おっさんVTuberの種類と人気配信者~VTuberになるための方法も紹介!
VTuberならおっさんも美少女に
VTuberとは、キャラクターのアバターを使い、架空の人物を演じながらYouTuberとして活動している配信者のことです。世界初のバーチャルYouTuberを自称するキズナアイが広めた言葉ともいわれており、多くのVTuberはキズナアイと同様に美少女のアバターを使って活動しています。
演者(中の人)は女性であることがほとんどです。しかし、ボイスチェンジャーや音声合成ソフトを使い、男性が女性のアバターを演じていることもあります。このように、ボイスチェンジャーなどの力を借りれば、中年男性であっても美少女として活動できるのがVTuberの魅力です。
おっさんVTuberの種類
「おっさんVTuber」と呼ばれるVTuberには、下記のような種類があります。
- おっさんの3Dモデルを使うVTuber
- 中年男性が美少女3Dモデルを使うVTuber
- 性格・発言がおっさんキャラのVTuber
おっさんの3Dモデルを使うVTuber
これまで美少女アバターばかりだったVTuber業界に新たな旋風を巻き起こしたのが、中年男性のアバターを使った「田中のおっさん」というVTuberです。
小太りな中年男性のアバターを使い、特徴的な東北弁でゲーム実況をする姿が話題を呼び、その後、中年男性のアバターを使ったVTuberが続くきっかけとなりました。
中年男性のアバターを使ったVTuberはまだまだ少ないため見た目のインパクトだけでも話題を集めやすく、中年男性ならではの経験に基づいた含蓄のあるトークでコアなファンを集めています。
田中のおっさん
画像引用元:YouTube
「田中のおっさん」は、眼鏡をかけた小太りな外見と東北弁が特徴的なVTuberです。
本名は田中好男、年齢は55歳という設定で、2019年に突如現れゲーム実況をはじめとしたさまざまな動画の投稿を開始しました。現在は動画の更新が止まっている状況ですが、チャンネル登録者数は増え続けています。
ゆるキャラのような見た目と、特徴的な東北弁を生かした優しい語り口が人気の秘訣と言われていますが、視聴者を集めているもうひとつの理由は、中の人がベテラン声優の大塚明夫さんではないかと言われているからです。声が大塚さんに酷似していることはもちろん、田中のおっさんが、大塚さんの代表作のひとつでもあるゲーム『メタルギア』シリーズの小島秀夫監督を「尊敬している」と語ったことで確定的な情報となりました。
現在、動画の更新は止まっていますが、2020年8月現在、チャンネル登録者数14万1,000人と男性アバターのVTuberの中ではトップクラスの数字を誇ります。
懲役太郎
画像引用元:YouTube
「懲役太郎」は、白と黒の囚人服に丸坊主という出で立ちのおっさんVTuberです。
刑務所に服役中の身でありながら、職業訓練の一環としてYouTubeで動画の配信をしているという設定で、反社会勢力が引き起こした実際の事件やニュースなどについて解説する動画を配信しています。
中の人についての詳細な情報は明かされていませんが、ニュースの解説動画などから事情通であることは間違いないようです。実際に服役経験のある実業家の堀江貴文さんは「経験していないと話せない内容だ」と、懲役太郎のトークを評価しています。
2020年8月現在のチャンネル登録者数は18万9,000人。それまでVTuberに興味をもっていなかった中年男性からも支持されています。
中年男性が美少女3Dモデルを使うVTuber
2017年11月に活動を開始した「バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん」は、中年男性が美少女アバターを使って活動するVTuberの草分け的な存在です。
彼女(彼)は、ボイスチェンジャーや音声合成ソフトを使うことなく、男性の声で美少女を演じていたことから大きな話題となり、一時はキズナアイ、輝夜月、ミライアカリ、電脳少女シロらとともに”バーチャルYouTuber四天王”と呼ばれていました。
現在は、ボイスチェンジャーや合成音声ソフトを使って美少女アバターを演じるおっさんVTuberが人気を集めており、中の人が中年男性だとわかっていても視聴者は美少女として接するなど、ある種の”お約束”文化も根付いています。
のらきゃっと
画像引用元:YouTube
「のらきゃっと」は、合成音声でトークする美少女アバターのVTuberです。
合成した音声を使っているため、厳密な意味では「中の人」とは言えませんが、音声の制作やキャラクターを動かしているという意味での中の人は、ノラネコPという男性です。生放送中に機材のトラブルによって本人の顔が映ってしまったことで、大きな話題を集めました。
デビューは2017年末と”バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん”とほぼ同時期であり、この分野を切り開いたもう一人の立役者でもあります。
2020年8月現在、チャンネル登録者数は8万9,000人とコアなファンから長い間、支持され続けています。
日雇礼子
画像引用元:YouTube
「日雇礼子」は、作業着を着た美少女アバターのVTuberです。
日雇い労働者が集まる大阪府西成区のあいりん地区を拠点に活動しており、同地区の街並みやグルメ、”ドヤ”と呼ばれる簡易宿泊所の紹介動画などを投稿しています。
普段は音声合成ソフトを使用した動画を投稿していますが、ライブ配信を行う際はボイスチェンジャーを使って中の人が直接トークするスタイルをとっています。演者は30代後半の男性だと言われており、日雇い労働者のリアルな実情を解説していることから、ネットのニュースメディアにも取り上げられました。
最近は、新たに礼子に仕事を斡旋している手配師という設定の夜問真肖という美少女アバターも登場。合成音声を使った2人の掛け合いであいりん地区を紹介する動画が配信されています。
