予算20万円で組む自作PCのおすすめ構成~コスパがいいパーツ選択と性能
自作PC作成に必要なパーツ
PCの核となるCPUに高価なパーツを選べるのは、予算20万円をかけられる自作PCの特権です。CPUは、Intel製「Core i9-10900K」か、AMD製「Ryzen 7 5800X」を選ぶといいでしょう。両者を比較すると、性能の面でも価格の面でも「Ryzen 7 5800X」がやや上回っていますが、「Core i9-10900K」は軽い処理を高速化するシングルスレッド性能が優秀。ゲーミングPCにも最適です。
また、高性能なCPUを搭載する場合、GPUも重要になります。CPUとGBUに予算の多くを割くことになると考え、選んだものに応じて残りのパーツを決めていきましょう。予算に余裕があるなら、転送速度の速いM.2のSSDを選ぶのもおすすめです。ゲーミングPCとの相性も申し分ありません。
CPU
パソコンの頭脳にあたるパーツで、データの処理スピードを決定付けます。高性能なCPUほどアプリケーションの処理速度が上がり、快適にPCを扱えるようになります。
【20万円の自作PCへのおすすめ】
十分な予算があるので、PCの核には高性能な「Core i9-10900K」や「Ryzen 7 5800X」を選択しましょう。
マザーボード
各種パーツを接続するための基盤となるパーツです。マザーボード側の接続端子によって使用できるパーツが逆算的に決まるので、構成を決める際の基準となります。
【20万円の自作PCへのおすすめ】
マザーボードは拡張性を重視して選ぶといいですが、高いものは発光するなど、人によっては不要な機能がついています。1万円前後のものでも性能は十分でしょう。
メモリ
CPUやGPUが処理を行う際、必要なデータを一時的に保管しておくための作業空間を提供するパーツです。同時に複数のアプリケーションを起動して処理を行いたい場合には、より多くのメモリが必要になります。
【20万円の自作PCへのおすすめ】
必要なメモリは用途によって変わります。予算が20万円あるなら、16GB以上で構成しましょう。ゲームをプレイするなら十分ですが、映像系、音楽系ソフトをメインに取り扱うのであれば、32GB積むべきです。上手くパーツをやりくりすれば、20万円の予算内で十分に対応できます。
GPU
3Dグラフィックスなどの画像処理に特化したパーツで、高性能なものほどグラフィックスの処理性能が高くなります。一般的にはグラフィックボードに搭載されているものを使用しますが、CPUやマザーボードが内蔵している場合もあります。
【20万円の自作PCへのおすすめ】
PCの用途によって、重要性が大きく変わるパーツがGPUです。ゲーミングPCとして使う場合は、妥協せずに高性能なものを選んでください。それ以外の場合はGPUの性能にこだわらなくても問題ありません。
SSD
データの保管庫にあたるパーツの一種です。HDDに比べるとデータ転送速度が速い反面、容量が少なめなことが特徴です。SSDにOSやアプリケーションをインストールすると、PCやアプリケーションの起動を高速化できます。
【20万円の自作PCへのおすすめ】
必要な容量は、PCの用途によって異なりますが、512GB以上のものを選んでおけば問題ないでしょう。より転送速度の速いM.2 SSDも2.5インチSSDとさほど変わらない価格帯になってきているためM.2 SSDを導入することをおすすめします。
サブストレージ(HDD)
データの保管庫にあたるパーツの一種です。SSDに比べるとデータ転送速度は劣りますが、容量が多いことが特徴です。動画や画像など、大容量のデータを保管するのに便利です。
【20万円の自作PCへのおすすめ】
20万円の予算であれば、十分に余裕を持った容量を確保できるでしょう。多くの音楽や動画、ゲームの録画を大量に残しておきたいときなどは、3TB以上の容量があると安心です。
PCケース
PCを構成するパーツを収めるためのケースです。マザーボードにはいくつかの規格があるので、それに合わせたものを購入しましょう。基本的に大きな規格(ATX)に合ったものは、より小さな規格(MicroATX)にも対応しています。
【20万円の自作PCへのおすすめ】
マザーボードに対応したケースを選ぶことが重要です。デザイン性にもこだわれますが、設置場所に合ったサイズのものを選ぶことをお忘れなく。また、大きいケースは内部が広いため、組み込みもしやすいです。
CPUクーラー
発熱するCPUを冷却するためのパーツです。高性能CPUほど発熱量も多い傾向にあり、しっかりと放熱が行われないとパーツの耐用年数が短くなってしまいます。
【20万円の自作PCへのおすすめ】
高価なCPUは発熱しやすいので、CPUクーラーには妥協せずに予算を充てましょう。種類には空冷と簡易水冷がありますが、自作初心者にはコスパがよくて使いやすい空冷式、ハイエンドCPUを搭載する場合は簡易水冷式がおすすめです。
電源ユニット
CPUやSSDなどのパーツに電力を供給するパーツです。各パーツには必要な電圧が決まっており、パーツに合わせて電圧を調整することも電源の役割になります。
【20万円の自作PCへのおすすめ】
電源ユニットには、品質を決める6つのグレードが存在します。予算20万円で自作するのであれば、価格と性能のバランスがいい、GOLDランクのものを選ぶとよいでしょう。
OS
PCを動かすためのアプリケーションです。現状では、もっとも安価で入手できるWindows 10 Home 64bitほぼ一択でしょう。DSP版(パーツとセットで購入し、セットにしたパーツが組み込まれている構成でのみ機能する)を使用すれば3000円ほど価格を抑えられますが、その場合はバンドルするパーツを中長期的に変更しない前提で設定しましょう。
【20万円の自作PCへのおすすめ】
Windows 10 Home 64bitは1万3000円から2万円ほどで購入できます。
予算20万円という大金をかけるなら、コスパを考えることよりも、よりよい性能のパーツを選ぶことが重要になってきます。どちらのパーツを選ぶか悩んだときは、性能を判断材料にするのがおすすめです。あとあと後悔しないマシンを完成させましょう!
