こんなPCみたことない!? カリスマDIYerがカスタムPCを自作してみた。
そもそもこの企画、“#お前らのpcデスク周り晒していけ”のタグや記事をめぐっていて思いついたもの。みなさんホントに部屋とPCのデザインをうまくマッチさせたり、イルミネーションを使ったりして、ステキな作業部屋を作っていますよね!実際、これをプロのインテリアDIYerにお願いしたらどんなPCができるのかな?と思って実践してみちゃったのです!
しかしながら、果たしてこんなざっくりとした難題、しかもインテリアだけでなくPCを、というお願いを、実際に「やります!」といってくれる方はいらっしゃるのでしょうか……。ドキドキしながらあらゆるDIYサイトをめぐりつつコネクションしたところ……。
快く承諾して頂いたのが、DIYerのSWAROさんです。部屋も作れる!家具も作れる!そして!美人!さっそくお会いしての企画会議をとりつけたのです。
今回の企画を承諾いただいたSWAROさん。美人!
SWAROさんは、インテリアや空間デザインからスタイリング、写真など、幅広く活動されているDIYerさんです!
SWAROさんのインスタグラムはこちら
そんなSWAROさんには、企画会議の前にコンセプトをお伝えしていました。そして、SWAROさんから出てきたPCのデザインがこちらになります!
完成イメージだけではなく、SWAROさんのコンセプトも込められたデザイン
なんとデスクとPCが一体化しています!そして昨今のPCパーツのトレンド「光る」を申し分なく採用しています。デスクと周辺機器に白を採用していて、おしゃれさを演出しつつ、むき出しのパーツが近未来感を演出しています。これ、夜に光らせて作業したら要塞で指示出してる感じがして滾りそうなやつですね!
そしてデザインが決まると、すぐに設計図が出てきました!
デスクのサイズや必要な木材が事細かにかかれています。やはり、スペックとサイズはインテリアもPCも重要ですね!PCも、普段使いはもちろん、クリエイティブな作業やゲームにも申し分ないスペックの構成をチョイス。が、譲れないポイントとして、近未来感を演出するための本格水冷CPUクーラーと、イルミネーション設定に対応したパーツ類をチョイス!
企画会議では、このデザインのPCとデスクが実現可能かどうかの確認と、細かい部分の最終調整、設計図の最後の仕上げなどを行いました。
企画会議中のSWAROさん
最終的な設計図を仕上げてもらいます
仕様が決まったら、さぁお買い物です!インテリアの部材は東急ハンズ渋谷店で、PCのパーツは秋葉原で揃えます。
今回のデスクは木製です。PCパーツと同じく、選ぶ基準などはあるのでしょうか?
「木の反りとか、加工のしやすさ、耐水性とかですね。木材のカットはお店でしていただいた方が、ズレがなくて安心ですよ♪」
なるほど。確かに木によっては密度が高くて重かったりするものもあるし、表面がツルツルしたもの、ガサガサしたものなどがあります。見合った素材を選ぶことが大切なんですね!PCパーツを取り付けるためのアクリル板、そして、装飾と支えをなすパイプなどのパーツ、そしてデスクを白にするためのペンキなども選んでいきます。次に秋葉原に移動して、パーツ類を購入していきます。デスクの色が白なので、モニタ以外の周辺機器は白をベースに、そしてパーツは光るものをベースに選定していきます。そして、PCデスク晒しにもよくある、環境演出のための”間接照明”を実現するために、LEDテープも今回は特別に投入しました!
秋葉原に到着したSWAROさん
材料が揃ったら、いよいよSWAROさんのアトリエにお邪魔してデスクもPCも組み立てを行います!!
SWAROさんのお宅のネコちゃん!かんわいい!
ね こ !
部屋も!インテリアも!そして、美人だし、猫!もう神様たくさんありがとう!猫ちゃんもまた、インテリアやPCに欠かせないところがありますよね!(作業は邪魔してくれちゃいますけど)
早速準備をして、組み立てていきましょう!
作業部屋のわきに並べられた木材、よく見るとマスキングテープの上に数字や文字が書いてあります。これは、どの木材が、デスクのどの部分にあたるかが設計図と対比できるように書かれているのですね!しかも、サイズが違うとはいえ、木材は見た目が同じです。間違えないためにも、組み立て前の仕分けは大切なんですね!
デスクの足を作っている様子。前足部分は天板の箱に固定、後ろ足は、そのまま上にまっすぐのび、壁掛けになるパーツとモニタを支える支柱も兼ねます。前足と後ろ足は、天板と床のちょうど真ん中あたりで、木材をつかって連結します。そしてこの木材は、棚を固定するための役割もするんですね!
カットした木材を組み手立てたら、完成形に近づいてきました!なんとここまで1時間半…SWAROさん、はやすぎてすごい‥‥。
組みあがったデスクの木目にどんどん、白のペンキを塗りこんでいくSWAROさん。
つるっとした感じに仕上がってきていますが、これって木の種類などによっても変わってくるのでしょうか?
