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    PCを動かすために必要なOSや、Microsoft Officeなどのアプリケーション、PCに取り込んだ音楽や写真などのデータを保存する装置をストレージといいます。ストレージにはSSDとHDDの二種類があり、それぞれ長所と短所が存在します。ここではこれからPCを自作しようと考えている方や、ストレージの交換を検討されている方のために、SSDとHDDの違いについて詳しく解説していきます。
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SSDとHDDを比較~どちらがおすすめ?速度や使用用途の違い

  • DATE
    2020.02.06
  • WRITTEN BY
    百舌 健一

>> 関連記事 :「自作PC作成時に必要なパーツの用途と選び方」

SSDとHDDの違い

SSDとHDDには以下のような違いがあります。

 

  • 処理速度が違い
  • 価格の違い
  • 消費電力・発熱の違い
  • 寿命の違い
  • 起動時の駆動音や重量の違い
      

SSDとHDDの一番大きな違いは、データを記録するための方式です。SSDがUSBメモリのように内蔵しているメモリーチップにデータを読み書きする方式を採用しているのに対し、HDDは回転する磁気ディスクを使ってデータを読み書きする方式を採っています。

処理速度においても、消費電力や発熱、寿命や駆動音、重量などにおいても後発のSSDが圧倒的に優れていますが、価格の面ではまだまだ先発のHDDが優位であり、低価格のモデルでも大容量のデータを保存することができます。

OSやアプリケーション、ゲームなどはSSDにインストールして高速化を図り、データは通常のHDDに保存するなど、双方の特性を理解して上手に使い分けましょう。

 

 

SSDとは

SSDはSolid State Drive(ソリッドステートドライブ)の略です。USBメモリと同じく、半導体素子メモリを使ってデータを読み書きします。技術の進化により、読み書きできるデータ量が大きくなり、これまで大容量データの保存に使われてきたHDDに迫る記憶容量を持つようになりました。

HDDと比べて内部で機械的に駆動する部分が少ないことから、消費電力や発熱、寿命や駆動音、重量などにおいてHDDを上回っていますが、価格の面ではHDDが勝っているため、メーカー製PCなどではOSやアプリケーションをインストールするためのSSDと、データを保存するHDDの両方を搭載したデュアルストレージモデルが主流となっています。

また、昨今ではこれまでSSDやHDDの接続方式として主流だったSATAという方式以外に、M.2という接続方式を採用したモデルもリリースされており、こちらはSATA方式で接続するSSDよりもコンパクトで高性能なことから、主にノートPCや小型PCに搭載されています。

 

 

HDDとは

HDDはHard Disk Drive(ハードディスクドライブ)の略です。SSDがUSBメモリに近い構造をしているのに対し、HDDはCDやDVDに近い構造をしており、プラッタと呼ばれる回転する磁気ディスクにデータを読み書きしています。

内部構造が複雑なため消費電力や発熱、寿命や駆動音においてはSSDに劣りますが、高価な半導体素子メモリを使用していないので、容量あたりのコストパフォーマンスに優れています。

しかし、登場したばかりのころと比べればだいぶ堅牢になったものの、HDDは衝撃に弱く、プラッタが少しでも傷つくとデータの復旧も絶望的です。そのため、同じデータを複数のHDDに保存したり、定期的に別のHDDにバックアップをとるなどの対策が必要です。

 

 

処理速度の違い

半導体素子メモリに直接データを読み書きするSSDと、プラッタと磁気ヘッドを使ってデータを読み書きするHDDとを比べると、処理速度は圧倒的にSSDが上回ります。SSDやHDDの処理速度は、~MB/s(1秒間に何メガバイトのデータを処理できるか)という値で示されていますが、一般的にSSDはHDDの約3~4倍ほどの処理速度といわれています。

 

SSDの処理速度

最新のSSDは書き込み、読み込みともに500MB/sに近い性能を誇るモデルが多く、HDDとの速度差は歴然です。

ただし、注意しなければならないのは、接続方法による速度の違いです。最新のSSDはマザーボードにSATA3という方式で接続しますが、一世代前のSATA2方式しか採用していないマザーボードにも搭載は可能です。しかし、SATA2で接続した場合は、500MB/sもの処理速度は発揮できず、場合によっては処理速度が半分近くまで落ちてしまう場合があります。

せっかくSSDを搭載するなら、SATA3で接続できるマザーボードを選びましょう。

 

HDDの処理速度

HDDは書き込み、読み込みともに150MB/s程度のモデルが多く、SSDに比べるとどうしても処理速度が落ちてしまいます。

HDDの処理速度はプラッタの回転数によっても変わり、主流となっている7200rpm(1分間に7200回転)のモデルの中には、処理速度が250MB/sに迫るものもあります。しかし、回転数が増せば増すほど、内部構造に負担がかかり寿命が縮むということで、自作上級者は処理速度よりも寿命を重視して、あえて1ランク下の5400rpmのHDDを搭載したりもします。