2020年8月現在のチャンネル登録者数は5万9,000人ほどですが、動画を38本しか投稿していないことを考慮すると、かなりのチャンネル登録者数といえます。
性格・発言がおっさんキャラのVTuber
最近では、女性が演じる女性アバターのVTuberでありながら、おっさんのような性格や発言をすることで支持されるVTuberの活躍も目立つようになってきました。
アイドルのような言動で人気を集めるVTuberが数多く存在する中、彼女たちの自由奔放な発言や、中年男性が共感できるようなお酒や大人の恋愛関係に関する動画をアップし、新たなジャンルを開拓しつつあります。
郡道美玲
画像引用元:YouTube
「郡道美玲」は、『いちから株式会社』が運営するVTuberのグループ『にじさんじ』に所属するのVTuberです。
Sっ気あふれる男子校の女性教師で、酒とつまみを愛しているという設定で活動しています。美人教師のアバターで、年上キャラが好きなファンから支持を集める一方で、セクシー女優の話題や大人の恋愛に関する話題など、まるでおっさんのような自由奔放なトークが一部のファンに愛されています。
演者(中の人)も設定通りのお酒好きで、お酒の飲みすぎで酔っぱらってケガをして肋骨を折るなど、普段の行動もかなり破天荒なようです。魅惑的な女性VTuberでありながら、裏表のない言動で女性ファンからも支持されています。
2020年8月現在のチャンネル登録者数は、25万7,000人とトップレベルで、その支持層の厚さを伺わせます。
今酒ハクノ
画像引用元:YouTube
「今酒ハクノ」は、ウェーブのかかったロングヘアーと緑のタンクトップ姿が印象的なVTuberです。
酒クズ系VTuberを自称しており、お酒やつまみのレビュー動画を中心に投稿しています。アルコール度数の高いお酒を豪快に飲み干す様子とハスキーなボイスから、当初、「中の人は中年男性ではないか?」と噂されていました。しかし、その後、本人が公開したAmazonのほしいものリストに演者の本名と思われる女性の名前が記載されていたことと、本人も女性である旨の動画を配信したことから、現在は演者も女性であると認知されています。
2020年8月現在のチャンネル登録者数は5万4,800人です。お酒の紹介動画のほかにも、映画のレビューやゲーム実況も配信しており、勢いを増しているVTuberのひとりです。
VTuberになるための方法
VTuberとしてデビューするためには、以下の工程を踏む必要があります。
1. 3Dモデル(アバター)を作る
2. 動画を撮影する
3. 動画を編集する
アバターの作成や動画の撮影・編集などは一見、難しそうに見えますが、簡単なトーク動画をライブ配信するだけならスマートフォンのみで活動をはじめることもできます。
あらかじめ用意されたパーツを選ぶだけで簡単にアバターを作れるアプリを利用すれば、難しい操作を行うことなく配信をスタートできますし、スマートフォン向けの無料で使える動画編集アプリを使えば、動画を録画して簡単な編集も行えます。
しかし、スマートフォンではPS4やNintendo Switchなどのゲーム機を使ったゲーム実況動画を撮影できないほか、アバターも用意されたパーツを組み合わせて作るだけなのでオリジナリティを出せません。できれば、パソコンを使ったより自由度の高い動画撮影にチャレンジしてみてもよいでしょう。
3Dモデル(アバター)を作る
パソコンを使う場合、まずはアバターを用意する必要があります。自分でイラストを描くことができるのであれば、アバターにしたいキャラクターの正面、側面、背面のイラストを用意して、Blenderなどの無料で使えるモデリングソフトで3Dモデルを作成しましょう。
イラストを描くのが難しい場合は、セシル変身アプリやVカツといったパーツを組み合わせてアバターを作れる無料のパソコンソフトを活用しましょう。
動画を撮影する
VTuberとして動画を撮影するには、以下の機材が必要です。
- パソコン
- ヘッドセット
- マイク
- WEBカメラ
- トラッキングソフト
- 録画ソフト
上記の中でも、WEBカメラを通して自分の動きをアバターに反映するための「3tenePRO V2」や「FaceRig」などのトラッキングソフトが必要です。どちらも有償のソフトですが、2,000円程で購入できます。
録画ソフトは今後ライブ配信も行うことを想定して、配信にも使える「OBS Studio」を導入するとよいでしょう。ライブ配信向けのソフトですが、録画機能もありアバターと背景画像の合成なども簡単に行えます。
これらの機材のほか、ゲーム実況を行う場合はゲーム機とパソコンを接続するためのキャプチャーボードも必要です。
動画を編集する
動画編集ソフトを使えば、テレビのバラエティ番組のようにテロップを入れたり、盛り上がりに欠けるシーンをカットしたりと、見やすい動画を作れます。
何も編集せずにゲーム実況動画をアップしているYouTuberもいますが、そういった動画をアップしていると視聴者に「やる気のない実況者」とみなされ、低評価が多くついてしまうこともあります。工夫を凝らして編集しましょう。
動画編集ソフトには、さまざまなものがリリースされていますが、予算が少ない場合は、無料で使えるAviUtlがおすすめです。また、多くのVTuberが使用しているPremiere Proも使い勝手のよいソフトです
まとめ
2017年末に”バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん”が登場して以来、常に一定の人気を保ち続けてきたおっさんVTuberですが、VTuberの増加と多様化により、再び注目を集めています。ひそかなブームが巻き起こりつつある今こそ、おっさんVTuberとしてデビューしてみてはいかがでしょうか。