「はじめて自作」第22回 これさえ見ておけばお店でも安心!初めての自作で知っておくべきパーツのポイント – CPUクーラー編
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CPUを冷やすための「CPUクーラー」には、CPUに付属しているCPUメーカー純正のものや、他メーカーがクーラー単体で販売しているもの、そして冷却方法の違いなど色々な種類があります。それぞれの特徴をしっかり押さえて、最適なCPUクーラーを見つけましょう。
冷却方法は大きく「空冷」と「水冷」の2つ
CPUクーラーの冷却方法には、大きくわけて「空冷」と「水冷」の2つがあります。それぞれ読んで字のごとく、前者は「空気の循環を使って冷却」し、後者は「冷却水を使って冷却」します。
・空冷タイプのCPUクーラー
ファンとヒートシンクを使って冷却するタイプのCPUクーラーです。ファンが上部についている「トップフロー型」と、横についている「サイドフロー型」があります。トップフロー型は、広い範囲に風が届き、CPUだけでなくマザーボードに取り付けられたチップセットやメモリなども冷却することができます。サイドフロー型は、パソコン内部の空気の流れ(エアフロ―)に逆らわず、ファンから空気を取り込み、CPUを冷やした後の熱い空気をケース背面のファンから排気ができます。
・水冷タイプのCPUクーラー
冷却液と冷却ユニット、ラジエーターを使用したCPUクーラーです。冷却ユニットをCPUに、ラジエーターをケース背面に取り付け、その間で冷却液を循環させることにより放熱します。
さて、空冷と水冷、どちらが冷却効果が高いのでしょうか?
結論としては、空冷でも十分な冷却効果は得られますが、水冷は外気温に左右されないため、夏場等は空冷に比べ冷却効率は高いです。ですが、水冷CPUクーラーはラジエータ等がある分価格も高くなりがちなので、予算を視野に選んでもよいかもしれません。空冷で高い冷却効果を得る場合は、CPUクーラー本体が大きいものを選ぶ場合が多いです。その場合、CPUクーラーに付属しているリテンションを使うことが多いのですが、マザーボードへの取り付けがやや複雑になります。
そして、「稼働音」です。CPUクーラーは、ファンを使う分、「音」が発生します。そのため、「ファンの音が気になる…」人は、CPUクーラーのスペック情報に記載してある、「ノイズレベル(dBA)」を確認しましょう。数字が小さければ小さいほど、音が静かです。
CPUメーカーと形状、クーラーの高さをしっかり確認!
CPUクーラーを選ぶときに、必ず確認しなければならないのが、「対応ソケット」です。使うCPUのソケット形状にあったCPUクーラーを必ず選びましょう。CPUクーラーの中には、専用のキットを同梱して、様々なソケットにあうようなものもあります。
次に、CPUクーラーの幅や高さを確認しましょう。サイズは、製品の外箱やホームページに書いてあります。ケースに比べてCPUクーラーのファン部分が高かったり、幅が広かったりすると、ケースが閉められなくなったり、メモリなどがうまく取り付けられなかったりします。また、マザーボードの中には、チップセットの上にヒートシンク(銀色の部品)が取り付けられているものもあり、それと干渉してしまうこともありますので、購入する前に、それぞれの製品を調べたり、わからない場合は店員さんに確認したりしましょう。
水冷CPUクーラーの場合は「ケースファンの取り付け位置の形状」も併せて確認しましょう。水冷の場合、パソコン内部の放熱をラジエーターで行いますが、このラジエーターをケースの背面ファンの部分や、ケースの天井部分に取り付ける必要があります。ラジエーターのサイズが合っていないと、ケースに取り付けられない!という事態になってしまいますので、ケースメーカーのホームページなどを確認し、必ずその部分のサイズを確認しましょう。また、ケースの天井部分とマザーボードの端が狭いと、ラジエーターが取り付けられないということもありますので、天井部分を使用する大型水冷CPUクーラーの場合は注意しましょう。
CPUクーラー・種類ごとのまとめ
種類ごとにメリット・デメリットをまとめてみました。
自分が一番重要視するところはどこか、をポイントに選ぶとよいかもしれませんね。逆にケースを重要視する方は、ケースに入るかどうか、サイズから選んでいくとよいかもしれません。
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次回はメモリ
次回はCPUやマザーボードと合わせて確認が必要な、メモリとそのスペックの読み方と選び方をご紹介します。
★ オマケ:「グリス」について
CPUクーラーを取り付ける際に、必ず必要なのが「グリス」。このグリスは、CPUから発せられた熱を、効率よくCPUクーラー(のヒートシンク部分)に伝え、放熱するための重要なものです。グリスは、CPUクーラーに付属している場合がほとんどですが、別途グリスだけ購入することもできます。冷却性にこだわる方は、グリスの仕様にもこだわってもおもしろいかもしれませんね!グリスを塗るのが面倒!という方には「貼るタイプ」のものもあるようです。