自宅はゲーミングハウス! グラビアアイドル倉持由香さんの山あり谷ありのゲーム人生
独自のSNSプロデュースでグラビアアイドル界に一石を投じ、「尻職人」「グラドル自画撮り部 部長」など、数々の肩書きを持つ倉持由香さん。昨年はプロゲーマーのふ〜どさんと結婚し、ついに人妻に!「ストリートファイターIV」が出会わせた「カプ婚」として話題になりました。
そんな筋金入りのゲーマーの倉持さんが初めてPCに触れたのは小学生のとき。不登校時代にはゲームとオンラインの世界が心の支えだったとか。今回は、ゲームへの想い、環境へのこだわり、倉持さんがプロデューサーを務めるゲーミングチーム「G-STAR Gaming」で実現したいことなど、さまざまなお話をお伺いしました。
倉持由香さん
10代前半からゲーム系アイドルとして活動するもなかなか芽が出ず、デビュー10年目を迎えた2013年、コンプレックスだった100cmの見事なヒップを強調した写真をSNSに投稿。自ら「#尻職人」と名乗り注目される。翌年「#グラドル自画撮り部」を開設し大ブレイク。現在は女子ゲーミングチーム「G-STAR Gaming」のプロデューサーも務めている。
Twitter:@yukakuramoti
ブログ:https://ameblo.jp/yuka-kuramoti/
Instagram:https://www.instagram.com/yukakuramoti/
G-STAR Gamingホームページ:https://g-stargaming.com/
ゲームとインターネットが救ってくれた
──そもそも、ゲームにハマったきっかけは何だったのでしょう?
9つ上の兄がいまして、実家にはファミコンを筆頭に各種コンシューマー機が揃っていたんです。「ストリートファイターⅡ」で兄にボッコボコにされて「おがあさーん!! お兄ちゃんがいじめる〜!!」とよく泣いていたのを覚えています。
小学生になるとNINTENDO64が登場して、「スーパーマリオ64」や「ヨッシーストーリー」「007 ゴールデンアイ」などをやっていました。特に「ゼルダの伝説 時のオカリナ」が好きでしたね。
──やっぱり家庭用ゲームから入ったんですね。
今のようなインターネットを使ったマルチプレイのタイトルはなかった時代でしたね。パソコンを使い始めたのは小学校5年生くらいから。集団生活に馴染めずに不登校になっていた私は、兄のパソコンで「もなちゃと」(※1)をずっとやっていたんです。まだブロードバンドが普及していないテレホタイム(※2)の時代だったので、親からは「23時からならやっていいよ」と言われて、その時間からブラウザゲームをしたり、フラッシュを見たり。
「シムシティ」もずっとやっていました。学校が嫌いだったので学校のない街にしたら、学力が下がって暴動が起きちゃって(笑)。学校って治安を維持するためには大事なんだなあ……と思いつつも、現実の世界では自分は行かず、ひたすらゲームをする毎日。テレホタイムだけが自分が生きている時間でした。
──ゲームとインターネットが倉持さんの支えだったと。
テレホタイムがなかったら死んでたんじゃないか、と思うくらい子供の頃は居場所がなかったんです。昔から、同じ時間に同じ場所に通うのが大の苦手で。今もなんですけど(笑)。芸能のお仕事は毎日時間と場所がバラバラなのでそれは行けるんですよね。大学も続かず、去年も自動車学校に5回くらい行っただけで退校してしまって……。35万円を払ったのに無駄にしてしまいました。本当にダメ人間ですよね。今振り返ると、両親には本当に迷惑かけたなと思います。
※1 2ちゃんねるのAAを使用した大規模なチャット。
※2 深夜早朝の電話料金割引サービス「テレホーダイ」が適用される23時~翌8時の時間帯
ゲーム実況ブームを先取りし過ぎた配信が話題に
──小学校高学年にしてゲーオタ化していたんですね。
オタク的な関わり方をするようになったのは中学生時代から。アクションRPGの「テイルズシリーズ」との出合いが大きかったですね。フルボイスなので、初めて声優さんの存在を意識して一気にオタク方面の趣味に走ると同時に、13歳でオタク系アイドルとして芸能活動を始めたんです。学校には行けなかったんですけど、スタジオには行けたので。親としては、「学校には行かなくても、ちょっとでも人と交流したほうがいいだろう」と許してくれていたんでしょうね。
アイドルとは言っても、主戦場はスティッカムという配信サイトでした。今は配信といえばYouTubeですが、当時はスティッカムが人気だったんです。「女子高生が大魔界村を朝までやります!」「スク水でスーパーメトロイドやります!」みたいな配信をずっとやっていて(笑)。だいぶ今のゲーム実況ブームを先取りしすぎた感じですが、コアな層にはウケていたんです。
──早くもゲームを仕事に!
