【やめとけ】ゲーミングノートPC選びの注意点と「おすすめしない」理由
ゲーミングノートPCは、本体サイズがコンパクトでバッテリー内蔵なので、「どこでも手軽にゲームをプレイできること」が魅力です。ところがデスクトップPCと比べてコストは低いものの、カスタマイズ性や拡張性が低いところが難点ともいえます。
つまりデメリットをちゃんと認識したうえで「可搬性を重視したい」人には、ゲーミングノートPCがおすすめです。そこで今回は以上の点を踏まえて、ゲーミングノートPC選びの注意点や、おすすめゲーミングノートPCをご紹介します。
やめとけ?ゲーミングノートPCの主なデメリット
引用元:ASUS Store
ハイエンドなCPUやグラボを搭載したゲーミングノートPCなら、外出先でもデスクトップPC並みに快適にゲームをプレイすることが可能ですが、ゲーミングノートPCの最も大きなデメリットは、ゲーミングデスクトップPCよりコスパが悪いことです。
つまり、同程度のスペックがあるデスクトップPCとノートPCを比べると、ノートPCのほうが価格が高くなります。
たとえば、ASUSのゲーミングノートPC「TUF Gaming F17 FX707ZR FX707ZR-I7R3070」と、同程度のスペックがあるドスパラのBTOゲーミングデスクトップPC「GALLERIA XA7R-R36」を比較すると、デスクトップPCのほうが10,000円ほど安くなります。
ゲーミングノートPC TUF Gaming F17 FX707ZR FX707ZR-I7R3070 |
デスクトップPC GALLERIA XA7R-R36 |
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OS | Windows 11 Home 64bit | Windows 11 Home 64bit |
CPU | 第12世代 インテル Core i7 12700H(Alder Lake)/14コア | AMD Ryzen 7 5700X (3.4GHz-4.6GHz/8コア/16スレッド) |
メモリ | 16GB | 16GB DDR4 SDRAM(PC4-25600/8GBx2/2チャネル) |
グラボ | GeForce RTX 3070 Laptop | NVIDIA GeForce RTX 3060 12GB GDDR6 (HDMI x1,DisplayPort x3) |
ストレージ | SSD:512GB | 1TB NVMe SSD |
参考価格(税込) | 219,800円 | 209,980円 |
この価格差の1万円だけで、たとえばデスクトップPCでは、CPUをよりハイスペックなものに変えたり、メモリやストレージをアップグレードしたりできます。つまりゲーミングノートPCは、コスト面のデメリットが大きいということです。
なおCPUとグラボの型番が異なりますが、これは「デスクトップ用」と「ラップトップ用」でスペックが大きく異なるためです。とくにグラボはスペックの差が大きく、デスクトップ用のRTX 3060は、ラップトップ用のRTX 3070 Laptopよりもハイスペックです。
引用元: PASSMARK SOFTWARE
こうした差は、ハイスペックなモデルになるほど広がります。たとえば2022年10月現在、デスクトップ用「Core i7-12700」のPassMarkスコアは31316ですが、ラップトップ用「Core i7-12700H」は26910です。グラボの場合は、GeForce RTX 3080が26465、GeForce RTX 3080 Laptopが16583と、なんと10000近い差が出るのです。いずれも2~3ランクほどの違いに相当します。
一方で性能が低いゲーミングノートPCを選ぶと、性能が足りない場合もカスタマイズできないため、やはりハイスペックなものを選ぶしかありません。このように、製品選びが難しいのがゲーミングノートPCの難点なのです。それならば、デスクトップPCのほうがカスタマイズ性が高いので、デスクトップPCを選ぶべきだと言えます。さらに、ゲーミングノートPCには以下のようなデメリットもあります。
- カスタマイズ性と拡張性が低い
- 画面サイズが小さいため別途のモニター購入が実質的に必須
- 筐体が小さくエアフローが悪いので発熱しやすい
カスタマイズ性が低い
ゲーミングノートPCは、カスタマイズ性が低く、パーツの増設や交換がほとんどできません。たとえばゲーミングデスクトップPCでは、マザーボードや電源の規格さえ合えば、CPUやグラボを自由に交換し、よりハイスペックな構成に変更できます。しかしゲーミングノートPCでは、メモリやストレージの交換くらいしかできません。
画面サイズが小さいため別途のモニター購入が実質的に必須
ゲーミングノートPCは、画面サイズが最大でも17インチ程度と小さいため、基本的には別途モニターを購入しないと、臨場感あふれるゲーミングは楽しめません。また、近年は4K解像度のモニターを搭載したゲーミングノートPCも増えていますが、画面が小さいので4Kの恩恵を受けづらいことも難点です。
発熱しやすい
先ほどご紹介したデメリットを踏まえて、なおゲーミングノートPCを選びたいという場合は、以下3つのポイントを意識しましょう。
前述したように、ゲーミングノートPCでは、CPUやグラボの交換・増設などのカスタマイズは基本的にできません。そのため、最初からカスタマイズをしない前提で、CPUとグラボのスペックが十分な製品を選ぶようにしましょう。
モニターについては必須ではありませんが、大画面でプレイしたいならその分の予算を残すことをおすすめします。ただし近年のゲーミングノートPCは、WQHDでリフレッシュレート240Hzなど、10万円以上のデスクトップ用モニターに相当するスペックのモニターを備えているので、画面サイズが気にならないならあえてデフォルトのモニターを使うのもアリです。
