動画編集大全~初心者が動画編集を始めるために必要な3つのこと
初心者が動画編集を始めるために必要なことその①:知識
動画ってどうやってできるの?
まずは動画がどうやってできるのかから説明します。動画編集、と聞くと「難しそうだな」と感じる方も多いでしょう。実は動画編集は、そういったイメージとは裏腹にシンプルです。もちろん、プロレベルの編集をする場合は、技術や専門的な勉強が必要になりますが、簡単な動画編集であれば、初心者でも手軽に作れてしまいます。
動画編集の基本的な工程は大きく分けて3つ。具体的には次の通りです。
動画編集の工程
- 動画のカット
- テキスト挿入
- BGMやSE挿入
たったこれだけの工程で、1本の動画が完成します。まず、動画のカットとは、撮影した動画の無駄な部分をカットしたり、別の場所につなぎ合わせたりする作業のことを指します。動画編集では最も基本的な部分であり、動画の見やすさに大きく影響するので覚えておきましょう。
次に、テキストの挿入とは、動画内にテキストを埋め込む作業を指します。文字を打ち込むだけではなく、フォントやサイズ、カラーも調整できるので、よりわかりやすい動画を作るのに重要な部分です。
最後に必要な工程はBGMやSE挿入。動画の雰囲気作りに重要な作業です。例えば、怖い動画には恐怖心を煽るBGM、ハッピーな場面では明るいBGMを挿入するなどで、観ている人に雰囲気を伝えることができます。
動画編集の作業で気をつけるべきことは?
動画編集の作業で気をつけるべきことは下記の3つのポイントです。
動画編集の作業で気をつけるべきこと
- カットが多すぎると見づらくなる
- 情報量が多くなると動画に集中できない
- BGMの音量調整は欠かさない
以上の3つのポイントに気をつけましょう。
まず動画編集でカットが多すぎてしまう点について。余分な部分をカットしてスピーディーに展開するのも大事ですが、あまりにカットが多いと、視聴者が置いてきぼりになることも。特に高い年齢層向けに作る場合は、カットを少なくした方が見やすくなります。動画が間延びしたり、視聴者が見にくい、もしくは見せたくないシーンのカットは大事ですが、入れすぎないよう注意してください。
次に情報量についてです。具体的には動画編集で入れるテキストのボリュームのことです。1シーンにテキストを入れすぎてあまりに情報量を多くしてしまうと、視聴者が処理しきれず、ストレスに感じることも。動画編集時にはテキストの量、テキストのフォントや位置、表示させる時間の長さなどに注意しましょう。
最後にBGMの音量調整についてです。動画編集でも大切なBGMや効果音の挿入作業。BGMや効果音は動画の雰囲気作りに重要ですが、音量が大きすぎると大切なトーク等が聞こえなくなってしまいます。逆にBGMが小さすぎると、雰囲気が伝わらず、逆に視聴者にとってストレスな音になってしまうことも。動画編集で音量を調節する際には、動画全体のバランスを考え、トークなど大切な要素を邪魔をしない程度に行うようにしてください。
動画編集をする前に覚えて欲しい基礎知識
動画編集をしようと思っていたけれど知識がなくてつまづいてしまった、という方は多いです。動画編集を行うために自分で調べものをしても、聞き慣れない言葉がたくさん出てくるので、それを理解するだけでも大変。基礎知識がないと、上手く動画編集ができず、動画編集をすること自体を諦めてしまうなんてことも。
だからといって、動画編集を1からしっかり勉強するのはちょっと・・・と思う方も少なくないはず。そこでこの項目では、動画編集を行う上で、これだけは覚えて欲しい基礎知識を厳選して解説します。今回ピックアップしたのは次の3つ。
覚えて欲しい基礎知識
- 動画の解像度とは
- ビットレートについて
- コーデックスについて
次の項目で詳しく解説します。
動画の解像度とは
動画の解像度とは、一言で言えば表現する際の「ピクセルの総数」です。解像度が高くなるほどピクセル数が多くなり、動画も細かい部分まで繊細に表現されたものになります。キレイな映像を届けたいのなら、解像度は高い方が良いでしょう。
ただし解像度が高くなる分、データ量も大きくなり動画をアップロードする際に多くの時間がかかってしまいます。さらにYouTubeなどで観る場合、動画のダウンロードにも時間がかかるため、プツプツと止まってしまうことも。
現在は1920×1080(フルハイビジョン)の動画が主流です。これを基準に、自分の動画にどれぐらいの美麗さが必要かを十分に検討し、動画編集を行いましょう。
ビットレートについて
ビットレートとは、「データの転送量」のことを指します。動画の場合、ビットレートが高ければ高画質、低ければ低画質です。そしてこのビットレートは、素材ファイルを選ぶ際にも非常に重要な基準となります。