「種類によってかなり変わってきますよ!杉などはガサガサした感じになって、ヴィンテージ風になります。加工された木材だと、このようにつるっとした仕上げになりますね!」
なるほど…。素材も仕上がりの命ということなのですね。また、ペンキの種類によって重ね塗りも必要ですが、今回は2回塗りでいきます!とのことでした。お天気も良いのですぐ乾きそうです。
だいぶはしょってしまいましたが、これでデスクが完成です!ここまでの所要時間、約3時間足らず!トラブルもなく思ったよりもかなり早く完成しました!「お、新しいものがあるぞ?」と、猫もすかさず上ります。
(SWAROさんのデスク制作の様子を本当はもっとお伝えしたかったのですが、「SWAROさんデスクDIY編」の別記事にしましたので、詳しく読みたい方は コチラ! )
「お、新しいものがあるぞ?」と、猫もすかさず上ります。
この完成したデスクに、PCパーツを取り付けていきます!設計図通りの仕上がりになるのか楽しみです!
スペーサーをもくもくと取り付けます
まずは、マザーボードを取り付けます。一番最初の取り付けにして大物ですね!スペーサーの上にマザーボードをそっと置いて、その上からねじ止めしていきます。
マザーボードの上からねじ止めしていきます
さすが!手際のよいSWAROさん
次に、メモリとSSD(M.2)を取り付けます。メモリの取り付けの際「割れちゃわないかしら……」と心配そうなSWAROさん。初めての人が、強く押すとボードが割れそう!と思っちゃうのはやはり共通みたいですね!大丈夫です。パーツは頑丈なのでそのままぐっと、メモリの両端を押してください!
メモリを取り付けます
両側のレバーがメモリを固定するまで上から押しましょう
マザーボードを取り付けた状態
マザーボード部分が完了したら、次はケースファンと、水冷CPUクーラー用のラジエーターを取り付けます。今回、ケースファンは完全に”イルミネーション”としての働きです。アクリル板の両側に3つずつ取り付けたこのファンが、どのような光の演出を行うか、今からとても楽しみです!
ファンとラジエーターを取り付けます
どんどんPCらしくなっていくアクリル板
そして、アクリル板を固定するための穴を支柱に開けます。パーツの重みを支えるため、太めのボルトとナットを使用します。穴を開けるのも大変!
支柱の一番高いところに穴を開けるSWAROさん
けっこう分厚いので、力が要ります
いよいよ、この段階でPCパーツ部分を壁掛けにします。ひとりではできない作業なので、前からスタッフがアクリル板を支えながら、SWAROさんが裏からボルトを止めていきます。
スパナを使ってぐるぐると固定していきます
なかなかに力のいる作業です!
じゃん!これが壁掛けになった状態です!
これだけでもかなり圧倒されますね!
次に、電源ケーブルやグラフィックカードのケーブル(今回は壁掛けにするため、ライザーカードを使用しました)、ファン類のケーブルを接続していきます。「配線が苦手~」とSWAROさん。組み立てるのと配線はまた別問題なんでしょうか?けれども、手際よく差し込んでいきます。
マザーボードの電源ケーブルを差し込みます
マザーボードとグラフィックカードはライザーカードで接続!
さて、いよいよ今回の構成の大御所、本格水冷CPUクーラーの設置と接続、そして冷却液注入のパートになりました。とにかく、今回の究極のPCのデザインの際、”色”にこだわっていたSWAROさん。SWAROさんの思う”緑でもない、青でもない、けど、青緑”というカラーを出すため、SWAROさんに2色の冷却液をブレンドしてもらいます。めちゃめちゃ楽しみらしく、笑顔のSWAROさん。透明の豆皿に入れて色のテストです。
色のブレンド。楽しそうです!
思った色になって嬉しそうなSWAROさん
冷却水を作ったら、今度はタンクをアクリル板に固定し、冷却水を循環させるパイプをつないでいきます。少しでも隙間があると、水浸しになってしまう気の抜けない作業です。慎重に、かつ隙間なく差し込んでいきます。
パイプをタンクやパーツに差し込んでいきます
リングで固定するのも忘れずに!
これで、PCパーツが全てアクリル板に取り付けられました!
圧倒!
そしていよいよ冷却液の注入です!どんな色になるだろう……とドキドキしながら、タンクに入れていきます。「見た感じ完全にイメージの色なんだけど、光らせるとどうかな……?」とSWAROさんも期待している様子。完成が近づいていますね!
