自作PCの使用年数(寿命)って?買い替え時を見逃さない心得を紹介!
目次
自作PCの使用年数はどれくらい?まずは寿命を見てみよう
まずは自作PCの使用年数を把握しましょう。今回は寿命に注目して解説します。全体的な寿命はもちろん、OSとパーツの平均的な寿命も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
パソコンの寿命は5年ぐらいだとされている
一般的にパソコンの「寿命」はだいたい5年ぐらいです。5年目以降は故障などが発生しやすくなります。なお自作PCの場合、壊れた部品を交換することで、それ以上利用することも十分可能です。
筆者の場合、2019年から現在のパソコンを利用中。メイン機としてはもう数年ほど使用予定です。1つ前のパソコンはWindows XPからWindows7のサポート期間終了間際までおよそ10年近く利用しました。故障によって処分しましたが、OS交換と修理を行えばサブ機としてはもう少し利用ができたかもしれません。
パーツの寿命は?
パーツの中で最も壊れやすいのが「ストレージ」です。パソコンの心臓部分であり、比較的ハードに働くパーツなので、劣化しやすく寿命もだいたい5年ぐらい。長時間稼働させている場合はもう少し短くなります。
クラッシュしてしまうとデータが取り出せなくなるといったトラブルが発生するので、寿命が近いと感じたら壊れる前に交換しておきましょう。
一方CPUなどのパーツはストレージのように経年劣化はするものの、不具合が起こることは非常に稀。壊れるケースは過失によるものがほとんどです。よって、寿命はストレージよりも長いと考えて差し支えません。
OSの寿命は?
OSの寿命も非常に長いです。仮に不具合などがあった場合でも「サポート」が随時修正してくれるので、長期間利用が可能。ただしそのサポートも10年ぐらいで終了してしまい、それ以降は不具合やセキュリティは更新されず放置状態に。よってOSの寿命はサポートが切れるまで、と考えておきましょう。
【用途別】自作PCの使用年数(寿命)の目安
自作PCの使用年数(寿命)は、厳密には用途にもよって細かく変わります。高性能なゲームをプレイしたいのであれば、CPU/GPUにも相応の性能が求められます。パーツの交換を行うのであれば「買い替え」を行う方が手軽で良いというケースもあるでしょう。
一方、事務作業用途などであれば、端末に高い処理性能は求められません。基本的には使用年数(寿命)も長くなりやすいです。
ゲーミング用途の場合
ゲーミング用途の場合、「プレイしたいゲームの推奨スペックを満たせるか」が自作PCの寿命の1つの目安となります。
引用元:https://jp.finalfantasyxiv.com/benchmark/
一例として「FF14 暁月のフィナーレ」のベンチマーク及び各メーカーの推奨スペックを下記の記事にまとめています。
たとえばツクモは「FF14 暁月のフィナーレ」の構成として「Core i5-11400×GTX1660 SUPER」の組み合わせを、エントリークラス向けに推奨しています。この構成を踏まえると、FF14ではエントリークラスでも6コア以上のCPUが望ましいということになります。では「6コア以上のCPU」はいつから普及し始めたのでしょうか。
2017年頃まで主力だったIntel第7世代までのCore i7シリーズは、4コア8スレッドです。4コア8スレッドは、2020年に登場した第10世代以降のCore i3シリーズと同等レベルです。つまり、わずか3年程度でCPUが劇的な進化を遂げたことを意味しています。
2017年ごろのCore i7シリーズを使用しているユーザーは、2022年現在、FF14暁月のフィナーレを快適にプレイすることは難しいでしょう。このことからゲーミング用途では、早ければ3年程度、長くとも5年程度で「寿命」を迎えたと言えます。
動画編集用途の場合
従来は動画編集のエンコードはCPU性能に依存していたものの、近年はGPUによるエンコードが可能になりCPU依存度は下がりました。GPUは交換しやすいパーツなので、パーツ交換によって自作PCの寿命を大きく伸ばすことも可能です。
ただしGPUの性能をフルに活かすためには、CPUの性能も求められます。前述の通り、CPUは3年程度で大きく性能が陳腐化するパーツです。そしてCPUの交換は、GPUと比べると難易度の高い作業でマザーボードとの相性の見極めも重要です。
総じてやはり動画編集用途の場合でも、早ければ3年程度で買い替えを検討することになるでしょう。GPUの交換によって延命したとしても、5年~7年程度が寿命の目安でしょう。
事務作業用途の場合
事務作業用途の場合、自作PCの寿命は大きく伸びます。高い処理性能が求められる作業自体が少なく、GPUは基本的に不要。テレワークやオンライン会議をする場合でも2コアのCPUで要件を満たせます。処理能力に余裕を持たせるとしても、4コア8スレッド程度で十分でしょう。
ただ使用しているCPUが「Intel第7世代」(2017年発売)以前の場合、OSの寿命に要注意。第7世代以前のCPUは、Windows11の導入要件を満たせないためです。
Windows10のサポートは、2025年10月までで打ち切られる予定です。2017年以前のCPUを使用している場合、2025年秋までが寿命と言えるでしょう。
上の条件に合致しない場合、端末そのものは7年~10年程度使えるでしょう。
自作PCで壊れやすいパーツは?
