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    USBメモリのように半導体素子メモリに直接データを読み書きするSSDに比べ、プラッタと呼ばれる磁気ディスクと磁気ヘッドを使ってデータを読み書きするHDDは、その内部構造の複雑さゆえに寿命が短いといわれています。保存した大切なデータがHDDの寿命によって突然消失してしまうといった事態に陥らないよう、ここではHDDの寿命について、そして寿命が近づいた時の対処法や延命するための方法を紹介します。
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ハードディスクの寿命はどれくらい?耐用年数診断と故障の前兆・対策

USBメモリのように半導体素子メモリに直接データを読み書きするSSDに比べ、プラッタと呼ばれる磁気ディスクと磁気ヘッドを使ってデータを読み書きするHDDは、その内部構造の複雑さゆえに寿命が短いといわれています。保存した大切なデータがHDDの寿命によって突然消失してしまうといった事態に陥らないよう、ここではHDDの寿命について、そして寿命が近づいた時の対処法や延命するための方法を紹介します。

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ハードディスク(HDD)の寿命はどれくらい?

使用環境にもよりますが、一般的なHDDの寿命は平均で1万時間といわれています。1万時間とは、1日8時間PCを使用したとして、約4年程度に相当します。場合によっては1年程度で寿命を迎えてしまうこともありますが、これはHDDの構造上、避けられないところでもあるのです。HDDはプラッタと磁気ヘッドを使ってデータを読み書きするため、どうしてもそれらが摩耗していきます。電源をオンオフするだけでも少しずつ内部構造に負担がかかり、停電やPCの電源ユニットが故障することで電源が突然オフになってしまった場合には、特に構造への負担が大きいとされています。

 

また、衝撃にも弱く、PCの転倒や落下で内部構造が破損して、故障してしまうといったリスクもあります。

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ハードディスクメーカー公表の耐用年数

各HDDメーカーが公表している耐用年数の平均値は100万時間といわれており、100万時間といえば24時間365日使い続けて、約114年使用できる計算です。一方、前述したようにHDDの寿命は一般的に1万時間といわれています。

この大きなギャップからもわかる通り、メーカー公表の100万時間はあくまで理論値です。アプリケーションを使用したり、データを読み書きしたりといった使用頻度や、外気や別のパーツの発熱によるPCケース内の温度上昇など、さまざまな理由から寿命は縮まり、最終的には平均で1万時間=4年程度の寿命となるわけです。

 

 

S.M.A.R.T.情報から耐用年数を逆算できる?

2008年以降に製造されたHDDやSSDには、ストレージの状態を自己診断してくれるS.M.A.R.T. (Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology)という機能が備わっています。

S.M.A.R.T. は、「CrystalDiskInfo」をはじめとするストレージの診断アプリケーションを使って確認することができ、エラー発生率や処理速度の確認、モーターの起動の通算回数や通電時間、温度なども確認できます。使用時間も確認できるため、平均的な寿命といわれている1万時間からこれまでの使用時間を引くことで、残りの寿命を逆算することもできます。

ただし、1万時間はあくまで平均値でしかありませんので、この方法で逆算した寿命はひとつの目安ぐらいに考えておいたほうがよいでしょう。

 

 

 

ハードディスクの寿命やコンディションを診断する方法

前述したストレージを診断するアプリケーション「CrystalDiskInfo」は、フリーのアプリケーションとして提供されており、ストレージの状態を細かく確認することができます。

診断される項目は詳細なため、初心者にはわかりづらい部分もありますが、おおまかな目安として「健康状態」という項目が大きく表示されており、「正常」、「注意」、「異常」という3段階で、ストレージの状態を知らせてくれます。「注意」が出ている際には、データの移行を準備しましょう。「異常」と表示されていたら、できるだけ早く大事なデータを別のストレージに移してください。

 

また、「健康状態」とともに大きく表示されている「温度」も重要な値です。どのHDDメーカーもHDDが正常に動作する温度を60℃以下までに設定しています。もしも温度が60℃を越えているようでしたら、ケースファンの清掃や交換など早急な対処が必要です。

 

 

 

ハードディスクの寿命や故障が疑われる前兆・症状

HDDの寿命が近づいたり、故障していたりする場合、必ずといっていいほどなんらかの前兆が見られます。データの破損頻度が増えたり、PCの動作が不安定になったり、フリーズやエラーが増えたりと、その症状はさまざまですが、一番わかりやすい前兆はHDDが発する異音です。

正常なHDDの駆動音は、プラッタが回転する小さな音ぐらいですが、カラカラと空回りしているような音や、コツコツ、カチカチと何かがぶつかるような音、ガリガリと何かが擦れるような音がHDDから聞こえてきたら要注意です。こういった音が聞こえてきたら、すぐにデータの移行準備を行いましょう。

 

 

データの破損頻度が増える

データを閲覧しようとするとエラーが出て開けなかったり、別のストレージに移行しようとするとエラーが出て失敗してしまうなど、データの破損が増えた場合もHDDが故障している可能性があります。