期待の眼差しで冷却水を見つめるSWAROさん
作業も大詰めになってまいりました!モニタの取り付けです。壁掛けにするための金具を取り付けるため、、デスクの壁部分に穴を開けます。必要なこととはいえ、まっさらなデスクに穴をあけるのはちょっと勇気がいりますね。
壁に穴を開けます
モニタを固定します
そして最後の仕上げ!デスクへのLEDテープの取り付けです。間接照明のような仕上がりにするため、デスクの背面の四方、PCパーツのアクリル板とモニタの壁の裏側を囲むようにテープを貼り付けます。LEDテープにはあらかじめ、粘着テープがくっついているので、貼り付けるときは”はく離紙”をはがすだけなのが手軽ですね!他のケーブルを巻き込まないよう、デスクの裏面にまっすぐに張り付けていきます
上から下に貼っていきます
他のパーツのケーブルを巻き込まないように注意!
これでデスクとPCパーツ部分を一体化する作業は完了です!いやはや……これだけでも十分すごくないですか?何もしていない状態でこれだから、実際に光るとものすごいことになりそう…。
SWAROさんのご自宅のインテリアにも完全にフィット!
最後に起動チェックとOSのインストール、そしてイルミネーションのカラー設定です。壁掛けだけに、少々通常のPCと異なった取り付けで、起動するかどうかかなり不安でしたが、無事起動!OSのインストールも順調にすすんでいきます。初期設定のライトアップ色でも十分インパクトがありましたが……、最終形態は「ピンクの間接照明と、青緑に発光するパーツ」なので、それをめざしてSWAROさんと調整していきます。
そして、全体のカラー調整が終わり、いよいよ点灯式です。起動していない状態でも十分に存在感のあったPCですが……
3・2・1……0!の掛け声で点灯!完成したPCがこれになります!
完成したのがこのPC!まさに最初のデザインがそのまま!
まさに最初の企画会議で出てきたデザインそのままのPCが、今目の前に現れました!ピンクと青緑のコントラストが近未来感を完全に演出しています。これは、夜作業するとかなりたぎりそうな予感がしますね!SWAROさんも大感激です!
大感激のSWAROさん
明るい状態でも、完全に部屋とマッチしています。明るい状態だと、近未来感を演じていた配色が、逆にやさしさをかもし出しているように見えますね!(私だけ?)ネコとの相性もばっちりです。
これはもう#お前らのpcデスク周り晒していけ で大人気間違いなし!?
ピンクの間接照明をオフにすると、今度はすこしクールなイメージになります。
これはこれでスタイリッシュなイメージですね!
下からみると迫力があります
最後に、SWAROさんと一緒にPCを撮らせていただきました!
SWAROさんの中のイメージが見事に目の前に!工具と一緒に、お疲れ様でした!
初めての試みだったプロのDIYerさんによるインテリアと融合したPCの企画と組み立て……が、SWAROさんのお力添えによって、トラブルもなくスムーズに組み立てられました!究極のPCが完成したところで、今回の一連の企画について、SWAROさんにインタビューさせていただきました。
― 今回の企画を初めて聞いた時どう思いましたか?
まず、「箱をつくるの?」と思っちゃいました。PC=箱、というイメージがあって、中身から組み立てられると知ったときは驚きました。けれど、「”つくる”ことならやりたい!」という強い気持ちがあって、この企画をお受けしました。そして、実際に企画書を頂いた時に、その中に入っていた参考の写真(編集注:PCデスク晒しの写真や海外のインテリアと一体化したPCなどの写真)を見て衝撃を受けました。あ、アート?みたいな。ケースに入っていない”裸のPC”もインパクトがありました。
― そこから、どういう流れで今回の”インテリア一体型PC”が生まれたのでしょうか?
とにかく、私自身が受けたこの衝撃をみなさんに見てもらいたいと思いました!とにかくビジュアルが映える、ということと、みなさんに見てもらう、というところから、PC+デスク→デスク自体にPCを壁掛けで立てて全体が見える、という流れで、壁掛けでかつデスク一体型というPCになりました。色合いも、海外のものは黒ベースが多かったので、あえて差別化をはかるために白ベースにしました。そしてイルミネーションの部分は、ネオンが近未来感をイメージさせるようなものとして自分の中にあったので、その近未来感を出しました。ピンクと青緑という反対色で、視界に入ったときにインパクトも与えられます。
― 今回の企画に限らず、SWAROさんの中にどうやってデザインのイメージが沸いてくるのでしょうか?
依頼があった時点で、頭の中の引き出しからアイデアをいろいろ取り出して、そこに自分の色を加えながらイメージを作っていきます。イメージが出来たらばばっ!と紙などにアウトプットして、そこから煮詰めていきます。自分の中にあるものを形にしていく感じですね!アイデアのために、いろんなものを見ました。今回のPCのデザインも、テーマパークで見たものなどからヒントを得ています。
今回の企画も、最初から「わくわくした」とSWAROさん。PCの組み立てが、これまでの自分の世界になかったので、新しい世界の気づきになったとのことです。編集部の中でも、究極のPC、とはいっても、いったいどんな姿なのか……から始まった企画ですが、SWAROさんのもつイメージから、見事に具現化されました。
とにかく、モノを見ること、形にすること、自己表現をすることが大好きなSWAROさん。これからもステキな作品をいろいろと生み出して、いろいろな人を楽しませてほしいです!
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