自作PC女子図鑑Vol.05 ひよりまるさんー初めてのマイPCとして選んだ自作PC。白と水色のデスク周りにSNSで反響

ピンク系で統一されることが多い女性の自作PCデスクまわりですが、最近は青系のアイテムで統一するのもトレンドです。白ケースに水色ライトの自作PC、白と水色のキーボード、デスク、チェア、小物……。ポップでかわいらしいPCとデスク周りは、ひときわ目を引きます。

このトレンドを作り上げたのは、TikTokで40万人以上のフォロワーを持つひよりまるさん。自作PCという言葉すら知らなかったという彼女ですが、色や配線にこだわり、パーツ塗装までDIYし、初めてとは思えないほどキレイなPCを作り上げました。しかもこれが初のマイPCというのだからさらに驚きです。

自作PCを軸にデスク周りのカラーを青と白でまとめ、世界観も統一。SNSでバズるなど、自作PCによってさまざまな人生の変化も訪れたといいます。

今回はひよりまるさんの初めての自作PCについて、根掘り葉掘りお聞きしました！自作PCを知らない方、興味はあるものの一歩踏み出せない方の背中を押してくれるはずです。

 PROFILE

ひよりまる

Twitter: @hiyorimarudayo
Instagram: hiy0ri_500ml
TikTok: @hiy0rimaru
YouTube：早速ひよりまる🎧🌨

血液型：B型
出身：沖縄県
身長：146cm
仕事：会社員
趣味：ゲーム（オーバーウォッチ、Dead by Daylight、APEX、オス）
好きな食べ物：シチュー
いまハマっていること：オーバーウォッチ、ネイル
最近うれしかったこと：TikTokがバズったこと

たまたま検索で見つけた水色の自作PCに一目惚れ。「自作って何？でもこれが欲しい！」

今回は沖縄県の撮影スタジオ「フォートカノア」で、ひよりまるさんと愛犬のクックくん をお出迎え。まずは自作PCとの出会いについてお聞きしました。

――本日はよろしくお願いします！ひよりまるさんはなんとTikTokのフォロワー40万人以上いるそうですね。驚異的です。

ひよりまる：私も実感がないんです（笑）Twitterはフォロワーを増やそうと頑張っても増えなかったのに、TikTokはバズってから急激に増えました。

――どんな動画がバズったんですか？

ひよりまる：PC用のキーボードの開封動画です。バズってからデスク周りの画像をいろいろと投稿するようになって、一気に反応がよくなりましたね。

――私もひよりまるさんのTikTokを見ましたが、水色系の自作PCやデスク周りの世界観がめちゃくちゃステキでした。そもそもどんなきっかけで自作をすることにしたんですか？

ひよりまる：3年程前からスマホやPS4のゲームにハマっていました。でも友達がみんなPCゲームに移行し始めたので、ゲーム友達と一緒になんとなく「PC　白」でネット検索していたんです。そうしたら白で中が透けているケースに青色ライトの自作PCの画像が出てきて、それがもうかわいくって……！「これが欲しい！」って思ったんです。

――偶然の出会いだったんですね。もともと自作PCには興味があったんですか？

ひよりまる：全然です。自作PCという言葉すら知らなくて、自分でPCが作れることにまず驚きました。私のゲーム友達も自作がしたいとちょうど思っていたという話になり、「じゃあ一緒に作ってみよう！」ということになりました。それが2021年の4月くらいだったと思います。

――初めての自作って勇気がいると思いますが、そこはすぐに踏み出せたんですね。

ひよりまる：やっぱり一緒に自作する友達がいたことは大きいですね。そのゲーム友達は関西に住んでいるのですが、毎日のようにゲームをしていて仲がいいんです。一人だったら挑戦できなかったかもしれません。

――ひよりまるさんは、PCやメカには詳しいんですか？

ひよりまる：いえ、PC関係の知識はまったくないですね。というより、これまで家には家族共有のデスクトップPCしかなかったので、自分のPCを持つのは今回が初めてなんです。

