YouTuberは副業におすすめ? – 確定申告の必要性・会社に副業がばれるか解説
YouTubeは一般の方でも1000人以上チャンネル登録者がいれば、収益化できます。ではYouTubeで収益が発生した時、確定申告する必要はあるのでしょうか。またもし副業としてYouTuberをしていて収入が発生したとき、会社に見つかってしまうことはあるのでしょうか。
今回はそんなYouTubeを副業とする際の「収益」に関する様々な疑問について、解説します。
YouTuberは会社員の副業におすすめ?
YouTubeに動画を投稿して広告収入を得るためには、さまざまなハードルが存在します。
YouTubeで収益化するためには、大きく4つの条件があります。
- チャンネル登録者数1000人以上
- 公開動画の総再生時間が4000時間以上
- 2段階認証を有効にする
- コミュニティ ガイドラインの違反警告がない
チャンネルの成長には時間と労力、技術が必要なため、現実的には「副業として収益を受け取るまで」の期間は長め。一種の先行投資として、YouTubeを気長に続けられる人でなくては副業とするのは難しいでしょう。
なおかつ勤務先が副業を禁止している場合、YouTubeでの収益化も禁止です。就業規則も合わせてチェックしておきましょう。
副業がOKかは会社の規則によって異なる
基本的に全ての会社員は副業をする自由があります。厚生労働省のモデル就業規則第67条には「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と定められています。
しかし、就業規則で副業を禁止する企業があるのもまた事実です。就業規則に違反すると、最悪解雇処分になる可能性も。
不安な方は上司や人事に副業を行っても問題ないか、事前に確認をとっておきましょう。
確定申告はきちんと行う必要がある
収益が発生した場合は、確定申告をきちんと行うようにしましょう。
十分な収入があるにも関わらず、確定申告を行わなかった場合は罰則が科せられます。具体的なものとして「無申告加算税」や「重加算税」があります。
YouTuberの副業で確定申告が必要な場合と不要な条件
YouTubeで得た広告収入が20万円を越えた場合は確定申告を行う必要があります。経費として認められるものには制限がありますので、広告収入が20万円を越えていたら、確定申告をしておくべきでしょう。
また本業の給与が2,000万円を超える場合はそもそも年末調整は行われませんが確定申告は必須。広告収入が20万円に達していなかったとしても、YouTubeで得た広告収入に関しては確定申告の書類に必ず記載しなければならないので注意してください。
YouTubeを本業として行い得た所得が48万円以下
ちなみにYouTubeを本業として始めた場合は「所得が48万円以上の場合」に確定申告を行う必要があります。所得とは、給与などの収入から必要な経費(健康保険料や年金など)を差し引いた額を指します。
YouTubeを本業とした場合は、最初の1年は確定申告が不要なラインの方も多いかもしれませんね
YouTuberの副業が会社にバレたくない場合の注意点
YouTuberとして副業をしていることを、会社に知られたくない方も多いでしょう。たとえば「副業が禁止されているわけではないが、歓迎されているわけでも無い」といった場合などには、YouTubeチャンネルの存在を社内で知られたくないはず。
会社にバレたくない場合の注意点は以下の通りです。
顔出しをしない
会社にバレずにYouTubeへ動画を投稿する場合、確実性が高い手段は顔出しをしないことです。ご自身が動画に出演すれば、会社の同僚や上司に見つかることもあるでしょうし、再生数が上がれば思わぬルートから会社に連絡が行くこともあります。
余談ですが、最近は声からでも特定するような場合もあるため、完全にバレないようにするのであれば、生声での動画投稿も控えましょう。
住民税の支払いに注意
副業でYouTubeへの動画投稿を行う場合、収入額によっては確定申告を行う必要があります。確定申告を行うと、副業の収入が考慮され住民税の支払金額が決定しますが、ここに落とし穴があります。
確定申告を行うと、毎年6月ごろに会社へ送付される「住民税の決定通知」という書類に影響が出ます。会社員の場合、税は給与からの天引きとなりますが、「住民税の決定通知」には副業分もあわせて算出された金額が記載されているため、会社に副業をしていることがバレてしまうというわけです。
「住民税の決定通知」から副業がバレないようにするためには、確定申告を行う際、申告書の「自分で納付(普通徴収)」にチェックをつけましょう。こうすることで、副業分の住民税は、決定通知書に記載されず、自分で直接支払うことになります。
