再生数が伸びないVTuberの特徴と解決のヒント~宣伝やタイトルの工夫で人気動画に
再生数が伸びないVTuberの特徴
再生数が増加しない原因はさまざまありますが、「視聴者としての自分の行動」を思い出して自らのコンテンツに反映させることで、解決につながるケースがほとんどです。
- 宣伝や告知が効果を発揮していない
- 既存チャンネルと似ている
- 内容がつまらない
- 動画編集が下手
宣伝や告知が効果を発揮していない
たとえ動画や配信のクオリティが高くても、視聴者は知らないものを見ることはできません。自分で動画を検索して面白い動画を探す視聴者はほんの一握りで、視聴者数が増加する主な要因はSNSでの宣伝(自己宣伝)と口コミ(ファンによるリツイート等の宣伝)です。また、多くの人がインターネットを利用する時間に配信を行ったり、宣伝に興味を惹く文言を取り入れたり、といった工夫がなければ、新規視聴者の開拓は難しいです。
たとえば、Twitterを見ている時、まったく知らないVTuberから“配信を告知するだけ”のツイートが流れてきたとしてもアクセスする人は多くないでしょう。しかし「○○○(漫画のタイトル)の感想を話します」「今日10時から○○○について配信します」と書かれていれば、その作品のファンは視聴してくれるかもしれません。「自分が見たら興味をもつか?」を常に念頭に置いて告知を行いましょう。
既存チャンネルと似ている
視聴者は動画を見られる時間が限られるため、同じような内容であれば人気が高いものが選ばれることになります。
同系統のテーマを扱う話題のVTuberがいるとわかったら、方向性を調整してみましょう。たとえば、相手が「将棋が強くなる方法」だったら、自分は「将棋で初心者が中級者になるには?」にします。また、相手が学生風なら自分は大人の雰囲気を演出、活発な雰囲気だったらクールを装うなど、モデルやキャラクターの属性を変えて差別化を図るとよいでしょう。
内容がつまらない
すべての内容を面白おかしくする必要はありません。それよりも話の前置きが長かったり、言いたいことがまとまっていなかったりするだけで、視聴者はすぐに離れていってしまいます。
そこで「結論から話し始める」「先に問題を提起する」の2点を意識しましょう。たとえば、漫画の感想を述べる場合「登場人物の○○○が滅茶苦茶かっこよかったんですよ!」と、冒頭から主題に加えて結論も合わせて語ります。すると、その後で細かい描写や台詞の話に移っても、視聴者は「まだ○○○の話が続いているんだな」と理解できます。
問題提起を先行させる方法も同じです。「○○○って知ってます?」と最初に投げかけることで、視聴者はその登場人物について思いをめぐらせながら話を聞けます。
これは雑談にも応用できるテクニックでもあり、常に主題を明確にすることで、視聴者は映像をより楽しめるようになるのです。さらに、画面上に「現在のお題」を表記しておけば、忙しい人も“ながら見”をしやすくなります。
動画編集が下手
大前提として、ライブ配信と動画は異なるコンテンツである点を意識しておきましょう。配信はリアルタイムなので話に多少の「間」が空いても問題ありませんが、動画では無意味な沈黙のたびに視聴者は離れてしまいます。
人気YouTuberやVTuberの動画コンテンツを見れば、必要以上に「間」を作らないようカット編集を多く取り入れていることがわかります。加えて、テロップは「太字+縁取り」にした上で、パッと読めるように構成し、強調したい場面には効果音を加えるなどの工夫がなされています。
逆にまったく「間」がないと聞き取りづらいので、たとえば「発言と発言の間は0.7秒」と決めるなど、常に一定になるよう編集するのがおすすめです。
再生数を伸ばすためのコツ
再生数というデータに気を取られがちですが、あくまでも動画を見るのは視聴者という生身の人間であることを忘れてはいけません。常に中心にあるべきは「視聴者はどんなコンテンツを求めているか?」であり、VTuber側の理想を押し付けるだけは受け入れてもらえないでしょう。
視聴者の傾向を分析し「もっと見たい」と思わせるには何が必要かを考えれば、以下のような手段が効果的であることがわかってきます。
- SNSを活用して宣伝する
- サムネイル画像やタイトルを変える
- チャンネルのテーマやキャラ設定を明確にする
- チャンネルの強みを磨く
- 客観的な意見を取り入れる
- 人気VTuberの動画を参考にする
SNSを活用して宣伝する
TwitterやInstagramなどのSNSで動画投稿や配信を告知する際、必要なのはわかりやすさです。SNSでは大量の情報が流れては消えていくため、目立たなければリンクをクリックしてもらえません。編集で切り抜いた動画の見所を貼り付けたり、強調したい要素を告知したりすることでクリック率を高められます。
