VTuberに必要な費用~総額でいくらかかる?制作から運用までコストを計算
VTuberとして活動するためにかかる費用
お手持ちのスマートフォンと無料のアプリのみを使えば、初期費用0円でVTuberとして活動をはじめることは可能です。しかし、スマホとアプリだけではアバターの動きは制限されてしまいますし、PS4やNintendo Switch、PC用のゲームを実況することはできません。
本格的なゲーム実況動画や、全身のキャプチャーが必要になる”踊ってみた”動画などを投稿したい場合は、以下の初期費用が必要になります。
- 3Dモデル作成費
- 周辺機材購入費
- 動画編集ソフト購入費
3Dモデル作成費
3Dモデルを自分で作成する場合は、PCで作成するかスマートフォンのアプリを使って作成するかを選択します。スマートフォンのアプリで作成する場合は、アプリごとに最初から用意されたパーツを使うため、キャラクターの絵柄や雰囲気などは使用するアプリに依存します。
一方、PCを使う場合は自分で描いたイラストをもとに作成できるので、スマートフォンと比較してオリジナリティの高い3Dモデルに仕上げられます。
PCを使う場合
自身でイラストを描けるなら、PCでの3Dモデル作成がおすすめです。その際、PCは10万円前後のデスクトップ型のものを用意しましょう。PCが重くなることなくスムーズに作業できます。
描いたイラストはBlenderやZbrushといったモデリングソフトで3Dモデルとして展開できます。Blenderは無料ソフトで、操作の方法について多くのユーザーが解説サイトを公開しているので参考にするとよいでしょう。一方、Zbrushは映画やゲームの3Dモデル作成にも使われる本格的なソフトで、10万円程度の費用がかかります。
より安価かつ簡単にPCを使って3Dモデルを作成したい場合は、無料サービスのVRoid Studioや用意されたパーツを組み合わせてアバターを作ることかできるVカツなどを活用しましょう。
スマートフォンを使う場合
スマートフォンで3Dモデルを作成する場合は、REALITYやMirrativといった無料アプリを使用します。これらのアプリでは、用意されているパーツを組み合わせるだけ3Dモデルを作成できますが、使用するアプリに応じて絵柄の雰囲気はある程度固定されてしまいます。
また、これらのアプリで作成した3Dモデルは、基本的にアプリ専用の配信サイトでの展開を想定しているため、YouTubeで配信を行う場合は、キャプチャーボードを介してPCにスマートフォンを接続するなどのひと手間が必要になります。
周辺機材購入費
PCで配信を行う場合は、PCおよび周辺機器が必要となります。
- ヘッドセット
- ディスプレイ
- マイク
- WEBカメラ
ヘッドセット
自分の声やBGMなどのボリュームを確認するだけなら、数百円程度のイヤホンでも問題ありません。しかし”歌ってみた”動画を投稿する際に、自分の歌声を細かく確認したい場合や、バトルロイヤルゲームやFPSなどのゲーム実況を行う場合は、ゲーム内でどの方向から音が聞こえてくるかを確認する必要もあるため、高性能なヘッドセットを用意したいところです。
ゲームプレイに特化し、ノイズキャンセル機能を搭載した1万円前後のヘッドセットであれば、エアコンやPCの起動音などのノイズを除去してくれるのでおすすめです。
ディスプレイ
アバターの動きを確認するだけならすでにお持ちのディスプレイや、PCとセットで購入できる格安のディスプレイで十分です。しかし、格闘ゲームやFPSなどeスポーツに分類されるようなゲーム実況の場合は、ディスプレイのリフレッシュレートが画質・プレイ効率を大きく左右しますので、ゲームプレイに特化したディスプレイを購入する必要があります。
リフレッシュレートは、1秒間にどのぐらいの回数画面を書き換えることができるのかを表したものです。格安のディスプレイが60Hzという値なのに対して、ゲームに特化したディスプレイは144Hz程度と高い値を誇ります。