予算20万円の自作PCのおすすめ構成例
予算20万円あれば、パーツの選択肢は格段に広がります。しかし、高性能パーツを選びやすい反面、あまりにも高価なものばかりを選ぶと、すぐに予算をオーバーしてしまうこともあります。中でもGPUは価格差が大きく、10万円前後の製品も珍しくありません。。また、ゲームをプレイしたり、動画を編集したりする人以外は、高性能GPUを搭載しても宝の持ち腐れになってしまいます。
こうした用途に合わせ、重視すべきパーツや機能から選んだ3タイプの自作PC構成例を紹介していきます。
- ゲーム性能重視の最新自作ゲーミングPC
- マルチコアで動画編集に向いた自作PC
- おしゃれな小型ケースで取り回しのいい汎用自作PC
また、予算に合わせるために、モニタやキーボード、OSなどは構成から省いています。流用が効く手持ちのパーツと相談しながら、構成を考えるようにしましょう。
ゲーム性能重視の最新自作ゲーミングPC
高いゲーミング性能を誇る最新のAMD製のCPU「Ryzen 7 5800X」と、ZOTAC製のGPU 「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Twin Edge」をセレクトしました。転送速度の速い1TBのM.2 SSDと6TBの大容量HDDを搭載し、大型ゲームのインストールやゲームプレイの録画も安心の構成です。
パーツ | 製品名 | 参考価格(税込) |
---|---|---|
CPU | AMDRyzen 7 5800X BOX | 60,980円 |
メモリ | G.SkillF4-3600C19D-16GSXWB [DDR4 PC4-28800 8GB 2枚組] |
7,629円 |
マザーボード | ASUSTUF GAMING B550-PLUS | 15,880円 |
GPU | ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Twin Edge | 67,980円 |
SSD | WESTERN DIGITALWD_Black SN850 NVMe WDS100T1X0E-00AFY0 | 24,981円 |
HDD | WESTERN DIGITALWD60EZAZ-RT | 10,105円 |
電源ユニット | ANTECNeoECO Gold NE750G | 20,810円 |
PCケース | NZXTH510 Elite CA-H510E-B1 [マットブラック/ブラック] | 9,878円 |
総額 | 218,403円 |
※2021年1月現在の参考価格です。価格は販売店によって異なっている可能性があります。
予算に余裕がある場合は電源をより大きなものにし、GPUを「RTX 3080」などにグレードアップ。さらにゲーミング性能を突き詰めるのもおすすめです。昨今では大容量のゲームも増えてきているため、ゲーム用にSSDを増設、もしくはHDDとの入れ替えもいいでしょう。
<自作PCの性能>
最新のCPUとGPUをセレクトしたこの構成であれば、「Apex Legends」のようなゲームであっても、高いパフォーマンスを維持できるでしょう。より重量級のゲームを快適にプレイしたい場合は、先述した通り電源と共にGPUをRTX 3080にグレードアップするのがおすすめです。
<パーツ購入ページ>
CPU:AMDRyzen 7 5800X BOX
メモリ:G.SkillF4-3600C19D-16GSXWB [DDR4 PC4-28800 8GB 2枚組]
マザーボード:ASUSTUF GAMING B550-PLUS
GPU:ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Twin Edge
SSD:WESTERN DIGITALWD_Black SN850 NVMe WDS100T1X0E-00AFY0
HDD:WESTERN DIGITALWD60EZAZ-RT
電源ユニット:ANTECNeoECO Gold NE750G
PCケース:NZXTH510 Elite CA-H510E-B1 [マットブラック/ブラック]
マルチコアで動画編集に向いた自作PC
ゲームとともに映像や画像の編集など重めの作業にも使用したいという方におすすめの構成です。動画編集などの処理に強い10コアのIntel製CPU「Core i9 10900」を採用。メモリは8GB 2枚の製品を2セットとしています。
パーツ | 製品名 | 参考価格(税込) |
---|---|---|
CPU | IntelCore i9 10900 BOX | 47,940円 |
メモリ | G.SkillF4-3200C16D-16GTZRX [DDR4 PC4-25600 8GB 2枚組]※2セット | 20,760円(1セット10,380円) |
マザーボード | ASRockZ490 Phantom Gaming 4/2.5G | 16,655円 |
GPU | ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Twin Edge | 67,980円 |
SSD | crucialP1 CT1000P1SSD8JP | 11,980円 |
