VTuber用3Dモデルの作り方~PCとスマホそれぞれの手順・流れを紹介
目次
VTuber用3Dモデルの作り方
VTuberとして3Dモデルを作るには、大きく分けて次の2つの方法があります。
- 3Dモデリングのソフトを用いて、自ら100%オリジナルのモデルを作る方法
- VTuber用のモデル制作ソフトを使用して、パーツを組み合わせたモデルを制作する方法
3Dモデリングソフトを使用する方法では、複数のソフトや機材を組み合わせてモデルを制作します。使用するソフトや機材は無料のものから数十万円するものがあり、それぞれがモデルの制作や調整、動作など別々の役割を果たします。
VTuber用のモデル制作ソフトを使用する方法では、あらかじめソフト側で用意されたパーツを組み合わせてモデルを制作します。一部の制作ソフトでは完成したモデルをそのまま動作させることが可能なため、比較的気軽にモデル制作を行うことができます。
3Dモデルを自作する手順
モデリングソフトなどを使用して3Dモデルを自作する場合、下記の3つの段階に分けて作業を行います。
- 2Dでイラストを描く(PhotoshopやCLIP STUDIOなど)
- イラストを3D化する(BlenderやZbrush)
- トラッキングする(3tenePRO V2やFaceRig)
2Dでイラストを描く
3Dモデルのイメージを決めるため、まずはPhotoshopやCLIP STUDIOなどのイラスト制作が可能なソフトを使用して2Dのイラストを制作します。
2Dのイラストはモデリング作業時に下絵として使用するため、キャラクターの正面、側面、背面のそれぞれが必要になります。初めてモデリングに挑戦する場合は、作業がしやすくなるように、可能な限り左右対称で、Tポーズをとっているイラストを制作するとよいでしょう。
イラストを3D化する
下絵となる2Dイラストが完成したら、イラストを元にBlenderやZbrushのようなモデリングソフトで3Dモデルを制作していきます。
イラストを3D化する作業では、モデリングだけでなく、場合によってはイラスト制作ソフトを使用してのテクスチャ作成も行います。
トラッキングする
3Dモデルが完成したら、自身の動きに合わせてモデルの動きをコントロールするソフトで読み込み、モデルと自身の動きを同期させるキャリブレーションを行います。
WEBカメラで顔の動きだけをトラッキングするのか、VR機器やモーションキャプチャーを使用して全身の動きをトラッキングするのか、自身の環境や、やりたいことに合わせてソフトを選ぶようにしましょう。
3Dモデル制作ツールを使った手順
VTuber用の3Dモデル制作ツールを使用すれば、比較的簡単に3Dモデルを制作することができます。以下は、3Dモデル制作ツールでモデルを制作する手順になります。
- パーツをカスタマイズする
- VRMファイルに書き出す
- トラッキングする
パーツをカスタマイズする
モデル制作ツールでは最初からベースとなるモデルが用意されています。
ツールによってカスタイマイズ方法や項目は異なりますが、用意されているモデルに対し髪型や目の形や色などの基本の頭部パーツから、メイクや服装といったパーツのカスタマイズが可能です。
VRMファイルに書き出す
モデル制作ツールで3Dモデルを完成させたら、VRMファイルに書き出します。
トラッキングソフトの多くはVRMのファイル形式に対応していますが、一部の制作ツールでは、VRMをパソコンのローカルデータとして書き出すことができない場合があります。モデル制作ツールも自身の環境や、やりたいことに合わせてソフトを選びましょう。
トラッキングする
VRMファイルとして書き出した3Dモデルは、自身の動きに合わせてモデルの動きをコントロールするソフトで読み込み、キャリブレーションを行います。
自身の動きに合わせて表情や動きをコントロールするためには、WEBカメラやVR機器、モーションキャプチャーが必要となるため、それぞれ機材やソフトをそろえる必要があります。
PC用VTuber制作ソフト
3Dモデルの制作において必要となる、おすすめソフトをピックアップしました。以下のソフトを参考に、VTuberの制作にチャレンジしてみてください。
<モデリングソフト>
<モデル制作ツール>
<トラッキングソフト>
- 3tenePRO V2(WEBカメラ、VR機器によるトラッキング)
- FaceRig(WEBカメラでのトラッキング)
- バーチャルキャスト(VR機器でのトラッキング)
VTuber制作ソフトの操作に必要なPCスペック
モデリングソフトやトラッキングソフトで3Dモデルを作成するには、ある程度高性能なPCが必要になります。動画編集なども見据えるとぜひ手に入れておきたいタイミングではありますが、ハイスペックマシンは高額のため、なかなか手を出しづらいのが実情です。
そこで選択肢に上がるのが「パソコンの自作」。高性能PCをリーズナブルに手に入れるために、今後の活動の予算に応じた自作も検討してみましょう。
スマホならアプリ1つで作成可能
スマートフォン向けの3Dモデル制作ツールを活用すれば、手軽にモデルの制作やトラッキングを行うことができます。
スマートフォン向けの制作ツールでは、対応する配信サイトへ直接モデルを使用しながら配信可能。背景をグリーンに設定することもできるため、PCでキャプチャーすればモデルだけを簡単に映し出せます。
ただし、モデリングソフトを使用するような細かいモデルの調整や、全身でのトラッキングなどには対応していないというデメリットもあります。
スマホ用VTuber制作アプリ
スマートフォン向け3Dモデル制作ツールは、アプリによってカスタムできるパーツの種類はもちろん、配信することができるプラットフォームが異なります。
以下は、モデルのカスタムから配信までできるおすすめのアプリです。
- カスタムキャスト(ニコニコ生放送)
- Mirrativ
- REALITY
- SHOWROOM V
まとめ
モデリングソフトを使用してのモデル制作は自由度が高く、自身の思い描くモデル像を実現することができますが、複数のソフトを使いこなす必要が生じます。
一方、モデル制作ツールを使用することでモデルの制作は簡単になりますが、カスタマイズの幅が狭まってしまいます。自身の環境や、やりたいことに合わせて3Dモデルの制作方法を選択してください。