VTuberのキャラクターデザイン~制作依頼費用とおすすめの自作ツール
VTuberのキャラデザ方法
VTuberのキャラクターデザイン方法には、プロに制作を依頼するか自分で制作するかの2つがあります。
【プロへの制作依頼が向いている人】
- クオリティの高いデザインのキャラクターを生み出したい
- 動画投稿後の運用などもプロに任せたい
- 初期費用に余裕がある
【自作が向いている人】
- キャラクターデザインなど絵心には自信がある
- キャラクター制作のツールが使える
- 初期費用をできるだけ抑えたい
キャラデザの制作を依頼する場合
キャラクターデザインの制作を依頼する場合、依頼先は企業(制作会社)または個人になります。
企業に依頼する場合、制作費は高めになりますが、クオリティに加えて手厚いサポートも期待できます。一方、個人に依頼すれば制作費は抑えられますが、企業ほどのサポートは望めません。また、クオリティも個人の経験や技術により差があります。
それぞれ一長一短があるので、目的や予算などに応じて選ぶとよいでしょう。
制作会社に依頼する
2Dはもちろん、3Dのキャラクターデザインの制作を依頼できます。別途料金は発生しますが、キャラクターデザインに加えて、VTuberの声優やアクターのアサインや、活動を続けるうえで必要なプロモーション、SNSでの運用などをお願いできることもあります。
メリット
経験と実績のあるプロに任せることで、理想のキャラクターに近づきます。プロモーションや放送サポートなどを受けられるのも、制作会社に依頼するメリットのひとつです。
デメリット
個人と比べて、制作費は高くなる傾向です。また、複数の人間が制作にかかわるため、個人にお願いしたときよりもやり取りに時間がかかってしまうこともあります。
制作会社に依頼したときの相場
キャラクターデザインの相場は、数十万円~数百万円。2Dよりも3Dのキャラクターのほうが費用は高くなります。
ある制作会社のサイトには、「3Dで200万円~300万円、2Dなら100万円以下で始めることもできる」と記載されています。もちろん、制作費は会社によって異なりますが、少なくない出費になると考えておきましょう。
個人に依頼する
個人に依頼する場合は、多くのクリエイターが登録しているスキルマーケット「coconala」や「SKIMA」などでクリエイターを見つけることが一般的です。
また、絵を描くのが得意な人は、自身で描いたイラストをもとにモデル制作を頼むことも可能です。
メリット
最大の利点は、制作会社と比べて制作費を抑えられることです。coconalaやSKIMAはどちらも無料で利用でき、依頼するクリエイターも自分好みの作風で探せるほか、人気や実績などの情報から検索することもできます。
ダイレクトメッセージなどの機能を使ってクリエイターと直接やり取りがしやすいのも、個人に依頼するメリットといえるでしょう。
デメリット
個人で作業をしている方が多いので、企業のような手厚いサービスは望めません。また、経験が少ないクリエイターの場合は、求めていたクオリティのデザインに至らないことも考えられます。
個人に依頼したときの相場
2Dで数万円から数十万円、3Dでも数十万円でお願いできることが多いです。coconalaでは、事前見積やカスタマイズの相談も可能なため、クリエイターとの費用のすり合わせも行いやすいです。
キャラデザを自作する場合
プロの制作会社や個人のクリエイターに頼らず、自分でキャラクターデザインを行う方法もあります。イラストを描くのが苦手な人でも諦めるのは早計です。使うソフトによってはキャラクターデザインを簡単に作成できます。
自分でイラストが描ける人
自分でイラストを用意できる方は、2Dのキャラクターを動かすことのできる「Live2D」を使ってモデルを作ってみましょう。Webカメラを使って顔の表情を読み取り、リアルタイムでアバターに反映せる「FaceRig」と併用する必要がありますが、自分の描いたキャラクターを動かすことができます。
イラストが描けない人
パーツをカスタマイズすることで、オリジナルキャラクターを生み出せるサービスがあります。こうしたサービスを利用すれば、たとえ絵心がなくても理想のキャラクターを作れます。
また、イチから自作すると大変な3Dモデルのキャラクターが作れるのもポイントです。パソコン向けはもちろん、スマートフォン向けのアプリも展開されています。
2Dモデル作成におすすめのツール
2DのVTuberを生み出すツールとしてポピュラーなのは、先述したLive2Dです。FaceRigを併用することで、いきいきと動いてしゃべるキャラクターを生み出せます。
また、Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorを愛用している人は、簡単な設定で2Dのイラストにユーザーの動きや声を付けられる「Adobe Character Animator」がおすすめです。
Live2D
画像引用元:Live2D
価格 | 無料:トライアル版を42日間利用後、フリー版を利用可能 有料:一般は月額2,080円~利用可能。年間プランは1年目14,280円 |
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OS | Windows8.1,10/macOS v10.12(Sierra)、v10.13(High Sierra)、v10.14(Mojave)、v10.15(Catalina) |