前の所属事務所がゲームアイドル育成に熱心だったおかげですね。当時最大級の格闘ゲーム大会「闘劇」の予選に参加したのをきっかけに、プライベートで中野TRFというゲームセンターに通い出しました。プレイしていたのは「ストリートファイターⅣ」。操作方法が「溜め」で技の出しやすいキャラクター、ブランカを使っていました。そのゲームセンターで強いと有名だったプレイヤーの一人が、今の夫なんです(笑)。
──なんと! そんな前から旦那さんとは出会っていたんですね。
そうなんです。ただ、10年前は夫もそうですけど、板橋ザンギエフさんやウメハラさん、ときどさんといった現在活躍するプロゲーマーたちも、まだスポンサーはついてなくて、「ゲームがめちゃくちゃ上手いお兄さん」という立ち位置でしたね。ゲーセンで仲良くなったトップゲーマーと交流をするうちに、私ももっと強くなりたいと思うようになりました。「ストリートファイターⅤ」がリリースされると、ブランカからレインボーミカに操作キャラを変更して、トレーニングモードでコンボを練習し、ガチャガチャプレイからはなんとか卒業しました。
──当時だと、女性のゲーマーは珍しかったのでは?
最近は女性プレイヤーもずいぶん増えましたけど、10年前は確かに少なかったですね。「eスポーツ」という言葉も浸透していなかったですし。今もまだ日本では、海外に比べてeスポーツ自体がきちんと理解されていないところがあるかなと思います。「どうせゲームでしょ」みたいな。間近でプロの方を見ていると、みんな死ぬ気で練習しているし、過酷なスケジュールで試合や遠征をこなしていて。ときどさんなんて身体もバキバキに仕上げているし、本当にアスリートなんですよ。カッコいいなと思います。
ゲーマー夫婦だからこその充実し過ぎたゲーム環境
ゲーム部屋のテーマはドラゴンクエスト
──それでは、自宅のゲーム環境について教えていただければと。
ドラゴンクエストがテーマのゲーム部屋にはゲーミングPCとモニター2台があります。あとスペースインベーダーの筐体も。リビングにもゲーム機とモニターが置いてあるので、人が集まったときにいろいろな場所でできるんです(笑)。ゲーミングハウスにするのが目標ですね。
──愛用マシンのスペックを教えてください。
私自身はそれほどPCに詳しくなくて、細かい仕様を理解してはいないのですが、愛用モデルはG-TuneのMASTERPIECE i1620PA1-SP2です。G-Tuneさんがスポンサーになってくださっているので、当時の最上位モデルを提供していただきました。
キーボード、マウス、ヘッドセットがピンクでかわいい
◎スペック
OS | Windows10 Home 64bit |
CPU | Intel Corei7-7700K |
メモリ | 32GB |
GPU | GTX1080Ti |
SSD | 480GB |
HDD | 3TB |
最近、結婚祝いでいただいたG-Tune P3というモデルのノートPCも使っているのですが、こちらも快適ですね。ゲーム部屋とリビングに分かれて、夫と一緒にマインクラフトをプレイすることも。
──オンラインゲームではディスプレイも大事ですよね。
格闘ゲームやFPS系は遅延が致命的なので、表示がスムーズなG-MASTERのGB2488HSU-3を使っています。一般的なご家庭にあるテレビより、正確に反応してくれるんですよ!
あとはヘッドセットも重要です! ネット対戦ゲームだとボイスチャットでのチーム間コミュニケーションはもちろん、銃声や敵の足音がどこから聞こえるかがとても重要で。
こちらもスポンサードいただいているRazerさんの人気モデル、Krakenを愛用しています。キーボードやマウスなど、デバイス類は全てRazerさんです。ピンク色のQuartzシリーズは可愛らしくて女性におすすめです!
みなさんに育ててもらう育成型のゲーミングチーム
──女性ゲーミングチーム「G-STAR Gaming」をプロデュースしようと思ったのは、「eスポーツ活性化のため」ということですが。
グラビアだけでなくゲーム関係のお仕事もずっとやらせていただいているのですが、「ゲームが好きな女の子知らない?」「このタイトルできる女性タレントいるかな?」と聞かれる機会が多かったんですよ。そこで「うちでゲーム好きな女性タレントを育てたらお役に立てるんじゃないかな」と考えまして。私自身、結婚が決まって年齢的にもアラサーを迎えるので後輩を育てていくタイミングかなとも思い、所属事務所で「G-STAR Gaming」という女子チームを発足しました。
──旦那さんとの連携もできそうですね。
そうですね。ただ、「G-STAR Gaming」は夫のようにプロを自称していないんです。プロゲーマーの定義が曖昧なのもありますが、ファンのみなさんに育ててもらう育成型のゲーミングチームにしたいと思っていて。ゲーマータレント養成所みたいな役割を果たせればいいなと思っています。
ガチガチのプロゲーミングチームはたくさんあるので、そうではなく、ゲームの楽しさを広めるチームにしたいなと。
──倉持さんの人生に「ゲーム」はなくてはならないものですね。
本当に。常にゲームがそばにあって成長させてくれて、お仕事もさせていただき、結婚相手まで見つかりました!(笑)夫婦でゲーム配信したり、朝までプレイしてその後はのんびり寝たり、ゲームする生活に日々幸せを感じます。
マンションを購入して、ハワイで結婚式までして。散々悩ませてきた両親も、ようやく安心したと思います。
ニュースなどではネガティブな部分が取り上げられることもありますけど、本来はゲームって明るくて楽しいことなんですよね。そういった面を「G-STAR Gaming」でアピールしていけたらいいなと思います!
