古い自作PCはどうしたらいい?廃棄方法を知って正しく処分しよう
頑張って作った自作PCも、時が経つにつれて古くなっていきます。いつかは廃棄することにもなるでしょう。しかし廃棄をする場合、どう処理するべきなのでしょうか。
たとえばドスパラでは下取りサービスが提供されています。このようにBTOパソコンメーカーに引き取ってもらう場合もあれば、パーツごとに分解して処分するケースもあるでしょう。そこで今回は、自作PCの廃棄処分方法を詳しく解説します。
自作PCはメーカー製品と廃棄・処分の仕方が違う
PCは2003年10月から施行されている「資源有効利用促進法」(通称、PCリサイクル法)や「小型家電リサイクル法」によって、リサイクルすることが義務付けられています。
自作PCは自分で作ったPCのため、PCメーカー等に依頼してリサイクル処理をお願いすることが基本的には出来ません。
そのため、所有者が次の内容で紹介する「パソコン3R推進協会」や専門業者に依頼してリサイクルを依頼する必要があります。
なお、自己判断で勝手に粗大ごみで廃棄した場合は不法投棄と見なされ、「産業廃棄物処理法16条」に違反したとなる場合があるので絶対にしないようにしましょう。
参考までに、不法投棄した場合は「5年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金又はその両方を科せられる(同法25条1項14号)」となっているのでご注意ください。
自作PCを廃棄・処分するための方法の例
自作PCにはリサイクルマークが付いていないので、メーカー製PCのように無償でメーカーに引き取ってもらうことができません。自作PCの廃棄や処分をするには、現在のところ3つの選択肢が考えられます。それぞれの方法について具体的に見ていきましょう。ちなみにメーカー製PCであっても、法律が施行される前の製品にはリサイクルマークがないので、自作PCと同じように処分・廃棄する必要があります。
パソコン3R推進協会に依頼する
有償になりますが、「パソコン3R推進協会」にてリサイクルの依頼が可能です。
協会ホームページから申込みフォームを使って依頼できるほか、回収申込書をダウンロードして郵送やFAXでも依頼できます。
依頼費用はデスクトップPC、ノートPCともに4,400円/台(税込)です。
確実かつ安心してリサイクルを依頼したい場合はパソコン3R推進協会にお願いするとよいでしょう。
専門業者に引き取ってもらう
廃品回収業者による引き取りや、中古買取店に買い取ってもらう方法もあります。
ただし「自作PCを丸々一台引き取ってもらうこと」は意外とハードルが高いです。メーカー製PCでなければ、引き取り自体を断られてしまうことも多いです。
高価なパーツを使用している場合は、パーツ単位で買い取ってもらうことも検討しましょう。
パーツごとに分解してそれぞれ廃棄・処分する
パーツごとに分解すると、基本的にはゴミとして廃棄することが可能になります。また先述の通り、買取をしてもらう際に有利になることがあります。
分解方法と、その後のおすすめの処理方法をご紹介します。
パソコンの分解手順
パソコンの分解の一部として、HDDまたはSSDを取り出す方法をご紹介します。
まずプラスドライバーを用意したうえで、ケースのカバーを開き、HDDまたはSSDを固定しているネジを外します。
以下のオレンジの枠で囲っている箇所が、ネジに該当します。
続いて、SATAケーブルと電源ケーブルを外します。ケーブルは画像内のオレンジの枠の箇所に差し込まれているケースが多いです。
ただし、種類によっては以下のようなコネクタになっていることも。この場合、引っ張ってもケーブルは抜けないので、ツメを押しながら抜きましょう。
各パーツを取り外したうえで、ケースから取り外せば完了です。
なお、外したネジはHDDなどに付けなおすと失くさずに取っておけます。
【パーツ別】廃棄・処分方法
SSD/HDD以外にも、自作PCはパーツを個別に分解することが可能です。分解した各パーツはフリマアプリやネットオークションで個別に中古品として販売するのがおすすめです。新たなパーツに買い替える際の予算を確保できます。