CPU | Intel® Core™ i5以上(推奨 i7シリーズ) |
RAM | 4GB以上(推奨8GB以上) |
ハードディスク | 約400MB程度必要 |
GPU | OpenGL3.3 相当かそれ以上 |
ディスプレイ | 1,440×900ピクセル以上、32bitカラー以上(推奨1,920×1,080ピクセル) |
2Dのイラストを自由に動かすことができるツールです。原画の画風を保ったままキャラクターを動かせるので、多くのゲームなどでもこの技術が使われています。
2DのVTuberを作るツールとしても人気が高く、使い方を解説するサイトや動画が充実しているのも初心者向きといえるでしょう。機能は制限されますが、フリー版で試用できることも利点です。Live2Dで作成したキャラクターはFaceRig(1,480円)のツールと併用することで、リアルタイムにキャラクターを動かしたり、しゃべらせたりできるようになります。
Adobe Character Animator
画像引用元:ADOBE CHARACTER ANIMATOR
価格 | 月額5,680円(※7日間の無料トライアルあり) |
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OS | Windows 10(バージョン 1809 以降)、Windows Server 2019(バージョン 1809 以降)、またはWindows Server 2016(バージョン 1607)/macOS 日本語版バージョン 10.13以上(※macOS 10.14.1 以降はサポートされますが、10.14.0 はサポートされません) |
CPU | 64 ビット対応 Intel マルチコアプロセッサー |
RAM | 8GB(16GB 以上を推奨) |
ハードディスク | 3GB以上 |
GPU | 少なくともOpenGL 3.2 をサポートする最新の認定グラフィックスドライバー |
ディスプレイ | 1,280×1,080ピクセル以上(推奨1,920×1,080以上) |
Adobe Character Animatorは単体で自分の顔を認識させて、リアルタイムでキャラクターを動かしたり、しゃべらせたりできます(別途カメラやマイクは必要)。
IllustratorやPhotoshopからオリジナルのキャラクターを読み込ませることはもちろん、用意されているテンプレートのキャラクターの利用もできるため、まずはVTuberを体験してみたいという人にも最適です。
3Dモデル作成におすすめのツール
3Dモデルを作成するツールやサービスはさまざまありますが、こちらではスマートフォンで利用できる「カスタムキャスト」と、PC用の「VRoid Studio」をセレクトしました。
どちらも手軽に3Dのキャラクターを使ってVTuberデビューができるので、自分の環境に合わせて試してみてください。
カスタムキャスト
画像引用元:CUSTOM CAST
価格 | 基本無料(内部課金あり) 会員専用サービスは月額500円 |
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OS | iOS 11以上/Android 7.0以上 |
ストレージ | ストレージ空き容量1GB以上 |
3Dキャラクターを作成して、ニコニコ生放送でVTuber配信ができるアプリです。
顔やボディ、衣装、アクセサリーなど、キャラクターのパーツは豊富で、これらのパーツを組み合わせることで、好みのキャラクターを作成できます。また、端末内のカメラで顔を認識し、首を傾けたり、横を向いたりすることで、3Dキャラクターが動いてくれます。
ジャイロ機能を使って臨場感のある配信を行ったり、フリックを使ってキャラクターにポーズを取らせたりすることも可能です。
VRoid Studio
画像引用元:VRoid Studio
価格 | 無料 |
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OS | Windows 8.1、10/MacOS 10.13 High Sierra/10.14 Mojave/10.15 Catalina |
CPU | Intel Core i5 第4世代以降 |
RAM | 8GB以上 |
ハードディスク | 10GB以上 |
VRoid Studioの最大の特徴は、完全無料で3Dモデルを作れることです。パーツを組み合わせるのではなく、絵を描くような感覚でキャラクターのパーツが作れるので比較的敷居が低いうえ、自分好みのキャラクターを作りやすいのが魅力です。
作成した3Dのキャラクターは、“VRM”のファイル形式にも対応しており、商用利用も可能です。
まとめ
VTuberをはじめるうえで絵心はあるにこしたことはないですが、たとえ絵が描けなくても、カスタムキャストのように、手持ちのスマートフォンで手軽にキャラクターをデザインする方法もあります。やる気さえあれば、誰でもVTuberとして活躍できるので、目的や予算に応じて、自分に合った方法で新たな人気キャラクターを誕生させましょう!