【自作PC女子図鑑Vol.04 瑠花さん】―母と作ったピカピカPCで快適な動画編集。部屋改造の様子をSNSで発信!
自作PCの魅力といえば、自分好みのスペックやビジュアルを実現できること。「でも自分で組み立てるのは難しそう……」と思う方もいるかもしれませんが、自作PCユーザーの中には詳しい友人や家族に頼んだという方もいます。
今回ご紹介する女子大生の瑠花さんも、そのひとり。パーツのセレクトや組み立ては母親にサポートしてもらったという瑠花さんは、完成したPCで動画を編集し、YouTubeやTikTokなどのSNSで発信。特にライトがキレイな自作PCの雰囲気にあわせて部屋を改造していく動画は人気で、多くのフォロワーを抱えています。
今回は趣味嗜好が似ているという仲良し母娘が自作PCに詰め込んだこだわりポイント、瑠花さんの活動などについて、インタビューしました。
PROFILE
瑠花
Instagram: @ruka_minramu
TikTok: @ruka_minramu
YouTube:瑠花 // ruka vlog”
血液型:不明
出身:東京都
身長:154cm
仕事:大学生
趣味:動画編集、ピアノ、イラスト
好きな食べ物:揚げたい焼き
いまハマっていること:動画編集
最近うれしかったこと:大学の春休みの期間が長いと知ったこと
「奇跡の一枚を撮りたい」。母のカメラで写真にハマった高校時代
――自作PC女子図鑑、初めての女子大生の出演です!本日はよろしくお願いします。瑠花さんはTikTokのフォロワーが6万人以上もいるんですね。InstagramやYouTubeでも発信されていますが、どんな経緯で発信を始めたんですか?
瑠花:中学生のころに趣味で撮っていた写真をInstagramにアップしたのが始まりです。学校の友達に「上手だね」と言われたのが嬉しくて、たくさん写真を撮るようになったのがきっかけでした。
――写真はスマホではなくデジタルカメラで撮っていたんですか?
瑠花:はい。もともとスマホで写真を撮るのは好きだったのですが、家に母が使っている一眼レフカメラがあったので、それを借りてから本格的に写真を始めました。YouTubeなどを見ながら独学で撮り方を覚えて、「奇跡の一枚を撮る!」と思って毎回角度などを変えながらこだわって撮影していたら、どんどんハマっていきました。
――奇跡の一枚!微調整しながら撮影し続ける様子が目に浮かびます。高校生のときにはフォトコンテストで賞も受賞されていますね。
瑠花:高校では写真部に入部し、人物写真を撮り始めました。フォトコンテストにも積極的に応募するようになり、ありがたいことにいくつか賞もいただきました。一番嬉しかった賞は、全国高校生現代アートビエンナーレでいただいた大原美術館賞です。
――独学で始めて賞をとるほどのレベルにたどりつくとは、相当努力したんでしょうね。
瑠花:とにかくカメラが好きで、撮影会を主催するなどして撮りまくっていましたね。でも独学で続けていたので、このやり方でいいのかという不安もありました。だからフォトコンテストで審査員の方に評価してもらえたことで「今までやってきたことは間違っていなかったんだ」と安心できました。
――動画を始めたのも高校時代ですか?
瑠花:YouTubeにアップし始めたのは高校入学前の春休みです。Instagramを見ているときに、海辺で撮影されたキレイな動画を見つけて「こんな動画が撮りたい」と思ったんです。一眼レフの動画撮影機能を使った撮影から始めて、今は一眼レフ、GoPro、iPhoneのどれかで撮影しています。
――そうなると、進学先も写真や映像が勉強できるところを選んだんですか?
瑠花:今は都内の美術大学の「クリエイティブイノベーション学科」という学部に在籍しています。写真や映像に特化して学ぶのではなく、彫刻や絵、プログラミング、統計など幅広く学んでいます。「デザイン×ビジネス」をイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれません。
――すごく面白そうですね!でも写真や映像の技術を極めるという道もあったのではないでしょうか?
瑠花:写真は高校時代に風景も人物も、思う存分撮ったという感覚がありました。少し熱が冷めたんだと思います。美術大学には行きたいと思ったものの、美大受験専門の予備校には通っていなかったこともあって、実技試験のないところを探して受験しました。実は映像や写真の学部も受けて合格していたんです。でも将来の夢はまだ決まっていないので、特定の分野に絞ってしまうと選択肢が狭まってしまうような気がして……。いろいろ学べる現在の学部を選びました。
母娘でパーツを選んで作ったピカピカPC。動画編集もサクサク快適に
――写真や動画の撮影・編集をしているということは、ガジェットやPC周りに詳しいんですか?
瑠花:それがPC周りは全然詳しくないんです。そもそもPCを自作することになったきっかけは、動画編集でストレスを抱えていたからなんです。
当時はMacBook Airで動画を編集していたんですが、ともかく動作が重くて……。動画の書き出しにすごく時間がかかるし、途中で落ちてしまうこともありました。ブーンと音がしてPC本体が熱くなったら、保冷剤で冷やしたりしてましたね(笑)。
――動画編集はPCにかなり負荷がかかりますからね。でも最新版のMacに買い替えるという手段もあったと思いますが、なぜ自作することにしたんですか?
