予算5万円で組む自作PCのおすすめ構成~コスパがいいパーツ選択のコツ
目次
自作PC作成に必要なパーツ
自作PCを動作させるためには、以下のようなパーツが必要になります。
- CPU
- マザーボード
- メモリ
- GPU(グラフィックボード)
- SSD
- サブストレージ
- PCケース
- CPUクーラー
- 電源ユニット
- OS
CPU
パソコンの頭脳にあたるパーツで、データの処理スピードを決定付けます。高性能なCPUほどアプリケーションの処理速度が上がり、快適にPCを扱えるようになります。
【5万円の自作PCへのおすすめ】
周辺機器を整備する場合は5,000円台で買えるCeleron G5905やAthlon 200GEが鉄板です。ゲームや画像編集を行いたい場合は1万5,000円から2万円前後のRyzen 5 3500やCore i5 10400Fなども選択肢に入ってきます。
マザーボード
各種パーツを接続するための基盤となるパーツです。マザーボード側の接続端子によって使用できるパーツが逆算的に決まるので、構成を決める際の基準となります。
【5万円の自作PCへのおすすめ】
まずはCPUに対応したソケットやチップセットを搭載したものを探し、符合したものから安いものを選びましょう。MicroATX規格のものでれば、6000円前後の予算で探せます。
メモリ
CPUやGPUが処理を行う際、必要なデータを一時的に保管しておくための作業空間を提供するパーツです。同時に複数のアプリケーションを起動して処理を行いたい場合には、より多くのメモリが必要になります。
【5万円の自作PCへのおすすめ】
半導体の価格変動に大きく左右されるパーツです。8GBあればある程度は快適な環境を構築可能で、現在は5,000円前後で8GBのメモリを確保できます。また、より快適なPCを組み上げたい場合は+2000円前後で16GBを確保することも検討してください。
GPU
3Dグラフィックスなどの画像処理に特化したパーツで、高性能なものほどグラフィックスの処理性能が高くなります。一般的にはグラフィックボードに搭載されているものを使用しますが、CPUやマザーボードが内蔵している場合もあります。
【5万円の自作PCへのおすすめ】
GeForce GTX 1650が1万5000円ほどで購入可能なので、ゲームをプレイしたいならこの辺りの価格帯が狙い目でしょう。ゲームを遊ばないのであれば、内蔵GPUに頼ることで一切お金をかけないという方法もあります。
SSD
データの保管庫にあたるパーツの一種です。HDDに比べるとデータ転送速度が速い反面、容量が少なめなことが特徴です。SSDにOSやアプリケーションをインストールすると、PCやアプリケーションの起動を高速化できます。
【5万円の自作PCへのおすすめ】
ここ数年で一気に価格が下落したパーツで、手に入れやすくなっています。現在は低容量であれば3000円ほどで250GBの高速ストレージを確保できます。
サブストレージ(HDD)
データの保管庫にあたるパーツの一種です。SSDに比べるとデータ転送速度は劣りますが、容量が多いことが特徴です。動画や画像など、大容量のデータを保管するのに便利です。
【5万円の自作PCへのおすすめ】
現在は8000円前後で4TBの大容量を確保できます。とはいえ、OSをインストールするために使用するストレージとしてはSSDが優れているため、HDDは後日の増設枠に回しましょう。
PCケース
PCを構成するパーツを収めるためのケースです。マザーボードにはいくつかの規格があるので、それに合わせたものを購入しましょう。基本的に大きな規格(ATX)に合ったものは、より小さな規格(MicroATX)にも対応しています。
【5万円の自作PCへのおすすめ】
ケースの規格がマザーボードに合ってさえいれば問題ありません。予算5万円では機能にこだわる余裕はないので、可能な限り安いものを選びましょう。
CPUクーラー
発熱するCPUを冷却するためのパーツです。高性能CPUほど発熱量も多い傾向にあり、しっかりと放熱が行われないとパーツの耐用年数が短くなってしまいます。
【5万円の自作PCへのおすすめ】
5万円で構成する以上、CPUは比較的安価なものを選択することになります。安価なものは発熱量も少ない傾向にあるため、CPUに付属しているクーラーを利用して問題ありません。
電源ユニット
CPUやSSDなどのパーツに電力を供給するパーツです。各パーツには必要な電圧が決まっており、パーツに合わせて電圧を調整することも電源の役割になります。
【5万円の自作PCへのおすすめ】