例えば、BGMを挿入する場合、あれもこれも詰め込んでしまうとビットレートが高くなってしまい、データの転送に長い時間を要することに。そうするとネット回線によってはカクカクしてしまい、満足に動画を楽しむことができなくなってしまいかねません。素材をあれこれ入れると、動画もそれだけにぎやかになりますが、動画編集を行う際は、ビットレートとのバランスを十分に考えて挿入するのがおすすめです。
コーデックについて
コーデックとは大容量のファイルを圧縮して小さくする仕組みのことです。通常、完成した動画のデータ容量は非常に膨大です。30秒の動画なのに容量が20GB、ということも十分にありえます。そうなるとアップロードに途方もない時間がかかる上に、視聴も難しくなるでしょう。コーデックを利用すれば、大容量のデータを軽量化してくれます。ただし、何でも限界まで圧縮すればいいというわけではありません。コーデックで圧縮した分、画像が粗くなるなどデメリットも存在します。
それでもこの圧縮作業は、動画編集では避けられない作業です。画質との兼ね合いを見極めながらコーデックを活用してください。
フレームレート
フレームレートとは、1秒間に静止画が何枚連続で切り替わるかの基準です。動画というのは、もともと静止画の連続。そのため、フレームレートの多さによって動画のクオリティも大きく変わります。フレームレートが多くなっていけばいくほど、静止画の切り替わり数が多くなり、動画が滑らかになっていきますが、その分データ容量も大きくなるので注意が必要です。
基準として、通常の映像のフレームレートは24fps、多くても30fpsとなっています。動画のフレームレートを決定する時は、上記を考慮して適切な数値を設定してください。
最後に動画編集をする上での注意点を紹介します。今回ピックアップした注意点は次の通り。
動画編集の際の注意点
- パソコンのOSによっては編集ソフトが動かない事がある
- 始めから難しい編集ができるわけではない
- 最初から全て揃える場合、お金がかかる
- 多少、専門知識も必要なのでつまづきやすい
動画編集は誰でも始められますが、難しい編集を行うには日々の練習と勉強が必要です。その他にもお金がかかることや、専門知識などもハードルになります。次の項目では各注意点を詳しく解説するので、ご参考ください。
パソコンのOSによっては編集ソフトが動かない事がある
編集ソフトを選ぶ際は、対応OSに注意してください。OSを間違えてしまうと、編集ソフトが動かなくなるからです。
特に有料版の場合、支払った代金まで無駄になってしまいます。一応、返品できるケースも存在はしますが、手間がかかるだけでなく、返品されるまでの間にモチベーションが下がってしまう危険性も。編集ソフトを購入する際は、使う予定のパソコンのOSをしっかり確認しましょう。
始めから難しい編集ができるわけではない
編集ソフトを購入し、ここまで説明したようなアイテムを揃えたとしても、始めから難しい編集ができるわけではありません。高度な編集は日々の練習や勉強によって培われたものです。それらは一朝一夕ではどうやっても身につけられません。思い通りの編集をするには、まずは何回も動画を作ってみるのがおすすめです。
そこから反省と勉強を繰り返していけば、想像に近い作品を作るのも夢ではありません。地道ですが、根気よく編集し続けるのが一番の近道です。
最初から全て揃える場合、お金がかかる
動画編集はパソコンと編集ソフトさえあれば、誰でもできます。ただ、スペックが低いと、完成度が低くなったり、快適さに問題がでたりすることも。
ただ、環境改善のためにより性能の良いものを集めようとするとお金がかかります。特にパソコンは、動画編集ができるもの用意する場合、数十万円かかることも。
加えて、ヘッドセットやマウス、キーボード、モニターなども良いものを揃えようと思ったら、数万円が必要です。編集ソフトも有償版なら2〜3万円はかかります。これらを最初からすべて揃えるのは非常に困難です。初期段階では無理をしてすべてを揃える必要はありません。特にヘッドホンやキーボード、マウスなどの周辺機器は、最初は普段使いのもので大丈夫です。最低限必要なものだけ用意し、軌道に乗ったら少しずつ買い替えていきましょう。
多少、専門知識も必要なのでつまづきやすい
動画編集を始める際に、動画編集に関する知識が足りずにつまづく方は少なからずいます。上記で解説した基礎知識があれば多少は理解できる部分もあると思いますが、動画編集に必要な専門知識・専門用語は多くあります。ですので、動画編集を始めるなら並行して少しずつでも動画編集に関する専門知識を学ぶのもおすすめです。聞きなれない言葉などはネットで検索すれば意味が出てきますし、その他動画編集に関する事でわからない部分は検索すれば手順などが出てくることがほとんどです。わからない部分があった時にはそのまま諦めるのではなく、まずはネットなどで調べてみましょう。
初心者が動画編集を始めるために必要なことその②ツール
動画編集には最低限何が必要?