――え？初めてのマイPCが自作PCですか！？それであんなにキレイに組めるなんて……器用さとセンスがうらやましいです。

ひよりまる：そうなんですかね（笑）ありがとうございます。

小さいケースに収まるパーツ探しに苦労。紙のパンフレットを見ながら試行錯誤し組み立て

PCスペック

周辺機器

――自作の経験もPCの知識もなかったということですが、どうやって準備していったんですか？

ひよりまる：自作経験のあるゲーム友達がいたのでその子に聞いたり、ネットで検索したりしました。YouTubeでせろりんねさんの自作PC動画もチェックしましたね。

――準備では何が一番大変でしたか？

ひよりまる：とにかくパーツ選びが大変でした！最初に見た目重視でケースを決めたんですが、一般的なものよりサイズが小さい製品だったので、ケースに収まるパーツが限られてしまって。マザーボードも小さいものにして、それに組み合わせることができて、かつケースに入るものを探すのに苦労しました。

ゲーミングPCのつもりだったので、グラフィックボードはAPEXが不自由なくできるスペックで考えていました。でも当時はグラボが品薄の時期で、狙っていた白色のグラボの値段が高騰していて……。泣く泣く白色のグラボは諦めて、在庫のあった予定より少しスペックのいいものを買いました。

――グラボ探しはみなさん苦労されていますね。パーツ選びでこだわったのは、やっぱり色ですか？

ひよりまる：はい。グラボ以外はほとんど白で統一しました。ライトはカラーが変えられるRGBライトですが、いつも青色にしています。どうしても最初に検索で見つけた白と青の自作PCのようにしたかったんですよね。

県内のパソコンショップにも行きましたが、結局パーツは全部Amazonで購入しました。予算は20万円だったのですが、オーバーして23万円くらいかかってしまいましたね。

――一緒に自作に挑戦した友達は関西在住なんですよね。となると組み立ては一人でやったんですか？

ひよりまる：作業自体は一人でやったんですが、友達とビデオ電話をつないでおしゃべりしながら進めました。

組み立ての仕方は説明書やパソコンショップでもらったパンフレットに書いてあったので、それを事前に読み込んでイメージはついていました。あと友達の方が私より前に自作を終えていたので、わからない部分があれば教えてもらいましたね。

――紙のパンフレットだけだと配線の仕方とか力の入れ具合とか、わかりにくい部分とかやってみて戸惑う部分もあったんじゃないでしょうか。

ひよりまる：最初は壊しちゃうんじゃないかってビクビクしていました。ただ結構力を入れて押し込んだりしなければいけない作業も多かったので、進めるうちにどんどん大胆にやるようになりましたね。

でもマザーボードにピンを指すときは、場所がわからなくてかなり手こずりました。友達と一緒に調べながら、なんとか乗り切りました。配線も大変でした。ケースが小さいうえにケーブルを延長していたので、なかなか収まらなくて。でもどうしてもPCの表側はキレイに見せたかったので、裏側に無理矢理押し込んだらなんとか入りました。

――最後は力業ですね（笑）

ひよりまる：はい（笑）仕事が終わってから組み立てを始めたのですが、夜8時から翌朝の4時ぐらいまで作業し続けても終わらなくて、一旦寝ました。翌日の昼間に再開してやっと完成したので、1日半くらいかかってしまいましたね。

しかもちょっとしたミスがあって最初はライトが光らなかったんです。少し調整すると無事光ったのですが、カラフルでキレイでめちゃくちゃ感動しました！

水色に統一された世界観がSNSで好評。「もっとみんなの個性あふれるデスク周りを見せてほしい」

ここからはクックくんと一緒に散歩をしながらお話を伺うことにしました。ひよりまるさんにも着替えていただき、向かった先は沖縄市のパークアベニュー。ヤシの街路樹と白い屋根の建物が連なる街並みが魅力のショッピングストリートです。

――ひよりまるさん的に、PCの完成度はいかがですか？

ひよりまる：自画自賛ですが、思っていたよりもうまくできたと思います。組み立ても大変でしたが楽しかったです！

ネジとかフレームとかちょこちょこ白じゃない部分が目についたので、その後もスプレー塗装をするなどして少しずつ求めるPCに近づけていきました。

――スプレー塗装までやったんですか！？結構難しいですよね。自作初心者なのにそこまでこだわるとは……。

ひよりまる：たまたまSNSで見たピンクの自作PCがそういう細かいところまでこだわっていたので、真似してみました。もともと細かい作業は好きで、いとこと一緒にネイルチップを作って販売していますし、DIYをすることもあります。スプレー塗装は初めてでしたが楽しかったです。