瑠花:実は、自作しようと言い出したのは母なんです。デザイナーをしているのでいつもPCの前にいるイメージはありましたが、自作PCのことも知っていたみたいです。もともと色々作ったり、新しいことにチャレンジするのが好きな性格なので、次はPCを作るのか……」って思いましたね(笑)
――お母様はクリエイティブなことがお好きなんですね。
瑠花:母は多趣味で手芸やDIY、ネイル、カリグラフィー、キャンドルなど、これまでいろんなことに挑戦しています。私がPCを買い替えたいと言っていたら、母もこれを機に自作PCに挑戦しようと思ったそうで、家族のLINEに自作PCの情報がどんどん送られてきました。
――お母様が突然新しいことをやり始める状況には慣れっこですね(笑)。お母様は自作の経験があったんですか?
瑠花:いえ、なかったみたいです。私は動画編集が快適にできればよかったので、パーツは一緒に選びましたが、組み立てはほとんど母任せで、私は動画撮影係でした(笑)
――自作PCではビジュアルも大事ですよね!パーツ選びではどんなところにこだわりましたか?
瑠花:LEDがきれいに光る「ピカピカPC」を作りたかったので、ともかく光るパーツを揃えました!色は白で統一しています。SNSやネット検索でいいものを見つけたら母とお互いにLINEで画像を送りあって、パーツを決めていきました。キーボードとかも合わせると、総額24万円くらいかかりましたね。
――パーツ選びでお母様と意見がぶつかることはなかったんですか?
瑠花:母とは好みが似ているんです。もともとカメラも母の趣味ですし、ときどき2人で撮影旅行にも行っています。
――仲良し母娘なんですね。ちなみにお父さんの趣味は……?
瑠花:父は観葉植物にハマっています。みんなそれぞれ趣味が違うんです。
――家族それぞれ好きなものがあるっていいですね。さて、自分でパーツを選んでできあがった自作PC、満足度はいかがですか?
瑠花:使い勝手は快適です!もともとゲーミングPCを意識して作ったんですが、ほとんどゲームはやらず、主に動画編集に使っています。動画編集もサクサクできて書き出しも早いし、文句なしです!しかもピカピカ光ってかわいいので、使っていてテンションが上がります。ライトは好きな色に変えられて、集中したいときは白など、気分に合わせて選べるのもお気に入りです。
――今回はお母様がPCを組み立てましたが、次は自分が作りたいとは……?
瑠花:それが、今の所作るつもりはないんです。自分で組み立てたら壊してしまいそうというのもありますが、なにより、やり始めたらハマってしまいそうな気がして手が出せません(笑)それに今は母が楽しんでいる時期なので、それを見守りたいと思います。
――自作PCには満足されているようですが、デバイスなどで狙っているものはありますか?
瑠花:4Kのワイドモニターがほしいです!モニターアームをつけて設置したいですね。キーボードもテンキーのついた白いものが欲しくて、リサーチしているところです。
娘のためにPCを自作したお母様にもインタビュー!
瑠花さんが使っている自作PCを作ったのはお母様ということで、今回は特別に瑠花さんのお母様にも少しお話をお伺いしました!
PCのスペック
ケース | Corsair / 275R Airflow Tempered Glass -White |
FAN & LED STRIP | EASYDIY / 120mm RGB PWM PCケースファン LEDストリップ付き |
CPU | Intel / Core i7-10700 |
GPU | GALAKURO 玄人志向 / GK-RTX2070SP-E8GB/WHITE/TP |
メモリ | G.SKILL / F4-3200C16D-16GTRS×2 |
ストレージ1 | Silicon Power/ SSD 512GB 3D TLC NAND M.2 2280 PCIe3.0×4 NVMe1.3 P34A60シリーズ |
ストレージ2 | 東芝 / MD04ACA400 4TB アマゾン限定モデル SATA 6Gbps対応3.5型内蔵ハードディスク |
CPUクーラー | ASUS / ROG STRIX LC 240 RGB WHITE EDITION |
マザーボード | ASUS / ROG STRIX B460-F GAMING |
電源ユニット | 玄人志向KRPW-BK750w/85+ |
OS | Windows10 Home |
フィギュア | Pop Sanrio Hello Kitty Anniversary Vinyl Figure |
――お母様から自作を提案したそうですが、もともと興味はあったんですか?
瑠花ママ:自作は前からやってみたかったんです。娘が新しいPCを欲しがっていたときに、たまたまグラフィックボードが品薄になっているというニュースを見て「今のうちにやらないと手に入らなくなる!」と焦っちゃって。ちょうどコロナ禍で在宅勤務になって時間もあったので、やってみることにしたんです。
――すごい行動力ですね!でもまったく前知識がないなか、どうやって進めていったんですか?