 

 

価格の違い

SSDは半導体素子メモリがさまざまな分野で使用されていることもあり、時期によって価格が大きく上下していましたが、最近の相場は安定しており、コストパフォーマンスに優れた2.5インチSATA接続で容量が500GBのモデルであれば、各社ともに1万円を切る価格で販売しています。

一方、低価格大容量化が進むHDDは、スタンダードな3.5インチSATA接続のモデルなら、1万円を切る価格で4TBのものも購入できるなど、容量と価格のコストパフォーマンスでは圧倒的にHDDが優れているといえるでしょう。

 

SSDの価格相場

2020年1月現在、SSDは、M.2接続の256GBのモデルでおおよそ7000円、500GBのモデルが1万円台、1TBのモデルは2万円ほどとなっています。

一方、SATA接続のものは、256GBが4000円、500GBのモデルが8000円台、1TBのモデルは1万円以上と、M.2のおおよそ半額ほどで推移しているので、コストパフォーマンスを重視するなら、SATA接続のモデルを選びましょう。

 

HDDの価格相場

HDDは2020年1月現在、スタンダードな3.5インチSATA接続の8TBのモデルが2万円を切る価格で購入できます。1TBのもので4000円程度、 2TBが7000円程度、4TBが8000円程度、6TBのものでも1万円程度で大容量のものが購入できます。

ただし、価格はプラッタの回転数やHDDそのものの堅牢性などでも前後します。コストパフォーマンスに優れた4TBか6TBのモデルを中心に探してみるとよいでしょう。

 

 

消費電力・発熱の違い

これまでに見てきた通り、直接、半導体素子メモリにデータを読み書きするSSDは消費電力も発熱もほとんどありませんが、回転数するプラッタと磁気ヘッドでデータを読み書きするHDDは、その複雑な構造ゆえに、消費電力や発熱が増す傾向にあります。

 

SSDの消費電力・発熱

SSDの消費電力は、ほとんどのモデルで動作時もアイドル時も1ワット程度です。発熱に関してもHDDと比べて少ないことに変わりはありませんが、まったく発熱しないというわけではありません。SATA接続のものなら、ケース内の環境によっては40℃を越えることもあります。

熱がこもりやすい小型のケースを使用する場合は、高性能なケースファンを搭載するなど、発熱対策も必要です。

 

HDDの消費電力・発熱

HDDの消費電力はモデルや回転数にもよりますが、3~6ワットほどと、SSDと比べてかなり大きいことがわかります。発熱に関しては、こちらもケース内の環境によりますが、50℃を越えることもあり、場合によっては60℃を越えてしまうこともあります。HDDが正常に動作する環境は最大でも60℃までといわれていますので、60℃を越えると、故障のリスクが高まります。

HDDの環境を診断するアプリケーション「CrystalDiskInf」などで、環境をチェックし、60℃を越える発熱が計測された場合は、ケースファンの清掃や交換を行いつつ、念のため保存されているデータを他のHDDに移すなどの対策を講じましょう。

 

寿命の違い

SSDにもHDDにもそれぞれ寿命があります。SSDの場合、データを読み書きする半導体素子メモリに読み書きを行える容量の制限があり、制限回数を超えるとデータの読み書きが行えなくなります。HDDの場合は、回転するプラッタと磁気ヘッドでデータを読み書きする仕組み上、使用すればするほど構造に負担がかかり、プラッタの回転がズレるなどの理由でデータの読み書きができなくなります。

各々の理由による寿命を抱えるSSDとHDDの寿命の詳細について、それぞれ詳しく見てみましよう。

 

※「ハードディスクの寿命はどれくらい?耐用年数診断と故障の前兆・対策」

を内部リンク設定

 

SSDの寿命

SSDに採用されている半導体素子メモリには、読み書きを行える容量の制限があります。メーカーによっては、読み書きできる制限容量をTBW(Terabytes Written)という値で公開しており、ある程度の寿命はあらかじめ確認することができます。

TBWとは、読み書きできる容量の最大値を示した値で、例えば100TBWなら100TB(10万GB)まで書き込めることになります。処理するデータの量にもよりますが、100TBW のSSDに1日に2、30GB書き込んだとしても軽く10年は使える計算です。10年もすれば、その前にPCを新たに自作したり、買い替えたりすることになると思いま。その際にあらたなストレージにデータを移行しましょう。

 

HDDの寿命

HDDは内部構造の複雑さゆえに、使用すればするほど構造に負担がかかり、故障のリスクが高まります。一般的には、4年程度で寿命を迎えるといわれていますが、使用環境によっては1年程度で寿命を迎えることがあります。

データをHDDに保存する場合は、定期的にバックアップをとり、OSやアプリケーションをインストールする場合は、HDDの環境を診断するアプリケーション「CrystalDiskInf」などで状態を確認しつつ、寿命が近づいているようなら、環境ごと別のSSDやHDDに引っ越しを行う環境移行アプリなどを使ってデータの移行を行いましょう。

