目指せ脱初心者!PCパーツごとの役割を知ってスペックを読み解こう 【マザーボード編】
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CPUなど他のPCパーツはすべてマザーボードに乗せて使う
- マザーボードは数十センチ四方の基盤
マザーボードは数十センチ四方の「板」のようなもので、PCパーツの中ではちょっと地味な存在ながら、縁の下の力持ちのような存在です。マザーボードのマザーは「母親(Mother)」という意味です。まさにマザーボードは自作PCにとって、母親のように各パーツを束ねる存在なのです。
- CPU、メモリ、グラフィックボード、SSDなどのパーツはすべてマザーボードでつながっている
CPU・グラフィックボード・メモリなど全てのPCパーツは、マザーボードを通してつながっています。CPUやメモリが直接データをやり取りすることはありません。すべてマザーボードの回路を通してデータがやり取りされます。
また各パーツへ直接電力を供給するのもマザーボードの役割の1つです。電源パーツからマザーボードへ電力が供給され、それをCPU、メモリ、グラフィックボード、HDD/SSDに振り分けています。
マザーボードのスペックを読み解く上で重要な2つの知識
マザーボードのスペックにおいてもっとも重要なのは「CPUソケット規格」です。自作PCを組む際にここを間違えてしまうと、CPUかマザーボードを買い直すはめになってしまうので、しっかり理解しておきましょう。
- CPUソケット規格
CPUソケット規格は、CPUとマザーボードをつなぐ接続箇所の規格のことです。Intel/AMDというCPUメーカーごとに異なる規格を用いているので、IntelのCPUにAMD向けのマザーボードは使えませんし、その逆も同様です。自作PCを組む際にはまずCPUを決めて、そのCPUに合うソケット形状を採用したマザーボードを選ぶようにしましょう。
・IntelのCPUソケット規格
LGA1151v2(現行)、LGA1151、LGA2066、LGA1150など
・AMDのCPUソケット規格
Socket AM4(現行)など
現在のIntelのCPUソケット規格は「LGA1151v2」です。前世代の「LGA1151」とソケット形状は同じですが、互換性はないので注意が必要です。
- マザーボードのサイズ規格
マザーボードは各メーカーが自由なサイズで作っているわけではなく、いくつかの物理的なサイズ規格が存在します。自作PCで主流となっているのは以下の3種類で、特にATXとMicroATXが売れ筋となっています。
・ATX(305mm×244mm)
拡張性が高くゲーミングPCやオーバークロックに向いている
・MicroATX(244mm×244mm)
一般的なPC向け
・Mini-ITX(170mm×170mm)
小型のPC向け
マザーボードのサイズとPCケースのサイズは合わせなければいけません。Mini-ITX用のPCケースに、それより大きいATXのマザーボードは設置することができません。ATXのマザーボードは拡張性が高く、後からさまざまなPCパーツを追加で載せるのに適しています。ただ、そのぶんPCケースが大きくなってしまうため、トータルの費用は少し高くなります。MicroATXでも一般用途としては十分な拡張性を持っていますが、オーバークロックやハイエンドグラフィックボードを使うような場合は、ATXにしておいた方が無難かもしれません。
マザーボードの拡張性/インターフェイスに関わるスペック
- PCI-Expressスロット
PCI-Expressは拡張スロットと呼ばれることもあり、マザーボードに備わっていない機能を追加する際に使われます。映像を出力するグラフィックボード向けに使われるのが一般的ですが、最近は高速なSSD接続規格である「M.2」を接続する用途としてもよく使われるようになってきました。
PCI-Expressには以下のようにいくつかの種類があります。
・PCI Express x16(グラフィックボードなどを接続する重要な規格)
・PCI Express x8
・PCI Express x4
・PCI Express x1
このうちもっとも重要なのは「PCI Express x16」です。グラフィックボードやM.2など、現代的な拡張用途にはほぼこのスロットが使われます。そのためPCI Express x16のスロットがいくつあるのかは、マザーボードの拡張性を表す大事なスペックとなります。もし将来的にグラフィックボードを複数使って画質を向上させたいなら、PCI Express x16スロットが2つあるマザーボードを選んでおきましょう。
- 映像出力端子(HDMIなど)
グラフィックボードを搭載せずCPUの内蔵グラフィックスを使用するなら、マザーボードの映像出力端子の種類にも注意してください。使っているPCモニターと同じ規格の映像出力端子が、マザーボードのインターフェイスに備わっている必要があるからです。現在よく使われている規格は以下の通り。
・HDMI
・DisplayPort
・VGA
・DVI
- メモリスロット数
RAMメモリを何枚装着できるかを表したスペックです。一般ユーザー向けのマザーボードでは大半が「4」で、Mini-ITXなど小さめのマザーボード規格では「2」が一般的です。
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マザーボードはまさにPCの母!すべてのパーツが接続される縁の下の力持ち
マザーボードの基本スペックの解説と選び方について紹介してきました。マザーボードは地味な存在ではありますが、他のPCパーツ選びに大きな影響を与えます。慎重に選ぶようにしましょう。
CPUやSSDは「速い」「大容量」という高スペックの基準があるのに対して、マザーボードは「拡張性の高さ」が高スペックの基準となります。例えばグラフィックボードをつなぐPCI Express x16のようなスロットは、1つよりも2つの方が拡張性が高くなります。2つあればグラフィックボードを2つ搭載したり、グラフィックボードに加えてM.2のSSDをつないだりといったことが自由にできるわけです。PCI Express x16が1スロットしかないマザーボードだと、このような拡張性は得られません。
今の自分には必要がなくても、後々のことを考えて拡張性の高いマザーボードを選んでおくと後悔することがないでしょう!