eスポーツの可能性をもっと広げたい
──今後、ゲーム業界をどう盛り上げていきたいですか?
以前、お仕事の企画でベースをいただいたので一生懸命練習して、なんとか『きらきら星』を弾けるようになったんですよ。それで、嬉しくってTwitterに動画をアップしたんですけど、リプライ欄は「手首の角度が違う」「指で弾けよ」「下手くそ!」とダメ出しだらけで。「うわ、怖い……」と心が折れてしまって、ベースに触るのをやめてしまったという経験があって。
上手な人から見ると色々言いたくなるとは思うんですけど、初心者に優しい世界になって欲しいんですよね。
ゲーム業界にも「初心者お断り」みたいなムードはあるんですが、排他的だとムーブメント自体が先細ってしまいますよね。ユーザーが減ってしまえば、ハード&ソフトメーカー、周辺機器会社が困窮して、面白いタイトルが開発されず、プロゲーマーたちの生活も厳しくなってしまう……。結果、業界全体が盛り下がって、ダメな方向に行ってしまうんじゃないかなと。
──確かに。やってみたいと思う人の気持ちを萎えさせてしまっては広がっていかないですよね。
初心者がストリートファイターで「波動拳出せたー!」と喜んでいたら、みんなが「やったね!」「おめでとう!」といってくれるような環境が理想ですね。みんなで優しく見守って、多くの方に「ゲーム業界、楽しいなあ」と思って欲しいです。
家と学校や会社だけの世界に囚われていると、そこで辛いことがあったときにどこにも逃げ場所がなくなっちゃうんですよ。私はたまたまゲームの世界に居場所が発見できて、楽しい日々が送れるようになったので。
すべての人に当てはまるとは思いませんが、私のようにゲームで救われるパターンもあるんじゃないかなと。実世界で「一人ぼっちは寂しいな、誰かと話したいな」と思ったら、パソコンを使ってオンラインの世界に飛び込んで欲しいです。一緒に遊んでコミュニケーションを取ったら、居場所が見つかるかもしれません。
──今後はゲーム関係をメインに活動されていくのでしょうか?
ゲーム関係のメディアはここ数年でかなり増えましたし、夫婦でのゲーム関係のお仕事もいただくようになったので、その流れになると思います。
実際、より配信環境を整えようと、大手PCサイトの編集長さんにアドバイスをいただいて、25万円くらいで設備をグレードアップしました。最終的には自宅をゲームスタジオ化したいですね。
まだまだeスポーツには可能性があふれていると思うんです。地方でのeスポーツイベントも頻繁に開催されていますし、専用施設もオープンして、町おこし的にeスポーツを活用している地域が増えてきました。
高知県須崎市のゆるキャラの「しんじょう君」は、めちゃめちゃ「ストⅤ」が強いんですよ! ゆるキャラのeスポーツ大会なんかも今後増えてきそうですね。そういったアクションを私たちもサポートして、一緒に振興活動できれば嬉しいです。
――グラビアアイドルとしての活動はどうされるのでしょうか?
ここ数年、ゲームやビジネス系のお仕事ばかりでグラビアのお仕事はほぼやっていないんですよね。たまに週プレさんでやらせていただくくらいで。でも「グラビア卒業」とは言いたくないんです。自分の原点なので。
そもそも人妻の尻を見たいと思ってくれる方、そんなにいますかね……? 夫は「自分の好きなことはやったほうがいいでしょ。グラビアもやりたいだけやりなよ」と言ってくれてはいるので、需要があればいつでもやりますよ!「人妻のお尻が好き!逆に良い!」と思う方もいるかもしれないので(笑)。
グラビア、ゲーム、競馬、不動産投資などなど、「自分の趣味を仕事にする」を自己プロデュースで体現してきた倉持さん。ふ〜どさんという最高の伴侶を得て、ゲーム界のみならず、マルチに活動の幅を広げていくようです。「DIGITAL DIY」は今後とも、倉持由香さんと「G-STAR Gaming」を応援します!
PHOTO BY_橋本千尋