「はじめて自作」第26回 これさえ見ておけばお店でも安心!初めての自作で知っておくべきパーツのポイント – マザーボード(後編)
>> 関連記事 :「はじめて自作」第25回 これさえ見ておけばお店でも安心!初めての自作で知っておくべきパーツのポイント – マザーボード(前編)
前回は、マザーボードのスペックの見方と選び方について説明しました。今回は、主要メーカーのボードブランドや機能に焦点をあてて説明したいと思います。
現在、自作パソコンにおける主要なマザーボードメーカーブランドは、「ASUS(エイスース)」、「ASRock(アスロック)」、「MSI(エムエスアイ)」、「GIGABYTE(ギガバイト)」です。いずれも台湾に本社を置くマザーボードメーカーです。4社とも、自社特有の機能や、用途に特化したマザーボードをラインナップしていて、この4社がラインナップしている現行のマザーボードでもかなりの数になります。その中から、自分に合ったマザーボードを選ぶために参考になりそうな製品シリーズや機能を、今回は紹介したいと思います。
昨今、どこのマザーボードメーカーも、PCゲーム向けに特化したラインナップをそろえており、それぞれ独自に機能を搭載していたり、マザーボードの部品にこだわっていたりしています。どのメーカーが優れている!ということはなく、それぞれに特徴がありますので、その特徴を捉えて、自分の欲しいパソコンが構成できる1枚を選びたいですね。
ASUS:世界シェアNo.1。マザーボードの最大手。
パソコンやスマートフォンで、その名前を聞いたことがある方も多いと思います。老舗で最大手、世界一のシェアを誇るマザーボードメーカーです。ゲーム向けのシリーズ(R.O.G)や、物理的な耐久性に優れたシリーズ(TUFシリーズ)をラインナップしています。R.O.Gシリーズは、ゲーマーやオーバークロックユーザー向けのシリーズらしく、オーバークロックや冷却性能を自動チューニングする機能や、高品質なオーディオ機能、PCのライトアップに欠かせないRGBコントロール機能などが搭載されています。
TUFシリーズは、耐久性に優れたシリーズブランドで、グラフィックカードを保護する物理的設計や、静電気を防御する機能、安定した電力供給や温度体制に優れた部品を使用しています。ゲーム向け以外にも、Primeシリーズなど、メーカーの独自機能を搭載しつつ、ラインナップに富んだ汎用性の高いマザーボードを多数ラインナップしています。
ASRock:元はASUSの子会社。勢いを増しているマザーボードメーカー。
最近かなり名前を聞くようになったメーカーで、価格が他のメーカーより手頃という印象のため、コストパフォーマンスが良いという印象があるようです。ASRockは、ユーザーの要望に幅広く対応する、というコンセプトの「Taichi」シリーズを展開しています。また、こちらもゲーム向けの「FATAL1TY GAMING」シリーズをラインナップしており、耐久性の高い部品やイルミネーション機能などを搭載しています。また、製品によっては、Type-AとType-Cの2つのUSB3.1ポートを搭載していたり、Wi-Fiを搭載していたりと、インターフェイス部分の選択肢が多いことも魅力です。
MSI:最近はゲーミングノートPCなど、PC本体でも活躍中。
昨今、ノートやデスクトップにおけるゲーミングPC本体のラインナップが多い、こちらも老舗のマザーボードメーカーです。また、ゲーミングPC本体に負けず、ゲーミングマザーボードのシリーズも3種類あり、ラインナップとデザインに富んだ展開を行っています。上位から「Enthusiast GAMING」「Performance GAMING」「Arsenal GAMING」となっており、同じシリーズ内でも、もてる機能をフル搭載したものや、イルミネーション機能を搭載したもの、自動オーバークロック機能を搭載したものなど、バリエーションに富んでいます。
GIGABYTE:老舗のマザーボードメーカー。小型PCベアボーンもラインナップ
ASUS、MSIとならんで、三大マザーボードメーカーと呼ばれているのがGIGABYTEです。メーカーとして、小型PCと小型ベアボーンをラインナップしているのが特徴です。マザーボードは5種類のシリーズに分けられており、こちらもオーバークロック向けのチューニング機能などを搭載した「OCシリーズ」、ゲーミングPC向けのデザインや設計を施した「AORUS Gaming」シリーズなどゲーム向けのシリーズなどに分けられています。
※各シリーズ、製品によっては機能の搭載/非搭載がありますので、詳しくはメーカーのホームページ等をご確認ください。
どのメーカーも「こだわり」を持った展開が特徴
主要メーカー4つを紹介しましたが、
・オーバークロック、ゲームなど高パフォーマンス向け製品の展開
・汎用性や拡張性、信頼性の高い製品の展開
・ユーザーが使いやすい各種ツールなどの提供
・高品質で耐久性のある物理的仕様
・システムや安定稼働、省電力を実現する機能
など、パソコンを使う上で欠かせない要素はすべてのメーカーが持っています。自作初心者であれば、日本語マニュアルがついているかどうか、メーカーとしてのサポートはどうかなどの観点で選んでもよいでしょう。
>> 関連記事 :「はじめて自作」第27回 これさえ見ておけばお店でも安心!初めての自作で知っておくべきパーツのポイント – グラフィックカード(前編)
次回はグラフィックカードの選び方とスペックをご紹介
マザーボードの次は、今や欠かせない存在となった「グラフィックカード」の選び方とスペックの見方をご紹介します。CPUと同じく、性能の差によって色々なラインナップのあるグラフィックカード。その中から、用途に合ったものを見つけるために必要なスペックと機能を説明します。