「電源」にまつわる自作PCの基礎知識と選び方
>> 関連記事 :「はじめて自作」第30回 これさえ見ておけばお店でも安心!初めての自作で知っておくべきパーツのポイント – 電源ユニット編
電源ユニットの心得
さっそく、電源ユニットを選ぶうえでの基本的な考え方を見ていきましょう。
電源ユニットにはお金をかけろ
電源ユニットはケチるべきか、それともお金をかけるべきかと聞かれれば、答えはズバリ「お金をかけろ!」です。なぜかというと電源というのはPCの動力源、つまり命だからです。
弱い電源ユニットを選んでしまった場合、被害は電源ユニットだけにとどまりません。電源ユニットが壊れると周囲のパーツもダメージを受けます。数十万のシステムが吹っ飛ぶなんて悲劇を避けるためにも、電源ユニットはお金をかけましょう。また、電源が不足していると、PCが安定動作しません。電源ユニットをケチったばかりに処理が遅くなってしまって快適にPCを利用できないのでは本末転倒でしょう。
こうした理由から電源ユニットはケチってはいけない、が鉄則になります。
電源ユニットには寿命がある
電源ユニットは負荷が高くなれば熱を持ちます。高熱になると内部のコンデンサの寿命は短くなるので、容量に余裕をもたせることがポイントです。なるべく長く安定してPCを使うためにも電源ユニットにはしっかりお金をかけたいところです。
電源容量はどうやって考えれば良い?
では、どうやって電源ユニットを選べばよいのでしょうか。
必要容量プラスαで考える
電源ユニットを選ぶ際は必要な容量プラスαで選ぶのがセオリーとなります。目安としては想定する最大消費電力の2倍あれば問題ないでしょう。必要最低限の容量しか持たない電源では、常にフルパワーで稼働してしまい電源の寿命が短くなります。さらに、将来的に高負荷のパーツを追加しても問題ないようにする、という目的も。
電源変換効率も重要
電源は電力を供給するときに一部をロスします。これが「電源変換効率」です。電源変換効率にはクラスが定義されています。
このように、クラスが上がれば変換効率は高くなり、ロスが少なくなります。たとえば、800W電源でSTANDARDを使うと最大でも640Wしか供給されませんが、TITANIUMを使えば720W供給される、というわけです。
電源ユニットを選ぶ際には容量だけでなくクラスもチェックしましょう。
必要な電源容量の計算方法
では、どうやって必要電源容量を計算すればよいでしょうか。実際に計算してみましょう。
実際に計算してみよう
必要電源容量を計算するには、以下のパーツの消費電力を計算しましょう。
- CPU
- メモリ
- HDD(SSD)
- ビデオカード
- DVD/BD
- FAN
たとえば、以下の構成の場合
見ていただくとわかるように、一番電力を消費するのはCPUとビデオカードです。これらは高性能であればあるほど電力を消費します。
今回の構成の場合は最低でも640Wの電力ユニットが必要という計算になります。将来的に拡張するのであればさらに上の容量を選んだほうが安心でしょう。
>> 関連記事 :ゲームの中で自作PCが組める?自作初心者もおすすめ PC Building Simulator「チュートリアル(電源ユニット)編」
電源ユニット選びは慎重に
何度もいいますが、電源はPCの心臓部です。ケチらずにお金をかけましょう。必要な電力容量は計算可能で、計算結果の倍の容量を考えておけば安定動作を期待できます。後でがっかりしないように、慎重に選んでくださいね。