 

 

起動時の駆動音や重量にも違いが

構造がシンプルなSSDは起動時の駆動音もほぼ0に近く、重量もHDDと比べて軽量です。一方、内部構造が複雑なHDDはどうしても駆動音が大きくなりがちで、衝撃から内部構造を守るための堅牢性を確保していることから、重量も重くなりがちです。

 

 

SSD・HDD比較表

これまでに解説したSSDとHDDの違いについて表にまとめてみました。下記の表を参考にどちらのストレージを採用するか、検討してみてください。また、それぞれの特性を理解した上で、2つのストレージを搭載するデュアルストレージモデルのPCの購入や自作も検討してみてください。

 SSD  HDD
 処理速度  ◎…一般的なHDDの3倍程度の処理速度を誇る  〇…SSDには劣るが、回転数の大きい(7200rpm)モデルなら、それなりの処理速度を得られる
 価格  ×…まだまだ高価。スタンダードな2.5インチSATAの500GBモデルで8000円程度  ◎…低価格大容量化が進んでいる。3.5インチSATAの6TBモデルで1万円程度
 消費電力・発熱  〇…消費電力も少なく、発熱も少ない。ただし、まったく発熱がないというわけではないので注意  ×…消費電力はSSDの数倍以上。発熱も大きい。60℃を越える環境では故障リスクも
 寿命  ◎…使用環境にもよるが10年近い使用に耐えうる  ×…4年程度が寿命といわれているが、衝撃に弱く、場合によっては1年程度で寿命を迎えることも
 駆動音  ◎…構造がシンプルなためほぼ0  ×…プラッタが回転するため、どうしても起動時に回転音が出てしまう
 重量  ◎…構造がシンプルなこともあり、HDDと比べて圧倒的に軽い  ×…複雑な構造と、それを守る堅牢性を確保するため重量は重くなりがち

 

 

 

 

SSDとHDDに適した用途

SSDとHDDの違いについて解説したところで、あらためてそれぞれに適した用途を紹介します。

SSDは、その圧倒的な処理速度から、OSやアプリのインストールに向いています。一方、HDDは6TBのモデルでも1万円程度で購入できるため、データ容量の大きな動画や、大量の写真や画像、音楽データの保存に適しています。

 

 

SSDのおすすめ使用用途

前述のとおり、SSDは圧倒的な処理速度を生かして、OSやアプリをインストールするのに向いています。特にHDDと比べた場合、OSの起動時間の差は歴然で、ほとんどの場合、それまで何十秒もかかっていたOSの起動が、数秒で済むようになります。

他にも、アプリの起動はもちろん、アプリそのものの動作にも好影響を与えることがあり、PC全体の高速化にもつながります。

 

 

HDDのおすすめ使用用途

とにかく安価で大容量なHDDは膨大な動画データの保存に向いています。ビデオカメラなどで撮影した動画データは、どうしても大きなファイルになりがちです。撮影した動画を保存したり、編集したりするには大容量のストレージが必須となりますので、処理速度で劣っていても、HDDを使うことをおすすめします。また、撮影した動画や編集した動画の保存、大量の写真や音楽の保存にもHDDが適しています。

ただし、突然の故障や寿命などの問題もありますので、HDDを使う場合は、常にデータのバックアップをとることを心がけましょう。

 

 

 

2つのストレージを搭載「デュアルストレージ」

昨今、SSDとHDDの特性を生かしたデュアルストレージモデルのPCが数多くリリースされるようになりました。デュアルストレージとは、読んで字のごとく、2つのストレージを搭載したPCのことを指し、動作の高速化を図るためにOSやアプリケーションをインストールしたSSDと、データを保存するためのHDDの両方を搭載しています。SSDはまだまだ高価なので、OSやアプリケーションなどのインストールに限定した低容量のものを採用し、データの保存はHDDを使用するという、コストパフォーマンスとユーザーの使い勝手を両立した形式です。

ただし、データを保存する際、都度、HDDを指定しなくてはならなかったり、搭載されているSSDの容量が少ないことから、ゲームなどインストールに必要な容量が大きなアプリケーションを新たにインストールできないといったデメリットもあります。

デュアルストレージのPCを購入する際は、使用目的とSSDやHDDの容量を確認した上で、しっかりと検討して購入しましょう。

 

 

まとめ

処理速度においても、消費電力や発熱、寿命や駆動音、重量などにおいてもSSDが優れていますが、まだまだ容量あたりの価格はHDDと比べて高価です。一方、HDDは低価格大容量化が進み、8TBものモデルが2万円程度で購入できるようになりました。新たにPCを自作したり、ストレージの交換を考えている方は、できるだけSSDを採用しつつ、データの保存用にサブのストレージとしてHDDを搭載することをおすすめします。


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