また、ゲーミングノートPCを選ぶときは、下取りに出すときのことを考えて、リセールバリューが高い「有名メーカー品」のものを選ぶほうがいいでしょう。たとえば、ハイスペックなゲーミングノートPCメーカーとして有名な、「MSI」「ASUS」「Razer」などのメーカー品は、リセールバリューが高いのでとくにおすすめです。
【性能/リセール】デメリットを踏まえたおすすめゲーミングノートPC
前述したデメリットを踏まえて、筆者が厳選したおすすめゲーミングノートPC、「MSI GP76-12UHS-853JP」と「ASUS ROG Strix SCAR 15 G533ZX」をご紹介します。
ちなみに、いずれもグラボに「RTX 3080 Ti Laptop」を搭載していますが、これはデスクトップPCの「RTX 3060 Ti」から「RTX 3070」くらいの性能なので、フルHDで高フレームレートを狙う、もしくはWQHD以上の高画質でゲームをプレイしたいなら必須のスペックです。
引用元:MSI
MSI製「GP76-12UHS-853JP」は、ハイクラスのゲーミングデスクトップPCに相当する、ハイスペックなゲーミングノートPCです。最新の14コア/20スレッドCPU「Core i7-12700H」と、ノートPC用としては最上位のグラボ「GeForce RTX 3080 Ti Laptop」を搭載しています。
さらに、ディスプレイが17.3インチWQHD・リフレッシュレート240Hzなので、FPSやTPS、バトルロイヤルゲームのプレイにも向いています。標準価格は369,800円と高価ですが、ハイスペックなゲーミングノートPCが必要な人におすすめです。
スペック | |
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OS | Windows 11 Home |
CPU | インテル Core i7-12700H / 14コア(6P+8E)20スレッド |
メモリ | 16GB(8GB ×2)DDR4 |
グラボ | NVIDIA GeForce RTX 3080 Ti Laptop GPU |
ストレージ | SSD 1TB(M.2 NVMe) |
ディスプレイ | 17.3インチ、WQHD(2,560×1,440)、ノングレア、240Hz |
参考価格(税込) | 369,800円 |
引用元:ASUS
ASUS製「ROG Strix SCAR 15 G533ZX」は、第12世代のハイエンドCPU「Core i9-12900H」と、ノートPC用のフラッグシップ「GeForce RTX 3080 Ti Laptop」を搭載した、ハイエンドのゲーミングノートPCです。最新のDDR5高速メモリを搭載しているため、非常に高いパフォーマンスを発揮できます。
モニターは15.6インチ・フルHDとサイズは控えめですが、リフレッシュレートが300Hzと圧倒的なスペックを誇ります。そのため、FPS・TPS・バトルロイヤルゲームのプレイヤーなら、非常に有利なバトルを楽しめるでしょう。
スペック | |
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OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core™ i9-12900H プロセッサー 動作周波数 (標準/最大):2.5GHz/5.0GHz キャッシュメモリ:インテル® スマート・キャッシュ 24MB |
メモリ | 32GB DDR5-4800 |
グラボ | NVIDIA® GeForce RTX™ 3080 Ti Laptop GPU (NVIDIA® Optimus™ Technology対応) |
ストレージ | SSD:1TB (PCI Express 4.0 x4接続) |
ディスプレイ | 15.6型ワイドTFTカラー液晶 ノングレア 1,920×1,080ドット (300Hz) |
参考価格(税込) | 429,800円 |
ハイエンドのゲーミングノートPC2選をご紹介しましたが、この価格帯であればCPU「Core i7- 12700KF」とグラボ「RTX 3080 Ti」を搭載した、BTOデスクトップゲーミングPCが手に入るのも事実。自作PCならよりハイスペックなPCが手に入るでしょう。
これくらいのスペックがあれば、フォートナイト・Apex Legends・FF14などの人気タイトルをいずれも余裕でプレイできます。フォートナイトなら、フルHD競技設定で300~400fps以上は余裕、WQHD最高画質でも常時144fps~165fpsを出せるでしょう。
ちなみに、上記のゲーミングノートPC2点と同じくらいのゲーミングデスクトップPCは、ドスパラ「GALLERIA XA7C-R37」、ツクモ「G-GEAR GA7J-H214/ZB」、パソコン工房「LEVEL-R769-LC127K-TAX」など、おおむね20万円台後半~30万円程度で手に入ります。このことからも、ゲーミングデスクトップPCのコスパが高いといえるでしょう。
まとめ
ゲーミングノートPCをおすすめしない理由と、デメリットを踏まえたうえでの選び方と、おすすめゲーミングノートPCをご紹介しました。ゲーミングノートPCの最も大きなデメリットは、コストパフォーマンスの悪さです。デスクトップゲーミングPCであれば、同等スペックのPCがより安く手に入り、その差はハイエンドになるほど広がります。
筆者としては、ゲーミングノートPCは「外出先や旅行中でもゲームを楽しみたい」「省スペース性を重視する」人にしか、基本的にはおすすめできません。コスパやカスタマイズ性などの点からも、できるだけデスクトップPCを選ぶようにするほうが、より快適なゲーミング環境を安価で構築しやすくなります。