グラフィックボードを挿す裏側の部分、表側のネジはもともと違う色だったものをDIYで白くペイントしている

――白と水色のデスク周りって結構珍しいと思うのですが、先ほど水色が好きというわけではないとお話されていましたね。

ひよりまる：はい。他の人のPC周りを見るのが好きで自作をする前からSNSでよくチェックしていました。女性だとピンク系にしている人は多いんですが、水色系にしている人ってほとんど見かけなかったので、自作PCに合わせて白と水色で統一してみることにしました。

――なるほど、そうだったんですね。確かにピンク系は多いので、水色は目を引きます。デスク周りだとどういったものを揃えていったのか、教えてください。

ひよりまる：もともとPS4で使っていたモニターと友達にもらったマウス以外はデスクからチェア、2台目のモニター、モニターアームまでほとんど新規で購入しました。少しずつ買いそろえていきましたが、総額ではPC本体よりもデスク周りの方がお金がかかっています……。どれくらい使ったか考えたくないくらい、貯金をつぎ込みました（笑）

――それは相当かかるでしょうね……。もともと自分のPCがなかったとなると、どうしても必要なものは買っていかないといけないですからね。でも統一感があるし、キーボードとか置物とかもめちゃくちゃかわいいです。

ひよりまる：キーボードは一目惚れして買いました。置物はガチャガチャでゲットしたり、100均で買ったりしたものが多いですね。

TikTokでキーボードの開封動画がバズったのをきっかけにデスク周りを投稿し始めたら「白と水色の統一感がいい」「デスク周り好きです」という反応がたくさんくるようになりました。そこからYouTubeやInstagramも白と水色に統一し始めました。SNSを見ていると最近は水色系にする人も増えてきた気がします。

――それはもしかしたら、ひよりまるさんの影響かも！？

ひよりまる：いやいやそこまでは（笑）。でもキーボードとか置物は同じものを買ったという声をいただくこともあります。真似してくれるのはめっちゃ嬉しいんですが、いろんな人のデスク周りをたくさん見たいので、みんなの個性を生かしたものにしてSNSにアップしてくれたらいいのになとも思っています。

白と青で統一したデバイス類。最近購入した「Yowu」の猫耳ヘッドセットは特にお気に入り

自作をきっかけにゲームや人のつながりなど周囲の環境にも変化。DIYで部屋も進化中

――初めてのマイPCとなった自作PCですが、使い心地はいかがですか？

ひよりまる：とってもいい感じです。YouTubeでゲーム配信をしているのですが、画面にいろいろ表示できるようになったし、画質もいいしですね。おかげで配信回数も増えました。

――今回自作PCに挑戦してみて、率直な感想を聞かせてください。

ひよりまる：自作してみたいという軽い気持ちで始めたんですが、組み立ては思っていたより楽しかったし、自作をきっかけにデスク周りの環境も整えられました。

私のSNSを見て自作PCに興味を持ってくれた人もでてきて、PC関係で質問されることもあるので自分でいろいろ調べるようになりました。情報感度も上がりましたし、活動や人のつながりの幅も広がった気がします。

――自作したことでひよりまるさんに色々いい影響が出てきているんですね。もしかして、すでに次回作も考えていますか？

ひよりまる：はい、もう一台組み立てたいです！今回は簡易水冷でしたが、本格水冷に挑戦したいんです。お金がかかるのですぐにはできないと思いますが、次組むときには撮影もして、組み立て方法をわかりやすく解説した動画を作ってアップしたいと思っています。

――デスク周りもまだまだ進化していきそうですね。

ひよりまる：実は引っ越しを予定していて、今新しい部屋に壁紙を貼ったり窓枠をペンキで塗ったりDIYしているところなんです。色は白や水色、グレーで統一して、空や雲をイメージしてコーディネートするつもりです。完成したらまた配信したいと思います。

初めての自分用PCとして、軽い気持ちでゼロから自作PCに取り組んだひよりまるさん。自作するとなるとついつい身構えて「入念にリサーチしなきゃ」「計画的にやらないと」と考えてしまいがちですが、ひよりまるさんの体験談は「もっと気楽にやっていいんだ」と思わせてくれるものでした。その等身大の発信が今後、自作PCの垣根をもっと低くしてくれるかもしれません。

自作PCも部屋作りもSNSでの発信も、これからいろいろ挑戦してくれるそうなので、今後の活動が楽しみです。

PHOTO BY_中尾たかの（フォートカノア）