動画編集を始めたいけど、何から準備すれば良いのかわからない方も多いでしょう。この項目では、初心者が動画編集を始めるために最低限必要なアイテムを紹介します。
動画編集に最低限必要なもの
- パソコン
- 動画編集ソフト
- 素材ファイル
上記のアイテムの中でも、パソコンだとどんなスペックが良いのか、動画編集ソフトは無料と有料どちらが良いのかなど疑問点も多いと思います。次の項目では、どのように選べば良いのか、もう少し深く掘り下げるので参考にしてください。
パソコン
動画編集にパソコンは必須です。スマホでの編集も可能ではありますが、簡単な編集のみしかできないので、こだわって編集したいならパソコンを使いましょう。パソコンを選ぶ上で最も悩む部分は、「デスクトップ」か「ノート」かです。正直、性能が高ければ、デスクトップ・ノート関係なく動画編集はできます。しかし、長時間編集したり、重たい作業を行ったりする場合はデスクトップがおすすめです。
デスクトップは冷却システムが優れているものも多く、長時間編集していても安定した動作をキープしてくれます。さらに自分でカスタムしやすいので、作業内容に合わせて、例えば後からメモリなどを付け足すといったことも可能。
ただ一方で、作業場所が固定となるので、手軽に編集できないのがデメリットとなっています。その点ノートパソコンだと、デスクトップほどの拡張性や冷却能力はないものの、持ち運びに優れているのが魅力です。移動中にサクッと動画編集することも可能ですし、カフェなど作業しやすい環境に移ることもできます。
このような違いを考慮した上で、あなたの編集スタイルに合わせたパソコンを選んでください。
動画編集ソフト
次に必要なのが動画編集ソフトです。カットしたり、エフェクトを加えたりするのに必要不可欠なツールですが、ネックになるのが値段の高さです。有料版だと数万円することも多く、初心者だとなかなか手が出せません。
これから動画編集を始める初心者の方には、まず無料の動画編集ソフトを使ってみることをおすすめします。無料の動画編集ソフトだと機能が制限されることもありますが、まず基本的な操作などを覚えた上で、自分の動画編集作業に必要な機能を備えた同じソフトの有料版や、有料の動画編集ソフトに移行するのがよいのではないでしょうか。
もちろん、最初から有料の動画編集ソフトを使用して動画編集の技術を磨いていくことも一つの選択肢ですが、有料の動画編集ソフトの場合、多くの機能を使いこなすまでに動画編集作業に挫折してしまうことも考えられます。最近では無料の動画編集ソフトでも、プロと同等の機能を備えたものも出てきています。ご自身の性格や目指したい動画のクオリティによって、無料からはじめるか有料から始めるかを決めましょう。
素材ファイル
動画を作るには画像や動画、音源などの素材が必要です。編集したい動画。挿入する画像やBGMなどなどを用意しておきましょう。素材ファイルを用意する場合に注意したいのは素材のフォーマット。使用する動画編集ソフトによって使用できる形式や出力できる形式が違いますので、まずは動画編集ソフトで使用できる形式、ご自身がアウトプットしようとしているところで扱えるフォーマットを必ず確認してください。
初心者が動画編集を始めるために必要なことその③:周辺機器
これがあったら動画編集がはかどる周辺機器
初心者が動画編集を行うにあたり最低限必要な知識、ツールについてこれまで説明してきました。ここからは、動画編集を行うにあたってパソコンと編集ソフト以外にも用意しておきたい周辺機器についてご説明します。数ある周辺機器の中で、動画編集を行うにあたり特に用意しておいた方が良い周辺機器は下記の通り。
動画編集が捗るアイテム
- ヘッドセット
- 高性能マウス
- キーボード
- モニター
パソコンと編集ソフトだけでも十分編集はできますが、効率的ではありません。上記のようなアイテムを揃えれば、動画編集時間の短縮、快適さアップなどが望めます。
これらがあることで動画編集がどう変わるのか、どんなものを選べば良いのか紹介するので、ご参考ください。
ヘッドセット
動画編集を行う上でヘッドセットは非常に重要なアイテムです。BGMやSEを挿入する際、音量調整が大事だからです。