値が高くなればなるほど映像はなめらかに表示されるので、ゲームを実況するなら、2~3万円程度のゲーミングディスプレイの購入も検討しましょう。また、ゲーム実況を行う場合、アバターの動きや配信ソフトの操作を行うためのディスプレイと、ゲーム画面を表示するディスプレイを分けると便利なため、ディスプレイを2台用意することをおすすめします。
マイク
VTuberとして活動する場合、どんな動画を撮影するかに応じたマイクを選ぶ必要があります。以下の表にマイクの種類や特徴、用途をまとめました。
名称 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|
単一指向性マイク | 正面からの集音に特化 | 歌ってみた、ゲーム実況など |
ヘッドセット ピンマイク 全指向性(無指向性)マイク |
周囲の音を均等に拾う | 踊ってみたなど |
指向性以外にも、マイクは2種類に分けられます。
- 電源を必要とせず丈夫で扱いやすいダイナミックマイク
- 高い感度で幅広い周波数の音を拾えるコンデンサーマイク
ダイナミックマイクはノイズが入りにくい反面、音質ではダイナミックマイクに劣ります。ダイナミックマイクは、クリアな音質で収録できる反面、ノイズが入りやすいというデメリットもあります。
それぞれのマイクの特性を理解したうえで、1万円前後で販売されているものを選ぶとよいでしょう。
WEBカメラ
WEBカメラは、自分の頭や手などの動きを3Dモデルに反映させるために必要な機材です。
動きをトレースするだけならハイスペックなカメラは必要ありませんが、商品の紹介動画撮影なども想定するなら、それなりのスペックのWEBカメラを購入しておくと用途の幅が広がります。
WEBカメラを選ぶ際は、映像の美しさ決める解像度と、1秒間の映像を何枚の静止画で表現しているかを表すフレームレートをチェックしましょう。広い用途での使用を考えるなら、解像度は1,920×1,080、フレームレートは30fps以上のものを選ぶとよいでしょう。
動画編集ソフト購入費
あまり予算をかけられない場合は、無料ソフトAviUtlがおすすめです。ただし、機能拡張にはプラグインと呼ばれるツールをダウンロードして導入しなければならないため、初心者には少しハードルが高く感じられるかもしれません。
有償のソフトにはなりますが、VideoStudioやPowerDirectorは多機能かつマニュアルなども充実しているため、初心者にもおすすめです。価格はどちらも1万円程度です。なお、バージョンによって使える機能に違いがあるので、どんな機能が必要かチェックしてから購入するバージョンを決めましょう。
多くのVTuberが使用しているPremiere Proは買い切りではなく、ソフトを提供しているAdobeのCreative Cloudというサブスクリプションサービスに加入することで使用できます。動画内で使用する画像の編集に必要なPhotoshopなどのソフトを含めたCreative Cloudコンプリートプランに加入するには、毎月5,680円から8,980円程度の費用がかかります。
制作依頼した場合の費用
専門の制作会社にアバターのイラストデザインや3Dモデルの作成などを依頼する場合、アバターの作成だけでも30万円から100万円程度の費用がかかることが一般的です。
また、運営や収録、動画の編集なども依頼した場合は、最低でも毎月50万円程度の予算が必要です。50万円程度の予算で月に何本の動画を撮影してもらえるかは、制作会社によってさまざまですが、コンサルタント費用が含まれている場合は、撮影する動画の内容についてもアドバイスをもらえるので、予算があるならプロの手を借りるのもよいでしょう。
予算はないけれど、プロの手を借りてVTuberとして活動したいのであれば、VTuberをプロデュースする企業のオーディションに参加してみるのも一手です。オーディションに合格すれば企業にアバターを提供してもらえます。
まとめ
VTuberになるために必要な費用は、活動の内容によってさまざまです。スマートフォンを使って予算をかけずにはじめる方法もありますし、数十万円の予算をかけてイラストや3Dモデルの作成を企業に依頼する方法もあります。ご自身の予算と想定する活動内容にあわせて最適なプランを選択しましょう。