静音PCのメリットとは~自作なら思い通りのPCができる!
静音PCとは
静音PCとは、動作音の原因になる冷却ファンの代わりに液体を使った水冷式CPUクーラーを導入したり、静音性に優れた遮音ケースを採用したりすることで、動作音を極力抑えたPCのことです。
水冷クーラーの他にも、回転音を抑えた静音タイプの空冷ファンの採用や、仕様上どうしても駆動音が発生するHDDの代わりに駆動音が発生しないSSDを搭載するなど、さまざまな工夫が凝らされています。
静音PCのメリット
静音PCにはさまざまなメリットがあります。
- オンライン会議に集中できる
- リビングに置いても生活の邪魔にならない
- 静かなオフィス環境を実現できる
- 競技性の高いゲームで高得点を狙える
オンライン会議に集中できる
オンライン会議の際、PCの動作音がうるさいという声はよく聞かれるものです。会議そのものを録画しておくことで解決できる場合もありますが、会議の内容を受けて、すぐに作業をしなくてはならない場合などで、重要な伝達事項を聞き逃してしまうと作業に取り掛かることもできません。
快適なリモートワーク環境の構築には、静音PCの導入は効果的な手段となります。
リビングに置いても生活の邪魔にならない
映画やドラマを視聴するためにPCをリビングに置いている場合、動作音が気になることもあるでしょう。映画を見る時に動作音がうるさいと集中して作品を見ることができませんし、家族団らんの時間も、動作音が会話の邪魔になってしまうかもしれません。
静音PCであれば、リビングにおいても生活の邪魔になることはないので安心です。
静かなオフィス環境を実現できる
オフィスでは、複数のPCから動作音が発せられるため、思った以上の騒音になります。普段、あまりPCの動作音が気にならない方でも、複数台のPCが同時に稼働している環境に置かれてしまうと話は変わってくるものです。
できるだけ静かで、仕事に集中しやすいオフィス環境の実現にも、複数の静音PCの導入が効果的です。
競技性の高いゲームで高得点を狙える
近年話題のeスポーツなど、競技性の高いPC向けのゲームをプレイするなら静音性の高いPCは必須です。
『フォートナイト』『Apex Legends』などのバトルロイヤル型の対戦シューティングゲームの場合、銃声が聞こえた方向で敵の位置を把握する必要があるので、PCの動作音は不利に直結します。PCの性能はもちろん、静音性にもこだわりましょう。
静音PCのデメリット
メリットの一方、市販の静音PCのデメリットについても見ていきましょう。
- 性能が落ちることがある
- 価格が高め
性能が落ちることがある
PCの動作音でもっとも気になるのはファンの回転音でしょう。
一般的には冷却性能の高いファンほど回転音が大きくなる傾向にあります。そこで市販の静音PCの中には、ファンの冷却性能が多少低くても動作に支障をきたすことのない、発熱量が少ないCPUを採用したモデルがリリースされています。しかし、発熱量の少ないCPUは、搭載されているコア(CPUの頭脳)の数も少なくなる傾向にあり、マルチコアのCPUに比べると性能面で劣ることになります。
低価格の静音PCの場合、静音性と引き換えに性能が抑えられている場合もありますので、購入の際は、搭載されているCPUを必ず確認しましょう。
価格が高め
静音性と性能の両立を考えると、発熱量の大きなマルチコアCPUを採用しつつ、冷却性能の高い水冷式のCPUクーラーを採用したり、ケースに遮音材を貼り付けた特殊な静音ケースを用いたりと、さまざまな工夫を凝らす必要があります。
しかし、水冷式のCPUクーラーは、冷却用の液体を循環させてCPUを冷やすという複雑な構造のため、単純な空冷式のファンと比べるとどうしても高価になりがちです。遮音材を貼ったケースも、通常のケースと比べれば高価になってしまいます。
例えば静音PCの中でも高い性能と静音性を両立したことで、人気を集めているサイコムの「Silent-Master NEO B550A」が15万円程度の実売価格なのに対し、CPUにAMD Ryzen 5 3600を搭載し、グラフィックボードにGeForce GTX 1660を採用した、ほぼ同程度の性能を有するTSUKUMOの「G-GEAR GA5A-G194/XT」は12万程度の実売価格と、約3万円の差が生まれます。
静音PCなら自作がおすすめ
市販の静音PCでは満足できないようなら、自作するという手もあります。静音PCの自作によって、さまざまなメリットを得られるからです。
- 市販の静音PCより静かなマシンを構築できる
- 細かいカスタマイズ・こだわりの反映が可能
- 市販の静音PCより安く構築できる
自作のメリットは何といっても価格を考慮しながら、自分の判断で静音性と性能のバランスをとれることです。予算と相談しつつ、どのパーツにこだわって自作するか考えながら、ご自身にとって最適なPCを組み上げてみましょう。
市販の静音PCより静かなマシンを構築できる
予算を気にしなければ、水冷式のCPUクーラーに、静音性の高いケースファンを搭載し、ストレージはSSDのみ、さらに遮音材を貼ったケースを採用するなど、とことん静音性にこだわったマシンを構築することが可能です。市販の静音PCに搭載されていない、静音性に優れた高価なパーツを組み込むことで、無音に近いPCを組むこともできるので、予算に余裕がある方はぜひチャレンジしてみてください。
細かいカスタマイズ・こだわりの反映が可能
PCを自作するメリットは、自分のこだわりを詰め込めるところです。CPUクーラーやケースファン、ストレージやケースなど、高い静音性を実現するために必要なパーツはもちろん、CPUそのものやメモリ、グラフィックボードなど、ご自身の用途によって、こだわりのカスタマイズが可能です。
例えば、高い静音性とともに、3DCGを使った最新のゲームがプレイできる環境も実現したいと考えるなら、高性能なグラフィックボードを搭載するなど、目的に特化したマシンを構築できます。
他にも、市販の静音PCには搭載されていない、カラフルに発光するケースファンを搭載するなど、PCそのものの見た目にもこだわれます。
市販の静音PCより安く構築できる
自作PCは市販のPCより安価に構築できます。これは静音PCの場合も同様で、例えば15万円程度で市販されている静音性に優れたPCと同等のマシンを構築しようと考えるなら、最安値のショップでパーツを集めれば10万円ほどで組むことも十分可能です。
ただし、それはあくまで理論上の話です。価格を抑えて構築した自作の静音PCが、市販品と同程度の静音性を実現できているのかは、実際に組んでみなくてはわかりません。また、パーツの相性によって組み上がったPCが正常に起動しなかったり、自作中のミスでパーツが破損したりといったトラブルもつきものです。
自作中にパーツを壊してしまった場合などは、あらためてパーツを購入しなければならず、市販の静音PCを購入するよりも高くなってしまう場合もあるので注意しましょう。
まとめ
静音PCにはさまざまなメリットがあり、テレワークの広がりも後押しして需要はますます拡大しています。通常のPCと比べ、静音PCはどうしても高価になりがちですが、自作も頭に入れたうえで予算と相談しつつ、静音PCの導入を検討してください。