Unite 2018潜入レポート① 今年の主役はXR:ブース編
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Unite Tokyo 2018開幕!
いま最もアツいゲームエンジン、Unity。そんなUnityの国内最大のカンファレンスイベントであるUnite Tokyo 2018が、さる5月初旬に東京国際フォーラムで開催されました。今年で6回目となる同イベントですが、ますます盛り上がりを見せるUnityの最新事情や技術仕様、そして近年急速に普及しているXR(VR/AR/MRなど)技術やAIを使ったコンテンツの開発ノウハウについて紹介されました。
ロゴやイメージ映像がかっこいいです!
そもそもUnityとは?
Unityとは簡単にハイクオリティなゲームを開発できるゲームエンジンです。ゲームエンジンとは何かというと、ゲーム開発に共通して用いられる処理をあらかじめ組み込み、作業を効率化してくれるソフトウェアのこと。3Dオブジェクトの配置やアニメーション、それを動かすスクリプト作成なども殆どすべてこのソフト1本でまかなえます。特にUnityはプログラミングなしでも簡単なゲームであれば作ることができるので敷居が低く、いま最も人気のあるゲームエンジンといわれています。
ブース展示の体験レポート!
今回のイベントでは、60以上のセッションと呼ばれる講演や、さまざまな企業による出展ブースの展示が行われました。この記事では、まずブース展示に限定して当日の全体の様子をお伝えしていきます(セッションについてはこちらの記事で!)。
まずは「VRカノジョ SUMMER VACATION」のブース。一部の界隈で有名になったこのタイトルも、Unityで製作されています。いくつかの体験デモが行われていましたが、筆者は海辺でカノジョとカップルストローでジュースを飲むというイベントを選択しました。注目すべきは、このデモで使われているVRデバイス、「VAQSO VR」。一般的なVRデバイスが備える視覚と聴覚刺激の他に嗅覚刺激も備えるという珍しいもので、筆者も体験するのは初めて。実際、イベント選択前には、手に持っているウィスキースキットルの匂いを感じることができました(文章でしかお伝えできないのが残念!)。
ウィスキーリットルを飲めるデモ
デモ体験終了後はサービスで「ARカノジョ」との撮影も。モザイクで隠れていますが思わずにやけ顔w
お次は株式会社ココノヱさんによる「らくがき動物園」。スケッチブックに描いた動物をiPadで写真に撮ると……
・・・!?ゲーム画面に取り込まれて動き出しました!まるで命を吹き込まれたようです。いわゆるARでは、コンピューター上の仮想のものを現実空間に重ねるというものが多いですが、こうした現実にあるものをゲーム画面に逆輸入するというものもあるのですね。
とりこまれた動物イラストは他にもいっぱい。QRコードの読み込みで自分で書いた動物を持ち帰ることもできました。出展の中にはSONYや任天堂といった名だたる企業も。今やPS VRやNintendo Switchなどのメジャーなコンシューマー向けハードでも、Unityで開発されているタイトルが半分を超えるようです。
ソニーブースではアニメ映画「傷物語」をVRで再現した「傷物語 VR」を体験。VR上でのプロジェクションマッピングの利用した大迫力のアニメを楽しむことができました
任天堂ブースではNintendo SwitchでのHD振動を使ったゲームの体験
HTC NIPPONブースでは最新のVRゴーグル「VIVE Pro」を使ったコンテンツ「Run to Me」のデモが行われていました。AR上でこちらに向かって走ってくる人を避けるというシンプルなゲームですが、どんどん人数が増えていくのでなかなか難しい……。「VIVE Pro」は前身の「VIVE」よりも外部をとらえるフロントカメラが高精細、さらに1〜2mの奥行きを検知できるになったといいます(主に安全性の向上のためのようです)。奥から人が向かってくるという構成も、この能力を発揮するためのものだったのでしょう。
普段全く体を動かさない筆者にはいい運動?(笑)
さて、我々Digital DIYとして気になるのはやはりハードウェア方面。探していると、ありました、高性能PCのブース。ゲーム開発でも、3Dモデリングや話題のVR / AR / MR 開発を行うには、ハードにもそれなりの性能が求められます。そんなわけでUnityユーザーの中にはこういうブースに興味を示す人も多いはず。マウスコンピューターは、BTOパソコン(既製品ではなく、内部スペックを自由にカスタマイズして注文できるオーダーメイドPC)を中心に販売する会社で、最近では乃木坂46とコラボしたCMで知られていますね。このブースでは、Unityで制作された短編映画のリアルタイムレンダリングのデモが高性能PCで行われていました。
今回のUniteのセッション全体で使われているのもマウスコンピューターのデスクトップPC。このスペックに対してこの価格はなかなかお得
一方でインテルブースでは、余っているCPUコアをUnityの処理にまわすよう有効活用するデモを行っていました。描画処理というとGPU(グラフィックを専門に処理するプロセッサ)と考えがちですが、最新CPUのIntel Core i9などはコア数が多く、それを極限まで使うように機能をオンにすることで余りあるCPUパワーを手に入れることができるそう。
実際にCPUの解放機能をオンにして行われていた粒子シュミレーションのデモ。Unityのゲーム開発でもパーティクル(粒子)エフェクトはよく用いられます
ちなみにブースエリアの端ではUnity関連書籍の販売も。定価の10%引きで購入できました
ブースでは開発ノウハウやUnityの最新技術の紹介というよりは、実際にUnityで制作したコンテンツの紹介や体験の提供がメインという感じでした。やはり、全体的にXR(VR・AR・MR)コンテンツが多めという印象。
セッション編のレポートへと続きます!
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