電源ユニットには、電力変換効率の性能を示す「80PLUS」と呼ばれる規格があり、同規格内には6つのグレードが存在しています。大きな電力を必要とする構成ほど高いグレードの電源ユニットが力を発揮する仕組みとなります。今回はBRONZEグレードで500W以上の出力を持つ電源の中から安いものを探してみましょう。
OS
PCを動かすためのアプリケーションです。現状では、もっとも安価で入手できるWindows 10 Home 64bitほぼ一択でしょう。DSP版(パーツとセットで購入し、セットにしたパーツが組み込まれている構成でのみ機能する)を使用すれば3000円ほど価格を抑えられますが、その場合はバンドルするパーツを中長期的に変更しない前提で設定しましょう。
【5万円の自作PCへのおすすめ】
Windows 10 Home 64bitは1万3000円から2万円ほどで購入できます。
また、PCケースやCPUクーラー、その他の周辺機器などは、手持ちのPCから流用することが可能です。特にキーボードやモニタなどの周辺機器は、PC本体が壊れて動かなくなってしまっている場合でも問題なく機能する場合が多いので、流用できるパーツは流用して、ほかのパーツの購入資金に回しましょう。
予算5万円の自作PCのおすすめ構成例
予算5万円では、あらゆる方面で活用できる万能PCの構築は難しいといわざるを得ません。いずれかのパーツに予算を集中させる形になるので、PCの使用用途と優先順位を明確化し、それに合わせたパーツ選びが重要になります。
実際に予算5万円で自作PCを作ったらどうなるのか、いくつか例を挙げて具体的に考えてみましょう。
- 【Ryzenモデル】多用途に長く使える自作PC
- 【Intelモデル】今後の拡張性を最大限に考えた自作PC
- フォートナイトやAPEXも遊べる自作ゲーミングPC
また、予算に合わせるために、モニタやキーボード、OSなどは構成から省いています。流用が効く手持ちのパーツと相談しながら、構成を考えるようにしましょう。
【Ryzenモデル】多用途に長く使える自作PC
Ryzen 5 3500を採用したCPUを中心に、長期的な運用を考慮した構成です。
パーツ | 製品名 | 参考価格(税込) |
---|---|---|
CPU | Ryzen 5 3500 BOX | 16,148円 |
メモリ | KLEVV KD48GU88C-26N1900 [DDR4 PC4-21300 8GB] | 2,990円 |
マザーボード | A320M-HDV R4.0 | 5,718円 |
GPU | GF-GT710-E2GB/HS [PCIExp 2GB] | 3,927円 |
SSD | MX500 CT500MX500SSD1/JP | 6,480円 |
HDD | DT02ABA400 [4TB SATA600 5400] | 7,205円 |
電源ユニット | KRPW-BR550W/85+ | 5,285円 |
PCケース | Versa H17 CA-1J1-00S1NN-00 | 2,973円 |
総額 | 50,726円 |
※2021年1月現在の参考価格です。価格は販売店によって異なっている可能性があります。
ストレージ部分に予算を割いているため、そのぶんマザーボードは安価で拡張性の低い製品を採用しています。今後のことを考えて追加予算を投じるのであれば、拡張スロットの多いマザーボードに変更するのもよいでしょう。
<自作PCの性能>
500GBのSSDと4TBのHDDを搭載し、ローエンドモデルのGT710ながらグラフィックボードも備えているので、高負荷なゲーム以外であれば問題なく運用できます。CPUの性能が高くメモリもそれなりの容量を備えているため、軽い動画編集程度であればこなせるでしょう。
<パーツ購入ページ>
CPU:Ryzen 5 3500 BOX
メモリ:KLEVV KD48GU88C-26N1900 [DDR4 PC4-21300 8GB]
マザーボード:A320M-HDV R4.0
GPU:GF-GT710-E2GB/HS [PCIExp 2GB]
SSD:MX500 CT500MX500SSD1/JP
HDD:DT02ABA400 [4TB SATA600 5400]
電源ユニット:KRPW-BR550W/85+
PCケース:Versa H17 CA-1J1-00S1NN-00
【Intelモデル】今後の拡張性を最大限に考えた自作PC
IntelのLGA1200ソケットをベースに、ATXケースと同規格対応のマザーボードを採用した、極めて拡張性の高い自作PCです。
パーツ | 製品名 | 参考価格(税込) |