また、SNSごとに利用者の性格が異なる点も意識しましょう。たとえばTwitterでは瞬間的な面白さ、Instagramではビジュアル的な美しさ(「エモさ」といってもよいでしょう)、Facebookでは「コミュニティが構築できるか?」や「実用性のあるテーマか?」が重視される傾向にあります。自分が提供するコンテンツが、どのSNSに向いているかを考えるのが大切です。
サムネイル画像やタイトルを変える
サムネイル画像とタイトルは、視聴者にとって最初に目にする情報であり、大半はここで動画を見るか否かを決定します。逆にいえば、この要素で「見たい」と思わせれば目標達成です。
YouTube上で表示されるサムネイル画像は非常に小さく、細かい情報は視認できません。1文字を画面全体の1/16以上の大きさにすれば視聴者に理解してもらえるでしょう。
同じように、複雑な絵の全景をサムネイルにしても容易には判別されません。とはいえ、VTuberとしてビジュアルを利用しない手はないので、絵の一部を切り取って中心にモデルやキャラクターを配置するなど試行錯誤してみましょう。
また、動画のタイトルはサムネイル画像に比べて重要度が低いものの、その画像に新たな情報を与える内容にすると興味を惹きやすくなります。たとえばカレーのサムネイルに対し、タイトルが「カレーうまい」では面白みがありません。一方で「最強トッピングをついに見つけてしまった」は、新しい情報が得られるうえに“その動画で何を見られるのか”という目的も伝わり理想的です。
チャンネルのテーマやキャラ設定を明確にする
動画に満足した視聴者は、そのチャンネルから発信される他のコンテンツに対しても同じような体験が得られることを求めます。キャラクター性で視聴者を獲得したのであれば同様の振る舞いや話し方を期待し、情報が評価されたなら、より高度で充実した内容を知りたがるでしょう。
チャンネルの方向性を固めるメリットは、新規の視聴者が過去のコンテンツを安定して楽しめることです。一方、一発ネタで人気を集めても、過去や以後の動画・配信との親和性が薄ければ視聴者は定着しません。
なお、再生数よりもチャンネル登録数が極端に多い場合は、チャンネル自体に視聴者が付いていることを意味します。逆に再生数が伸びているのであれば、提供するコンテンツの内容ごとにチャンネルを分割するのも有効なので検討してみてください。
チャンネルの強みを磨く
当然ながら人気のあるジャンルは限られています。同じテーマの中でVTuberが多数存在する場合、より上手に表現できて情報に詳しく、魅力的なキャラクターやコンテンツを提供することが再生数や視聴者数の増加につながります。そのためには、活動範囲を得意なジャンルに絞り込むとよいでしょう。
しかし、最初から完璧な評価を求める必要はありません。あるジャンルにおいて、他のVTuberに比べて説明が上手だったり、視聴者と楽しみながら会話ができたり、といった独自性が1点あればいいのです。
極論、「初心者VTuberにしてはリアクションが上手」でも構いません。自身の特徴を把握し、視聴者に喜ばれるチャンネルを目指しましょう。
客観的な意見を取り入れる
動画コンテンツは作成に時間がかかるため、何が良くて何が悪いのかを判別するのが難しくなりがちです。そこで、動画へのコメントや知り合いからの意見に耳を傾け、分析に活用しましょう。重要なのは「感想」と「なぜそう思ったのか」で、この2点がない「こうすべき」という意見は聞き流しても構いません。
どう感じられているかが「感想」で、そこに存在する課題を解決する手法は「なぜそう思ったのか」から導けます。たとえば、感想が「わかりにくい」で、そう思った理由が「複雑で言葉だけだから」であれば、図や画像を取り入れることで解決を目指せます。
人気VTuberの動画と比較し参考にする
先の項目で、再生数が伸びない理由として「既存チャンネルと似ているから」と述べましたが、内容を参考にするのはまた別の話です。
まず、自分と同ジャンルで活動しているVTuberを探しましょう。「あるゲームが得意」「いろいろな書籍の話をする批評系」といった具合に、そのジャンルの視聴者がどのような話を面白がるのかを理解することが大切です。重要なのはVTuber自身の振る舞いよりも、視聴者がどんな楽しみ方をしているかを確認することです。
続いて、自分に近い強みがある、もしくは個性が際立つVTuberを見つけましょう。自分に似た喋り方をするVTuberはどのように受け入れられているのか、どんなリアクションが好まれるのか、といった部分に注目し、スキルを学びます。
視聴者の傾向と自分の振る舞い方がわかったら、お互いが楽しめる双方向のコミュニケーション方法も見えてきます。最終的に、誰の真似でもない独自コンテンツを配信できるようになるでしょう。
まとめ
「再生数を伸ばす方法」にフォーカスしましたが、動画を見る視聴者の数、提供できるコンテンツ量はそれぞれ限界があるため、再生数や視聴者数を気にしすぎてはいけません。
VTuberは趣味、もしくは“生き方”の一種として定着しつつあります。自分らしさを表現して、気負わずに活動を楽しんでください。