 

また、ストレージそのものが正常でも、HDDを長時間使用していると保存していたプログラムファイルが破損することがあります。プログラムファイルの破損により、正しくデータを読み込めなくなっていることもありますので、HDDを初期状態に戻すフォーマットを試してみる必要もあるかもしれません。ただし、フォーマットを行うと保存されていたデータはすべて消えてしまうので注意が必要です。

他にもHDDがウィルスに感染したことで、データの破損が多発するケースもあります。ウィルス対策ソフトで、HDDを診断してみましょう。

 

 

パソコンの動作が不安定

OSをインストールしているHDDが故障すると、PCそのものの動作が非常に不安定になります。PCの起動が極端に遅くなったり、動作が重くなったりしているようでしたら、HDDの故障や寿命を疑いましょう。

前述の「CrystalDiskInfo」などで状態を診断し、異常が出ているようならストレージの交換を検討してください。

 

 

フリーズやエラー、読み込み不良などが増える

起動や動作に問題がなくても、突然、操作を受け付けなくなるフリーズやエラーが出始めた場合も、HDDの故障が疑われます。たとえ一瞬のフリーズであっても、それはHDDの寿命が近づいている前兆かもしれません。

また、「CrystalDiskInfo」などで診断して、「不良セクタ」が増えている時なども、HDDの寿命が近づいているといえます。不良セクタとは、磁気ディスクへの書き込みを繰り返しているうちに磁気が弱くなってしまった領域のことを指します。通常はHDDが持つ自己診断機能で、不良セクタとなった領域にデータを書き込まないようにして、エラーなどのトラブルを回避してくれます。しかし、この不良セクタが増え続けると、HDDに負担がかかるようになり、寿命を縮めてしまいます。不良セクタが増え始めた時も、データの移行を検討しましょう。

 

 

 

ハードディスクの寿命が近づいた時の措置

「CrystalDiskInfo」の診断や、HDDが発する異音、フリーズやエラーの多発など異常な動作を繰り返すようになるなど、HDDが寿命を迎えつつある場合は早急な対処が必要です。データの移行を中心に、HDDの交換や修理、HDDが完全に寿命を迎えてしまった場合は専門業者によるデータの復旧を講じましょう。

 

 

データを移行する

HDDの寿命が近づいた場合、すぐに対応すべきことは大切なデータの移行です。後述しますが、HDDが完全に壊れてしまった場合、壊れたHDDからデータを取り出すことは極めて困難です。専門の業者に依頼することもできますが、データの復旧には高額な料金が必要で、なおかつ必ずデータを復旧できるとは限りません。

HDDの異常を感じたら、すぐに別のストレージにデータを移すことを最優先に考えましょう。

 

 

修理・交換

HDDの内部構造は複雑かつ、繊細にできています。素人がHDDを分解して修理することは不可能といってよいでしょう。専門の業者に依頼しても修理することは難しく、かろうじてデータの復旧を試みてもらえるレベルです。

HDDの異常を感じた場合、修理は諦めてデータの移行を第一に考えましょう。OSをインストールしてあるHDDの寿命が近づいている場合であれば、OSやインストールしてあるアプリケーションごと、データの引っ越しが行えるアプリケーションを用いて、別のHDDに移行して交換するという手段もあります。

 

しかし、HDDに保存されていたプログラムファイルが破損しており、それが原因でHDDに異常が出ている場合は、データを丸々移すことで新しいHDDにも異常が発生することもあるため、この方法はあまりおすすめできません。

 

 

データの復旧

HDDのデータを誤って削除してしまっただけなら、データを復旧するためのアプリケーションを使用することで、データを復元することも可能です。

しかし、HDDが故障してしまいデータを読み込むことができなくなってしまった場合は、アプリケーションでの復元はまず不可能です。その場合、最後に頼ることになるのが、データの復旧を専門に行う業者です。HDDにアクセスできなくなった時点ですぐにPCからHDDを取り外し、HDDのテータ復旧を行う専門の業者に連絡しましょう。専門の業者は電話での相談にも対応してくれますので、電話で故障したHDDの梱包方法などの指示を仰ぎ、郵送もしくは持ち込みにて業者にHDDを預けます。

HDDの内部構造は複雑で、内部にチリやホコリが少しでも付着した場合、即故障の原因になりますので、専門の業者ではチリやホコリの極限まで取り除いたクリーンルームにて、特殊な作業服を着たスタッフが慎重に壊れたHDDの内部を分解し、データの復旧を試みます。磁気ディスクが無事ならデータを復旧できる可能性は高いようですが、磁気ディスクに異常がある場合は、専門の業者でもデータを復旧することはできません。

 

また、専門的な施設と技術が必要とされるため、データを復旧するための料金は安くはありません。容量にもよりますが、安くても4、5万、大容量のデータを復旧する場合は10万円以上かかる場合もあります。

 

 

 

