自作PCで気をつけたい相性とは?解決のポイントと対処法
自作PCはなぜ相性問題が起こるのか?
メーカー製PCやBTOとの違い
メーカー製PCやBTOと自作PCでは、完成までの成り立ちが違います。もちろんCPU・マザーボード・メモリ・電源など各パーツによってPCが構成されている点は一緒です。
違いはメーカー製PCやBTOは専門家がパーツを選んで組み立てるのに対し、自作PCは個人がパーツを集めて組み立てる必要がある点。専門家ではないので相性の悪いパーツを選ぶ可能性があり、それにより組み立てたのに起動しないという事態が起こり得るのです。
パーツ同士の相性が悪い場合
パーツの相性が悪いというのは、パーツが不良品ということではありません。パーツは正常なのに、他のパーツと組み合わせるとトラブルが発生するのです。
なぜこのような相性の悪さが発生するかというと、各パーツを作っているメーカーが違うからです。メーカーの間で規格の解釈が食い違っていたり、検証不足だったりが原因といわれています。
以下のページでは、自作PCのパーツの選び方を特集していますので、ぜひ参考にしてみてください。
OSやソフトとの相性が悪い場合
パーツ同士のほかに、特定のOSやソフトと相性が悪い場合もあります。例えばあるビデオキャプチャボードを導入すると、WIN 8では録画できるのにWIN 10では失敗する、などです。
万が一OSがインストールできないなどのトラブルが起こった場合は、以下のページを参照してみてください。
相性問題のリスクを減らすポイント
事前に情報収集を十分に行う
相性問題のリスクを減らすには、事前の情報収集がとても重要です。自作PCのサイトなどには、どのパーツ同士の相性が悪いかといった情報がたくさん寄せられています。また「価格.com」などの口コミサイトにも相性問題が報告されています。これらの情報は実際に自作した人の体験が大半なので、非常に参考になります。
事前に情報収集を行った上で自分のパーツ構成を決めたら、自作サイトや口コミサイトに投稿して質問してみてください。「このマザーボードとこのCPUは相性が悪い」などのアドバイスがもらえるかもしれません。
ショップのスタッフからアドバイスをもらう
情報収集の手段として、パーツを購入する専門ショップのスタッフに質問するのもおすすめです。専門ショップのスタッフは色々なメーカーのパーツを取り扱っているので、相性問題の情報もたくさん持っている可能性が高いです。例えばマザーボードを選ぶ時に使用するCPUを伝えれば、相性について教えてくれるでしょう。
自分なりに自作PCのパーツ構成を作成したら、それを専門ショップに持参して見てもらうのもおすすめ。そのショップでパーツを購入するのですから、アドバイスをもらえるはずです。
パッケージ品とバルクについて
自作PCに挑戦する前に、パーツにはバルク品とパッケージ品(リテール品)の2種類があると知っておいてください。バルク品というのは箱や説明書や保証がついてない製品です。プチブチなどの簡易包装で売られていますが、ジャンク品とは違います。正規のパッケージ品より安いので人気がありますが、相性問題が起こりやすいというリスクがあります。
なぜバルク品が出回るかというと、大手メーカーはパーツを大量に仕入れるのですが、製品化したPCの売れ行きが良くないとパーツが余るので、それをバルク品として格安で市場に流すからです。
バルク品のパーツとして流通しやすいのは、CPU・HDD・メモリー・マザーボード・ビデオカード・光学ドライブ・電源などです。なお、初心者で相性問題のリスクを避けたいのなら、パッケージ品がおすすめ。バルク品を選ぶならメーカーのものを選んでください。
自作PC相性問題が発生しやすいパーツ~マザーボードとCPU・メモリの相性に注意!
自作PCで相性問題が起こりやすいパーツとしては、マザーボードとメモリの相性、マザーボードとグラフィックカードが挙げられます。なお、マザーボードとメモリの場合は、メモリを装着する時の接触不良なども多くみられます。メモリとマザーボードの互換性・相性診断には互換性判別ツールが便利です。
また、自作PC初心者において特に多く問題になるのがマザーボードとCPUの相性です。マザーボードに設置できるのは、個別に対応しているCPUのみです。例えば、AMDのRyzenシリーズとIntelのCoreシリーズではピンの形状が異なるため、Ryzenシリーズ用のマザーボードにはCoreシリーズは設置できないのです。そのままでは設置できないため、マザーボードかCPUのいずれかを買い直すことになってしまいます。
相性問題が起こった時の対処法
どのような症状が発生するのか
パーツの相性が悪いと、せっかく組み立てて完成したのに起動しない可能性が出てきます。例えばマザーボードとCPUの相性が悪いとPCは起動しません。また起動してもすぐにハングアップしたりブルースクリーンになったりする場合は、マザーボードとメモリの相性が悪い可能性が考えられます。他にもマザーボードとビデオカードの相性が悪いと、画像が乱れたり、画像が出なくなったりします。
組立工程を正確にチェックする
症状が出た時の基本的な対処法としては、パーツの組立工程をもう一度チェックすることです。初心者は組立工程の配線ミスなどが考えられるので、再度組み立て直してみることが重要。それでも起動しなかったり、ハングアップしたりする場合は相性問題、パーツの初期不良が考えられます。
ウィルス感染を疑う
自作PCがしばしばハングアップする時は、ウィルス感染の可能性も考慮しましょう。この場合はオンラインスキャンでウィルスチェックができますし、ウィルス対策ソフトの導入で予防できます。
パーツの初期不良を疑う
自作PCの場合、購入したパーツが初期不良という事例がたまに起こります。バルク品だけでなくパッケージ品でも、輸送途中の振動、温度、湿度などで故障することがあるのです。
このような場合、1つずつパーツを検証する必要がありますが、特定のパーツを突き止めるのは大変です。そこで、これと思われるパーツを、購入したショップへ持ち込んでみることをおすすめします。しっかりしたショップなら対応してくれますよ。
自作PCの相性は事前の情報収集で避けられる!
自作PCでは避けて通れないリスクである相性問題について説明しました。
テーマが相性問題なので、頻繁に発生するイメージになりましたが、実際はそれほど起こるものではありません。
ご紹介したように事前の情報収集をしっかり行えば、ほとんど相性問題は起こらないでしょう。安心して自作PCに挑戦してみてくださいね。