前述の通り、自作PCは「壊れたパーツを取り替える」ことである程度延命することも可能です。自作PCの中でも「壊れやすいパーツ」が具体的にどれか、解説します。
精密な部分は意外と頑丈に作られている
例えばストレージは、自作PCの中でもハードに使われるパーツなので、劣化しやすいですが平均5年は使えます。
CPUも負荷がかかりやすいですが、劣化によって使えなくなることは少ないです。CPUとGPUにはサーマルスロットリングという、高温になると動作を控えて発熱を止めるシステムが組まれているためです。発熱が止まらず冷却しきれなくなっても、壊れる前に強制停止される仕組みになっています。
ちなみに冷却性能を重視する場合は、自作PCを組み立てる際にケース選びにもこだわりましょう。筆者の場合は、自作PCに「メッシュパネル」という通気性重視のケースを採用してます。
定期的に掃除やメンテナンスを忘れない
いくら頑丈といえども内部にホコリが入ってしまったり、メンテナンスが不足していたりすると故障してしまいます。定期的に掃除やメンテナンスをするよう心がけましょう。
掃除方法は圧縮空気を使ったエアダスターで、定期的にホコリを吹き飛ばすのが一般的。またフィルターが吸気口にあると、大きなホコリはフィルター掃除だけで除去できます。
これが起きたら買い替え時!注目すべき予兆は?
最後に壊れる前の予兆をチェックしていきましょう。大きなトラブルは小さな問題が積み重なって起こります。ある日、急に電源がつかなくなってからでは遅いです。どうしてもPCが必要な時に使えなくなってしまうのは避けたいですよね。予兆を見逃さずしっかり対処していくことも大事です。
フリーズが頻発する
フリーズが頻発する場合、ストレージが故障しかけている可能性が高いです。ストレージはPCの動作に大きく関わっているため、ここに不具合が出るとフリーズが頻発するのです。放置していると、クラッシュしてデータが取り出せなくなることもあるので、見逃さないことが大事。症状が出たら、買い替えがパーツ交換を検討しましょう。
HDDの容量が十分に使えない
HDDの容量が十分に使えない場合も要注意です。記録装置が十分に動いていないということなので、このまま放置するとデータの取り出しができなくなることも。大事なデータを守りたいのであれば、少しでもおかしいと思ったら交換するようにしましょう。
自作PCの使用年数(寿命)に関するよくある質問
ここからは自作PCの使用年数(寿命)に関するよくある質問をご紹介します。
自作PCの寿命は「パーツ取り換え」を続ける前提ならば「無い」のでは?
壊れた部分のみを交換修理し続ければ、パソコンは寿命を迎えることはありません。ただし「性能の陳腐化」や「新しい規格のパーツが取り付けられない」といった問題は避けられません。
たとえばCPUを交換する場合、既存のマザーボードが新しいCPUにも対応しているか調べる必要があります。非対応の場合、マザーボードも交換しなくてはCPU交換はできません。
CPUもマザーボードも交換する場合、「OSのライセンスを引き継げるか」「パーツはPCケースの中に収まるか」といった問題が生じます。
すると原理上は「パーツを交換すれば寿命はない」とはいえ、現実的には「買い替えをした方が望ましい」という結論になることもあります。
自作PCのパーツ買い替えをする際のチェックポイントは?
自作PCの買い替えをする場合は、既存のパーツとの互換性が保たれているかが重要です。
- 追加パーツが他のパーツと物理干渉しないか
- 接続端子の規格はあっているのか
- 電源容量が消費電力に対して余裕があるか
など。気になる点は様々ありますが、心配な場合はPCショップに持ち込んで相談するのが良いでしょう。またパソコン一式を買い替えるという場合であれば、BTOパソコンを視野に入れると良いでしょう。
寿命を気にして自作PCを使おう!
自作PCの使用年数(寿命)は概ね3年~5年程度で、3年ほどでゲーミング用途では徐々に性能不足になっていきます。5年程度経過すると各パーツの寿命が近づき、交換の必要が生じます。自作PCの強みは簡単にパーツを組み替えられる点です。そのため、故障した部分だけ交換するという対処法を取ることもできます。
主な用途が事務作業であったり、「サブ機」としての利用であれば7年~10年近く使うことも可能です。各パーツの寿命や故障具合などに合わせて、柔軟に修理・買い替えを進めてみてください。