なお故障しているパーツや、どうしてもフリマアプリで買い手がつかないパーツなどは自治体によっては廃棄することも可能です。
フリマアプリなどで配送する際の、パーツごとの取り扱いの注意点は以下の通り。繊細なパーツも多いため、梱包には特に気を付けましょう。
パーツ | 販売時の注意 |
---|---|
GPU | サイズが大きく、破損する可能性も高いので、プチプチなどの緩衝材でしっかり梱包する |
CPU | 箱ありで販売した方が高く販売出来るが、箱がない場合にはプラスチックのケースに入れるか、紙などでしっかり包んでプチプチなどの緩衝材で梱包する |
マザーボード | 非常に大きなパーツなので、プチプチなどの緩衝材でしっかり梱包し、更に段ボールの隙間などに新聞紙などの紙をしっかり入れる |
SSD・HDD | 出来る限りプチプチなどの緩衝材で梱包する。販売前には必ずデータ処理を行う。 |
PCを廃棄する際はSSD/HDDに注意
自作PCとメーカー製PCの両方に共通して言えることですが、処分や廃棄をする際にはハードディスクなど記憶媒体の消去忘れに注意しましょう。
データの消去といっても「初期化」だけでは不十分です。単純な初期化だけではデータリカバリが可能なため、悪意のある業者や人物の手に渡れば復元されてしまいます。
リカバリされてもデータを読めなくする消去専用ソフトは市販されています。PCを処分・廃棄する前にはそのようなソフトを使ってデータ漏洩対策をしましょう。
なおSSDの場合、HDDと同じ処理をするだけではデータ消去が出来ていない可能性があります。必ずSSD専用のデータ処理ソフトウェアを使って処理するようにしましょう。
手持ちの記憶媒体がSSDの場合は特に注意してデータ処理を行うか、破壊処理も合わせて行うと良いでしょう。
パソコンの下取りサービスを行っているBTOパソコンメーカー一覧
冒頭でもご紹介した通り、BTOパソコンはBTOメーカーにて下取りサービスを提供している場合があります。
なお基本的に下取りサービスは新しいPCの購入時にのみ利用出来るサービスであり、PCを購入せずに下取りを依頼することは出来ません。これらのサービスを使う際は、買い替えを前提としてください。
代表的な会社を3つご紹介します。買い替えを検討しているメーカーがあれば、ぜひチェックしてみてくださいね。
ドスパラ
冒頭でご紹介したドスパラではどんなパソコンでも「1100円で下取り」するサービスを提供しています。引き取り条件が複数あるため、下取りサービスを利用する前に必ず内容を確認しましょう。
引用元:ドスパラ パソコン下取りサービス
パソコン工房
パソコン工房でも同じように下取りサービスが提供されています。こちらは「1000円値引き」という内容になっています。
条件等についてはドスパラとあまり変わりありませんが、必ず確認をしてから利用しましょう。
ツクモ
こちらも大手BTOメーカーのツクモですが、同様に下取りサービスを提供しています。こちらも新しいBTOパソコン購入時に「1000円の値引き」を実施する内容です。
ドスパラとパソコン工房との条件に大きな違いがあるとすると、「電源がつかないPCは引き取らない」という内容です。
OSが起動しない場合は下取りするとのことでしたので、こちらも必ず内容を確認しましょう。
引用元:ツクモ 下取りサービス
リサイクルマークなしでも廃棄はできる!安心して自作PCを楽しもう
自作PCはメーカー品ではないため、処分に手間取ることも多いです。とはいえ、リサイクルや廃棄する方法がないわけではありません。
廃棄する場合は正しい方法で業者に依頼しつつ、パーツがまだ利用可能な場合にはそのまま利用するかフリマサイト、オークションなどで販売したりすることが可能です。パーツごとに分けていれば自治体によっては廃棄も可能な場合もあります。
自作PCは決して廃棄できないものではないので、この記事を読んで正しい処分方法を理解していただければ幸いです。