NVIDIAの新グラボ「RTX」のレイトレーシングが凄い!対応している最新ゲームも紹介
NVIDIAが2018年にリリースした新グラフィックボード「RTX」がゲーム映像を変える
- 2018年より前世代GTXからRTXシリーズに刷新中
NVIDIAの一般向けグラフィックボードGeForceGTXシリーズが、2018年より「GeForceRTX」として革新的な進歩を遂げました。従来のものよりも性能が上がっただけでなく、ゲーム画質を大幅に改善する2つの機能が搭載されたのです。それが「リアルタイム・レイトレーシング」と「DLSS」です。
- RTX最大の新機能は「リアルタイム・レイトレーシング」というCG技術
なかでもリアルタイム・レイトレーシングへのゲーム業界の期待は大きく、RTXが発売されて間もない状況ですが、一部のビッグタイトルがもう対応しています。FPSゲームを代表するバトルフィールド5やMetro Exodusではすでにリアルタイム・レイトレーシングを利用可能です。
- 人工知能技術を使った「DLSS」もRTX独自の技術
DLSSは人工知能技術で培われたアンチエイリアシング技術。映像を「くっきり・はっきり」と見せる技術です。DLSSをオンにするだけで、これまでよりも高解像度&高フレームレートのゲーム画質でプレイできるようになります。こちらもすでに対応ゲームタイトルが増えつつあり、ファイナルファンタジー15などの国産タイトルがDLSSに対応しています。
- レイトレーシングやDLSSはNVIDIAのRTXでのみ利用可能で旧GTXやAMDグラボは不可
RTXから搭載されたリアルタイム・レイトレーシングやDLSSは、前世代となるGTXでは一切利用不可。またライバル社AMDのグラフィックボードでも利用できません。リアルタイム・レイトレーシングはまさにNVIDIAのRTXシリーズの専売特許というべきものなのです。
なお、2019年8月時点で発売されているRTXグラフィックボードは以下の通りです。
- GeForce RTX 2080Ti
- GeForce RTX 2080 SUPER
- GeForce RTX 2070 SUPER
- GeForce RTX 2060 SUPER
- GeForce RTX 2080
- GeForce RTX 2070
- GeForce RTX 2060
RTXのリアルタイム・レイトレーシングって何?
- レイトレーシングは光の反射をシミュレーションするCG技術
レイトレーシング(ray tracing)自体は古くからある技術で、光線(=ray)がどのように動くかを追跡(=tracing)してシミュレートするものです。物体に光が反射する様子を現実世界とほぼ同じレベルに表現できる高度なCG技術ですが、その反面非常に計算量が大きいという欠点がありました。
3D映画や静止画にレイトレーシングを使うのなら、いくら計算に時間がかかっても問題はありません。しかしゲームとなるとそうはいきません。ゲームはユーザーの操作によって描画しなければいけない場面がリアルタイムに変わるため、計算に時間のかかるレイトレーシングでは間に合わないのです。
- RTXにはレイトレーシングを計算する専用のコアが搭載された
そこでRTX開発元のNVIDIAが考えた解決策が、レイトレーシングだけを行う専用のコア(RTコア)を搭載するという方法です。計算に時間のかかるレイトレーシングですが、レイトレーシング専門のコアであれば計算速度は飛躍的に向上します。RTコアを搭載したことで、ほぼリアルタイムにレイトレーシングを適用することが可能になりました。
- ガラスに反射する物体の表現力などが格段にアップ
すでにリアルタイム・レイトレーシングに対応しているバトルフィールド5では、ガラスに映るプレイヤーの姿や波間に反射する光の様子が、実物に肉薄するレベルで再現されています。
特にガラスにプレイヤーの姿が反射するのは、FPSユーザーにとっては衝撃的でした。臨場感が増すだけでなく、自分の姿をガラスに映さないような立ち回りが必要になったり、敵の兵士がひっそり隠れている場所をガラスの反射によって見抜いたりといった戦術が必要になったのです。
またスナイパーライフルのスコープに反射する光などもさらにリアルになったため、スナイパー側も狙われている側も、これまでの作品とは微妙に立ち回りが変わってきています。
- レイトレーシングをオンにするとフレームレートは落ちる
レイトレーシングをオンにすると、ゲーム画質の滑らかさを表す指標であるフレームレートが落ちてしまいます。現在発売されているRTXのうち、RTX2060はレイトレーシングをオンにするとフルHD以上の画質では60フレームレートを維持できません。
リアルタイム・レイトレーシングは画質を向上させるぶん、若干のフレームレートの低下があることは覚えておきましょう。なおRTXのレイトレーシングは自分でオン/オフを切り替えることができます。
RTXに対応しているゲームを紹介!今後続々と増える予定
- 2019年8月時点でRTX対応ゲームはまだ少ない
RTXの新技術であるリアルタイム・レイトレーシングやDLSSは、ゲーム開発元が対応しなければ有効にはなりません。そのためまだRTX対応ゲームは数えるほどしかないのが現状です。
- バトルフィールド5:FPS界の大作!RTXの実力を体感するならまずはこれ
バトルフィールド5は言わずとしれたFPSゲームの代表的タイトルの1つ。2018年11月の発売時はRTXに対応していませんでしたが、その後のアップデートでリアルタイム・レイトレーシングが有効になりました。バトルフィールド5の開発元はNVIDIAと協力してRTX対応を果たしただけに、そのクオリティは驚愕の一言。RTXの実力を体感したいのなら、まずはバトルフィールド5を試してみましょう。
- Metro Exodus(メトロ・エクソダス):PS4版との画質の差は明らか
Metro Exodusもいち早くRTXの機能に対応したゲームです。廃墟となったロシア・モスクワからの脱出を試みる主人公の目の前に広がる荒れ果てた光景は、リアルタイム・レイトレーシングをオンにするとさらに現実感がアップします。
- その他の注目タイトル
以下のタイトルではすでにDLSSに対応しているか、導入されることが決まっています。
- Cyberpunk 2077
- ファイナルファンタジー15(Final Fantasy XV)
- シャドウ オブ ザ トゥームレイダー
- Overkill’s The Walking Dead
- Justice
- Fear The Wolves
- Hitman 2
これからゲーム用途にグラボを買うならNVIDIAのRTXシリーズがおすすめ
NVIDIAの新グラボ「RTXシリーズ」はリアルタイム・レイトレーシングとDLSSの効果でゲーム画質の劇的な向上を果たしています。5〜6年に一度あるかないかの大幅なアップデートと言えるでしょう。これからゲーム用途に新しく自作PCを組むなら、NVIDIAのRTXシリーズを強くおすすめします。すでに組んでいるPCも、グラボをRTXに変更するだけでリアルなゲーム画質が手に入るでしょう。NVIDIAのRTXシリーズは全体的にお値段が高めですが、ぜひ財布と相談して購入を検討してみてください!