---|---|---|
CPU | Celeron G5925 BOX | 5,800円 |
メモリ | W4U2666CX1-8G [DDR4 PC4-21300 8GB 2枚組] | 5,808円 |
マザーボード | Z390 Pro4 | 12,230円 |
GPU | なし | 0円 |
SSD | MX500 CT500MX500SSD1/JP | 6,480円 |
HDD | なし | 0円 |
電源ユニット | NeoECO Gold NE750G | 9,877円 |
PCケース | P101 Silent | 9,485円 |
総額 | 49,680円 |
※2021年1月現在の参考価格です。価格は販売店によって異なっている可能性があります。
グラフィック性能はCeleron G5925に任せ、予算の大半をメモリとマザーボード、および電源ユニットに投入しています。CPU、グラフィックボード、HDDは後ほど拡張していく前提の構成です。
<自作PCの性能>
合計16GBのメモリと、安定性と出力の高い電源ユニットを搭載しているため、確実な動作が見込めます。一方、データ処理性能は低めなので、最初は軽量なゲームや動画視聴用マシンとして利用し、よりハイクオリティなゲームを遊びたくなったら、1万5000円~3万円前後のグラフィックボードを導入しましょう。拡張スロットにも余裕をもたせているので、自作を学び、増設を楽しみながら新たなPCを組みたい人にオススメです。
<パーツ購入ページ>
CPU:Celeron G5925 BOX
メモリ:W4U2666CX1-8G [DDR4 PC4-21300 8GB 2枚組]
マザーボード:Z390 Pro4
SSD:MX500 CT500MX500SSD1/JP
電源ユニット:NeoECO Gold NE750G
PCケース:P101 Silent
フォートナイトやAPEXも遊べる自作ゲーミングPC
フォートナイトやApex Legendsといった人気PCゲームを動作させることを想定したゲーミングPCの構成例です。
パーツ | 製品名 | 参考価格(税込) |
---|---|---|
CPU | Core i3 10100F BOX | 9,980円 |
メモリ | W4U2666CX1-8G [DDR4 PC4-21300 8GB 2枚組] | 5,808円 |
マザーボード | H410MH | 6,980円 |
GPU | GF-GTX1650D6-E4GB/DF2 [PCIExp 4GB] | 14,850円 |
SSD | MX500 CT250MX500SSD1/JP | 4,690円 |
HDD | なし | 0円 |
電源ユニット | KRPW-BK650W/85+ | 5,698円 |
PCケース | Versa H17 CA-1J1-00S1NN-00 | 2,973円 |
総額 | 50,979円 |
※2021年1月現在の参考価格です。価格は販売店によって異なっている可能性があります。
高いコストパフォーマンスを持つGeForce GTX1650を中心に、ゲームプレイに必要な機能をそろえています。そのため、ストレージやマザーボードは安価なものを選択しています。
<自作PCの性能>
Apex Legendsの必要動作環境は、CPUがIntel Core i3-6300 3.8GHz以上、GPUはNVIDIA GeForce GT 640以上となりますので、この構成であれば問題なく動作させられます。ただし、推奨動作環境には届いていないため、快適にプレイするためには表示レベルを下げるなどの設定面の調整が必要になるでしょう。
CPU:Core i3 10100F BOX
メモリ:W4U2666CX1-8G [DDR4 PC4-21300 8GB 2枚組]
マザーボード:H410MH
GPU:GF-GTX1650D6-E4GB/DF2 [PCIExp 4GB]
SSD:MX500 CT250MX500SSD1/JP
電源ユニット:KRPW-BK650W/85+
PCケース:Versa H17 CA-1J1-00S1NN-00
まとめ
それぞれ用途は限定されてしまうものの、5万円あれば目的に合わせたPCを組み上げられることがわかりました。何よりも重要なのは、これから作り上げるPCの使い道を事前にしっかりと具体化して、それに必要な性能を確保することです。予算が事前に決まっているのであれば、逆算的に構成が決まっていくことでしょう。こちらで紹介した構成例や、各パーツの用途を参考にして、自分だけのPCを組み上げてみてください。