YouTuberとして副業を行う場合のその他の注意点
YouTuberとして副業を行う場合の、その他の注意点は以下の通りです。
「会社秩序を害する」と判断されると懲戒処分になるケースも
会社の就業規則には「会社秩序を害する行為の禁止」や「信用失墜行為の禁止」などがよく明記されています。たとえばYouTuberの場合、「炎上」によって会社の信用を下げたと判断された場合は、最悪懲戒処分などを受ける可能性もあります。就業規則はその会社に勤務する限り、守る必要があるため、副業時にも上のような行為は控えましょう。
本業に支障が出ない範囲で副業を行う
副業を認める会社でも、就業規則には「業務に支障をきたさない」ことを記載していることがほとんどでしょう。副業をする場合には、休憩や睡眠時間を十分に取り、本業に支障をきたすことの無いように体調管理に気を付けましょう。
企業秘密を漏らす内容の動画をアップしない
企業秘密などを流出する行為は控えましょう。企業秘密にあたるものの例には、以下が挙げられます。
- 会社が保有する個人情報
- 経営戦略
- 取引先の情報
YouTubeで「元〇〇社員が語る仕事術」などを語る分には、あくまでもその人個人の仕事術になるので、企業秘密とはなりません。
しかし、その会社特有の特許や公にしていないマーケティング戦略など「明らかに秘密にしていること」を公開することは企業秘密の流出に該当します。法的措置を受けるリスクも大きいため控えましょう。
法令順守を心がける
万引きや窃盗、暴力行為、破壊行為、その他迷惑行為など法やモラルに反することは控えましょう。一部のYouTuberはモノを破壊する動画をアップしているケースもありますが、実際には所有者から事前に許可を得た上で撮影をしています。
法令順守や事前の許可取りには、十分に注意しましょう。
YouTuberの副業についてよくある質問
YouTubeを副業にする上で、よくある質問について以下にまとめました。
経費にできるもの・できないものは何?
YouTuberは撮影において様々なものを購入する機会があります。経費に計上できるものの例は、以下の通りです。
カテゴリ | 内訳・備考 |
---|---|
機材費 | 主にカメラや三脚、照明機材など |
小道具・大道具代 | 撮影に利用した小道具、大道具も経費に計上することが可能 |
書籍・取材費 | 主に動画撮影に当たってリサーチや取材が必要な際の経費など |
インテリア・美術費 | 動画の中で使用する椅子や机、絵画など |
場所代・家賃・光熱費 | 撮影スタジオや家賃・光熱費も経費に計上可能。ただし家賃や光熱費は「家事按分」に基づき、仕事とプライベートの使用割合に応じて計上する |
打ち合わせの飲食費 | 主に企画会議時の飲食費など |
交通費 | 主に車代など。動画撮影に関連するもののみ計上可能 |
通信費 | 主に回線費。動画撮影に関連するもののみ計上可能 |
衣装費 | 主に服・アクセサリーの代金。動画撮影に関連するもののみ計上可能 |
出演者への報酬 | 主にゲストへのギャラなど |
広告宣伝費 | 主にGoogle広告やFacebook広告の宣伝費など |
外注費 | 主に動画制作や編集作業を外注した場合に発生した費用 |
経費精算する場合の注意点は、大きく2つ。
- プライベートのみで利用するものは経費として計上できない
- 事業とプライベートの両方で使用するものは、使用割合を元に経費に計上する
なかなか難しい点ではありますが、不安な場合は税理士に相談するのも1つの手段です。しっかり調べて経費計上しましょう。
YouTuberとして収益を上げるコツ
YouTubeで収益化するコツは以下の通りです。
- チャンネルの方向性を決める
- 動画を定期的に投稿し、投稿数を増やしていく
- サムネイルやタイトルを、インパクトあるものにする
チャンネルに明確な方向性がない場合、視聴者は「必要ない情報も視聴する」ことになりかねないのでチャンネル登録者数が伸び悩みます。
チャンネルの方向性を明確に決めるか、複数のチャンネルを使い分けて投稿するなどの工夫をするとよいでしょう。
また定期的な動画投稿や、動画に使用するサムネイルも再生回数を伸ばすために重要なポイント。最初は定期的な投稿やサムネイル作成は大変に感じるかもしれませんが、妥協せずに取り組みましょう。
まとめ
副業でYouTubeへの動画投稿を考えている方のために、本業との兼ね合いや、収益化の方法、再生数をアップさせるためのコツなどを紹介しました。
副業として動画を投稿する場合、会社の規則はもちろん、収益化を行うための条件をクリアしなくてはならないなど、ハードルは決して低いものではありませんが、まずは趣味の延長として、あせらずゆっくりと動画の投稿をはじてみてください。