瑠花ママ:自作PCの情報を発信している方のYouTubeで勉強しました。ある程度の予算を決めて、娘が快適に動画編集できることを重視してスペックを考え、自作に詳しい友人にもアドバイスをもらいながらパーツを決めていきました。ケースなどは娘と相談しながら決めました。パーツはすべてネットで購入したんですが、グラフィックボードはショップで最後の一台だったと思います。
――ギリギリセーフでしたね。組み立てもYouTubeで学んだんですか?
瑠花ママ:はい。YouTubeにアップされている自作PCの組み立て動画はほぼ全部見たんじゃないでしょうか。日本の動画はもちろん、「PC build」などで検索して、海外で自作PCを組んでいる人の動画もまんべんなく見ていました。 動画で組み立ての流れが頭に入ったところで、実際に組み始めました。
――YouTubeの関連動画を見尽くしたんですか!?いやはや、お母様の徹底ぶりには脱帽です。組み立て作業もほとんど一人でやったそうですね。
瑠花ママ:そうなんです。でも事前に動画で学んではいたものの、実際にやってみると戸惑うことも多かったですね。たとえばメモリーを差し込む作業では、力加減がわからず、ちゃんと入っていなくて最初は認識されませんでした。力を入れると壊してしまいそうでドキドキしましたが、勇気を出して押し込んだら解決できました。
準備に3〜4カ月かかりましたが組み立て作業自体は1日で終わって、2020年の12月ごろに完成しました。
――その行動力にほんとびっくりです。ちなみに2台目は考えていますか?
瑠花ママ:構想はあります。今度はデスクの上に置ける小さいサイズのものを作りたいですね。自分用の予定ですが、娘にお下がりで渡すことも考えています。
自作PCに合わせて部屋を改造した動画がSNSで人気に。これからもいろんなことに挑戦していきたい
デスク周り・ガジェットの詳細
キーボード | RK61 赤軸 ワイヤレス |
マウス | ワイヤレスゲーミングマウス ZIYOULANG X22.4G |
マイク | FIFINE USB コンデンサーマイク |
デスク | IKEA ラグカプテン 200cm |
チェア | DOWINX LS-6899 ホワイト |
――PCは主に動画編集に活用されているそうですね。瑠花さんのSNSでは部屋改造の動画が人気です。部屋のコンセプトやこだわりを教えてください。
瑠花:自作PCに合わせたゲーミング部屋を目指しました!キーボードやマウスはPCと同じ白で光るものを選んで、デスク裏にはテープライトを貼り付けました。
椅子も白いゲーミングチェアを探し、自分で組み立てました。白いものが多くなったので、メリハリをつけるためにデスクはグレーに。PCの周りはすっきりさせたいので、できるだけ物を置かないようにしています。
――自作PCを中心に部屋作りをしたんですね。床も壁もDIYですか?
瑠花:はい!床は白い大理石風のタイルを張りました。壁はゲーミング部屋を意識して蛍光色を入れた模様を考え、1カ月くらいかけて塗りました。でもデスク周りはゲーミング部屋っぽくなったんですが、それ以外の場所は思うようにならず挫折しまして……。今は「大人かわいい部屋」にコンセプトを変更して、壁も塗り替えているところです。
――まだまだ部屋改造は続きそうですね。そもそも改造はいつごろ始めたんですか?
瑠花:受験勉強をしているときに「これだけ毎日過ごす部屋なんだから、居心地のいい空間にしよう!」と思ったのが始まりです。無事受験が終わったタイミングで部屋改造をスタートし、リビングに置いていた自作PCを私の部屋にお迎えしました。
――TikTokの部屋改造動画、クオリティが高くて驚きました!
瑠花:一時期TikTokにかなり力を入れていたんです。バズってフォロワーが増えたらお仕事にもつながるんじゃないとか期待したんですが、大きな変化はなくて……。いまは学校やアルバイトが忙しくなったため、少し更新が停滞気味になっています。
――今は何に力をいれているんですか?
瑠花:3DCGにハマっています。大学の授業でSNSに毎日2、3秒の動画を作って発信していた人がAppleのCMを作ることになったという話を聞いて「やっぱり継続は大事なんだ」と思いました。私も高クオリティのものを作って毎日発信していたら、そういうことも起こり得るんじゃないかと思って、制作した3DCGをInstagramにアップしています。
――今後はどういった活動を頑張っていきたいですか?
瑠花:うーん、まだ一つの道には決められないですね。今は3DCGを頑張っていますが、これも写真やTikTokのようにやれる限りのところまでやったら熱が冷めてしまうかもしれません。でも大学生の間はそれでいいと思っています。いろいろ迷って挑戦していきたいと思います。
母娘で一緒にパーツを選び、母が組み上げたPCで娘は発信活動や学業を頑張る。お互いの好みを詰め込んだ自作PCが、仲の良い母娘の関係性を表しているようで、すごく素敵でした!
瑠花さんのクリエイティブへの関心の強さや興味を持ったことをとことん突き詰めてみる姿勢も、お母様から受け継いだのかもしれませんね。編集部としては、いつか瑠花さんも「私も組み立てたい!」と言い出してくれることを期待しています。
PHOTO BY YURIE PEPE