarkScore
上記7つのCPUのPass Markスコアの平均値は「6144」となります。したがって、6000以上のPassMarkスコア値を持つCPUであれば「FF15」や「モンスターハンターワールド」といったゲームを遊ぶ際、ある程度十分な性能だと言えるでしょう。
「6000」というスコアは、2世代前のCore i3でも達成しており、現在販売されているCPUであれば下位モデルであってもほとんどが10000以上になります。そのため、ある程度処理が重いゲームをプレイするとしても大抵の場合はCore i5でも十分な性能です。
そのためCPUはCore i5で抑えておき、浮いたお金で上位のグラフィックボードを搭載した方がフレームレートなどを効率よく向上させることができます。
【第12世代】Core i5/Core i7のおすすめCPU
最後にCore i5とCore i7のおすすめCPUを1点ずつ紹介し、それらのCPUをカスタマイズで搭載可能なBTOパソコンの例も紹介します。
【Core i5】Core i5 – 12400
Core i5 – 12400は第12世代のCPUで、6コア12スレッド。低価格帯かつゲーミングPC向けの無印CPUに該当します。今回解説した通り、主要なゲームタイトルのプレイにはCore i5でも十分であり「コストパフォーマンス」に優れたCPUです。
引用元:Amazon
Core i5-12400をカスタマイズで搭載可能なBTOパソコンには、以下のようなものがあります。
◆ドスパラ:GALLERIA RM5C-R36T
◆ツクモ:G-GEAR GA5J-B221/B2
◆パソコン工房:LEVEL-M06M-124-NAX
【Core i7】Core i7 – 12700
各種ゲームを「最高画質で楽しみたい」「ゲーム実況も行いたい」といった場合には、Core i7が選択肢に入ります。Core i7 – 12700はIntelのCPUの中でもゲーミングCPUとして非常に評価が高く、特におすすめのモデル。12コア20スレッドという突出した処理能力を持ち、Ryzen 9 5900Xをも上回るパフォーマンスが期待されます。
引用元:Amazon
Core i7-12700をカスタマイズで搭載可能なBTOパソコンには以下のようなものがあります。
◆ドスパラ:GALLERIA XA7C-R37-XA7C-R37
◆ツクモ:G-GEAR GA7J-E221/B
◆パソコン工房:LEVEL-M06M-127-SAX-U
まとめ
「Core i5」と「Corei7」どちらが良いの?と悩んだら、多くの場合、とりあえず「Corei5」でも十分でしょう。Corei5でも基本的に2世代前のCorei7に匹敵する性能であり、ゲーミング性能も必要十分です。
性能面はCorei7と比較すると劣りますが、浮いたお金で高性能なグラフィックスボードや、ディスプレイを搭載することができ効率的にフレームレートなどを向上させることができます。