寿命が延びる?ハードディスクの延命方法

一般的に1万時間程度と言われているHDDの寿命ですが、定期的に以下のようなメンテナンスを行うことで、多少なりとも寿命を延ばすことができます。

 

  • データの整理整頓
  •  定期的なデフラグ
  •  振動対策
  •  湿度・温度管理

 

 

データの整理整頓

HDDを長く使用しているとOSやアプリケーションが処理を行っている最中に、データを一時的に保存する「一時ファイル」が溜まってしまう場合があります。一時ファイルが壊れることで、HDDの調子が悪くなることもありますので、定期的に削除しましょう。

 

一時ファイルを 削除するためには、「ディスククリーンアップ」を行う必要があります。ディスククリーンアップは下記の手順で行いましょう。

 

  1. タスクバーから「エクスプローラー」をクリックします。
  2. 「エクスプローラー」が表示されるので画面左側のナビゲーションウィンドウから「PC」をクリックします。
  3. 「PC」が表示されるので、「ディスククリーンアップ」を行いたいドライブを右クリックして「プロパティ」を開きます。
  4. 「プロパティ」が表示されるので「全般」タブをクリックします。
  5. 「全般」タブ内の「ディスククリーンナップ」をクリックします。
  6. 「削除するファイル」の選択画面が表示されるので「一時ファイル」を差選んで「OK」をクリックしましょう。

 

 

定期的なデフラグ

HDDに何度もデータを読み書きしていると、HDD内で1つのデータが分割されてあちこちに保存されている状態(断片化)になることがあります。この断片化されたデータが蓄積することで、HDDの動作は重くなり、故障の原因にもなりえます。

断片化されたデータを最適化することを「デフラグ」といい、最新のPCを使っている場合、定期的にデフラグが行われるよう設定されています。それでも、デフラグを行うタイミングでPCの電源がオフになっていたりと、デフラグが定期的に行われないことは意外とあるものです。そのような場合は、下記の手順に従って、手動でデフラグを行いましょう。

 

  1. 「スタート」をクリックし、アプリの一覧を表示します。
  2. 「Windowsシステムツール」を選択し、「コントロールパネル」をクリックします。
  3. 「コントロールパネル」が表示されるので、「システムとセキュリティ」をクリックします。
  4. 「システムとセキュリティ」が表示されるので、「管理ツール」を選択して「ドライブのデフラグと最適化」をクリックします。
  5. 「ドライブの最適化」が表示されるので、「デフラグ」したいドライブを選んで、「最適化」をクリックしましょう。

 

 

振動対策

内部構造が複雑なため衝撃に弱いHDDですが、PCの設置場所やケース内部の環境によっては、常に振動にさらされることになります。また、HDDをケース内のベイにしっかりと固定できていなかった場合、HDDの駆動による振動でHDDが故障してしまうこともあります。

まずは、HDDをしっかりとベイに固定することが重要となりますが、固定の際にネジとともに振動を抑えるゴムワッシャを使用している自作上級者もいます。また、PCそのものの振動対策として、PCの下に防振シートを敷いたり、ケースファンを振動の少ない静音性の高いものに交換するなどの対策も考えられます。

 

 

湿度・温度管理

小さなホコリやチリを防ぐため、密閉されているHDDですが、湿気が多い場所に設置していると内部に水分が侵入し故障の原因となります。原則としてPCを湿度の高い場所に設置しないことは当然として、どうしても湿気のある場所に設置する場合は近くに防湿剤を置くなどの工夫をしましょう。

温度に関しては、HDDは60℃以上になると故障のリスクが高まります。温度が60℃に近い状況が続くようなら、ケースファンの清掃を行ったり、より冷却性の高いケースファンと交換するなどの対策が必要です。

 

 

 

どちらが長持ち?SSDとの寿命の違い

HDDの寿命が4年程度といわれているのに対し、昨今、主流になりつつあるSSDは2倍以上の寿命があるとされています。

プラッタと磁気ヘッドでデータを読み書きするHDDに対し、SSDは半導体素子メモリに直接、データを読み書きします。この半導体素子メモリは、読み書きを行える容量の制限があり、メーカーによっては、読み書きできる制限容量をTBW(Terabytes Written)という値で公開しています。TBWは、゛読み書きできるデータの制限を表した値であり、例えば100TBWなら100TB(10万GB)まで書き込めることになります。

100TBW のSSDなら、1日に2、30GB書き込んだとしても10年以上使える計算になります。

 

 

まとめ

SSDと比べて処理速度や消費電力、発熱、駆動音、重量などあらゆる面でHDDは後塵を拝していますが、その圧倒的なコストパフォーマンスは大きな魅力です。寿命の面でもSSDには引けを取りますが、それでも「CrystalDiskInfo」などの診断アプリを使いつつ、定期的なメンテナンスを行うことで、寿命を延ばすことも可能です。定期的にバックアップをとりつつ、大容量のデータを保存するストレージとしてHDDを上手に活用して行きましょう。


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