HDD | 東芝MN05ACA600/JP [6TB SATA600 7200] | 14,800円 |
電源ユニット | SeasonicFOCUS-GX-750 | 19,891円 |
PCケース | Corsair4000D Tempered Glass CC-9011198-WW [ブラック] | 12,460円 |
総額 | 212,466円 |
※2021年1月現在の参考価格です。価格は販売店によって異なっている可能性があります。
ストレージには転送速度の速いM.2 SSDと共に、回転数の高い東芝のHDDをセレクトしているため、ファイルのやり取りも比較的スムーズです。GPUも最新の「RTX 3070」を採用し、この1台でプレイしたゲーム動画を編集することも可能です。
<自作PCの性能>
動画編集などの処理にはコア数の多いCPUが最適となるため、今回の構成では比較的安価に手に入る10コアの「Core i9 10900」をセレクトしました。ゲームにも十分に対応できる性能ですが、予算に余裕があり、より高い処理能力を求めている場合は、マザーボードと共にCPUをAMD製の「Ryzen 9 5950X」に変更するといいでしょう。
<パーツ購入ページ>
CPU:IntelCore i9 10900 BOX
メモリ:G.SkillF4-3200C16D-16GTZRX [DDR4 PC4-25600 8GB 2枚組]
マザーボード:ASRockZ490 Phantom Gaming 4/2.5G
GPU:ZOTAC GAMING GeForce RTX 3070 Twin Edge
SSD:crucialP1 CT1000P1SSD8JP
HDD:東芝MN05ACA600/JP [6TB SATA600 7200]
電源ユニット:SeasonicFOCUS-GX-750
PCケース:Corsair4000D Tempered Glass CC-9011198-WW [ブラック]
おしゃれな小型ケースで取り回しのいい汎用自作PC
最後に紹介する構成は自作PCらしい遊びを取り入れた構成です。注目のポイントは「Ryzen 5 5600X」と「RTX 3060Ti」を非常にコンパクトなケースに収めているという点です。初めての自作PCには少々ハードルが高い構成ですが、ゴツゴツしていないスタイリッシュなデザインが魅力となります。
パーツ | 製品名 | 参考価格(税込) |
---|---|---|
CPU | AMDRyzen 5 5600X BOX | 43,760円 |
メモリ | CorsairCMK16GX4M2A2666C16 [DDR4 PC4-21300 8GB 2枚組] | 6,427円 |
マザーボード | ASUSROG STRIX B550-I GAMING | 20,462円 |
GPU | ASUSROG-STRIX-RTX3060TI-O8G-GAMING [PCIExp 8GB] | 72,481円 |
SSD | crucialP1 CT1000P1SSD8JP | 11,980円 |
HDD | 東芝MN04ACA400/JP [4TB SATA600 7200] | 10,798円 |
電源ユニット | SILVERSTONESST-SX800-LTI [ブラック] | 26,800円 |
PCケース | COOLER MASTERMasterBox NR200P MCB-NR200P-WGNN-S00 [ホワイト] | 12,460円 |
総額 | 205,168円 |
※2021年1月現在の参考価格です。価格は販売店によって異なっている可能性があります。
ストレージは転送速度の速いM.2 SSDと回転数の高いHDDを採用しているため、ファイルのやり取りや大型のゲームのインストールにも対応します。
<自作PCの性能>
CPU、GPUともに十分なスペックの製品を採用しているため、ゲームのプレイはもちろん、フルHD程度であれば動画編集もしっかりこなせる構成となっています。なお、ケースはGPUの縦置きにも対応。予算に余裕がある場合はド派手なGPUを採用してもいいでしょう。デスクを飾るPCを探している方におすすめです。
<パーツ購入ページ>
CPU:AMDRyzen 5 5600X BOX
メモリ:CorsairCMK16GX4M2A2666C16 [DDR4 PC4-21300 8GB 2枚組]
マザーボード:ASUSROG STRIX B550-I GAMING
GPU:ASUSROG-STRIX-RTX3060TI-O8G-GAMING [PCIExp 8GB]
SSD:crucialP1 CT1000P1SSD8JP
HDD:東芝MN04ACA400/JP [4TB SATA600 7200]
電源ユニット:SILVERSTONESST-SX800-LTI [ブラック]
PCケース:COOLER MASTERMasterBox NR200P MCB-NR200P-WGNN-S00 [ホワイト]
まとめ
20万円の予算があれば、現状最高レベルの性能を持ったPCを自作できます。ゲームやクリエイティブな作業をストレスなく楽しみたいという方は、長年愛用するパートナーとして、こだわりぬいたマシンを構築してください。