PC付属のスピーカーレベルでは音を細かく聞き分けることができず、調整もまばらになってしまいます。ヘッドセットを使えば、音の奥行きや音量など細かい部分もチェック可能です。視聴者にとって快適な動画を届けるのに、ヘッドセットは重要な役割を担っています。
そして、ヘッドセットを選ぶならなるべくハイエンドのものがおすすめ。低価格のヘッドセットでも音量調節はもちろんできますが、どうしても聞き取れない音が存在してしまいます。ハイエンドのヘッドセットであればそのような取りこぼしを回避可能。
一つ不快な部分があるとそこがフォーカスされ、動画に対する印象が大きく変わるので、視聴者のことを考えるなら、ヘッドセットもこだわったものを使いましょう。
高性能マウス
動画編集の快適さを重視するなら、マウスの性能にもこだわりましょう。ただ、マウスと言っても種類はさまざまです。選ぶ基準としては「光学式」か「トラッキングボール」かという点を見ていくとよいでしょう。
光学式はマウスの裏側からレーザー光が発射されており、その動きを識別、カーソルを動かす形式のマウスです。常にマウスを動かして操作するので手が疲れやすいのがデメリット。しかし、小型なものも多く操作自体はしやすいです。
トラックボールはマウスの表側にボールが付いており、それを動かしてカーソルを動かす形式。トラックボールは、マウス自体を動かさないので、手への負担は少ないです。しかしサイズが比較的大きいので、作業環境によっては邪魔に感じることも。
また、マウスによってはボタンが複数付いている高性能なものもあります。クリック以外に戻るや進む、検索などをワンクリックで行えるので、動画編集時に効率的な操作を実現可能です。スムーズで快適な動画編集作業を叶えたい方は、高性能マウスの利用も考えてみましょう。
キーボード
動画編集を行う際に、テキストの打ち込みや簡単な操作でキーボードを使うことは多いです。キーボードが合っていないと、腱鞘炎などの発症につながることさえありえます。ずっと快適に動画編集作業をしたいのであれば、キーボードにもこだわりましょう。
キーボードを選ぶ上で重要なのが、ショートカットキーの有無です。操作を効率化して、快適な作業を実現するのに重要となっています。特にマウスと組み合わせるのがおすすめの使い方です。マウスのショートカットキーだけでは、全ての操作をカバーするのは少々困難ですが、キーボードと組み合わせることでさまざまな操作に対応できます。
マウスにはよく利用する操作を設定しておき、キーボードには頻度は多くないけれど必要な操作を設定しておくと、スムーズに操作ができるでしょう。動画編集時に快適さを求めるなら、キーボードもこだわって選ぶのがおすすめです。
モニター
動画編集の作業環境を良くしたいのであれば、モニターを複数台利用しましょう。2台使うだけでも作業環境は大幅に改善します。
動画編集では、さまざまなアプリを同時に開くことも多いです。そうなるとアプリがどんどん重くなってしまい、確認したい時に見つからないことも。さらに常にアプリを確認しておきたいけど、動画編集ソフトが邪魔になるというケースもあります。モニターが2台あれば、片方に動画編集ソフトを表示して、もう片方で別のアプリを開いたまま作業することが可能です。
アプリを探す手間がなくなり、時間短縮にも繋がるので、モニターは複数台使うのがおすすめです。
また、モニターを選ぶ際は画面の大きさに注目しましょう。大画面なら表示できる情報がその分多くなります。ただし画面が大きい分、場所を取ってしまうので、大きいスペースが必要となる点については注意しておきましょう。
自分の生活環境と相談の上、最適なモニターを複数枚運用して、スムーズに動画編集を進めてください。
初心者のあなたも、動画編集をするために1歩踏み出そう!
以上が動画編集の始め方に関する基礎的な知識・ツール・周辺機器についてのご紹介です。動画編集はパソコンと動画編集ソフトと素材があればすぐに始められます。
ただ、思い通りの動画を作るには、それなりの勉強や技術、ツールが必要です。初心者の方には多少ハードルが高く感じるかもしれませんが、どんな内容の物でも良いので、まず1本、動画編集を行ってみましょう。1つずつトライ&エラーを繰り返していけば、自分の理想とする動画に近づくことは十分に可能です。思い通りの動画編集をするためにも、まずは今回解説した内容を参考に、1歩踏み出してみてください。